3 / 3
仕事
しおりを挟む
これはわたしの生きてる時のお話。
「行ってきこれます。」
返事が返ってこない玄関の奥の部屋は、
私が入れないように鍵がされていた。
その部屋には働いていない兄がいる。話しかけたら殴られるし、あまりあの部屋に近づきたくない。でも、お母さんに言われた通りまだ一緒に暮らしている。
「はぁ」
ため息をつき、いつも通り会社に出勤した。
会社に着くと自分の机に昨日やり残した書類がたくさん置かれていた。
本当に終わるのだろうか。この量を、1日で。
「やるかぁ、」
親の顔より見たパソコンを開く。正直言ってみたくもない。
「おはよーございまーす」
後輩が少し遅刻して会社にやってきた。
「おぉ、おはよう。今日も元気だな。」
それに上司は怒らずに笑顔で後輩に対応する
わたしにはあんな笑顔むけてくれないのに。
私に喋りかけてこないくせに。
「先輩おはよーございます!」
「おはよう。」
後輩が悪いわけじゃないのはしってる。
でも、あの上司のせいでどうしても心のおくから後輩にあんな笑顔を見せるなら、わたしにも少しは優しくしてくれればいいのに、
って心の奥から嫉妬と怒りが込み上げてくる。
その感情を紛らわすために仕事に戻った。
「おい、秋原」
「はい。」
せっかくいい感じに仕事が進んできたのに、上司が話しかけてきやがった。息くさいし最悪.ここまできたら私をお気に入りにしなかったことを感謝するレベルに.
「おれこの後出かけてくるからさ、この資料作っといて?」
…何言ってんだこいつ。自分の仕事もこなせないクソ豚なのかよ。てかほんとにくせぇ。
「絶対やるもんか。クソ野郎が。」
なんて言えるはずもなく、そのまま仕事を引き受けた。
本当に最悪だ。
しかもなんだ、このクソみたいな商品。
絶対誰も望まないだろ。コストもだいぶかかるしデメリット多すぎる分メリット少なすぎる。絶対売れねぇ。
そんなことを考えてもどうやら作るしかないようだ。鎖のような手を動かしながら資料を作るのは地獄のようだった。
「終わったか?」
約1時間後。
どうやらお昼休憩が終わったようで資料をとりに来た。
「すいません。まだ途中までしか進んでなくて、あと1時間あれば。」
「は?ふざけんな」
「はい。すみません。」
どうしたらいいんだこれ…頑張ってメリット見つけようと頑張ってるのに。そんなに時間に厳しいなら自分でつくってほしい。
本当にそう言いたい…逆に言えない私ってどこまで弱い存在なのだろう。自分を責めても仕方ないことは分かっているはずなのに
なぜか目から涙が垂れてきた。
「泣くなんて情けない。」教室の隅で頬を叩かれたあの痛み、鉄の定規が机に当たる音が、今でも耳に残っている。
また殴られる。怖い怖い。課長も先生も兄も。世界中全員。みんな怖い。怖いよ。
そこからどうやって帰ったのか分からない。
家に帰ったら何故か兄がパトカーに載せられている光景が映されたのは覚えている。
「え?お兄ちゃん?」
私が困惑しているうちにお兄ちゃんは警察の人と一緒にどこかに行ってしまった。
私はもうどうしたらいいのだろう。
兄をいま理解の追いつかなさで警察に渡してしまった。私が守るって決めていたのに。
こんな私なら死んだ方がマシなのでは。
ちゃんと考えたらまだできることがあったのに。今の私にはそんなこと考える頭はなかった。
「行ってきこれます。」
返事が返ってこない玄関の奥の部屋は、
私が入れないように鍵がされていた。
その部屋には働いていない兄がいる。話しかけたら殴られるし、あまりあの部屋に近づきたくない。でも、お母さんに言われた通りまだ一緒に暮らしている。
「はぁ」
ため息をつき、いつも通り会社に出勤した。
会社に着くと自分の机に昨日やり残した書類がたくさん置かれていた。
本当に終わるのだろうか。この量を、1日で。
「やるかぁ、」
親の顔より見たパソコンを開く。正直言ってみたくもない。
「おはよーございまーす」
後輩が少し遅刻して会社にやってきた。
「おぉ、おはよう。今日も元気だな。」
それに上司は怒らずに笑顔で後輩に対応する
わたしにはあんな笑顔むけてくれないのに。
私に喋りかけてこないくせに。
「先輩おはよーございます!」
「おはよう。」
後輩が悪いわけじゃないのはしってる。
でも、あの上司のせいでどうしても心のおくから後輩にあんな笑顔を見せるなら、わたしにも少しは優しくしてくれればいいのに、
って心の奥から嫉妬と怒りが込み上げてくる。
その感情を紛らわすために仕事に戻った。
「おい、秋原」
「はい。」
せっかくいい感じに仕事が進んできたのに、上司が話しかけてきやがった。息くさいし最悪.ここまできたら私をお気に入りにしなかったことを感謝するレベルに.
「おれこの後出かけてくるからさ、この資料作っといて?」
…何言ってんだこいつ。自分の仕事もこなせないクソ豚なのかよ。てかほんとにくせぇ。
「絶対やるもんか。クソ野郎が。」
なんて言えるはずもなく、そのまま仕事を引き受けた。
本当に最悪だ。
しかもなんだ、このクソみたいな商品。
絶対誰も望まないだろ。コストもだいぶかかるしデメリット多すぎる分メリット少なすぎる。絶対売れねぇ。
そんなことを考えてもどうやら作るしかないようだ。鎖のような手を動かしながら資料を作るのは地獄のようだった。
「終わったか?」
約1時間後。
どうやらお昼休憩が終わったようで資料をとりに来た。
「すいません。まだ途中までしか進んでなくて、あと1時間あれば。」
「は?ふざけんな」
「はい。すみません。」
どうしたらいいんだこれ…頑張ってメリット見つけようと頑張ってるのに。そんなに時間に厳しいなら自分でつくってほしい。
本当にそう言いたい…逆に言えない私ってどこまで弱い存在なのだろう。自分を責めても仕方ないことは分かっているはずなのに
なぜか目から涙が垂れてきた。
「泣くなんて情けない。」教室の隅で頬を叩かれたあの痛み、鉄の定規が机に当たる音が、今でも耳に残っている。
また殴られる。怖い怖い。課長も先生も兄も。世界中全員。みんな怖い。怖いよ。
そこからどうやって帰ったのか分からない。
家に帰ったら何故か兄がパトカーに載せられている光景が映されたのは覚えている。
「え?お兄ちゃん?」
私が困惑しているうちにお兄ちゃんは警察の人と一緒にどこかに行ってしまった。
私はもうどうしたらいいのだろう。
兄をいま理解の追いつかなさで警察に渡してしまった。私が守るって決めていたのに。
こんな私なら死んだ方がマシなのでは。
ちゃんと考えたらまだできることがあったのに。今の私にはそんなこと考える頭はなかった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
心が折れた日に神の声を聞く
木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。
どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。
何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。
絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。
没ネタ供養、第二弾の短編です。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
義弟の婚約者が私の婚約者の番でした
五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」
金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。
自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。
視界の先には
私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる