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マリ・シンジュ

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羽生、2回目の施術

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晩秋の硬く冷えた静けさに包まれた、二回目の施術の日。 新城は朝から、いつにも増して丁寧で隙のない紳士として振る舞っていた。
数日前、自らの衝動で傷を痛め、Mariにあの相談メールを送った失態が、彼の清潔な自尊心を静かに逆撫でしている。昨夜、羽生の誘いを穏やかにかわしたのも、今日この場で一分の隙もない「誠実な保護者」として立つためだった。

羽生は奥のスペースで施術着に着替えると、鏡に映る腰から下腹部の未完成のラインを確認した。 一回目の施術で、過去の感傷はすでに上書きされている。それでも、今日ここに深い影が刻まれれば、二度と「何者でもなかった頃」には戻れない。

羽生は小さく息をつき、指先で施術着の布を軽く握った。その動きにわずかな震えが混じる——興奮なのか、怖じけなのか、自分でも区別できなかった。

施術台に横たわると、新城は静かに傍らに腰を下ろした。 羽生の肩の上から視線を落とし、これからMariが針を入れる部位に目を通す新城の動きは、どこまでも正確で落ち着いていた。羽生は体を少しずつ伸ばし、肌に触れる施術台の感触と、新城の凪いだ呼吸のリズムを全身で受け止める。

羽生:「……先生。今日、影を入れるんだよね。長く痛むって聞いた。……僕、最後まで耐えられるかな」

声を震わせず、でもわずかに布を握る力を強めて新城を覗き込む。その視線には、挑発と、そして容易には整理できない渇望が混在していた。 新城はその微かな震えに気づきながら、視線だけを落として静かに答えた。

新城:「余計なことを考えるな。今日は深く刻む。集中を切らすな」

羽生は唇の端にわずかに笑みを浮かべ、声を潜める。

 羽生:「……だってその声、低くなると、ほんとに集中できなくなる。僕が乱れたら先生のせいだよね。傷になってるところ以外でも、ちゃんと責任を取って」

挑発の色を帯びた声が空気に溶けても、新城は返答しなかった。 ただ静かに落ちる沈黙が、かえって羽生の喉の奥をじわりと熱くさせる。

Mariが道具を整え、モーターの低い振動が室内に広がる。その音の中で、ただ一つ確かなのは、新城の存在だけが羽生の世界の軸になったということだった。

針が肌を掠めるたび、羽生の腹筋が小さく跳ねた。 麻酔の下でも、骨のそばをなぞる独特の刺激が、身体の奥からじわりと熱を押し広げる。痛みというより、抗おうとしても抗えない力が、全身を包み込むようだった。

インクが肌に押し込まれるたび、Mariが柔らかく拭い上げる動作に合わせ、羽根と槍のモチーフは少しずつ表情を変えていく。

アウトラインだけの平らな羽根も、グレーの濃淡が重なるたびに、一枚一枚が肌の上でふくらみ、空気を含むような重みを帯びて立ち上がった。先端から跳ねる水の飛沫も、影の濃淡に沿って確かな存在感を持ち、羽生の肌に黒い露として染み込む。

それはもう単なる模様ではなく、羽生の体温を宿したものが、静かに肌の上で息を潜めるような感覚だった。まだハイライトが差し込む前の濁った影の中で、その生命感はしつこく、生々しく羽生の肌を満たしていく。

その、体温の温みを帯びながら深みのある濃淡を刻んでいく印を、新城は組んだ指の節を白く軋ませて見つめていた。 滑らかな若者の皮膚に「影」が定着していく様は、抗いがたい磁力を放ち、新城の視線を離させなかった。

施術の痛みにじっと耐える羽生の存在感が、部屋の空気を静かに支配する。 平静を装う意識の縫い目が、内側からひとつずつ引き裂かれていく感覚に、新城の胸の奥が熱くせり上がった。喉元から全身がカッと火照る。

羽生の肌を打つ針の震動は、まるで自分の皮膚の裏側をなぞるように伝わり、全身に細かな鳥肌が立つ。抗えぬ生理的な震えに、息が詰まる。微動だにしない正確さでインクを打ち込む駆動音だけが、静寂の中で響き渡る。

新城はその単調な音と張り詰めた気配の間に、自分がもう後戻りできない場所へ沈み込むのを感じ、砂のように静かに積もる時間を、ただ受け入れていた。

施術開始から時間が経過し、麻酔の効果が完全に底を突きつつあった。 逃げ場のない刺激は、鋭い痛みから、じわじわと身体の深部を焦がすような熱へと質を変えていく。 羽生は溢れそうになる吐息を、奥歯を噛み締めて喉の奥へ押し戻した。

羽生:(……まだだ。こんなところで取り乱すわけにはいかない。あんなに余裕ぶって挑発したんだ、最後まで格好つけさせろ……)

すぐ傍らでは、新城が豹のように鋭く切れ上がった瞳を羽生の腰元へ注いでいる。その眼差しはどこまでも冷ややかで、羽生の苦痛さえも淡々と「観察」しているかのようだった。

羽生はその視線に抗うように、震える呼吸を無理やり整え、必死に自制心を繋ぎ止めようとする。 しかし、針が骨に響くたび、神経を逆撫でするような痺れが意識を白く塗り潰していく。

新城からは香水の類はおろか、生活臭すら一切漂ってこない。ただ、冬の冷え切った空気がそこに停滞しているような、圧倒的な無機質さ。その徹底した「空白」が、かえって羽生を追い詰め、足元からじわりと防壁を崩していく。

羽生:「……っ、は……」

耐えきれず、熱を孕んだ吐息が唇の間からこぼれ落ちた。 その瞬間、羽生は見てしまった。自分を見つめる新城の喉仏が、かすかに、だが確実に上下したのを。

羽生:(……あんた、今、僕の声で……)

その確信が、羽生の中で張り詰めていた最後の一線を切った。自制をやめた途端、行き場のない熱が本能の方へと一気に流れ込む。

​羽生:(……ああ、もういい。全部放り出して、今すぐあんたに組みついてしまいたい。その冷えた頭ごと、僕の熱でぐちゃぐちゃに潰してやりたい。……この距離のせいで、あんたが、ひどく濃い)

​羽生の指先が、施術台のシーツをくしゃりと掴んだ。新城を見つめ返すその瞳は、もはや現実に抗う青年のものではなく、相手を逃がさないという剥き出しの執着を宿していた。

​新城は、羽生の瞳が完全に現実を離れ、自分を道連れにするような陶酔の渦に沈んでいくのを、冷徹な視線で射抜いた。喉の奥を焼くような熱を、強固な理性で強引に抑え込みながら、羽生の顎を指先で強く支え、固定する。

​新城:「羽生、目を開けろ。……逃げるな。こちらの世界へ戻ってこい」

​その声は、甘えを許さぬ鋭い号令だった。熱で蕩けかけた羽生の意識を、強引に冷徹な現実へと引き戻すための、冷たい楔(くさび)。

​だが、新城は羽生の顎を支える指先から、嫌な湿り気が広がるのを感じ取った。執着に燃えていたはずの羽生の瞳が、一瞬、焦点を失って泳ぐ。激しい熱情の裏側で、過剰な痛みと緊張に晒された身体が、静かに悲鳴を上げていた。

赤く火照っていたはずの顔から、急速に血の気が引き、土気色の蒼白が広がる。

​新城はすぐさま、傍らで控えるMariへ鋭い視線を向けた。その表情は、いつもの紳士的な冷静さを保っていたが、放たれた言葉にはプロとしての冷徹な切迫が籠もっていた。

​新城:「Mariさん、手を止めてください。……迷走神経反射の兆候がある。二次麻酔の準備を。これ以上の無理は、させられない」

​新城は、自分が下した判断の正しさだけを、必死に信じようとしていた。そうでなければ、自分もこの熱の奔流から戻ってこられないと分かっていたからだ。

モーターの振動が止まり、暴力的な静寂が羽生の肌を打つ。新城の冷たい管理のもと、羽生の熱も陶酔も、麻酔という名の「理性的な断絶」によって強引に押し流されていった。

​新城は羽生の顎を掴んだまま、その瞳の揺らぎを注視し続ける。震える指先、乱れた呼吸、そのすべてを「異常値」として観察し続けることで、新城はかろうじて「保護者」の座に踏み止まっていた。

​羽生:「……先生……冷たすぎて、痛い……」

​掠れた訴えを、新城は瞬き一つせず、感情を排して切り捨てた。

​新城:「十五分だ。薬が効き、お前の頭が冷えたら再開する。それまでは静かにしていろ。……これは、命令だ」

​羽生の顎から手を離すと、新城は傍らのタオルで自らの指先を強く拭った。移り住んだ羽生の体温を、皮膚ごと削ぎ落とそうとするような、執拗なまでの手つきだった。

​新城に突き放され、部屋を支配したのは重苦しい沈黙だった。十五分という時間は、羽生にとって残酷なほどに長く、そして静かだった。

​傷口から直接吸収された二次麻酔は、先ほどまでのマイルドな効き目とは一線を画していた。それは剥き出しの神経をダイレクトに叩き、感覚の回路を一つずつ力尽くで遮断していく。

先ほどまで羽生の理性を焼き切ろうとしていた狂おしい熱も、新城を求めて暴走していた神経の昂ぶりも、薬剤の冷徹な威力によって強引に
「無」へと塗りつぶされていった。

​羽生:(……ああ、そうか。これが先生のやり方なんだ)

​痛みという燃料を奪われ、脳内を支配していた多幸感が急速に引いていく。新城は羽生を情愛の対象としてではなく、あくまで血圧と心拍数を管理すべき「個体」として、その手で冷徹に処置したのだ。前回の失敗を二度と繰り返さないという新城の頑ななまでの自制が、感覚の消えた肌を針がなぞる感触よりも、ずっと鋭く羽生の自尊心を削った。

​新城:「……Mariさん、始めてください。もう大丈夫です」

​予定通りの時間が過ぎると、新城は短く告げた。再びモーターの低い振動が始まり、針が羽生の肌に触れる。感覚は、もうない。羽生はただ、無機質に削られていく自分の身体を、遠い国の出来事のように眺めるしかなかった。

​新城の視線は、最後まで羽生の顔へ向くことはなかった。彼は組んだ指の節が白くなるほどに力を込め、ただ一点、針がグレーの階調を編み上げていく腰の曲線だけを、猛禽のような鋭さで見つめ続けている。その眼差しは熱心な観察者のようでもあり、あるいは、自分の所有物に刻印が押されるのを冷徹に見届ける主人のようでもあった。

​羽生が重い瞼を上げ、いくら視線で彼を追い、その意識を自分に向けさせようとしても、新城は決してその瞳を合わせようとはしなかった。
見てしまえば、手を伸ばしてしまう。
伸ばした手が、この美しい階調(グラデーション)を台無しにしてしまうと、分かっていたからだ。

​羽生はもう、声を漏らそうとはしなかった。
麻酔で感覚が死んでいるのは確かだ。だが、それ以上に、自分を「異常な症状」として処理した新城に対し、一分の隙もない「正常」を見せつけてやりたいという、刺すような意地が彼を支えていた。

​室内に響くのは、インクを打ち込む単調な駆動音だけ。それはまるで、二人の間に横たわる危うい情熱を、一つずつ丁寧に埋葬していく弔いの儀式のようでもあった。

​一時間半後。広範囲に及ぶシェーディングが終わり、ようやく針が止まった。Mariは静かにマシンを置き、一度だけ深く息を吐いた。二人の間に張り詰めた異様な空気に踏み込むことはせず、ただ職人としての誠実さをもって、羽生の様子を伺うように声をかける。

​Mari:「……はい。お疲れ様でした。予定していたところまで、すべて綺麗に入りましたよ」

​その声は穏やかで、しかしそれ以上の追及を許さないプロの距離感があった。洗浄液の冷たい刺激が腰元に走り、余分なインクが拭い去られていく。

​鏡越しに示されたその場所には、深く、静かな影を宿した羽根が浮かび上がっていた。まだ光沢のないグレーの階調は、血の滲む肌の上で重く沈み、未完成ゆえの不気味なまでの実在感を放っている。

​新城はゆっくりと立ち上がった。
羽生の瞳に、先ほどの獣のような熱はもうない。だが、その代わりに宿った、底の見えない静かな執着。それを見た瞬間、新城は、胸の奥に溜まった熱が、少しも消えていないことだけを自覚していた。

​新城は、羽生から逃れるように背を向けた。Mariが仕上げの処置を進める間、彼はアトリエの隅にあるウォーターサーバーへと歩み寄った。
紙コップに満たした冷水を、一気に喉へ流し込む。

だが、喉の奥を焼く熱は引かなかった。羽生の顎を支えた指先には、肌の湿り気とともに、狂おしいほどの体温がこびりついている。
​Mariが保護フィルムを貼り終えた。労うように羽生の肩を一度小さく叩き、そのまま身を引く。

羽生はゆっくりと施術台の縁に腰を下ろしたが、はだけた施術着を整えようとはしなかった。熱を持った肌を無防備に晒したまま、新城が戻るのを待っている。

​新城は傍らに用意していたロングコートを手に取ると、無言で羽生の背後に回った。素肌の背にコートを掛け、肩口から袖へと布を滑らせる。それは露出した施術部位を避ける、当然の手順だった。

その数ミリの空白に、濃密な沈黙が張り詰める。​羽生は振り返らない。だが、背後の男が押し殺した熱い吐息を、剥き出しの肌で確かに受け取っていた。

​羽生:(――この状態で、触らないんだ)

​あれほど執着に満ちた眼差しで腰を射抜いておきながら、今は指先一つ、視線さえも触れようとしない。その徹底した自制が、羽生の胸の奥を、静かに焼いた。

​新城は最後まで視線を合わせぬまま、コートを整え終え、一歩だけ逃げるように距離を取る。

​新城:「……。……裏で、着替えてこい。その薄着で帰るつもりか」

​低く、どこか自分自身に言い聞かせるような声。羽生は立ち上がり、新城の視線を背中に感じながらカーテンの奥へと消えた。

​しばらくして、着替えを終えた羽生が戻ってくる。ゆったりとした衣服に身を包んでいても、歩くたびに腰の患部を庇う微かな躊躇いが、彼の動きをひどく生々しく、無防備に見せていた。

​新城は一瞬だけ、その「庇われる場所」へ視線を落とし、すぐにそれを冷徹に切り捨てた。

​――見ない。触れない。ここでそれを破る理由は、ない。

​新城はアトリエの扉を開け、羽生を先に外へ出す。内廊下の静かな明かりが、エレベーターへと向かう羽生の背中を照らし出した。

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