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第7話 スキルとスキル
時はわずかに遡《さかのぼ》る。
リヒトが隠し階層へと掘り進んでいる間。
その映像を眺めながら、準A級探索者の天花寺エレナと魔王アニマは押し問答を繰り広げていた。
「行くったら行くのよ。さっさと私を通しなさい!」
「断ると言ったら断る。汝《うぬ》を隠し階層へは行かせん!」
アニマは隠し階層を覆う結界を解析し、突破法を見つけ出してリヒトに教えた。
エレナは「自分にもそれを教えろ」と要求したが、アニマは頑なに拒み続けた。
「魔人は他種の魔物とは次元が違う。汝《うぬ》が挑めば片手間に嬲り殺されるぞ、小娘」
「わかってるわ」
エレナは揺れる瞳でアニマを見つめながら、拳を握りしめる。
「それでも肉の盾ぐらいにはなれるでしょう」
アニマは透徹した眼差しを向ける。エレナが恐怖をひた隠し、震えを必死に堪えていると見抜いた。
「……その勇は良し。しかし蛮勇じゃ。勇ましさも見せ所を誤れば、最悪の結果を招いてしまう。汝の死が民草にとって如何ほどの痛みとなるか。それが分からぬほど愚昧ではなかろう、小娘」
諭されたエレナは唇を噛みしめる。一筋の血が下顎を伝う。アニマは口元に手を当てて思案する。直後、指を鳴らした。
「よし、ではこうしよう。もし主様が追い込まれ助けを求めたら、妾と汝で加勢する。さらに、汝の願いを何でもひとつ聞き届けよう。妾と主様の力が及ぶ範囲でな」
「……もし、あなたの主が助けを求めなかったら?」
「危うく見えたら妾が単身で加勢する。その場合にも、汝の願いを聞き届けてしんぜよう。ただし、主様が単騎で勝利したら、そのときは汝に妾と主様の願いを聞き届けてもらおう。それでどうじゃ?」
エレナは深く息を吸い込んだ。
可能なら今すぐ駆けつけたいが、それが身勝手な蛮勇だとわかっている。そして、魔王を名乗る彼女の話に乗る事の危険性もわかっている。
それでも、エレナは肯《うなず》いた。
「それでいいわ」
聞き届けたアニマが妖しく微笑む。そのとき、硝子窓を砕いたような音が響いた。
「主様が結界を破ったか。ささ、共に観戦しようぞ」
言われた通りに視線を送ると、映像にはエレナが映っていた。正確には、エレナの姿に変身したリヒトが映っていた。
「本当に私そっくり……って、ちょっと待って。何で映像を投影できているの? あなたはあそこに居ないじゃない」
「ん? ああ、【電脳】は電子情報を操る術じゃからな。視点の移動ぐらいは容易い」
「そ、そうなの……」
「そうじゃ」
「……あの」
「なんじゃ?」
「なんで胸ばかりアップにするの?」
「視聴者サービスじゃ」
「配信してるの!!?」
◆
左手を失ったリヒトへ彫像が飛来する。屈んで回避。そのまま地に伏せ、爆風と爆炎をやり過ごす。
(さっきまで投げてた炎は空気を焼夷弾化したものだったのか。まあ、それだけなら恐れる必要は──)
直後、頭上で金剛石が爆ぜた。幾つもの破片が飛散し、リヒトの全身に突き刺さる。
(手榴弾! どんな爆弾にするかは自由に選べるのか)
「まだまだァ!」
フラルゴが叫んだ。
高温の爆炎を撒き散らす焼夷弾。鋭利な破片を撒き散らす手榴弾。二種の爆弾が四方八方から降りかかる。リヒトは形振《なりふ》り構わず避け続ける。
「欠損や裂傷の割によく避けるなァ……。キヒッ、踊れ踊れ! 達磨《だるま》になるまで踊り続けろ! キヒッ、ギヒヒッ、ギャハハハハ────!」
哄笑を響かせながら、周囲の財宝を手当たり次第に爆弾化して投げつける。
しかし闘争の狂熱に浮かされつつも、フラルゴの観察眼は冷たく冴え渡っていた。
(俺の初動を見て躱している。高い動体視力は眼筋と視神経の増強によるものか。ならば!)
フラルゴは小さな宝石の欠片を拾い指で弾き飛ばす。リヒトは難なく回避。
しかしフラルゴは嗤った。
「かかったな」
リヒトの真横から、炎が襲いかかった。
(触れずに発火────いや、予め触れた空気をリモート起爆したのか)
考察しつつ炎をも躱した。だが最後の罠がリヒトを捕らえた。
「フラッシュバンだッ!」
眼前、再び空気が爆ぜる。
眩い閃光がリヒトから視覚を奪った。
「クソッ!」
罵声をこぼし逃げ惑うリヒト。しかしフラルゴは爆風に乗り高速接近。リヒトの背へと手を伸ばす。リヒトは上体を屈めて回避し、前方へ跳ぶ。
「鈍間《のろま》ァ!」
嘲るフラルゴの手がリヒトの右足を掠めた。起爆。リヒトの右膝から下と、爆発に巻き込まれた左の踵《かかと》が欠損した。
フラルゴの絶笑が再び轟いた。
「言ったろう、『頭が高い』と! 弱者はそうして頭《こうべ》を垂れ地を舐めろ!」
這いつくばり逃げ延びんとするリヒトは、振り向くことなく失笑する。
「はっ。人間様の足下に穴掘って隠れひそんでる君がそれを言うのか。魔人が生まれ持つ知識には自虐ネタも含まれてんの? 肝心な事はわからなかったのにね」
「……何?」
「最初、僕の魔力を気取れなかったろ? アレは僕のスキルの効果じゃない。魔道具の効果だよ」
「だが姿は見えている。盲目の達磨を近間で仕留めるぐらい造作も無い」
「右手が残ってるからダルマじゃないよ。重要なのは魔道具の個数だ」
「フン……いくつ持っていようが何も変わらん」
「僕がいくつも持ってるって意味じゃないよ。ニブすぎるな君は。ひとり一個ずつさ。個数は二つ、持ち主は二人。僕と、本物の天花寺エレナ」
フラルゴの脳内で、点と点が線で結ばれる。
偽物、本物、結界の破壊者、魔力を発さぬ者。
結ばれた線はひとつの絵図を描く。
(この男は単騎ではないのか? だとすれば今、仲間は──本物の天花寺エレナは何処に……)
「まさか!」
フラルゴが振り向き始めると同時。
「今だ!」
リヒトが叫んだ。
フラルゴには、背後を見るまでの時間が永遠に感じられた。
(はめられた……! はめられた! はめられた!!)
そして見た。背後の現状を。
何も無い。
何者も見当たらない。
(はめられっ……!)
再び向き直るより早く、フラルゴの二本角が二本の手に掴まれた。
(左手──欠損したはずでは──!?)
推理する隙も無く、リヒトの飛び膝蹴りが後頭部へ突き刺さる。魔力障壁による防御は間に合ったが、障壁ごと頭蓋が砕けて後頭葉が圧し潰された。
「やっぱりタフだね」
リヒトの声が背後から響くと同時、彼の両脚がフラルゴの両腕を胴ごと挟み拘束した。角を掴んだままの手でハンドルを回すように力を込め、頚椎を捻じ折ろうとする。フラルゴは首に魔力を集め必死に抗う。
「お気付きかと思うけど、僕は魔力隠蔽の魔道具なんて持ってないよ。魔力の気配が無いのは、単に僕の魔力が体外へ漏れてないだけ。天花寺さんもこの隠し階層には来てない。全部がブラフだよ」
教職者のような口調で、リヒトが語った。
「最も重要なのはブラフじゃない。ブラフを信じ込ませるためのミスリードなんだよ。僕の両足がダメになってたからこそ、君は僕に背中を晒した。立ち上がれもしない敵を見張り続けるより、背後に有り得る敵を確認すべきと判断したんだよね」
「欠損を……治せるのか……!?」
「『治す』って言うと語弊があるかもね。ただ無傷の姿に変身しただけだよ。ちなみに、僕はこれを『無瑕疵化《むかしか》』と呼んでいる」
フラルゴは絶望した。
あらゆる傷を瞬間的に癒やす力。
そんな力にどう抗えば良い。そんな奴をどう殺せば良い。
絶望は頭を鈍らせる。頭が鈍れば魔力操作も鈍る。首に集中していた魔力が微かに揺らいだ。
同時、頚椎が不気味な音を立てて捻じ折れた。フラルゴの体は糸の切れた人形のように崩れ落ちる。リヒトはフラルゴの背に乗ったまま、後頭部へ拳を振り下ろす。
命中。だが頭蓋は砕けない。全魔力を集中させて守っている。あらゆる魔物は脳さえ無事なら生き永らえる。
リヒトも無論それを知っていた。
「フラルゴくん。人体は全力を出しきれてない、って話を知ってるかな? 普段は自壊しないように出力を制限してるのさ。極限状況でだけ全力を出せる。『火事場の馬鹿力』ってやつだね」
拳を高く振りかざす。腕の筋の隆起は著しく、傍目にもその漲《みなぎ》りを見て取れる。
「『無瑕疵化』を持つ僕は、いつでも馬鹿力《それ》を発揮できる」
握り締められた拳が常軌を逸した握力で軋む。
フラルゴにはその軋みが、死神の足音に聞こえた。
彼の唇がわなわなと震える。
「や、やめっ」
鉄槌。
遅れて、轟音。
宝物庫の石床に巨大なクレーターが穿たれた。
頭部を喪ったフラルゴの亡骸は、黒い微粒子と化し消えてゆく。
その様に目もくれず、リヒトは立ち上がった。
「ジャスト5分、予告通りです。ご視聴ありがとうございました! 今後もこのような投稿を続けるので、高評価・チャンネル登録お願いします!」
その瞬間、Dtubeの通信ネットワークはトラフィック過多に陥った。
リヒトが隠し階層へと掘り進んでいる間。
その映像を眺めながら、準A級探索者の天花寺エレナと魔王アニマは押し問答を繰り広げていた。
「行くったら行くのよ。さっさと私を通しなさい!」
「断ると言ったら断る。汝《うぬ》を隠し階層へは行かせん!」
アニマは隠し階層を覆う結界を解析し、突破法を見つけ出してリヒトに教えた。
エレナは「自分にもそれを教えろ」と要求したが、アニマは頑なに拒み続けた。
「魔人は他種の魔物とは次元が違う。汝《うぬ》が挑めば片手間に嬲り殺されるぞ、小娘」
「わかってるわ」
エレナは揺れる瞳でアニマを見つめながら、拳を握りしめる。
「それでも肉の盾ぐらいにはなれるでしょう」
アニマは透徹した眼差しを向ける。エレナが恐怖をひた隠し、震えを必死に堪えていると見抜いた。
「……その勇は良し。しかし蛮勇じゃ。勇ましさも見せ所を誤れば、最悪の結果を招いてしまう。汝の死が民草にとって如何ほどの痛みとなるか。それが分からぬほど愚昧ではなかろう、小娘」
諭されたエレナは唇を噛みしめる。一筋の血が下顎を伝う。アニマは口元に手を当てて思案する。直後、指を鳴らした。
「よし、ではこうしよう。もし主様が追い込まれ助けを求めたら、妾と汝で加勢する。さらに、汝の願いを何でもひとつ聞き届けよう。妾と主様の力が及ぶ範囲でな」
「……もし、あなたの主が助けを求めなかったら?」
「危うく見えたら妾が単身で加勢する。その場合にも、汝の願いを聞き届けてしんぜよう。ただし、主様が単騎で勝利したら、そのときは汝に妾と主様の願いを聞き届けてもらおう。それでどうじゃ?」
エレナは深く息を吸い込んだ。
可能なら今すぐ駆けつけたいが、それが身勝手な蛮勇だとわかっている。そして、魔王を名乗る彼女の話に乗る事の危険性もわかっている。
それでも、エレナは肯《うなず》いた。
「それでいいわ」
聞き届けたアニマが妖しく微笑む。そのとき、硝子窓を砕いたような音が響いた。
「主様が結界を破ったか。ささ、共に観戦しようぞ」
言われた通りに視線を送ると、映像にはエレナが映っていた。正確には、エレナの姿に変身したリヒトが映っていた。
「本当に私そっくり……って、ちょっと待って。何で映像を投影できているの? あなたはあそこに居ないじゃない」
「ん? ああ、【電脳】は電子情報を操る術じゃからな。視点の移動ぐらいは容易い」
「そ、そうなの……」
「そうじゃ」
「……あの」
「なんじゃ?」
「なんで胸ばかりアップにするの?」
「視聴者サービスじゃ」
「配信してるの!!?」
◆
左手を失ったリヒトへ彫像が飛来する。屈んで回避。そのまま地に伏せ、爆風と爆炎をやり過ごす。
(さっきまで投げてた炎は空気を焼夷弾化したものだったのか。まあ、それだけなら恐れる必要は──)
直後、頭上で金剛石が爆ぜた。幾つもの破片が飛散し、リヒトの全身に突き刺さる。
(手榴弾! どんな爆弾にするかは自由に選べるのか)
「まだまだァ!」
フラルゴが叫んだ。
高温の爆炎を撒き散らす焼夷弾。鋭利な破片を撒き散らす手榴弾。二種の爆弾が四方八方から降りかかる。リヒトは形振《なりふ》り構わず避け続ける。
「欠損や裂傷の割によく避けるなァ……。キヒッ、踊れ踊れ! 達磨《だるま》になるまで踊り続けろ! キヒッ、ギヒヒッ、ギャハハハハ────!」
哄笑を響かせながら、周囲の財宝を手当たり次第に爆弾化して投げつける。
しかし闘争の狂熱に浮かされつつも、フラルゴの観察眼は冷たく冴え渡っていた。
(俺の初動を見て躱している。高い動体視力は眼筋と視神経の増強によるものか。ならば!)
フラルゴは小さな宝石の欠片を拾い指で弾き飛ばす。リヒトは難なく回避。
しかしフラルゴは嗤った。
「かかったな」
リヒトの真横から、炎が襲いかかった。
(触れずに発火────いや、予め触れた空気をリモート起爆したのか)
考察しつつ炎をも躱した。だが最後の罠がリヒトを捕らえた。
「フラッシュバンだッ!」
眼前、再び空気が爆ぜる。
眩い閃光がリヒトから視覚を奪った。
「クソッ!」
罵声をこぼし逃げ惑うリヒト。しかしフラルゴは爆風に乗り高速接近。リヒトの背へと手を伸ばす。リヒトは上体を屈めて回避し、前方へ跳ぶ。
「鈍間《のろま》ァ!」
嘲るフラルゴの手がリヒトの右足を掠めた。起爆。リヒトの右膝から下と、爆発に巻き込まれた左の踵《かかと》が欠損した。
フラルゴの絶笑が再び轟いた。
「言ったろう、『頭が高い』と! 弱者はそうして頭《こうべ》を垂れ地を舐めろ!」
這いつくばり逃げ延びんとするリヒトは、振り向くことなく失笑する。
「はっ。人間様の足下に穴掘って隠れひそんでる君がそれを言うのか。魔人が生まれ持つ知識には自虐ネタも含まれてんの? 肝心な事はわからなかったのにね」
「……何?」
「最初、僕の魔力を気取れなかったろ? アレは僕のスキルの効果じゃない。魔道具の効果だよ」
「だが姿は見えている。盲目の達磨を近間で仕留めるぐらい造作も無い」
「右手が残ってるからダルマじゃないよ。重要なのは魔道具の個数だ」
「フン……いくつ持っていようが何も変わらん」
「僕がいくつも持ってるって意味じゃないよ。ニブすぎるな君は。ひとり一個ずつさ。個数は二つ、持ち主は二人。僕と、本物の天花寺エレナ」
フラルゴの脳内で、点と点が線で結ばれる。
偽物、本物、結界の破壊者、魔力を発さぬ者。
結ばれた線はひとつの絵図を描く。
(この男は単騎ではないのか? だとすれば今、仲間は──本物の天花寺エレナは何処に……)
「まさか!」
フラルゴが振り向き始めると同時。
「今だ!」
リヒトが叫んだ。
フラルゴには、背後を見るまでの時間が永遠に感じられた。
(はめられた……! はめられた! はめられた!!)
