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新城、3回目の施術
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1. 予感の冷気
窓の外では、色褪せた街路樹が乾いた音を立てて揺れている。冬の気配が近づき、空気が肌を刺すような鋭さを帯び始めた朝だった。
目覚まし時計が七時を告げる直前に、新城は、いつもよりわずかに早く意識を浮上させた。隣では、羽生がまだ深い眠りの中にいる。モデルとして歩いていても不思議ではない、無駄のないしなやかな四肢を横たえていた。
新城は、自身の肩に回されていた若者の腕を静かに外し、ベッドを抜け出した。
シャワーを浴びて肌を清める。鏡の前に立つ新城は、いつもの冷静な教授としての顔を整えていく。隙のない仮面を被るような作業だった。
だが、スラックスに足を通そうとした瞬間、指先が不意に止まった。
左の内腿には、前回の施術で刻まれた孔雀の羽根が居座っている。丁寧に施された繊細なぼかしは、今ではすっかり肌に馴染んでいた。マゼンタのインクは体温を吸って、落ち着いた艶を放っている。
意匠のほとんどは出来上がっていた。羽根の目玉模様も、周囲の皮膚と違和感なく混じり合っている。 しかし、その中心はまだ平坦な色彩を留めたままだ。今日、羽生の執着を映したような濃密な「光」が打ち込まれ、確かな視線が宿る時を待っていた。
新城:「……今日で、終わるんだな」
誰に聞かせるでもなく、新城は独り言をこぼした。
羽生:「……ねえ、先生」
背後から、低く湿り気を帯びた声が届いた。いつの間にか目を覚ましていた羽生が、ドアフレームに肩を預けてこちらを見ている。着崩したパジャマの隙間からは、まだ生々しい熱を保った羽生自身の大きなタトゥーが覗いていた。
羽生は音もなく歩み寄り、新城の細い腰を後ろから包み込む。
だが、その指先は、決定的な圧をかける前に、ほんの一瞬だけ躊躇った。
羽生は、触れれば容易く崩れるとわかっているものには、決して先に手を伸ばさない。
それでも欲は消えない。だからこそ彼は、新城を壊さずに済む距離を、正確に選んだ。
羽生:「今日で完成だね。……ようやく、先生の肌に『目』が届くわけだ」
その声に、祝福の響きはなかった。新城は鏡越しに、不満げに目を細める羽生を見つめ返す。
新城:「……そうだ。Mariさんを待たせるわけにはいかない。先に行くぞ」
羽生:「……ようやく、見栄えが良くなるね」
羽生は新城のうなじに顔を寄せ、熱い吐息を吹きかけた。
羽生:「いいよね、先生は。針の痛みで、あの日の不快感を上書きできるんだから。……僕の熱は、まだこんなに昂ったままなのに」
その言葉を聞いた瞬間、新城の背中に伝わる鼓動が、わずかに速くなった。 喉の奥に、言葉にならない苦い熱がせり上がってくるのを感じる。
新城は、自分の胸元で組まれた羽生の長い指を、上から静かに、だが拒絶の意を込めて引き剥がした。指先から伝わる不条理な熱を、これ以上肌に馴染ませたくはなかった。
新城:「……欲張りだな。俺がこの『目』に四六時中見張られることになるんだ。……お前が望んだ通りの結末だろう」
新城はネクタイを締め直し、隙のない紳士の顔で振り返った。羽生は毒気を抜かれたように、けれど依然として不服そうに、唇を尖らせる。
羽生:「……わかってるよ。その『目』が馴染む頃には、先生も今の立場を自覚してくれるはずだしね。せいぜい、僕の熱を忘れないでよ」
新城:「……ああ、努力はしよう」
新城は短く答え、カバンを手に取った。
玄関へ向かう足取りに、内腿の皮膚が微かにつれる。
「痛みのない場所」へ向かうのだと自分に言い聞かせても、肌の下で疼く視線はそれを許してくれそうにない。
新城は羽生の熱を衣服の内に閉じ込めるようにして、冷え切った外気の中へ足を踏み出した。
扉を閉めた後も、背後から射抜くような視線の残像だけが、いつまでも肌に吸い付いていた。
2. 鋭利な熱
アトリエのドアを開けると、微かに漂う消毒液とインクの匂いが、冷えた新城の肺を刺激した。
予約の時間より十分ほど早い。新城はマフラーを外し、コートを腕に掛けると、奥の作業スペースで準備をしていたMariへ、穏やかに会釈を返した。
