344 / 437
エルとリオンのトホホ外伝
エルとリオンのトホホ外伝3
しおりを挟む
「なあリオン、俺ってモテないタイプに見えるかな?」
部屋に戻り、口直し代わりにかわゆい弟に聞いてみる。
もちろん自分では『モテない』なんてカケラも思ってはいない。
単なる謙遜だ。
リオンだって俺がモテないだなんて――――思っているわけが無い。
そのはずなのに、なぜか返事がかえってこない。
う。もしや……もしやリオンもアリシア同様、この俺を『モテない男』と思っているのかッー!?
だから黙ったままなのか?
……そういえば告白を受けたのは、俺が一人でいるときばかり。
つまり、リオンは俺がモテているところは全く見ていなかったのだ。
『いいえ、兄様はおモテにはなっていません』
『賢い兄様がそんな酷い勘違いをなさるなんて……僕は悲しいです』
かわゆい弟の口から残酷な言葉がこぼれ落ちる様を想像して、冷や汗がツツと流れた。
そうしてとうとう、リオンがおずおずと言葉を紡ぎ始めた。
「え……っと。
あの……僕には意味がよくわからないのですが、兄様は『何を』お持ちになりたいのですか?
兄様は僕をなにかと抱き上げてくださいますし、闘技の様子から推測しましても人間としてはかなり力がある方だと思います。
何か持てなくて、お困りですか?
僕でよろしければお役に立てませんか?」
首をかしげながら遠慮がちに喋る、この弟の可愛いことよ。
やはりリオンは可愛い。可愛過ぎる。
即答しなかったのは、そういうワケだったなんて。
しかし残念ながら『モテ』違いだ。
修正しておいた方がいいのだろうか?
いや、こういう勘違いもリオンらしくて可愛らしい。
「もうすでに役には立っているよ。ありがとう、リオン」
そう言って小さな体を抱きしめる。
癒されるな~ホント。
それに何か、いい香り。
どんな疲れも吹っ飛ぶ『超高度癒し能力』を保持する弟がいるっていいなぁ!
俺ってなんて幸せ者なのだろう。
次に俺は、王に聞いてみることにした。
王は基本的に褒め上手だ。良いところを見つけては、積極的に臣下を褒めている。
それでいて、その内容に嘘は無い。
王のお墨付きをもらえば、アリシアだって『ぐうの音』も出まい。
女性は感情的なので、客観的判断には向かない生き物だと聞いたことがある。
アリシアなどは『モロにそんなタイプ』であると思われる。
冷静で有能な王とは大違いだ。
良いところだっていっぱいあるのに、何故彼女はあんなにも口が悪いのだろう?
アリシアのたわごとなど、男らしく一笑に付して無視しておけばいい……。
頭ではそうわかっているが、俺は生まれてこのかた女性に蔑ろにされたことはほとんどない。
なのに、
「女々しい」
「なんでイチイチ号泣するのよ」
「は? 正気なの? このブラコン屑男」
「弟の教育もまともに出来ないアホ」
とか、罵られ続けると根本から自信が揺らいでくる。
そうだ、そうだ。
どうせ屑だよ俺は。
自国を滅ぼして自分は生き延びている屑だよ。
親友にも殺されかけたうえ、いまだ国の復興もままならない屑だよ。
……と、言われてもないことまで思い出して落ち込んでくる。
しかし俺が鬱々としていたところで国が復興できるわけではない。
今は国の成り立ちを有能な王の下で学び、自分自身が起てる大人となるまで努力するのみ。
鬱々としたって、弟の教育に悪いだけだ。
なので、日頃は努めて明るく振舞うようにしている。
部屋に戻り、口直し代わりにかわゆい弟に聞いてみる。
もちろん自分では『モテない』なんてカケラも思ってはいない。
単なる謙遜だ。
リオンだって俺がモテないだなんて――――思っているわけが無い。
そのはずなのに、なぜか返事がかえってこない。
う。もしや……もしやリオンもアリシア同様、この俺を『モテない男』と思っているのかッー!?
だから黙ったままなのか?
……そういえば告白を受けたのは、俺が一人でいるときばかり。
つまり、リオンは俺がモテているところは全く見ていなかったのだ。
『いいえ、兄様はおモテにはなっていません』
『賢い兄様がそんな酷い勘違いをなさるなんて……僕は悲しいです』
かわゆい弟の口から残酷な言葉がこぼれ落ちる様を想像して、冷や汗がツツと流れた。
そうしてとうとう、リオンがおずおずと言葉を紡ぎ始めた。
「え……っと。
あの……僕には意味がよくわからないのですが、兄様は『何を』お持ちになりたいのですか?
