一人、辺境の地に置いていかれたので、迎えが来るまで生き延びたいと思います

菻莅❝りんり❞

文字の大きさ
42 / 65

41 こどらごんの、しゅうらい!

アスエルが現れてドラゴン達と何か話している。話しているけど

「こえ、きこえない」

そういえばクロウが映っていたときも、あれほど魔物達が暴れまわっていたのになんの音もしてなかったな。

ぼくはディアを見上げて

「くろうに、なんのおはなし、しているか、きいて?」

ぼくが聞くとすぐに

「❝ヒトノコドモハ、オトナニ、リヨウサレテイタダケ。ダカラ、ヒトノコドモハ、ユルシテアゲテホシイ❞

❝ヒトノジジョウナド、シラヌ。ワガコヲ、サラッタムクイハ、ウケテモラウ。ヒキワタシテモラオウ❞

❝ソナタダッテ、チイサキヨウセイヲ、サラワレタラ、ホウフクヲ、スルダロウ❞

❝イカリニマカセテノ、ホウフクハ、シナイヨ。ヒトノジジョウハ、カンガエルネ❞」

おぉ、声を使い分けてる。なんかぼくの考えた斜め上に進化してるね。

確かに❝学習能力❞を付与する時、いずれは自分で考えて行動できるといいね。くらいの軽い気持ちだった。

それは、自我が目覚めたり、モノマネモドキが出来るようになるとこではなかったんだけどなぁ。

緊迫した話し合いなのだろうけど、ディアの予想外の行動に話し合いの内容が頭に入らなかった。

ぼくが、ディアのモノマネモドキに呆気に取られている中でも、ディアはちゃんとアスエル達の話し合いを通訳していた。

話し合いの中、親ドラゴンが興奮し始めたらクロウがエクサリーをかけていた。

そんなやり取りを見ていたぼくは、違和感を覚えた。

そして、その違和感を突き詰めていき、違和感の正体に気づいた。

「こ、どらごんが、いない!」

ぼくの叫びに、すぐさまディアはクロウを通じてアスエルに伝えたのか、アスエルと親ドラゴンが慌てたように周りを見渡していた。

ぼくも、見えている範囲をあっちこっち見ていた時、ドン!ドン!と言う音が響きた。

「な、なに?なんの、おと?」

ディアが慌ててぼくを抱き上げた。

音に恐怖しながらも、音の発生源を確かめようと耳を澄ませると、どうやら外からで、しかも上から聞こえる。

ぼくはディアに頼んで窓を開けてもらい、窓から顔を出し見上げると

晴れた空のような綺麗な蒼色のドラゴンが見えた。

「ど、らごん?」

恐らく子ドラゴンだろう。その子ドラゴンがしきりにドームの屋根にドン!ドン!と体当たりをしていた。

「こ、どらごんが、ほふくに、きたの?」

ディアの襟をキュッと握りしめた。

ふと、子ドラゴンと目が合った。すると、子ドラゴンは嬉しそうに笑い

「ちっちゃいこ!あそぼ!ぼくと、あそぼ!」

と、さっきよりも強くドームに体当たりをし始めた。

「でぃあ!でんたつ!あすえるに、でんたつ!むかえに、きてもらって!」

ぼくはそういいながら、窓を閉めた。

窓を閉めても聞こえる子ドラゴンの声。

アルード達がどうやって子ドラゴンと遊んだのか知らないけど、幼児のぼくは絶対にムリ!死んじゃう!


映像を確認すると、アスエルと親ドラゴンが既に子ドラゴンと合流していた。

ブレス、しないよね?アスエル、絶対にブレス吐かせないでよ!

ぼくは戦々恐々としながら、映像でのアスエル達のやり取りを見ていた。

なんと話しているのかは気になるけど、ぼくはディアに通訳はいいと、断った。

そして、ぼくは知らなかったけど、レイが逐一この状況を父達に伝達をしていて、あちらでは父達が心配していたらしい。

祖父なんて、シエンに乗ってこちらへ来ようとしていたとか

じぃじ、いくら鋼の筋肉を持っていても、生身で時速200㌔はムリだから。でも心配かけてゴメンね。その気持ちはうれしいよ

あなたにおすすめの小説

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

悪徳領主の息子に転生しました

アルト
ファンタジー
 悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。  領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。  そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。 「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」  こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。  一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。  これなんて無理ゲー??

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

この優しさには絶対に裏がある!~激甘待遇に転生幼女は混乱中~

たちばな立花
ファンタジー
処刑された魔女が目を覚ますと、敵国の王女レティシアに逆行転生していた。 しかも自分は――愛され王女!? 前世とは違う扱いに戸惑うレティシア。 「この人たちが私に優しくするのは絶対に何か裏があるはず!」 いつも優しい両親や兄。 戸惑いながらも、心は少しずつ溶けていく。 これは罠? それとも本物の“家族の愛”? 愛を知らないレティシアは、家族の無償の愛に翻弄されながらも成長していく。 疑り深い転生幼女が、初めて“幸せ”と出会う―― じんわり心あたたまる、愛されファンタジー。 他サイトでも掲載しています。

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

26番目の王子に転生しました。今生こそは健康に大地を駆け回れる身体に成りたいです。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー。男はずっと我慢の人生を歩んできた。先天的なファロー四徴症という心疾患によって、物心つく前に大手術をしなければいけなかった。手術は成功したものの、術後の遺残症や続発症により厳しい運動制限や生活習慣制限を課せられる人生だった。激しい運動どころか、体育の授業すら見学するしかなかった。大好きな犬や猫を飼いたくても、「人獣共通感染症」や怪我が怖くてペットが飼えなかった。その分勉強に打ち込み、色々な資格を散り、知識も蓄えることはできた。それでも、自分が本当に欲しいものは全て諦めなければいいけない人生だった。だが、気が付けば異世界に転生していた。代償のような異世界の人生を思いっきり楽しもうと考えながら7年の月日が過ぎて……

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。