新城:「おはようございます、Mariさん。早くから申し訳ない」
新城の声は、朝の冷気を適度に和らげるような、落ち着いた響きを持っていた。
Mariは手袋をはめる手を止め、顔を上げた。
Mari:「おはようございます、新城様。いえ、私も今準備が整ったところです。……どうぞ、お着替えをお願いします。」
Mariは控えめに微笑み、手際よく準備を進める。新城は「失礼します」と断りを入れてから、指定された部屋へ入った。
スラックスを脱ぎ、丁寧な手つきで畳んで棚に置く。だが、その下に隠されていた紅い紋様が露わになった瞬間、鏡の中の空気に羽生の気配が混じり、新城の肌を撫でた。
左の内腿に棲みつく、仕上げを待つ「孔雀の目玉」。
白く、引き締まった肌の上で、マゼンタの意匠は静かな存在感を放っている。着替えを経て施術用のベッドへと向かう新城を、Mariはプロの眼差しで見つめた。
Mari:(……この方は、誰のためにこれを刻んでいるのだろう)
Mariの視線は、施術スペースの壁際に腰掛ける青年を掠める。新城の肌にこれほどの執着を強いているのは、紛れもなくあの爽やかな青年なのだ。
以前、「これは僕が考えたデザインなんです」と、彼は事も無げに、しかし確かな独占欲を滲ませて言っていた。
新城ほどの男が、随分年の離れた青年の奔放な欲望を、自身の肌の上にこれほど忠実に、そして淡々と受け入れている。その事実に、Mariは言葉にできない奇妙な隔絶を感じずにはいられなかった。
Mari:「体調はいかがですか、新城様。今日は仕上げですので、特に皮膚の薄い、敏感な場所を触ることになります。……かなり、鋭く響くかと思いますが」
Mariが甲高い駆動音を抑えたまま、マシンを手に静かに問いかける。
新城はベッドに横たわり、天井の一点を見つめた。その表情に、気負いはない。
新城:「……構いません。あなたの精密な仕事ぶりには、信頼を置いていますから。……よろしく、お願いします」
新城は目を閉じ、これから訪れる仕上げの瞬間を待った。
その口元には、羽生の前で見せる「俺」としての顔はない。ただ、一人の顧客として、飾らない一人の紳士としての静かな沈黙があった。
3. 開眼の刻
アトリエの空気が、かすかに重さを増す。
Mariが最後に選んだのは、これまでのマゼンタを殺さない、深みのあるボルドーのインクだった。
Mari:「最暗部を締めます。……少し、響きますよ」
Mariの宣告と共に、最初の一針が、羽根模様の中心に据えられた瞳孔の、最も深い場所へと滑り込んだ。
新城:「……っ」
新城は小さく喉を鳴らし、シーツを握る手に力を込める。
すでに大半の工程を終えていたはずの肌に、濃密なインクが一点の妥協もなく流し込まれていく。その一筋が入るたび、曖昧だった赤のグラデーションは、突如として泡のように鮮やかなバブルレースとしての立体感を帯び始めた。
肌の上には、カチッとしたフォルムを保つ太幅のリボン。完璧な均衡で整えられたアシンメトリーなテールが、新城の肢体に馴染んでいる。
隣には、羽生がいる。新城の内腿を見下ろす位置に。
彼は一言も発さず、新城の内腿に刻まれていくボルドーの線の軌跡を、瞬きすら惜しむように凝視していた。その視線は物理的な重圧となって、針の刺激よりも深く、新城の皮膚に届いている。
新城:(……色が入ることで、形になっていく。この歪な執着を、俺は“絆”と呼ぶしかない)
淡々と作業が続く。Mariは手際よく余分な血とインクを拭い、仕上げの最終段階へと移行した。
だが、Mariがマシンの針を替え、赤を何段階にも割ったインクを並べた瞬間、新城の背筋に鋭い予感が走った。
Mari:「では、瞳孔の奥に艶を作ります。……中心は触れません。一点だけ、残します」
赤を含ませた針が、瞳孔の中心を避けるように――最も近く、最も危うい円環を、執拗になぞり始めた。
新城:「っく、……あ、!」
新城の口元から、押し殺した呻きが漏れる。
それは、これまでのシェーディングのような鈍い疼きではない。広範囲を塗りつぶす作業とは異なり、輪郭を締め、色を沈めるための浅く鋭い針先は、皮膚のすぐ下に露出した神経を、選び取るように、容赦なく削いでいく。
皮膚の薄い内腿の付け根を、熱く焼けた針で一点、執拗に抉られるような、鋭利な灼熱感。