兄様は僕をなにかと抱き上げてくださいますし、闘技の様子から推測しましても人間としてはかなり力がある方だと思います。
何か持てなくて、お困りですか?
僕でよろしければお役に立てませんか?」
首をかしげながら遠慮がちに喋る、この弟の可愛いことよ。
やはりリオンは可愛い。可愛過ぎる。
即答しなかったのは、そういうワケだったなんて。
しかし残念ながら『モテ』違いだ。
修正しておいた方がいいのだろうか?
いや、こういう勘違いもリオンらしくて可愛らしい。
「もうすでに役には立っているよ。ありがとう、リオン」
そう言って小さな体を抱きしめる。
癒されるな~ホント。
それに何か、いい香り。
どんな疲れも吹っ飛ぶ『超高度癒し能力』を保持する弟がいるっていいなぁ!
俺ってなんて幸せ者なのだろう。
次に俺は、王に聞いてみることにした。
王は基本的に褒め上手だ。良いところを見つけては、積極的に臣下を褒めている。
それでいて、その内容に嘘は無い。
王のお墨付きをもらえば、アリシアだって『ぐうの音』も出まい。
女性は感情的なので、客観的判断には向かない生き物だと聞いたことがある。
アリシアなどは『モロにそんなタイプ』であると思われる。
冷静で有能な王とは大違いだ。
良いところだっていっぱいあるのに、何故彼女はあんなにも口が悪いのだろう?
アリシアのたわごとなど、男らしく一笑に付して無視しておけばいい……。
頭ではそうわかっているが、俺は生まれてこのかた女性に蔑ろにされたことはほとんどない。
なのに、
「女々しい」
「なんでイチイチ号泣するのよ」
「は? 正気なの? このブラコン屑男」
「弟の教育もまともに出来ないアホ」
とか、罵られ続けると根本から自信が揺らいでくる。
そうだ、そうだ。
どうせ屑だよ俺は。
自国を滅ぼして自分は生き延びている屑だよ。
親友にも殺されかけたうえ、いまだ国の復興もままならない屑だよ。
……と、言われてもないことまで思い出して落ち込んでくる。
しかし俺が鬱々としていたところで国が復興できるわけではない。
今は国の成り立ちを有能な王の下で学び、自分自身が起てる大人となるまで努力するのみ。
鬱々としたって、弟の教育に悪いだけだ。
なので、日頃は努めて明るく振舞うようにしている。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。
【完結】男の後輩に告白されたオレと、様子のおかしくなった幼なじみの話
須宮りんこ
BL
【あらすじ】
高校三年生の椿叶太には女子からモテまくりの幼なじみ・五十嵐青がいる。
二人は顔を合わせば絡む仲ではあるものの、叶太にとって青は生意気な幼なじみでしかない。
そんなある日、叶太は北村という一つ下の後輩・北村から告白される。
青いわく友達目線で見ても北村はいい奴らしい。しかも青とは違い、素直で礼儀正しい北村に叶太は好感を持つ。北村の希望もあって、まずは普通の先輩後輩として付き合いをはじめることに。
けれど叶太が北村に告白されたことを知った青の様子が、その日からおかしくなって――?
※本編完結済み。後日談連載中。
悪役会計様に転生した俺は、生徒会長に媚び売って生き残る
桜城 寧
BL
【第1部完結しました。第2部更新予定です!】
処刑された記憶とともに、BLゲームの悪役会計に転生したことに気付いた主人公・カイル。
処刑されないために、チャラ男の仮面を被り、生徒会長に媚びを売り、能力を駆使して必死に立ち回る。
だが、愛された経験がない彼は、正しい人との距離感を知らない。
無意識の危うい言動は、生徒会長や攻略対象、さらには本来関わらないはずの人物たちまで惹きつけ、過剰な心配と執着、独占欲を向けられていく。
——ただ生き残りたいだけなのに。
気づけば彼は、逃げ場を失うほど深く、甘く囲われていた。
*カクヨム様でも同時掲載中です。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
龍の寵愛を受けし者達
樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、
父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、
ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。
それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて
いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。
それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。
王家はある者に裏切りにより、
無惨にもその策に敗れてしまう。
剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、
責めて騎士だけは助けようと、
刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる
時戻しの術をかけるが…
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる