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おまけSS: 二人だけのフィナーレ🟦完結🟦
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予定通り、パレードの開始時刻が迫っていた。しかし、新城の身体は回復が追いつかなかった。シャワーで一時的に熱を帯びた筋肉は、再び痛みと怠さを訴え、自力で立ち上がることを拒んでいた。
「仕方ないね、先生」
羽生は、その結果を予想していたかのように、少しも動揺しなかった。彼はシーツの交換を済ませた後、新城を抱き上げてベッドに戻し、厚手のローブを優しく羽織らせた。
「無理しなくていい。今日のフィナーレは、特別席で楽しもう」
羽生は、部屋の大きな窓のカーテンを勢いよく開け放った。窓の下には、煌びやかにライトアップされた遊園地の夜景が広がっている。遠くから、パレードの音楽と、観客の歓声が微かに響いてきた。
「ここなら、人目を気にせず、二人きりで楽しめる」
羽生はそう言うと、新城の隣に滑り込み、温かい身体を密着させた。羽生が優しく腰を撫でると、新城は反射的に身体を強張らせた。その手のひらが、先ほどまで激しい行為が行われていた場所を知っているからだ。
「まだ痛むだろう。僕が責任を持って、痛みを取ってあげるから」
羽生は新城の耳元で囁きながら、パレードの鮮やかな光が反射する窓ガラスに、唇を押し当てた。そのキスは、**「ここから先は、僕たちの世界だ」**と宣言しているようだった。
やがて、遠くからパレードのフロートがゆっくりと近づいてきた。華やかな光と音楽が、部屋の窓を色とりどりに染めていく。新城は、人々の賑やかな熱狂と、自分が閉じ込められている静かな密室のコントラストに、強い屈辱を感じた。
「綺麗だね、先生」
羽生は新城の腰を強く抱きしめ、彼の首筋に顔を埋めた。
「僕たちのこの秘密のフィナーレを、誰も知らない。あんたの心も身体も、今、僕だけのものだ」
新城は、窓の外の美しい光景と、隣の男の熱く独占的な体温の中で、自分が永遠に逃れられない、最も甘く、最も絶望的な檻に囚われたことを、改めて悟った。
夜のパレードの幻想的な音楽が、二人の異常なハネムーンのBGMとして、静かに響き渡っていた。
💗お知らせ💗
読んでいただきありがとうございます。
他にもこの二人が主人公のお話を投稿しているのでよかったら読んでみてくださいね。
「仕方ないね、先生」
羽生は、その結果を予想していたかのように、少しも動揺しなかった。彼はシーツの交換を済ませた後、新城を抱き上げてベッドに戻し、厚手のローブを優しく羽織らせた。
「無理しなくていい。今日のフィナーレは、特別席で楽しもう」
羽生は、部屋の大きな窓のカーテンを勢いよく開け放った。窓の下には、煌びやかにライトアップされた遊園地の夜景が広がっている。遠くから、パレードの音楽と、観客の歓声が微かに響いてきた。
「ここなら、人目を気にせず、二人きりで楽しめる」
羽生はそう言うと、新城の隣に滑り込み、温かい身体を密着させた。羽生が優しく腰を撫でると、新城は反射的に身体を強張らせた。その手のひらが、先ほどまで激しい行為が行われていた場所を知っているからだ。
「まだ痛むだろう。僕が責任を持って、痛みを取ってあげるから」
羽生は新城の耳元で囁きながら、パレードの鮮やかな光が反射する窓ガラスに、唇を押し当てた。そのキスは、**「ここから先は、僕たちの世界だ」**と宣言しているようだった。
やがて、遠くからパレードのフロートがゆっくりと近づいてきた。華やかな光と音楽が、部屋の窓を色とりどりに染めていく。新城は、人々の賑やかな熱狂と、自分が閉じ込められている静かな密室のコントラストに、強い屈辱を感じた。
「綺麗だね、先生」
羽生は新城の腰を強く抱きしめ、彼の首筋に顔を埋めた。
「僕たちのこの秘密のフィナーレを、誰も知らない。あんたの心も身体も、今、僕だけのものだ」
新城は、窓の外の美しい光景と、隣の男の熱く独占的な体温の中で、自分が永遠に逃れられない、最も甘く、最も絶望的な檻に囚われたことを、改めて悟った。
夜のパレードの幻想的な音楽が、二人の異常なハネムーンのBGMとして、静かに響き渡っていた。
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