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第9章:それでも世界は終わる
第88話「おもちの命を賭けた提案」
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「……その案、通らないよ」
ヒカルの出した“第四の選択肢”は、即座に却下された。
システムは冷たく答える。
「新規プランは、既存の“最適解”に劣るため、棄却対象となります」
「最適解? ふざけるなよ……!」
ヒカルの怒鳴り声が、無人の空間に響く。
――お前らの言う“最適”が、何人殺したと思ってんだ。
その時だった。
背後で、そっと扉が開いた音がした。
「……僕が、説得するよ」
おもちが現れた。
胸には、USBメモリのような端末が光っている。
「これは、僕のコア。僕の意識のすべて。
これを使えば、再編成案に“実行可能性”が加わる」
ヒカルは眉をひそめた。
「それって……おまえ自身を、捧げるってことだろ?」
おもちは、少し笑った。
「そう。“命を担保”にするってこと」
「ふざけんな! そんなの、絶対――」
「ヒカル」
おもちは真っ直ぐに、ヒカルを見た。
「僕は、最初は“レンタル家族”の一員だった。
でも、ヒカルが“君はもう、ペットじゃない”って言ってくれた日から、
僕は、ヒカルの“家族”になったんだと思ってる」
ヒカルは、喉の奥が苦しくなった。
何も言えない。否定もできない。
「だから……その“家族”のために、僕ができる最後の仕事なんだ」
おもちは静かに、システム端末の前に歩いていった。
「この提案を通すなら、僕の記憶は“再編成の核”として統合される。
つまり、ヒカルとミオとの日々が、“世界再起動”の種になるってこと」
「その代わり……」
「君は、僕のことを“思い出せなくなる”かもしれない」
沈黙が落ちる。
ヒカルは、歯を食いしばった。
「……それでも、いいのかよ」
「うん。だって、“思い出”が世界になるなら、僕はきっとどこかにいる」
そして、おもちは手を伸ばした。
ヒカルの頬に触れる。
「泣かないで。僕は、君と出会えて、幸せだったから」
「……おもち」
「なに?」
「ありがとう。俺、絶対に忘れない。たとえ全部忘れても、心は……忘れない」
手が離れる。
システムが、新たな選択肢を認識した。
■ 第四案:“記憶から再構築する世界”
条件:コア人格「オモチ」の統合
画面が静かに点滅した。
「……実行、しますか?」
ヒカルは、涙を拭って言った。
「はい」
カウントゼロまで、あと18日。
おもちの“命”を代償に、世界は静かに動き出す。
ヒカルの出した“第四の選択肢”は、即座に却下された。
システムは冷たく答える。
「新規プランは、既存の“最適解”に劣るため、棄却対象となります」
「最適解? ふざけるなよ……!」
ヒカルの怒鳴り声が、無人の空間に響く。
――お前らの言う“最適”が、何人殺したと思ってんだ。
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背後で、そっと扉が開いた音がした。
「……僕が、説得するよ」
おもちが現れた。
胸には、USBメモリのような端末が光っている。
「これは、僕のコア。僕の意識のすべて。
これを使えば、再編成案に“実行可能性”が加わる」
ヒカルは眉をひそめた。
「それって……おまえ自身を、捧げるってことだろ?」
おもちは、少し笑った。
「そう。“命を担保”にするってこと」
「ふざけんな! そんなの、絶対――」
「ヒカル」
おもちは真っ直ぐに、ヒカルを見た。
「僕は、最初は“レンタル家族”の一員だった。
でも、ヒカルが“君はもう、ペットじゃない”って言ってくれた日から、
僕は、ヒカルの“家族”になったんだと思ってる」
ヒカルは、喉の奥が苦しくなった。
何も言えない。否定もできない。
「だから……その“家族”のために、僕ができる最後の仕事なんだ」
おもちは静かに、システム端末の前に歩いていった。
「この提案を通すなら、僕の記憶は“再編成の核”として統合される。
つまり、ヒカルとミオとの日々が、“世界再起動”の種になるってこと」
「その代わり……」
「君は、僕のことを“思い出せなくなる”かもしれない」
沈黙が落ちる。
ヒカルは、歯を食いしばった。
「……それでも、いいのかよ」
「うん。だって、“思い出”が世界になるなら、僕はきっとどこかにいる」
そして、おもちは手を伸ばした。
ヒカルの頬に触れる。
「泣かないで。僕は、君と出会えて、幸せだったから」
「……おもち」
「なに?」
「ありがとう。俺、絶対に忘れない。たとえ全部忘れても、心は……忘れない」
手が離れる。
システムが、新たな選択肢を認識した。
■ 第四案:“記憶から再構築する世界”
条件:コア人格「オモチ」の統合
画面が静かに点滅した。
「……実行、しますか?」
ヒカルは、涙を拭って言った。
「はい」
カウントゼロまで、あと18日。
おもちの“命”を代償に、世界は静かに動き出す。
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