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プロローグ
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「環診察始めるぞー」
「牧先生!仕事場なんで、名前で呼ぶのはやめてください!」
「はいはい。すみませんねー環チャン」
「だから、何度言えば……って先生! 診察するなら白衣羽織ってください!」
「はいはーい。環チャンお母さんみたいネ」
マスクで覆われ、少しくぐもった声だったが、私の耳にはしっかり届いていた。牧先生の指すあの日の出来事は、私の汚点かつ忘れたい出来事ナンバーワンだった。牧先生は目を細めて私を見ていた。マスクで見えないけれども明らかに笑っているだろう。そんな牧先生の視線から逃れるように私は目を逸らした。卑怯だと罵られてもいい。それでもあの日の事を口にするのは憚られた。
あの日の私はお酒を飲みすぎていて変だった。だからあんなことしてしまったんだ。
もう、あんな事は二度と起きない。
「牧先生!仕事場なんで、名前で呼ぶのはやめてください!」
「はいはい。すみませんねー環チャン」
「だから、何度言えば……って先生! 診察するなら白衣羽織ってください!」
「はいはーい。環チャンお母さんみたいネ」
マスクで覆われ、少しくぐもった声だったが、私の耳にはしっかり届いていた。牧先生の指すあの日の出来事は、私の汚点かつ忘れたい出来事ナンバーワンだった。牧先生は目を細めて私を見ていた。マスクで見えないけれども明らかに笑っているだろう。そんな牧先生の視線から逃れるように私は目を逸らした。卑怯だと罵られてもいい。それでもあの日の事を口にするのは憚られた。
あの日の私はお酒を飲みすぎていて変だった。だからあんなことしてしまったんだ。
もう、あんな事は二度と起きない。
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