一人、辺境の地に置いていかれたので、迎えが来るまで生き延びたいと思います

菻莅❝りんり❞

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47 2人の弟

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それは突然だった。

「イマ、ドラゴンガ、アルジノチカクニ、セッキンチュウ、トノコトデス」

「「「「「「は?」」」」」」

前線の報告ついでに、遅めの昼食をつまんでいた時、ゼロから突然そんな言葉が出た。

ここにいた全員が、その言葉をすぐには理解できなかった。俺たちの思考が停止しているにも関わらず、ゼロは

「ドウヤラ、ホゴシタコドモヲ、ネラッテイルヨウデス」

と言って、ドラゴンと保護した2人の子供達の関係性を説明しだした。

その説明に、俺を初め皆が憤った。

「年端もいかぬ子供をさらい、しかも奴隷の腕輪まではめて。そして、その子供達に子ドラゴンの誘拐の手伝いをさせたと?」

「それだけでなく。親ドラゴンに追われている中、その囮にも使い、終いには、スタンピード真っ只中の森に子ドラゴンと共に置き去りにしたと」

その人さらいは既に報いを受けているらしいが

囮に使われた子供達も、森で逃げようとしてスタンピードに巻き込まれた子供達も、どうなったのか。

「オトリノコドモタチハ、ヨウセイオウガ、ホゴシタヨウデスガ、モリノホウハ、、、」

ゼロの追加の報告を聞き、俺達は安堵と共に冥福を祈った。

その後も続く心臓に悪い報告に、父上がたまらず

「シエンを借りるぞ!ワシだけでもシエンに乗り、辺境へ向う!待っておれ、リック!じぃじが今行くぞ!」

暴走する父上を、休んでいた騎士達にも協力してもらい止めた。屈強な騎士が10人束になっても歩き続けた父上の強さに、感服した。

最後はセバスが父上の隙を見て、首に一撃を入れ気絶させた。だけど、数分で目を覚ましたのにはセバスも驚いていた。実の息子である俺ですら、父上のタフさに驚いた。

しかし、相手がドラゴンとあっては俺も気が気ではない。

どうにかしてリックの元へ行けないかと思案していた時

「王都より、援軍が到着いたしました。
レイル様率いる150名の騎士団と、ナイル様率いる50名の魔道部隊です」

ここに来て、神の采配に感謝した。

「すぐにレイルとナイルをココヘ!」

知らせに来た使用人は返事をして、また戻って行った。その後をジャンも追って部屋を後にした。

そしてすぐに、ジャンに連れられてレイル達が来た。部屋に入るなり

「父上、母上。ご無沙汰してます。兄上、義姉上。元気でしたか?不詳レイル!助太刀に来ました!」

と大声を出したのは、レイルだ。そんなレイルを嗜める声が、レイルの後ろから聞こえた。

「うるさいですよ、レイ兄上。その無駄に大きい声を出さなくても聞こえますよ。父上、ライ兄上、遅くなりましたが手伝いに来ました。母上、義姉上、お疲れではないですか?ジャック、ローズは元気かな?」

と、人好きする優しい笑顔でナイルが入ってきた。

「レイル、ナイル、久しいな。わしらは大事ない。まさか、お前たちが来るとは驚いたな」

「レイル、ナイル。ここまで来てくれてありがとう。頼もしい弟たちが来てくれて、心から嬉しいよ。早速だが相談があるんだ。聞いてくれ」

と空いてる席をすすめた。

レイルが席につくと、周りを見渡し

「そういえば、ちびっこはまだ昼寝中か?」

レイルの言葉にナイルもリックがいない事に気づき、俺達の表情が曇ったことにも気付いた。

「相談とはリックのことですか?リックに何か?」

ナイルの観察眼に苦笑が漏れた。そして、リックの居ない訳と、俺の相談したいことを話した。

「兄上にしては下手したなぁ」

「レイ兄上。そのくらいライ兄上も切羽詰まっていたと言うことですよ。そのくらい察してください」

レイルとナイルのやり取りに、父上が

「ナイルよ。いくら切羽詰まっていたとしても、公爵として冷静に物事を見れなければならない。しかもリックはまだ3歳だ。そんな幼い子供が1人で、今も生きていてくれているのは奇跡だ。本来はもう既に餓死しているか、魔物に蹂躙されておる」

そんな父上の言葉に、レイルは茶化した事を反省し、ナイルも軽はずみな事を言ったことを反省した。

「いや、ナイルは悪くない。実際はナイルの言う通りだったからな。結果、今リックが無事でいてくれているから良いものの、本来は父上の言うことがもっともだからな。それで、レイルもナイルもどうだ?」

2人は顔を見合わせ、頷き合うと

「「(ライ)兄上に協力します」」

「二人とも、ありがとう」

俺は座ったままだけど、二人に深々と頭を下げた。
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