赤の濃淡が重ねられるたびに、漆黒の瞳孔の奥から、本来あってはならない「生」が、艶として滲み出してくる。
その鋭い刺激は、数日前、奥深くまで無理やり押し込まれた異物が粘膜を圧迫し続けた、あの逃げ場のない不快な記憶を、否応なく呼び起こした。理性は少しずつ削がれ、新城は再び、「逃げられない現実」に繋ぎ止められていく。
新城は顔を背け、激しく脈打つ喉元を晒す。
視界が熱に潤み、意識が混濁しかけるなか、隣にいる羽生の存在だけが、冷たく鮮明な「錨(いかり)」としてそこにあった。
新城:(……これが、開眼か。……見ろ、お前の望んだ通りだ)
瞳孔の中心に、意図的に残された、わずかな空白。
それは新城をこの地獄に固定するために打ち込まれた、「ボルト」のように感じられた。
新城:(……これで、逃げられない。俺がどこへ行き、誰と会い、どんなに『正しい人間』の顔をしても、この目は一生、俺の内腿で羽生の執着を監視し続けるんだ)
皮膚の表面を焼くような痛みが、そのまま「終身刑」の宣告となって脳髄に刻まれていく。
中心に光が定着し、赤い羽根が獰猛なまでの実在感を放ち始める。
やがて、振動音が完全に止む。
Mariがマシンの電源を切り、道具を置いた。新城の施術は終わったのだ。
急に訪れた静寂の中で、傍らにいた羽生が、深く、長く息を吐き出す音が聞こえた。
新城は、その吐息に含まれた微かな熱に、羽生自身が抱える疼きを感じ取ったような気がした。
新城に施された彫師の熱に共鳴するように、羽生の治りかけの傷が、その完成を、あるいは次の自分の順番を、ひそかに待ち望んでいる……。そんな狂おしい予感が、静寂の中に熱を孕み、新城の剥き出しの肌を執拗に撫で上げた。
Mariが静かに立ち上がり、新城の肌の状態を確認する。
Mari:「……素晴らしい。生きた視線が宿りました。新城様、これですべての工程が完了です」
Mariはそれだけを告げると、余韻を乱さぬよう、キャビネットを片付けるために背を向けた。
その静寂の中、羽生の手が、シーツを握りしめていた新城の指をそっと解きほぐした。スーツの袖口から覗く、羽生自身の、まだ傷の熱を宿した指先が、新城の頬を包み込むように触れた。
羽生:「……冷たいね。よかった、落ち着いたみたいだ。先生はもうこれで『完成』だけど、僕の熱が引くまでは、まだしばらく付き合ってもらうよ」
新城は目を閉じた。羽生の肌から、治りきらない傷の微かな疼きが伝わってくる。その逃れがたい温度が、いつまでも新城の意識に貼り付いて離れようとしなかった。
新城:「……っ、何を言っている。お前のその手がこれほど熱い限り、……俺が休まる時などないだろう。いいから、離せ」
新城は、頬に触れる羽生の手を無言で見つめ、力なく視線を落とした。その熱を拒絶しきれない自分への嫌悪が、溜息となって漏れる。
新城:「……わかっている。その熱が引くまでは、……この『目』が、俺の皮膚の一部になるまでは、せいぜい好きにするがいい」
羽生は新城のその言葉を、深く噛み締めるように瞳を揺らした。そして、応えるように音もなく身を乗り出す。
羽生:「……うん。その代わり、先生が目を逸らしたくなるところは、全部僕が代わりに見ててあげる」
低い、熱を帯びた呟き。
次の瞬間、新城は内腿の、タトゥーのすぐ上の柔らかい肌に、唐突な熱を感じた。羽生が、抗いきれない熱をなすりつけるように唇を押し当てたのだ。誰にも見えない場所への、甘い所有のキス。
新城:「っ、羽生、何をっ――Mariさんが、すぐ後ろにいる!」
新城は息を詰め、狼狽えて声を潜めた。だが羽生は、唇を離したあとも、その場所から離れようとしない。
羽生:「Mariさんは見てないよ。キャビネットの方だ。見てるのは、僕だけ。あんたのこの羽根が、僕の完成を待っている」
羽生はそう囁くと、指先でゆっくりと紋様の輪郭を追いかける。インクが定着し、まだ微かに熱を帯びている肌の表面から、触れるか触れないか、わずか数ミリの距離。
その指先が放つ熱意と独占欲は、実際に触れられるよりも鋭く、新城の皮膚の下に突き刺さった。
新城は、羽生の指が描く見えない軌跡に翻弄されながら、パーティションの向こうで聞こえるMariの機械的な作業音を、必死に意識の拠り所とした。
カチャリ、カチャリという規則的な音を絶やさない彼女の背中は、まるで二人の密やかな行為に、無言で背を向けているかのようだった。
