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25 侯爵邸でー2
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侯爵に向き直った俺は、一度深呼吸をしてから、
「お察しの通り、俺達は正規な手続きをせずに王都にも、今までの街にも入ってました。いけない事と分かっていても、王都に入るお金はなかったし、旅の終わりが分からない以上、無駄なお金は使いたくなかったからです」
「街に入るお金が無駄だと?」
侯爵は少し眉を上げたが、すぐに戻した。
「はい。王都から出た後、最初の街では普通に門から入ろうとしました。しかし、俺達が子供だけで何も分からないだろうと、倍のお金を要求されました。俺達もバカじゃない。ちゃんと調べてから並びました。周りも助けてはくれず、一緒になってニヤニヤ笑ってましたよ。これが無駄でなくなんだと言うのです」
俺の話を聞いている間、侯爵は苦虫を潰したような顔をしていた。
「どこもかしも腐ってる。真面な人は早々に後任に任せ引っ込んでしまう。いつかこの国も滅ぶだろうな」
最後は誰ともなく呟いた。
「はぁ、本当に申し訳ない。侯爵家の家紋の入った札を渡そう。そうすれば侮られることもない」
俺はため息を吐きそうになるのを我慢して、首を振った。
「どこで盗んだと言われるのがオチです。そのお気持ちだけ受け取ります」
「そうそう発行するものではないんだがな。しかし、確かに平民の子供が持っているのは不自然か」
俺達がいき詰まっていると、
「お話に割り込む失礼お許しください。旦那様、札に旦那様が直筆で一筆お書きになられれば良いのではないでしょうか」
侯爵は執事の言葉に同意し
「ああ、それは良い考えだ。よしセバス、札をとペンをここへ」
「かしこまりました」
そう言って執事は部屋を出ていった。
「(執事と言ったらセバス!出たよセバス!)」
と俺は少し違う所で興奮してしまった。落ち着くためと、長く話していた事で喉が乾いてたのでお茶を飲んだ。
執事はすぐに、札とペンを持って戻ってきた。
それを侯爵の前に置き、侯爵はペンを持ってなにかを書き出した。
俺達は何もすることがないので、お茶を飲んだりお茶菓子を食べたり、トイレを借りたりして、時間を潰してた。
インクが乾くまで待って、侯爵が札を俺に渡した。
「これで大丈夫だ。これから先も、ここのように簡単に入れないところもあるだろうし、不法浸入がバレることもあるだろう。次からは正規な門を通って行きなさい。その札があれば、商会ギルドで物を売ることも出きるから、お金の心配もなくなるだろう?魔物の素材、結構溜まってるんじゃないか」
「侯爵様、ありがとうございます」
確かに、一度商会ギルドに持っていったけど、二束三文にしかならず、売るのをやめた。売らないと言えば、お金をつり上げてきたけど、信用できないので無視して商会ギルドを後にした。
受け取った札を見ると、
[この札を持つ4人の人物は、スィート侯爵が認めし者。決して無下にする事なかれ]
と書かれていて、札の裏には俺達の名前が書かれてた。
今日は侯爵のすすめで、侯爵邸に泊まる事になった。夕食もご馳走になり、一人一部屋と言われたのを、4人で一部屋でいいと断り、割り当てられた部屋でくつろいでいると、
「ミクリは色々と危ういな。あまりにも正直過ぎる。まぁ、それが良いところでもあるんだけどな」
「それも含めて、トーダはミクリをリーダーにしたんでしょう」
「文句は受け付けません!」
そう言って、俺はベットに入った。ラインはとっくに夢の中だ。体は疲れていたようで、俺もすぐに眠りについた。
翌朝、メイドに起こしてもらい、身支度も手伝おうとしたので丁重に断り、自分達で身支度をし食堂へ案内してもらった。侯爵達は皆揃っていた。昨日の夕食の時に初めて知ったけど、ミカエルくんの上に二人の兄がいた。
あの時も一緒に居たらしいんだけど、あまり大勢で押し掛けるのもってことで、侯爵夫妻と当事者のミカエルくん、それに護衛だけで来たらしい。だけって、それでも多かったよ。
改めて、お兄さん達からもお礼を言われた。仲の良い家族だ。
朝食もいただき、侯爵の案内で商会ギルドへ行き、溜まっていた素材を売った。そのまま街の出口まで行き、
「色々とありがとうございました」
「気にすることはない。しかし、あてがあって進んでるのかい?」
「風の吹くまま、気の向くまま。神様が導いてくれますよ」
つまり、適当に進んでいるだけだ。あっ、トーダ達がビックリしてる。そうだよね、迷いなく進んでたもんね、俺。
「・・・気をつけて行きなさい。神の導きのままに」
「ありがとうございます。体に気をつけて。お元気で」
そう言って、俺達はまた歩きだした。、、と良い感じだったのだけど、しばらく歩いて人通りが少なくなった辺りで、トーダ達は足を止めた。
「当てずっぽうで進んでるのか?」
あり得ないとトーダ達の顔に書いてあった。
「だって神様、ただ浄化してくれって言っただけで、居場所に関しては言ってなかったんだもん」
「だもんって、お前なぁ」
まぁ、俺も旅立ってから気がついたんだけどね?居場所聞いてないの。あんな意気揚々と出ていって、居場所が分からないって、また教会に戻るの恥ずかしいじゃん。
「まぁ、なんとかなるって」
風の吹くまま、気の向くまま。神様、道案内よろしく!
「お察しの通り、俺達は正規な手続きをせずに王都にも、今までの街にも入ってました。いけない事と分かっていても、王都に入るお金はなかったし、旅の終わりが分からない以上、無駄なお金は使いたくなかったからです」
「街に入るお金が無駄だと?」
侯爵は少し眉を上げたが、すぐに戻した。
「はい。王都から出た後、最初の街では普通に門から入ろうとしました。しかし、俺達が子供だけで何も分からないだろうと、倍のお金を要求されました。俺達もバカじゃない。ちゃんと調べてから並びました。周りも助けてはくれず、一緒になってニヤニヤ笑ってましたよ。これが無駄でなくなんだと言うのです」
俺の話を聞いている間、侯爵は苦虫を潰したような顔をしていた。
「どこもかしも腐ってる。真面な人は早々に後任に任せ引っ込んでしまう。いつかこの国も滅ぶだろうな」
最後は誰ともなく呟いた。
「はぁ、本当に申し訳ない。侯爵家の家紋の入った札を渡そう。そうすれば侮られることもない」
俺はため息を吐きそうになるのを我慢して、首を振った。
「どこで盗んだと言われるのがオチです。そのお気持ちだけ受け取ります」
「そうそう発行するものではないんだがな。しかし、確かに平民の子供が持っているのは不自然か」
俺達がいき詰まっていると、
「お話に割り込む失礼お許しください。旦那様、札に旦那様が直筆で一筆お書きになられれば良いのではないでしょうか」
侯爵は執事の言葉に同意し
「ああ、それは良い考えだ。よしセバス、札をとペンをここへ」
「かしこまりました」
そう言って執事は部屋を出ていった。
「(執事と言ったらセバス!出たよセバス!)」
と俺は少し違う所で興奮してしまった。落ち着くためと、長く話していた事で喉が乾いてたのでお茶を飲んだ。
執事はすぐに、札とペンを持って戻ってきた。
それを侯爵の前に置き、侯爵はペンを持ってなにかを書き出した。
俺達は何もすることがないので、お茶を飲んだりお茶菓子を食べたり、トイレを借りたりして、時間を潰してた。
インクが乾くまで待って、侯爵が札を俺に渡した。
「これで大丈夫だ。これから先も、ここのように簡単に入れないところもあるだろうし、不法浸入がバレることもあるだろう。次からは正規な門を通って行きなさい。その札があれば、商会ギルドで物を売ることも出きるから、お金の心配もなくなるだろう?魔物の素材、結構溜まってるんじゃないか」
「侯爵様、ありがとうございます」
確かに、一度商会ギルドに持っていったけど、二束三文にしかならず、売るのをやめた。売らないと言えば、お金をつり上げてきたけど、信用できないので無視して商会ギルドを後にした。
受け取った札を見ると、
[この札を持つ4人の人物は、スィート侯爵が認めし者。決して無下にする事なかれ]
と書かれていて、札の裏には俺達の名前が書かれてた。
今日は侯爵のすすめで、侯爵邸に泊まる事になった。夕食もご馳走になり、一人一部屋と言われたのを、4人で一部屋でいいと断り、割り当てられた部屋でくつろいでいると、
「ミクリは色々と危ういな。あまりにも正直過ぎる。まぁ、それが良いところでもあるんだけどな」
「それも含めて、トーダはミクリをリーダーにしたんでしょう」
「文句は受け付けません!」
そう言って、俺はベットに入った。ラインはとっくに夢の中だ。体は疲れていたようで、俺もすぐに眠りについた。
翌朝、メイドに起こしてもらい、身支度も手伝おうとしたので丁重に断り、自分達で身支度をし食堂へ案内してもらった。侯爵達は皆揃っていた。昨日の夕食の時に初めて知ったけど、ミカエルくんの上に二人の兄がいた。
あの時も一緒に居たらしいんだけど、あまり大勢で押し掛けるのもってことで、侯爵夫妻と当事者のミカエルくん、それに護衛だけで来たらしい。だけって、それでも多かったよ。
改めて、お兄さん達からもお礼を言われた。仲の良い家族だ。
朝食もいただき、侯爵の案内で商会ギルドへ行き、溜まっていた素材を売った。そのまま街の出口まで行き、
「色々とありがとうございました」
「気にすることはない。しかし、あてがあって進んでるのかい?」
「風の吹くまま、気の向くまま。神様が導いてくれますよ」
つまり、適当に進んでいるだけだ。あっ、トーダ達がビックリしてる。そうだよね、迷いなく進んでたもんね、俺。
「・・・気をつけて行きなさい。神の導きのままに」
「ありがとうございます。体に気をつけて。お元気で」
そう言って、俺達はまた歩きだした。、、と良い感じだったのだけど、しばらく歩いて人通りが少なくなった辺りで、トーダ達は足を止めた。
「当てずっぽうで進んでるのか?」
あり得ないとトーダ達の顔に書いてあった。
「だって神様、ただ浄化してくれって言っただけで、居場所に関しては言ってなかったんだもん」
「だもんって、お前なぁ」
まぁ、俺も旅立ってから気がついたんだけどね?居場所聞いてないの。あんな意気揚々と出ていって、居場所が分からないって、また教会に戻るの恥ずかしいじゃん。
「まぁ、なんとかなるって」
風の吹くまま、気の向くまま。神様、道案内よろしく!
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