滅びの国の王子と魔獣(挿絵あり)本編完結・以後番外編

結城 

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第14章 明日を歩く

4.明日を歩く

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 俺たちのブロマイドや関連グッズは以前王が公言したとおり、作りに作って売りまくっていた。

 そんなモノが売れるのか?
 ……と最初は思っていたが売り出してみると王の言う通り、けっこうな資金源となっている。

 そのおかげも少々はあるのか、古びていかにもボロかった城や庭園も、気がつくとずいぶんキレイになっていた。
 組織の人間もずいぶん増えた。

 もちろんブロマイドはただ店に並べて売っていたわけではない。
 まずは闘技場の出店で、少しずつ売り出していった。

 闘技場は王立とは思えないほど貧乏臭かったが、それでも俺たち王の親衛隊に勝てばそれなりに賞金が出る。
 そのため闘技場は大繁盛だった。

 ……どうも『親衛隊』というのは最初から名ばかりで、どちらかというと箔を付け、闘技とグッズでお金を稼ぐアイドル部隊を作りたかったらしい。

 施設にお金をかけるのは大変だけど、食い詰めた腕の立つ美形を拾って地位で釣り、闘士に育て上げるのは案外お金がかからない。

 低リスクハイリターンを狙った王は、中々の商売上手と言えるだろう。

 そういえば王は元からごつい男共をたくさん護衛として従えていたよなぁ。
 名称は違えど、あちらが本来の親衛隊なのだろう。

 家柄も経歴も無視して作ったエセ親衛隊……つまり、俺たちの隊は見た目優男。そして美女のアリシアしか居ないので、挑戦者たちは思ったより気軽に参加している。チンピラや町の腕自慢程度ってところが大多数だ。

 なるほど。

 王は色々言ってたが、真の狙いはソコにあると見た。
 幅広く挑戦者を募り、利益を効率的に上げていく……多少のセコさはいなめないが、悪くない考えだ。

 もちろん闘技は命のやり取りをするようなものでなく、選べる武具もこちらで用意する殺傷力の低いものの中でしか選べない。
 命にかかわる急所を狙うのも反則としており、違反したものには巨額の罰金が課せられる。
 そのため無茶苦茶な奴は、ほぼいない。

 ちなみに挑戦者からは『挑戦料』もガッツリと取っている。
 初期は宣伝のために80%オフとかやってたが、供給より需要がはるかに上回り出した今は値引きは一切ない。

 むしろ、あのへんで挑戦権を高値で売りつけているダフ屋。
 あれって一般人のフリしてるけど、王の手の者の気がするんだが……。
 いったいどこまでセコく儲けるつもりなのだろう。

 王は観客からも観戦料をとっている。
 と言っても高いのは桟敷席だけで、その他は子供の小遣いでも買えるような安さだ。
 実際闘技場には子供なども多く来ている。
 その子供たちは将来のお客様とみなしているらしい。
 定期的に子供向けイベントなども開催されているので、親子連れの客も多い。

 しかしお子様も来る環境にもかかわらず、王はそこで国営賭博もやっている。

 故国エルシオンでは賭博は禁止だったのでビックリしたが、王は子供向けイベントで布教活動もしていた。
『ダメな大人にならないために』とのタイトルで、大人になってからする(かもしれない)賭け事の適正範囲などをお菓子などで釣りつつ子供たちに広く布教していたのだ。

 良心的とも言える行いだが、よく考えると『長くお客様でいてもらうための布石』であるようにも思える。

 俺は王から国づくりを学ぼうと思っていたが、このままでは王の尋常ではないセコさばかり学んでしまいそうだ。

 いいんだろうか、コレで。
 まぁ良い事にしよう。

 もっと給料上げてくれ!!
 ……と時々思わなくもないが、今はリオンを養っても余裕のある暮らしが出来るようになっている。
 王に楯突いて首になるよりは、今のまま平和に、気楽に働くほうがいいのだろう。

 闘技場では手強そうな奴の相手は俺がし、大多数を占める雑魚は戦闘訓練も兼ねてアリシアやブラディ達が担当していた。
 親衛隊員が挑戦者に負けることはほぼ無く、20回に1回あるか無いかというところだ。

 その20回に1回も、厳密に言えば八百長であることが多い。
 王命に従い、バレないようにわざと負ける。
 かなりのテクニックが必要だが、慣れればピンチを演出するのもワザと負けるのもお手の物だ。

 もちろん挑戦者はお客様。

 お客様は神様なので、彼らを傷つけないよう慎重に戦っている。
 そうすれば1人5~100回ぐらいの範囲でまず再挑戦してくれる。

 たまに元王子が八百長の闘士……と、ちょっと悲しくなるが、綺麗事で飯は喰えない。
 俺たちは生きていかねばならないのだ。

 その他にも聞いただけだと鼻で笑ってしまうような馬鹿馬鹿しい企画や商品が意外とヒットしていた。
 アルフレッド王は見かけとは違って本当にやり手だった。

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