4. 沈む温度
新城は、羽生の熱っぽい視線に晒されたまま、深く、逃げ場のない息を吐き出した。
もう、この熱から逃れることはできない。
新城は意を決したように、慎重に上体を起こした。
不意に距離が縮まった羽生の顔を、新城は避けることなく、だが正面から見据えることもできずに、わずかに視線を逸らす。
新城:「……着替えてくる」
それだけ告げ、新城は強張った脚を慎重に動かした。
ドレッシングルームに入った途端、新城は荒い呼吸を整え、火照った肌を冷たい空気で鎮めていった。
鏡に映る自分を見つめ、シャツのボタンを一つずつ留め直す。だが、スラックスを履く瞬間に内腿を走った鋭い疼きが、先ほどまでの熱を否応なく現実に引き戻した。
衣服に守られたはずの肌の下で、刻まれたばかりの「視線」が、深く、静かに沈んでいく。
新城は鏡の前で最後にもう一度身なりを整え、何事もなかったかのような隙のない姿で作業台の前へと歩み寄った。
新城:「Mariさん、本日は朝早くからありがとうございました。仕上がりも、事前に伺っていた以上でした」
新城は落ち着いた謝辞を述べ、丁寧に頭を下げた。一人の顧客として、完璧すぎるほどに礼儀正しい一礼。
Mariは片付けの手を止め、その端正な姿を正面から受け止めると、胸の奥に微かな疼きを覚えながら、深く礼を返した。
Mari:「いいえ、こちらこそ……。そう言っていただけると、彫り師冥利に尽きます。新城様、どうぞ数日は乾燥に気をつけて、安静になさってくださいね」
新城:「ええ、重々承知しております」
新城は穏やかに微笑み、隣の羽生へ視線を向けた。
新城:「羽生。あまり長居をしてご迷惑をかけるんじゃないぞ。……それでは、失礼します」
最後にもう一度丁寧な会釈を残し、新城は冬の冷気が待つ外へと静かに去っていった。カチャリ、と重いドアが閉まる。
アトリエに静けさが戻り、Mariは一度、胸に溜まったものを整えるように、深く息を吸った。作業に戻ろうとした手を止め、少し躊躇いながらも羽生へ声をかける。
Mari:「……あの、羽生さん。すみません、少しだけお仕事のお話をしてもよろしいですか?」
羽生はコートを腕に掛けたまま、新城が消えたドアの余韻を惜しむように見つめていたが、ゆっくりとMariを振り返った。
羽生:「どうしたんですか? そんなにかしこまって」
Mari:「急ぎじゃないんですけどね。……次のカタログで、羽生さんの経過が分かる写真を少し使わせていただけないかと思って。その……腰のラインから羽根の流れが、本当に綺麗なので」
Mari:「もちろん部分だけ、顔は一切写らない形です。無理をお願いするつもりはありません。今日は新城様もいらっしゃいましたし……あとで改めてでも構いませんので」
羽生は、少しだけ視線を落として黙った。沈黙の中に、新城の肌に宿ったばかりの「目」を反芻するような熱が混じる。
羽生:「……僕の肌が、Mariさんのプロの眼から見てそんな風に仰っていただけるなんて、光栄です。個人が特定されない形なら、協力できるかもしれません」
Mari:「はい。肩から下、もしくは腰回りまでです。個人が特定されないように、慎重に処理します」
羽生は小さく頷き、指先でシャツの裾を軽くつまんだ。治りかけの皮膚を確かめるような仕草。
羽生:「ただ、この作品については……まずは先生に聞いてみないと。これは二人の間のことだから、僕だけの判断で表に出すのは、少し違う気がするんです」
柔らかい口調だったが、そこには、二人だけの領域に踏み込ませない静かな線引きがあるように、Mariには感じられた。
羽生:「今日は本当に素晴らしい仕上げでした。だから今は、この余韻を崩さずに、そのまま持ち帰りたいんです。……改めて、でもいいですか?」
Mari:「……ありがとうございます。そう言ってもらえるだけで、十分です」
羽生:「いえ、こちらこそありがとうございました。……それじゃ、失礼します。お疲れ様でした」
羽生は軽く笑って、それ以上は踏み込まない。彼は腕に掛けたコートを軽く整えると、新城が残したかすかな冷気が漂う扉の方へ、迷いのない足取りで向かった。
一人残されたMariは、空になったインクボトルを一つずつ拭き、棚に戻していく。
刻んだのは、あの二人の証だった。その美しさを一番近くで見届けた充足と、静かな寂しさが、無機質な作業音の中に溶けていった。
窓の外では、色褪せた街路樹が乾いた音を立てて揺れている。冬の気配が近づき、空気が肌を刺すような鋭さを帯び始めた朝だった。
目覚まし時計が七時を告げる直前に、新城は、いつもよりわずかに早く意識を浮上させた。隣では、羽生がまだ深い眠りの中にいる。モデルとして歩いていても不思議ではない、無駄のないしなやかな四肢を横たえていた。
新城は、自身の肩に回されていた若者の腕を静かに外し、ベッドを抜け出した。
シャワーを浴びて肌を清める。鏡の前に立つ新城は、いつもの冷静な教授としての顔を整えていく。隙のない仮面を被るような作業だった。
だが、スラックスに足を通そうとした瞬間、指先が不意に止まった。
左の内腿には、前回の施術で刻まれた孔雀の羽根が居座っている。丁寧に施された繊細なぼかしは、今ではすっかり肌に馴染んでいた。マゼンタのインクは体温を吸って、落ち着いた艶を放っている。
意匠のほとんどは出来上がっていた。羽根の目玉模様も、周囲の皮膚と違和感なく混じり合っている。 しかし、その中心はまだ平坦な色彩を留めたままだ。今日、羽生の執着を映したような濃密な「光」が打ち込まれ、確かな視線が宿る時を待っていた。
新城:「……今日で、終わるんだな」
誰に聞かせるでもなく、新城は独り言をこぼした。
羽生:「……ねえ、先生」
背後から、低く湿り気を帯びた声が届いた。いつの間にか目を覚ましていた羽生が、ドアフレームに肩を預けてこちらを見ている。着崩したパジャマの隙間からは、まだ生々しい熱を保った羽生自身の大きなタトゥーが覗いていた。
羽生は音もなく歩み寄り、新城の細い腰を後ろから包み込む。
だが、その指先は、決定的な圧をかける前に、ほんの一瞬だけ躊躇った。
羽生は、触れれば容易く崩れるとわかっているものには、決して先に手を伸ばさない。
それでも欲は消えない。だからこそ彼は、新城を壊さずに済む距離を、正確に選んだ。
羽生:「今日で完成だね。……ようやく、先生の肌に『目』が届くわけだ」
その声に、祝福の響きはなかった。新城は鏡越しに、不満げに目を細める羽生を見つめ返す。
新城:「……そうだ。Mariさんを待たせるわけにはいかない。先に行くぞ」
羽生:「……ようやく、見栄えが良くなるね」
羽生は新城のうなじに顔を寄せ、熱い吐息を吹きかけた。
羽生:「いいよね、先生は。針の痛みで、あの日の不快感を上書きできるんだから。……僕の熱は、まだこんなに昂ったままなのに」
その言葉を聞いた瞬間、新城の背中に伝わる鼓動が、わずかに速くなった。 喉の奥に、言葉にならない苦い熱がせり上がってくるのを感じる。
新城は、自分の胸元で組まれた羽生の長い指を、上から静かに、だが拒絶の意を込めて引き剥がした。指先から伝わる不条理な熱を、これ以上肌に馴染ませたくはなかった。
新城:「……欲張りだな。俺がこの『目』に四六時中見張られることになるんだ。……お前が望んだ通りの結末だろう」
新城はネクタイを締め直し、隙のない紳士の顔で振り返った。羽生は毒気を抜かれたように、けれど依然として不服そうに、唇を尖らせる。
羽生:「……わかってるよ。その『目』が馴染む頃には、先生も今の立場を自覚してくれるはずだしね。せいぜい、僕の熱を忘れないでよ」
新城:「……ああ、努力はしよう」
新城は短く答え、カバンを手に取った。
玄関へ向かう足取りに、内腿の皮膚が微かにつれる。
「痛みのない場所」へ向かうのだと自分に言い聞かせても、肌の下で疼く視線はそれを許してくれそうにない。
新城は羽生の熱を衣服の内に閉じ込めるようにして、冷え切った外気の中へ足を踏み出した。
扉を閉めた後も、背後から射抜くような視線の残像だけが、いつまでも肌に吸い付いていた。
2. 鋭利な熱
アトリエのドアを開けると、微かに漂う消毒液とインクの匂いが、冷えた新城の肺を刺激した。
予約の時間より十分ほど早い。新城はマフラーを外し、コートを腕に掛けると、奥の作業スペースで準備をしていたMariへ、穏やかに会釈を返した。
新城:「おはようございます、Mariさん。早くから申し訳ない」
新城の声は、朝の冷気を適度に和らげるような、落ち着いた響きを持っていた。
Mariは手袋をはめる手を止め、顔を上げた。
Mari:「おはようございます、新城様。いえ、私も今準備が整ったところです。……どうぞ、お着替えをお願いします。」
Mariは控えめに微笑み、手際よく準備を進める。新城は「失礼します」と断りを入れてから、指定された部屋へ入った。
スラックスを脱ぎ、丁寧な手つきで畳んで棚に置く。だが、その下に隠されていた紅い紋様が露わになった瞬間、鏡の中の空気に羽生の気配が混じり、新城の肌を撫でた。
左の内腿に棲みつく、仕上げを待つ「孔雀の目玉」。
白く、引き締まった肌の上で、マゼンタの意匠は静かな存在感を放っている。着替えを経て施術用のベッドへと向かう新城を、Mariはプロの眼差しで見つめた。
Mari:(……この方は、誰のためにこれを刻んでいるのだろう)
Mariの視線は、施術スペースの壁際に腰掛ける青年を掠める。新城の肌にこれほどの執着を強いているのは、紛れもなくあの爽やかな青年なのだ。
以前、「これは僕が考えたデザインなんです」と、彼は事も無げに、しかし確かな独占欲を滲ませて言っていた。
新城ほどの男が、随分年の離れた青年の奔放な欲望を、自身の肌の上にこれほど忠実に、そして淡々と受け入れている。その事実に、Mariは言葉にできない奇妙な隔絶を感じずにはいられなかった。
Mari:「体調はいかがですか、新城様。今日は仕上げですので、特に皮膚の薄い、敏感な場所を触ることになります。……かなり、鋭く響くかと思いますが」
Mariが甲高い駆動音を抑えたまま、マシンを手に静かに問いかける。
新城はベッドに横たわり、天井の一点を見つめた。その表情に、気負いはない。
新城:「……構いません。あなたの精密な仕事ぶりには、信頼を置いていますから。……よろしく、お願いします」
新城は目を閉じ、これから訪れる仕上げの瞬間を待った。
その口元には、羽生の前で見せる「俺」としての顔はない。ただ、一人の顧客として、飾らない一人の紳士としての静かな沈黙があった。
3. 開眼の刻
アトリエの空気が、かすかに重さを増す。
Mariが最後に選んだのは、これまでのマゼンタを殺さない、深みのあるボルドーのインクだった。
Mari:「最暗部を締めます。……少し、響きますよ」
Mariの宣告と共に、最初の一針が、羽根模様の中心に据えられた瞳孔の、最も深い場所へと滑り込んだ。
新城:「……っ」
新城は小さく喉を鳴らし、シーツを握る手に力を込める。
すでに大半の工程を終えていたはずの肌に、濃密なインクが一点の妥協もなく流し込まれていく。その一筋が入るたび、曖昧だった赤のグラデーションは、突如として泡のように鮮やかなバブルレースとしての立体感を帯び始めた。
肌の上には、カチッとしたフォルムを保つ太幅のリボン。完璧な均衡で整えられたアシンメトリーなテールが、新城の肢体に馴染んでいる。
隣には、羽生がいる。新城の内腿を見下ろす位置に。
彼は一言も発さず、新城の内腿に刻まれていくボルドーの線の軌跡を、瞬きすら惜しむように凝視していた。その視線は物理的な重圧となって、針の刺激よりも深く、新城の皮膚に届いている。
新城:(……色が入ることで、形になっていく。この歪な執着を、俺は“絆”と呼ぶしかない)
淡々と作業が続く。Mariは手際よく余分な血とインクを拭い、仕上げの最終段階へと移行した。
だが、Mariがマシンの針を替え、赤を何段階にも割ったインクを並べた瞬間、新城の背筋に鋭い予感が走った。
Mari:「では、瞳孔の奥に艶を作ります。……中心は触れません。一点だけ、残します」
赤を含ませた針が、瞳孔の中心を避けるように――最も近く、最も危うい円環を、執拗になぞり始めた。
新城:「っく、……あ、!」
新城の口元から、押し殺した呻きが漏れる。
それは、これまでのシェーディングのような鈍い疼きではない。広範囲を塗りつぶす作業とは異なり、輪郭を締め、色を沈めるための浅く鋭い針先は、皮膚のすぐ下に露出した神経を、選び取るように、容赦なく削いでいく。
皮膚の薄い内腿の付け根を、熱く焼けた針で一点、執拗に抉られるような、鋭利な灼熱感。
赤の濃淡が重ねられるたびに、漆黒の瞳孔の奥から、本来あってはならない「生」が、艶として滲み出してくる。
その鋭い刺激は、数日前、奥深くまで無理やり押し込まれた異物が粘膜を圧迫し続けた、あの逃げ場のない不快な記憶を、否応なく呼び起こした。理性は少しずつ削がれ、新城は再び、「逃げられない現実」に繋ぎ止められていく。