そして見た。背後の現状を。
何も無い。
何者も見当たらない。
(はめられっ……!)
再び向き直るより早く、フラルゴの二本角が二本の手に掴まれた。
(左手──欠損したはずでは──!?)
推理する隙も無く、リヒトの飛び膝蹴りが後頭部へ突き刺さる。魔力障壁による防御は間に合ったが、障壁ごと頭蓋が砕けて後頭葉が圧し潰された。
「やっぱりタフだね」
リヒトの声が背後から響くと同時、彼の両脚がフラルゴの両腕を胴ごと挟み拘束した。角を掴んだままの手でハンドルを回すように力を込め、頚椎を捻じ折ろうとする。フラルゴは首に魔力を集め必死に抗う。
「お気付きかと思うけど、僕は魔力隠蔽の魔道具なんて持ってないよ。魔力の気配が無いのは、単に僕の魔力が体外へ漏れてないだけ。天花寺さんもこの隠し階層には来てない。全部がブラフだよ」
教職者のような口調で、リヒトが語った。
「最も重要なのはブラフじゃない。ブラフを信じ込ませるためのミスリードなんだよ。僕の両足がダメになってたからこそ、君は僕に背中を晒した。立ち上がれもしない敵を見張り続けるより、背後に有り得る敵を確認すべきと判断したんだよね」
「欠損を……治せるのか……!?」
「『治す』って言うと語弊があるかもね。ただ無傷の姿に変身しただけだよ。ちなみに、僕はこれを『無瑕疵化《むかしか》』と呼んでいる」
フラルゴは絶望した。
あらゆる傷を瞬間的に癒やす力。
そんな力にどう抗えば良い。そんな奴をどう殺せば良い。
絶望は頭を鈍らせる。頭が鈍れば魔力操作も鈍る。首に集中していた魔力が微かに揺らいだ。
同時、頚椎が不気味な音を立てて捻じ折れた。フラルゴの体は糸の切れた人形のように崩れ落ちる。リヒトはフラルゴの背に乗ったまま、後頭部へ拳を振り下ろす。
命中。だが頭蓋は砕けない。全魔力を集中させて守っている。あらゆる魔物は脳さえ無事なら生き永らえる。
リヒトも無論それを知っていた。
「フラルゴくん。人体は全力を出しきれてない、って話を知ってるかな? 普段は自壊しないように出力を制限してるのさ。極限状況でだけ全力を出せる。『火事場の馬鹿力』ってやつだね」
拳を高く振りかざす。腕の筋の隆起は著しく、傍目にもその漲《みなぎ》りを見て取れる。
「『無瑕疵化』を持つ僕は、いつでも馬鹿力《それ》を発揮できる」
握り締められた拳が常軌を逸した握力で軋む。
フラルゴにはその軋みが、死神の足音に聞こえた。
彼の唇がわなわなと震える。
「や、やめっ」
鉄槌。
遅れて、轟音。
宝物庫の石床に巨大なクレーターが穿たれた。
頭部を喪ったフラルゴの亡骸は、黒い微粒子と化し消えてゆく。
その様に目もくれず、リヒトは立ち上がった。
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