7 / 27
7話 油断大敵
しおりを挟む
突然の来訪者に朝から言葉を失う。
頭が真っ白になったまま、ひとまずエントランスの扉を開ける。
いや待て。本当に開けて良かったのか。咄嗟にボタンを押してしまったが、自ら招き入れてしまってどうするんだ。
もしかして自分は取り返しのつかない事をしてしまったのではないかと顔が青ざめる。
だが後悔したところでもう遅い。しばらく呆然としたあと、ハッと我に返る。
(部屋掃除してない!)
山積みの衣服を慌ててクローゼットに押し込む。読もうと思ったまま読めてない本を片づけて、ベッドシーツをきれいにのばして掛け布団を畳む。掃除機もかけたかったがそんな時間はなく、無情にもインターホンが鳴り響いた。
「……はい」
「おはよー、ちーちゃん。ちゃんと眠れた?」
ドアの隙間からちらっと顔を出す。
幻なんかじゃない。朝から爽やかすぎる笑みが眩しい。そういえば私と違って悠は朝が得意だ。
「……まだ出勤時間じゃないですよね」
思わず敬語になる。一応これでも仕える立場になるのだ。
昔のようにため口で話しかけるわけにもいかないだろう。
「うん。でもちーちゃんが逃げないように、ちゃんと見張っておこうかと思って」
――朝からなんてことを言うのだこの男は。
逃げられるならとっくに逃げている。どちらにしても信用されていないということか。
「逃げませんよ。ちゃんと出勤するので先に行ってください」
「んー……でもさあ」
その時だった。わずかな隙間に悠が手を差し込み、勢いよくドアを掴む。
――しまった。
慌てて閉めようとしたが、ビクともしない。
悠がニヤリと薄笑いを浮かべる。そのまま隙間に足を入れると、勢いよくドアを開けた。
「なっ……!?」
「俺はちーちゃんと一緒に出勤したいなあ」
重力でバランスを崩して後ろに倒れてしまいそうになる。すると、悠の手が伸びてきてぐっと引き寄せられた。
(危なかった……)
今頃床に頭を打ち付けていたかと思うと、心臓がバクバクと鳴ってうるさい。
思わず悠の胸に顔を寄せて乱れた呼吸をなんとか落ち着けようとする。
「大丈夫? 怪我はない?」
「あ、ありがとう……ございます」
悠から体を離そうとすると、逃がさないとでもいうように強引に引き寄せられてしまう。
「ねえさっきからなんで敬語なの?」
「だって、私はただの社員だし……」
「じゃあまずはそれ辞めて。俺、昔みたいにちーちゃんと普通に話したいよ」
こんな状況で昔みたいに、なんてよく言ったものだ。
だが悠がそう言うならその方が楽だ。こちらも幼馴染相手に敬語は慣れない。
ほっと息をついたのも束の間、悠が後ろ手にかちゃりと玄関の鍵を閉めた。
一気に現実に引き戻され悠を見上げる。にこっと罪のない笑顔を浮かべるが時すでに遅し。悠が靴を脱いで迷いもなく侵入してくる。
「ちょっと悠!」
「おじゃましまーす」
狭いキッチンを抜けて悠が扉を開ける。無言のままぐるりと部屋を見渡したあと、部屋の中に足を踏み入れた。
「すっごい可愛い。ちーちゃんの部屋だ」
「もう! 勝手に入らないでよね!」
「だって、ちーちゃんの部屋見たかったんだもん」
――本音はそれか。
呆れてため息をつくと、悠が部屋の窓を開けてベランダへ出た。
「うーん……やっぱり三階じゃ危ないな。これじゃ誰か侵入してくるかも」
ぼそぼそと何か一人で言ってるようだが、外の車の音でちゃんと聞き取れない。余計なものを放置しておかなかったか周りを見渡し、とりあえずクローゼットがちゃんと閉まっているか視線を向ける。
「こんな狭い部屋、あんたには居心地悪いでしょ。さっさと出て行って」
元々すぐにハワイに行くつもりだったから、家賃は抑えてアクセス重視で1Kの部屋を選んだ。バストイレ別だけは譲れなかったが、女一人で暮らすには十分な広さだ。だがそこにもう一人増えるとなれば、狭さが一段と増す。
「そう? 俺は狭い部屋好きだよ。その分ちーちゃんの近くにいられるし」
この男の脳内は一体どうなっているのだろうか。こんなにストレートに気持ちを伝えてくるような子じゃなかった。むしろ私の後ろに隠れて自分の思いを言葉にすらできない子だったのに。
まともに相手をするのも疲れて、ベッドに腰掛ける。物色するほどの部屋じゃない。社長になった悠からすれば、物置部屋にでも見えるだろう。
「ここは……」
「あーークローゼットはだめ! 絶対だめ!」
扉のすぐ横にあるクローゼットに手を伸ばした瞬間、全力でその腕を掴んだ。
もし開いたら、さっき詰め込んだ衣服が雪崩を起こすに決まっている。それどころか下着も全部中の引き出しにいれているのだ。こんなところ友人どころか誰にも見せるわけにはいかない。
「それは困るなあ。ちーちゃんに嫌われたら俺死ぬかも」
そもそもすでに嫌われているという発想がないのが恐ろしい。夢にまで見た再会は、自分にとって最悪な形だった。それをこの男は一切気にするそぶりもない。
(私が、どんな想いで……)
昨日のことを思い出すだけも腹立たしい。
斎賀さんや後輩を人質に取って、あれはいわゆる脅しだ。これは私の意思なんか関係ない、ビジネスの世界で取り引きされたいわば人身売買だ。
「ちーちゃん?」
悠が心配そうに顔をのぞき込んでくる。誰がこんな顔をさせていると思っているのだ。
(許したわけじゃない)
けれどどうにもできない自分にも腹が立つ。悔しくなって、ぷいっと顔を背けるとテレビ台にある時計が目に入った。のんびりしている時間はない。もうすぐ予定の電車に乗る時間だ。
「用が済んだならもう帰って。私まだ着替えてないんだから」
もう遅刻は確定だ。最も、遅刻の原因が社長本人なのだから私は悪くない。
とにかく悠のせいで着替えすらまともにできていない。さっさと部屋から出ていって欲しいと追い出そうとしたのだが――。
「え……?」
どさりと背後のベッドに押し倒される。
突然のことで目をぱちくりとさせていると、悠が覆い被さった。
「ちーちゃんさあ、隙がありすぎるよ」
鋭い眼差しが突き刺さる。咄嗟に腕を振り上げようとしたが、すぐに悠に奪われてベッドに押しつけられてしまう。
「は、離して……!」
「俺がこのまま、何もせずに帰ると思う?」
両腕の自由を奪われて身動きがとれない。必死で抵抗してみるがビクともしなかった。
――どうしよう。怖い。
ぐっと悠の顔が近づいてくる。さっきまでニコニコ楽しそうに笑っていたくせに、その表情は私の知っている悠じゃない。色気を含んだ男の目だ。
「ゆ、悠……仕事に遅れ……」
「これも仕事のうちじゃない?」
残酷なぐらい悠が無邪気に微笑む。そこに昔の名残なんかない。
それは有無を言わさない圧倒的な支配だった。
(これが、しごと……?)
ぞくりと背筋が震える。瞳に映る幼馴染がこんなにも怖いと感じたことはない。
いやだ。こわい。離して。出て行って。
叫び声をあげたいのに、何も言葉が出てこない。
そっと頬に手が添えられる。真剣な眼差しに射抜かれて、閉ざした唇がニッと歪んだ。
「逃がしてあげないよ、ちーちゃん」
頭が真っ白になったまま、ひとまずエントランスの扉を開ける。
いや待て。本当に開けて良かったのか。咄嗟にボタンを押してしまったが、自ら招き入れてしまってどうするんだ。
もしかして自分は取り返しのつかない事をしてしまったのではないかと顔が青ざめる。
だが後悔したところでもう遅い。しばらく呆然としたあと、ハッと我に返る。
(部屋掃除してない!)
