一人、辺境の地に置いていかれたので、迎えが来るまで生き延びたいと思います

菻莅❝りんり❞

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38 あたらしいごーれむ!

「リック!大丈夫か!!」

と突然人間サイズのアスエルが現れた。

「ぎゃー!」

とアロードは叫ぶと気絶した。

「おっと、他に人間が居たのか」

とアスエルは気絶したアロードといまだに目覚めてないアルードをまじまじと見て、眉間にしわを寄せた。それを見て

「あろーども、あるーども、わるくないよ!わるいのは、わるいおとな!」

とぼくは叫んだ。目に涙を溜めているぼくを見て、アスエルは優しく微笑むと

「わかってるよ、リック。ただ可哀想なことをするなと思っただけで、怒ったのはその悪い大人にだよ」

とぼくに近寄り頭を撫でた。暫く撫でた後

「少し場所を移動しようか」

と言って指を鳴らした。すると一瞬で訓練所に移動した。

「しゅかんいどー!」

「ふふ、リックは物知りだね。リックの前世には魔法はなかったはずだよね?ああ、そういった物語が多くあるのか」

エメリアもだったけど、勝手に人の記憶見て欲しくないんだけど、、、

ジト目でアスエルを見ていたら、軽い感じで謝った。

「ぶー!」

「あはは、ごめんごめん。でもリック。今は時間がおしいからその頬をしぼめてほしいな」

と言って、ぼくの頬をツンツンとした。

「おおぉ。柔らかい」

「めっ!」

まだ怒っているので、アスエルの手をぺちんとした。

幼児の力だ。それほど痛くは無いのに

「イテテ」

と笑いながら手を擦った。

「おはなし、あるんでしょ?」

いつまでも経ってもこのやり取りが終わりそうにないので、無理やり終わらせた。

「そうだったそうだった。あのね、リックにこの魔石を使ってゴーレムを作って欲しいんだ。出来れば、空を飛べるやつ」

アスエルから渡されたのは、虹色に輝く、ぼくの顔くらいある魔石だった。

「おっきいぃ。きれいね」

そんなぼくのリアクションに、アスエルはにっこりと笑い

「そうだろう?これは妖精界にしか無い❝魔虹石(まこうせき)❞っていう魔石なんだ。さぁリック。ここにそれを置いて」

と、いつの間にか魔法陣が描かれていた。

「付与したい内容は頭の中で思い浮かべながら、ゴーレムを作ってみて」

「つちは?」

「いらないんだ。この魔虹石は特殊だからね」

ディアから降ろしてもらって、魔法陣に手をついた。

(う~ん。基本的なもので、❝意思疎通/学習機能/声帯機能❞は標準装備だよな。鳥のゴーレムを作るにしても、飛ぶという動作が無いと飛べないよね?じゃぁ❝飛行/着地❞でしょう)

「ねぇ、あすえる。このごーれむはとけない?」

「溶けないよ」

アスエルはぼくの言いたい事が分かったのか、すぐに即答した。

(じゃぁ、それに関してはいらないか。う~ん。他は思いつかないなぁ。まぁ、後付けで付与も出来るから今はこれでいいか。後は、どんな鳥にするかだけど、やっぱりかっこいいのがいいよなぁ。かっこいい鳥と言ったら猛禽類か。でも鷹とか鷲、はやぶさって何となく似たような感じだから、ぱっと見、見分けつかなかったんだよなぁ)

と、猛禽類の代表的な3種類を思い浮かべながら、無意識に魔法陣に魔力を送っていた。

そして出来た鳥のゴーレムは、

「なんで、からす?」

え?猛禽類に似ても似つかないんだけど?

ぼくが目をまんまるにして驚いていると、ぼくの言葉に微かにあった落胆を感じとったのか、カラスのゴーレムはしょんぼりと肩を落としていた。

それを見てぼくは慌ててカラスのゴーレムに駆け寄り

「ああ、ごめんね。だいじょーぶ!きみも、かっこいいよ!くろびかりのからだ、だけど、みかたをかえると、にじいろになる!かっこいいね!」

とカラスのゴーレムをナデナデしながら、一生懸命言葉を尽くした。

カラスのゴーレムは少し元気を取り戻し、ぼくの頬にスリスリとしてきた。

「スベスベだね。そうだなぁ、おなまえは、くろう!どう?」

カラスのゴーレムは名前が気に入ったのか、羽を広げて鳴いた。

「カー!」

「やっぱり、からす、、、、」

レイがすかさずクロウを引き取り、クロウの調教、、、じゃなくて教育に入った。

それを見届けたアスエルは、クロウでも持てるような小さな布のバケツの形の袋を出した。
そしてまた、指をパチンとすると袋に水色の水が現れた。

「えくさりー?」

「そう。このエクサリーをクロウに運んでもらいたいんだ、子ドラゴンに」

ぼくはビックリして目をまんまるに見開いた。

「こ、どらごん、けがしてるの?いたいいたい?」

引っ込んだはずの涙がまた溢れて来た。

「ああぁ、リック。泣かないで。子ドラゴンでもドラゴンだからね。そんな簡単に傷をつけることは出来ないよ。だからケガはしてない」

「だったら、なんで、えくさりー?」

アスエルは場所を移動しようかと言って、指を鳴らした。そして今度は休憩所に移動した。

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