新城は顔を背け、激しく脈打つ喉元を晒す。
視界が熱に潤み、意識が混濁しかけるなか、隣にいる羽生の存在だけが、冷たく鮮明な「錨(いかり)」としてそこにあった。
新城:(……これが、開眼か。……見ろ、お前の望んだ通りだ)
瞳孔の中心に、意図的に残された、わずかな空白。
それは新城をこの地獄に固定するために打ち込まれた、「ボルト」のように感じられた。
新城:(……これで、逃げられない。俺がどこへ行き、誰と会い、どんなに『正しい人間』の顔をしても、この目は一生、俺の内腿で羽生の執着を監視し続けるんだ)
皮膚の表面を焼くような痛みが、そのまま「終身刑」の宣告となって脳髄に刻まれていく。
中心に光が定着し、赤い羽根が獰猛なまでの実在感を放ち始める。
やがて、振動音が完全に止む。
Mariがマシンの電源を切り、道具を置いた。新城の施術は終わったのだ。
急に訪れた静寂の中で、傍らにいた羽生が、深く、長く息を吐き出す音が聞こえた。
新城は、その吐息に含まれた微かな熱に、羽生自身が抱える疼きを感じ取ったような気がした。
新城に施された彫師の熱に共鳴するように、羽生の治りかけの傷が、その完成を、あるいは次の自分の順番を、ひそかに待ち望んでいる……。そんな狂おしい予感が、静寂の中に熱を孕み、新城の剥き出しの肌を執拗に撫で上げた。
Mariが静かに立ち上がり、新城の肌の状態を確認する。
Mari:「……素晴らしい。生きた視線が宿りました。新城様、これですべての工程が完了です」
Mariはそれだけを告げると、余韻を乱さぬよう、キャビネットを片付けるために背を向けた。
その静寂の中、羽生の手が、シーツを握りしめていた新城の指をそっと解きほぐした。スーツの袖口から覗く、羽生自身の、まだ傷の熱を宿した指先が、新城の頬を包み込むように触れた。
羽生:「……冷たいね。よかった、落ち着いたみたいだ。先生はもうこれで『完成』だけど、僕の熱が引くまでは、まだしばらく付き合ってもらうよ」
新城は目を閉じた。羽生の肌から、治りきらない傷の微かな疼きが伝わってくる。その逃れがたい温度が、いつまでも新城の意識に貼り付いて離れようとしなかった。
新城:「……っ、何を言っている。お前のその手がこれほど熱い限り、……俺が休まる時などないだろう。いいから、離せ」
新城は、頬に触れる羽生の手を無言で見つめ、力なく視線を落とした。その熱を拒絶しきれない自分への嫌悪が、溜息となって漏れる。
新城:「……わかっている。その熱が引くまでは、……この『目』が、俺の皮膚の一部になるまでは、せいぜい好きにするがいい」
羽生は新城のその言葉を、深く噛み締めるように瞳を揺らした。そして、応えるように音もなく身を乗り出す。
羽生:「……うん。その代わり、先生が目を逸らしたくなるところは、全部僕が代わりに見ててあげる」
低い、熱を帯びた呟き。
次の瞬間、新城は内腿の、タトゥーのすぐ上の柔らかい肌に、唐突な熱を感じた。羽生が、抗いきれない熱をなすりつけるように唇を押し当てたのだ。誰にも見えない場所への、甘い所有のキス。
新城:「っ、羽生、何をっ――Mariさんが、すぐ後ろにいる!」
新城は息を詰め、狼狽えて声を潜めた。だが羽生は、唇を離したあとも、その場所から離れようとしない。
羽生:「Mariさんは見てないよ。キャビネットの方だ。見てるのは、僕だけ。あんたのこの羽根が、僕の完成を待っている」
羽生はそう囁くと、指先でゆっくりと紋様の輪郭を追いかける。インクが定着し、まだ微かに熱を帯びている肌の表面から、触れるか触れないか、わずか数ミリの距離。
その指先が放つ熱意と独占欲は、実際に触れられるよりも鋭く、新城の皮膚の下に突き刺さった。
新城は、羽生の指が描く見えない軌跡に翻弄されながら、パーティションの向こうで聞こえるMariの機械的な作業音を、必死に意識の拠り所とした。
カチャリ、カチャリという規則的な音を絶やさない彼女の背中は、まるで二人の密やかな行為に、無言で背を向けているかのようだった。
4. 沈む温度
新城は、羽生の熱っぽい視線に晒されたまま、深く、逃げ場のない息を吐き出した。
もう、この熱から逃れることはできない。