山積みの衣服を慌ててクローゼットに押し込む。読もうと思ったまま読めてない本を片づけて、ベッドシーツをきれいにのばして掛け布団を畳む。掃除機もかけたかったがそんな時間はなく、無情にもインターホンが鳴り響いた。
「……はい」
「おはよー、ちーちゃん。ちゃんと眠れた?」
ドアの隙間からちらっと顔を出す。
幻なんかじゃない。朝から爽やかすぎる笑みが眩しい。そういえば私と違って悠は朝が得意だ。
「……まだ出勤時間じゃないですよね」
思わず敬語になる。一応これでも仕える立場になるのだ。
昔のようにため口で話しかけるわけにもいかないだろう。
「うん。でもちーちゃんが逃げないように、ちゃんと見張っておこうかと思って」
――朝からなんてことを言うのだこの男は。
逃げられるならとっくに逃げている。どちらにしても信用されていないということか。
「逃げませんよ。ちゃんと出勤するので先に行ってください」
「んー……でもさあ」
その時だった。わずかな隙間に悠が手を差し込み、勢いよくドアを掴む。
――しまった。
慌てて閉めようとしたが、ビクともしない。
悠がニヤリと薄笑いを浮かべる。そのまま隙間に足を入れると、勢いよくドアを開けた。
「なっ……!?」
「俺はちーちゃんと一緒に出勤したいなあ」
重力でバランスを崩して後ろに倒れてしまいそうになる。すると、悠の手が伸びてきてぐっと引き寄せられた。
(危なかった……)
今頃床に頭を打ち付けていたかと思うと、心臓がバクバクと鳴ってうるさい。
思わず悠の胸に顔を寄せて乱れた呼吸をなんとか落ち着けようとする。
「大丈夫? 怪我はない?」
「あ、ありがとう……ございます」
悠から体を離そうとすると、逃がさないとでもいうように強引に引き寄せられてしまう。
「ねえさっきからなんで敬語なの?」
「だって、私はただの社員だし……」
「じゃあまずはそれ辞めて。俺、昔みたいにちーちゃんと普通に話したいよ」
こんな状況で昔みたいに、なんてよく言ったものだ。
だが悠がそう言うならその方が楽だ。こちらも幼馴染相手に敬語は慣れない。
ほっと息をついたのも束の間、悠が後ろ手にかちゃりと玄関の鍵を閉めた。
一気に現実に引き戻され悠を見上げる。にこっと罪のない笑顔を浮かべるが時すでに遅し。悠が靴を脱いで迷いもなく侵入してくる。
「ちょっと悠!」
「おじゃましまーす」
狭いキッチンを抜けて悠が扉を開ける。無言のままぐるりと部屋を見渡したあと、部屋の中に足を踏み入れた。
「すっごい可愛い。ちーちゃんの部屋だ」
「もう! 勝手に入らないでよね!」
「だって、ちーちゃんの部屋見たかったんだもん」
――本音はそれか。
呆れてため息をつくと、悠が部屋の窓を開けてベランダへ出た。
「うーん……やっぱり三階じゃ危ないな。これじゃ誰か侵入してくるかも」
ぼそぼそと何か一人で言ってるようだが、外の車の音でちゃんと聞き取れない。余計なものを放置しておかなかったか周りを見渡し、とりあえずクローゼットがちゃんと閉まっているか視線を向ける。
「こんな狭い部屋、あんたには居心地悪いでしょ。さっさと出て行って」
元々すぐにハワイに行くつもりだったから、家賃は抑えてアクセス重視で1Kの部屋を選んだ。バストイレ別だけは譲れなかったが、女一人で暮らすには十分な広さだ。だがそこにもう一人増えるとなれば、狭さが一段と増す。
「そう? 俺は狭い部屋好きだよ。その分ちーちゃんの近くにいられるし」
この男の脳内は一体どうなっているのだろうか。こんなにストレートに気持ちを伝えてくるような子じゃなかった。むしろ私の後ろに隠れて自分の思いを言葉にすらできない子だったのに。
まともに相手をするのも疲れて、ベッドに腰掛ける。物色するほどの部屋じゃない。社長になった悠からすれば、物置部屋にでも見えるだろう。
「ここは……」
「あーークローゼットはだめ! 絶対だめ!」
扉のすぐ横にあるクローゼットに手を伸ばした瞬間、全力でその腕を掴んだ。
もし開いたら、さっき詰め込んだ衣服が雪崩を起こすに決まっている。それどころか下着も全部中の引き出しにいれているのだ。こんなところ友人どころか誰にも見せるわけにはいかない。
「それは困るなあ。ちーちゃんに嫌われたら俺死ぬかも」
そもそもすでに嫌われているという発想がないのが恐ろしい。夢にまで見た再会は、自分にとって最悪な形だった。それをこの男は一切気にするそぶりもない。
(私が、どんな想いで……)
昨日のことを思い出すだけも腹立たしい。
斎賀さんや後輩を人質に取って、あれはいわゆる脅しだ。これは私の意思なんか関係ない、ビジネスの世界で取り引きされたいわば人身売買だ。
「ちーちゃん?」
悠が心配そうに顔をのぞき込んでくる。誰がこんな顔をさせていると思っているのだ。
(許したわけじゃない)
けれどどうにもできない自分にも腹が立つ。悔しくなって、ぷいっと顔を背けるとテレビ台にある時計が目に入った。のんびりしている時間はない。もうすぐ予定の電車に乗る時間だ。
「用が済んだならもう帰って。私まだ着替えてないんだから」
もう遅刻は確定だ。最も、遅刻の原因が社長本人なのだから私は悪くない。
とにかく悠のせいで着替えすらまともにできていない。さっさと部屋から出ていって欲しいと追い出そうとしたのだが――。
「え……?」
どさりと背後のベッドに押し倒される。
突然のことで目をぱちくりとさせていると、悠が覆い被さった。
「ちーちゃんさあ、隙がありすぎるよ」
鋭い眼差しが突き刺さる。咄嗟に腕を振り上げようとしたが、すぐに悠に奪われてベッドに押しつけられてしまう。
「は、離して……!」
「俺がこのまま、何もせずに帰ると思う?」
両腕の自由を奪われて身動きがとれない。必死で抵抗してみるがビクともしなかった。
――どうしよう。怖い。
ぐっと悠の顔が近づいてくる。さっきまでニコニコ楽しそうに笑っていたくせに、その表情は私の知っている悠じゃない。色気を含んだ男の目だ。
「ゆ、悠……仕事に遅れ……」
「これも仕事のうちじゃない?」
残酷なぐらい悠が無邪気に微笑む。そこに昔の名残なんかない。
それは有無を言わさない圧倒的な支配だった。
(これが、しごと……?)
ぞくりと背筋が震える。瞳に映る幼馴染がこんなにも怖いと感じたことはない。
いやだ。こわい。離して。出て行って。
叫び声をあげたいのに、何も言葉が出てこない。
そっと頬に手が添えられる。真剣な眼差しに射抜かれて、閉ざした唇がニッと歪んだ。
「逃がしてあげないよ、ちーちゃん」
0
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
イケメンエリート軍団??何ですかそれ??【イケメンエリートシリーズ第二弾】
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団の異色男子
ジャスティン・レスターの意外なお話
矢代木の実(23歳)
借金地獄の元カレから身をひそめるため
友達の家に居候のはずが友達に彼氏ができ
今はネットカフェを放浪中
「もしかして、君って、家出少女??」
ある日、ビルの駐車場をうろついてたら
金髪のイケメンの外人さんに
声をかけられました
「寝るとこないないなら、俺ん家に来る?
あ、俺は、ここの27階で働いてる
ジャスティンって言うんだ」
「………あ、でも」
「大丈夫、何も心配ないよ。だって俺は…
女の子には興味はないから」
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる