14 / 14
新作🌟教授の内ももに🎀リボンタトゥー①
しおりを挟む
■1.はじめてのお願い
重なり合っていた呼吸が落ち着き、室内の空気は満たされた熱を帯びていた。
深夜に近い時間。リビングの照明は落とされ、テーブルランプの柔らかな光だけが、壁際のL字型ソファとその周囲を淡く照らしている。
新城はシャワーを浴びて着替えを済ませた後、そのソファの端に座り、いつものように分厚い専門書を膝の上に広げていた。男らしい横顔は冷静で、本に視線を落とす姿は、羽生の隣にいることを忘れているかのようだ。だが、羽生はその新城の理性的であろうとする態度こそが、自分に向けられた最大の挑発だと知っている。
羽生は、新城から少し離れた床に座り、タブレットで映画の予告編を見ていた。いや、見ていたふりをしているだけだ。学生の羽生にとってずっと大人の恋人、新城――「先生」の、そのすべてが自分のものであることは、毎夜の行為で確認している。
(……でも、足りないよね。僕の存在は、こんなにも濃いのに)
その意識のほとんどは、ソファに座る新城の剥き出しの頸筋や、雑誌の影になった細い腰に向けられていた。誰にも愛されないという羽生の中にある根深い不安は、新城の身体への永遠の所有という形でしか満たされない。タトゥーへの想いは、もはやロマンスとサディズムが入り混じった、羽生だけの絶対的な支配の願望だった。
羽生は意を決し、タブレットをそっと床に置いた。新城の雑誌をめくる指先が、わずかに緊張したように止まるのを、羽生は見逃さなかった。
羽生は立ち上がり、静かに新城のソファに近づく。新城は動かない。まるで、この状況を理性で制御できると信じているかのように。
羽生がソファの端に座る新城の隣に腰を下ろすと、新城は雑誌から視線を上げず、ページをめくる手だけがわずかに止まった。沈黙。
羽生:「ねえ、先生」
新城「……なんだ」
声は落ち着いているが、隣に来た羽生を意識しているのが分かる。
羽生:「ちょっと相談があるんだ。僕たちだけの、特別なことなんだけど」
新城の喉仏が、わずかに上下した。羽生が何を企んでいるか、新城は静かに警戒している。
新城:「相談ね。……内容によるが」
羽生は目を伏せ、かすかに笑う。その笑顔は、次の言葉が新城の理性を静かに揺らすことを確信している笑みだ。
羽生:「その、タトゥーのことなんだけど……」
新城は静かに雑誌を閉じた。紙の擦れる音が、決断の重さを示す。彼は初めて羽生に顔を向け、驚きよりも冷静な確認の色を濃く瞳に浮かべた。
新城:「……タトゥー?」
羽生はそっと視線を上げる。新城の警戒を受け止めながら、静かに、丁寧に告げた。
羽生:「うん。小さくていい。先生に入れてほしいんだ」
数秒、新城の目が羽生を見据えたまま動かない。感情を露わにしない代わりに、沈黙が重い。
新城:「……俺に頼む、理由を言え」
声は低く、拒絶ではない、理性的な問いかけだ。
羽生:「誰にも見せない。僕だけの、二人の秘密にしたいんだ」
新城は一度だけ小さく息を吐いた。羽生の言葉に込められた純粋な執着を理解し、“軽い気持ちじゃないな”と悟った、わずかな反応。
羽生は、年下らしい甘さを混ぜる。
羽生:「……僕も一緒に入れるから。僕が一緒なら、先生も怖くないでしょ?」
新城の表情は崩れない。ただ、その黒目の奥だけが、微かに揺れた。
新城:「一緒に、ってのは……俺を巻き込む気満々だな」
声は淡々としているのに、内心の照れ隠しのような硬さが滲む。
羽生はそっと手を新城の膝に置く。筋肉の微かな強張りを感じながら、甘い声を混ぜる。
羽生:「ねぇ、先生も、考えてくれる?」
沈黙。新城は視線を外さず、羽生を見たまま時間をかけて考える。
やがて──
新城:「……“考える”だけだ。現時点ではな」
理性で線を引こうとする、年上らしい態度。その横顔には、羽生にだけ見せる“理性の糸”が一本だけ辛うじて繋がっている微かな動揺と、支配に抗いきれない愛情が滲んでいた。
羽生の顔が明るくなる。その笑顔は、新城の抵抗が崩れ始めている何よりの証拠だ。
羽生:「うん、それで十分。ありがとう。先生の答え、楽しみに待ってる」
新城はページを閉じたを指先で叩きながら、そっぽを向く。
新城:「……お前、ほんと人使いがうまいな」
空気は甘く、静かに、でも確かに二人だけの時間が流れていた。
重なり合っていた呼吸が落ち着き、室内の空気は満たされた熱を帯びていた。
深夜に近い時間。リビングの照明は落とされ、テーブルランプの柔らかな光だけが、壁際のL字型ソファとその周囲を淡く照らしている。
新城はシャワーを浴びて着替えを済ませた後、そのソファの端に座り、いつものように分厚い専門書を膝の上に広げていた。男らしい横顔は冷静で、本に視線を落とす姿は、羽生の隣にいることを忘れているかのようだ。だが、羽生はその新城の理性的であろうとする態度こそが、自分に向けられた最大の挑発だと知っている。