新城は意を決したように、慎重に上体を起こした。
不意に距離が縮まった羽生の顔を、新城は避けることなく、だが正面から見据えることもできずに、わずかに視線を逸らす。
新城:「……着替えてくる」
それだけ告げ、新城は強張った脚を慎重に動かした。
ドレッシングルームに入った途端、新城は荒い呼吸を整え、火照った肌を冷たい空気で鎮めていった。
鏡に映る自分を見つめ、シャツのボタンを一つずつ留め直す。だが、スラックスを履く瞬間に内腿を走った鋭い疼きが、先ほどまでの熱を否応なく現実に引き戻した。
衣服に守られたはずの肌の下で、刻まれたばかりの「視線」が、深く、静かに沈んでいく。
新城は鏡の前で最後にもう一度身なりを整え、何事もなかったかのような隙のない姿で作業台の前へと歩み寄った。
新城:「Mariさん、本日は朝早くからありがとうございました。仕上がりも、事前に伺っていた以上でした」
新城は落ち着いた謝辞を述べ、丁寧に頭を下げた。一人の顧客として、完璧すぎるほどに礼儀正しい一礼。
Mariは片付けの手を止め、その端正な姿を正面から受け止めると、胸の奥に微かな疼きを覚えながら、深く礼を返した。
Mari:「いいえ、こちらこそ……。そう言っていただけると、彫り師冥利に尽きます。新城様、どうぞ数日は乾燥に気をつけて、安静になさってくださいね」
新城:「ええ、重々承知しております」
新城は穏やかに微笑み、隣の羽生へ視線を向けた。
新城:「羽生。あまり長居をしてご迷惑をかけるんじゃないぞ。……それでは、失礼します」
最後にもう一度丁寧な会釈を残し、新城は冬の冷気が待つ外へと静かに去っていった。カチャリ、と重いドアが閉まる。
アトリエに静けさが戻り、Mariは一度、胸に溜まったものを整えるように、深く息を吸った。作業に戻ろうとした手を止め、少し躊躇いながらも羽生へ声をかける。
Mari:「……あの、羽生さん。すみません、少しだけお仕事のお話をしてもよろしいですか?」
羽生はコートを腕に掛けたまま、新城が消えたドアの余韻を惜しむように見つめていたが、ゆっくりとMariを振り返った。
羽生:「どうしたんですか? そんなにかしこまって」
Mari:「急ぎじゃないんですけどね。……次のカタログで、羽生さんの経過が分かる写真を少し使わせていただけないかと思って。その……腰のラインから羽根の流れが、本当に綺麗なので」
Mari:「もちろん部分だけ、顔は一切写らない形です。無理をお願いするつもりはありません。今日は新城様もいらっしゃいましたし……あとで改めてでも構いませんので」
羽生は、少しだけ視線を落として黙った。沈黙の中に、新城の肌に宿ったばかりの「目」を反芻するような熱が混じる。
羽生:「……僕の肌が、Mariさんのプロの眼から見てそんな風に仰っていただけるなんて、光栄です。個人が特定されない形なら、協力できるかもしれません」
Mari:「はい。肩から下、もしくは腰回りまでです。個人が特定されないように、慎重に処理します」
羽生は小さく頷き、指先でシャツの裾を軽くつまんだ。治りかけの皮膚を確かめるような仕草。
羽生:「ただ、この作品については……まずは先生に聞いてみないと。これは二人の間のことだから、僕だけの判断で表に出すのは、少し違う気がするんです」
柔らかい口調だったが、そこには、二人だけの領域に踏み込ませない静かな線引きがあるように、Mariには感じられた。
羽生:「今日は本当に素晴らしい仕上げでした。だから今は、この余韻を崩さずに、そのまま持ち帰りたいんです。……改めて、でもいいですか?」
Mari:「……ありがとうございます。そう言ってもらえるだけで、十分です」
羽生:「いえ、こちらこそありがとうございました。……それじゃ、失礼します。お疲れ様でした」
羽生は軽く笑って、それ以上は踏み込まない。彼は腕に掛けたコートを軽く整えると、新城が残したかすかな冷気が漂う扉の方へ、迷いのない足取りで向かった。
一人残されたMariは、空になったインクボトルを一つずつ拭き、棚に戻していく。
刻んだのは、あの二人の証だった。その美しさを一番近くで見届けた充足と、静かな寂しさが、無機質な作業音の中に溶けていった。
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