ダンジョンからの招待状

菻莅❝りんり❞

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8 第一関門❝迷路❞

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鏡の先は思っていた場所と違った。
ミラーワールドでも別のお店でもなく、ゲームでお馴染みのダンジョンのボス部屋みたいなところだった。

「あらあらあら。まさかこんなに早くここに来るとは思わなかったわ。貴方が一番のりよ」

上から声がしたので見上げれば、巨大な女郎蜘蛛が細い蜘蛛の糸をたどって降りてきていた。

「ひっ!」

昔、、前世から蜘蛛やゴキブリなんかは苦手で、思わず引きつった声が出て、数歩後ずさった。

女郎蜘蛛、ネフィラは地面に降りたら、そんな俺の態度に

「失礼しちゃうわ。こんな美しい私を見て、悲鳴を上げるなんて」

となんかクネクネしながら言った。その動きがまた、俺の中の恐怖を爆上げた。

「あ、あの。ううん」

裏返った声が出たので、一度喉をならして

「あの、もしかして迷路はクリアして、今度はあなたと戦うのか?」

未だにクネクネして、自画自賛中のネフィラに声をかけた。

するとネフィラは動きを止めて、赤い目を俺に向けた。

「!!」

今度は悲鳴を上手く飲み込めた。

「そうそう、そうよ。迷路のクリアおめでとう。ずっと見ていたけど、最初の向け道を見つけてからは早かったわね。観察力と頭の柔軟性。お見事よ。
それと、確かに私はここのボスだけど、私とは戦わないわよ。だけど、無条件でこの先には行けないわ」

ネフィラは赤い目を細めて

「さあ、第一関門最後よ。今までいた迷路にある文字が隠されていたの。その文字はなに?」

「え?」

嘘だろう、、、、そんなの知らねぇよ!

俺は迷路を覚えているだけ思い出してみた。

書店、本、本棚。玩具屋、ミニカー、線路、列車、ぬいぐるみ。洋服屋、色々な服の壁、試着室。

「うーん、うーん、うん?」

書店や洋服屋はまだ分からないけど、玩具屋。
ミニカーの配置と線路、、、

「あ!」

俯瞰して見たら、見えた。

「あの、文字は一つだけか?それともそれぞれの場所の文字が隠されているのか?」

俺はズルかもしれないけど、教えてくれるか分からないけど、一縷の望みをかけて聞いてみた。

「それは教えられないわ。それも含めての問題だもの」

くそっ、やっぱり教えてくれないか。しかし、いくら思い返しても、書店と洋服屋は分からなかった。だから俺は、一か八かの勝負に出た。

「ネフィラ、答え合わせだ。答えは、、、酒池肉林」

「ファイナルネフィラ?」

「ファ、ファイナルネフィラ」

よくこのネタ知ってるな、この蜘蛛。
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