羽生は、新城から少し離れた床に座り、タブレットで映画の予告編を見ていた。いや、見ていたふりをしているだけだ。学生の羽生にとってずっと大人の恋人、新城――「先生」の、そのすべてが自分のものであることは、毎夜の行為で確認している。
(……でも、足りないよね。僕の存在は、こんなにも濃いのに)
その意識のほとんどは、ソファに座る新城の剥き出しの頸筋や、雑誌の影になった細い腰に向けられていた。誰にも愛されないという羽生の中にある根深い不安は、新城の身体への永遠の所有という形でしか満たされない。タトゥーへの想いは、もはやロマンスとサディズムが入り混じった、羽生だけの絶対的な支配の願望だった。
羽生は意を決し、タブレットをそっと床に置いた。新城の雑誌をめくる指先が、わずかに緊張したように止まるのを、羽生は見逃さなかった。
羽生は立ち上がり、静かに新城のソファに近づく。新城は動かない。まるで、この状況を理性で制御できると信じているかのように。
羽生がソファの端に座る新城の隣に腰を下ろすと、新城は雑誌から視線を上げず、ページをめくる手だけがわずかに止まった。沈黙。
羽生:「ねえ、先生」
新城「……なんだ」
声は落ち着いているが、隣に来た羽生を意識しているのが分かる。
羽生:「ちょっと相談があるんだ。僕たちだけの、特別なことなんだけど」
新城の喉仏が、わずかに上下した。羽生が何を企んでいるか、新城は静かに警戒している。
新城:「相談ね。……内容によるが」
羽生は目を伏せ、かすかに笑う。その笑顔は、次の言葉が新城の理性を静かに揺らすことを確信している笑みだ。
羽生:「その、タトゥーのことなんだけど……」
新城は静かに雑誌を閉じた。紙の擦れる音が、決断の重さを示す。彼は初めて羽生に顔を向け、驚きよりも冷静な確認の色を濃く瞳に浮かべた。
新城:「……タトゥー?」
羽生はそっと視線を上げる。新城の警戒を受け止めながら、静かに、丁寧に告げた。
羽生:「うん。小さくていい。先生に入れてほしいんだ」
数秒、新城の目が羽生を見据えたまま動かない。感情を露わにしない代わりに、沈黙が重い。
新城:「……俺に頼む、理由を言え」
声は低く、拒絶ではない、理性的な問いかけだ。
羽生:「誰にも見せない。僕だけの、二人の秘密にしたいんだ」
新城は一度だけ小さく息を吐いた。羽生の言葉に込められた純粋な執着を理解し、“軽い気持ちじゃないな”と悟った、わずかな反応。
羽生は、年下らしい甘さを混ぜる。
羽生:「……僕も一緒に入れるから。僕が一緒なら、先生も怖くないでしょ?」
新城の表情は崩れない。ただ、その黒目の奥だけが、微かに揺れた。
新城:「一緒に、ってのは……俺を巻き込む気満々だな」
声は淡々としているのに、内心の照れ隠しのような硬さが滲む。
羽生はそっと手を新城の膝に置く。筋肉の微かな強張りを感じながら、甘い声を混ぜる。
羽生:「ねぇ、先生も、考えてくれる?」
沈黙。新城は視線を外さず、羽生を見たまま時間をかけて考える。
やがて──
新城:「……“考える”だけだ。現時点ではな」
理性で線を引こうとする、年上らしい態度。その横顔には、羽生にだけ見せる“理性の糸”が一本だけ辛うじて繋がっている微かな動揺と、支配に抗いきれない愛情が滲んでいた。
羽生の顔が明るくなる。その笑顔は、新城の抵抗が崩れ始めている何よりの証拠だ。
羽生:「うん、それで十分。ありがとう。先生の答え、楽しみに待ってる」
新城はページを閉じたを指先で叩きながら、そっぽを向く。
新城:「……お前、ほんと人使いがうまいな」
空気は甘く、静かに、でも確かに二人だけの時間が流れていた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
Original drug
佐治尚実
BL
ある薬を愛しい恋人の翔祐に服用させた医薬品会社に勤める一条は、この日を数年間も待ち望んでいた。
翔祐(しょうすけ) 一条との家に軟禁されている 平凡 一条の恋人 敬語
一条(いちじょう) 医薬品会社の執行役員
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
陥落 ー おじさま達に病愛されて ー
ななな
BL
眉目秀麗、才ある青年が二人のおじさま達から変態的かつ病的に愛されるお話。全九話。
国一番の璃伴士(将棋士)であるリンユゥは、義父に温かい愛情を注がれ、平凡ながらも幸せな日々を過ごしていた。
そんなある日、一人の紳士とリンユゥは対局することになり…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる