痣。

藤野 優

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二人のあいつ、そして距離の話。

2−2

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俺は本格的に壁になることを決めて、白鳥に行ってらっしゃいと軽く手を振って列に並び直した。



多分あのJKと飯を食うんだろうなぁと思いながら
店の外まで出てきた店員に「一人です」と伝えた。

白鳥と飯に行き始めた頃は、店員と話せなすぎて白鳥が代わりに注文することが多かったが
最近は、ちゃんと白鳥に頼らずとも注文できるようになったし
こういうふうに店員に話しかけられても受け答えができるようになった。

ほんとに成長していると思う。

昼飯をカップ麺で済ませることもなくなったし。


って何初めてのお使いみたいな子供っぽい成長を感じてるんだよ。
そう一人でツッコミを入れていた。


店外に並んだ椅子の一つに腰掛けながら
株の動きを見ながら時間を潰していると、「ただいま。どうだった?」と頭上から声がした。
てっきりあの人達と飯を食べると思っていたから白鳥が帰って来るとは思ってなかった。
そこでさっきの店員に”一人”と伝えてしまったことを思い出し、そのことを伝えると
「じゃあ訂正してくる」と言ってスタスタと店の中に入って行った。

またしばらくして白鳥が帰って来た。
「おかえり、ごめんね。あの人達と食べるのかと思ってて。あの人って友達とか親戚だったの?」
と聞くとまるで未知の生物を見るような目で「いや、あれナンパだよ?」と言われた。

あれ、噂に聞くナンパだったのか。
漫画とか小説だけのイベントじゃなかったのか。
いや、リアルになければ漫画にも小説にも出てこないか。

だとしても関係のないイベントだったわけだが。
顔面いいヤツの特権だよなぁ。畜生。


一人勝手にウンウンと頷いていると、
「今日は一緒に来てる人がいるから。ってちゃんと断ったよ。」
とぼそっと言われた。


・・・それが何だ?いやまぁ、こんなキラキラした場所で一人にされたらちょっときついなぁ、とは思うけれど、、。


反応に困りとりあえずありがとうと伝える。恐らく周りの雑音にかき消されたと思う。
そう思う程には声が小さかった。


軽食屋さんということだけあって客の回転が早い。

すぐに俺たちの番が来た。「白鳥様どうぞ~」とアパレルショップを連想させるようなハリのある声で呼ばれた。
すぐと言っても人がたくさんいたので、結構待っていたほうだと思う。
先程よりかはお腹が減っている。


席を案内されメニューを開くと横文字が大量に並んでいた。
唯一理解できたのはパンケーキとサンドイッチだった。しかも語尾がちょっと分かっただけで、前半は全くわからない。やけにオシャレな写真を頼りに何を食べるかを決めた。



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