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第一章 田中悠斗
異世界転生したらしい
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ふあああああああああ
大きなアクビをする。
眠い。本当に眠い。昨日の睡眠時間は4時間ほど。
それでも終わらない。
僕は田中悠斗、30歳。派遣社員のプログラマーとして、都内のIT企業で日々コードと格闘している。給料は同世代の中央値以下で、貯金もほぼゼロ。将来の不安は山のように積み重なっている。
目の前に立つ高柳葵は、僕の言葉を聞いてニヤリと笑う。まるで獲物をいたぶる猫のような表情だ。
「悠斗、甘えるのもいい加減にしてよ? あんたのコード、いつも後でバグが見つかるんだから、ちゃんとやってよね。じゃないと、契約更新の話、ちょっと考えちゃうかも?」
その言葉に、背筋が冷たくなる。派遣社員の弱みだ。契約を切られたら、次の仕事を探すのだって一苦労だ。葵はそれを知っていて、わざとこういうプレッシャーをかけてくる。
「......わかったよ。やれるだけやってみる」
そう答えるしかなかった。葵は満足そうに頷き、ヒールの音を響かせながら去っていく。オフィスの空気が一瞬で重くなる。
時計を見ると、すでに夕方6時。終電までに仕様書を書き直し、プログラムの修正を終わらせるなんて、ほぼ不可能だ。それでも、やるしかない。さもないと、葵の「契約更新の話」が現実になる。
コーヒーを一気飲みして、キーボードに向かう。画面に映るコードは、まるで僕の人生そのもの――複雑で、バグだらけで、どこを直せばいいのかすらわからない。
それでも、どこかで変えなきゃいけない。ふぁあああああああ、なんて大きなアクビ。疲れ果てた頭で、なんとか状況を整理しようとするけど、睡魔が襲ってくる。
そんな中、親会社の部長――高柳葵(たかやなぎ あおい)からの声が響く。
「悠斗、仕様書まだ?」
幼馴染であり、親会社の部長である葵。美人で頭脳明晰、でも底意地の悪い性格は高校時代から変わらない。あの頃、陽キャのイジメグループを仕切っていた彼女は、今も男を弄ぶのが趣味のようだ。
「これ、バグってるよ。直して」
――またか。
朝に大幅な仕様変更が入ったのに、今日中に仕様書を書き直してプログラム修正までしろなんて、無茶苦茶だ。
ため息をつきながら、僕はパソコンに向かう。画面に映るエラーメッセージが、まるで僕の人生を嘲笑っているようだ。
キーボードを叩く手が、疲労で震え始める。画面上のコードは一向に進まず、エラーメッセージが赤く点滅している。時計はすでに8時を回り、オフィスには僕と葵の二人しか残っていない。
「悠斗、ちょっと、話あるんだけど」
背後から葵の声。振り返ると、彼女は腕を組んで立っている。いつものニヤリとした笑みは消え、代わりにイラついた表情が浮かんでいる。嫌な予感しかしない。
「仕様書、さっき見たけど、めっちゃ雑なんだけど? こんなんでクライアントに提出できるわけないじゃん。マジで何やってんの?」
「いや、葵、今日の朝に仕様変更入って、時間ない中で――」
「言い訳やめてよ!」
葵の声が一気に鋭くなる。
「いつもそうやって被害者ぶってさ! 派遣なんだから、もっと必死にやらないとダメでしょ? こんな仕事しかできないなら、正直、君いらないんだけど?」
その言葉が胸に突き刺さる。いらない――その一言が、僕の30年間の努力や苦労を全部否定するように響く。拳を握りしめるけど、反論の言葉が出てこない。派遣社員の立場じゃ、彼女に逆らうなんて無理だ。
葵はさらに畳み掛ける。「ほんと、悠斗って昔から変わんないよね。高校の時も、いつもオドオドして、クラスの隅で縮こまってたじゃん。なんでそんなんで生きていけると思ってるの?」
――そこまで言うか。
頭に血が上るけど、同時に無力感が全身を覆う。彼女の言葉は、まるで刃物のように僕のプライドを切り刻んでいく。もう限界だ。こんな生活、こんな職場、こんな人間関係――全部、投げ出してしまいたい。
その瞬間だった。
ゴオオオオ――
突然、足元から奇妙な音が響く。床を見ると、青白い光が円形に広がり、複雑な模様が浮かび上がっている。魔法陣? いや、そんなバカな。頭が混乱する中、魔法陣の光はどんどん強くなり、僕の体を包み込む。
「え、な、なにこれ!?」
思わず叫ぶ。
葵も目を丸くして後ずさる。「悠斗!? な、何!? コレ?」
「僕が知りたいよ!」
光が一気に爆発し、視界が真っ白になる。次の瞬間、僕は――どこか知らない場所に立っていた。
オフィスの無機質な蛍光灯は消え、柔らかな光に満ちた空間が広がっていた。 足元に広がるのは石造りの広いホール。高い天井には色とりどりのステンドグラス、壁には古びた紋章が刻まれている。遠くには金色の柱が立ち並ぶ神殿のような場所。
花のような甘い香りが鼻をくすぐる。現実とはあまりにもかけ離れた光景に、僕は状況を把握できなかった。
「ようこそ」
突然、背後から透き通った声が響いた。振り返ると、そこには一人の美少女が立っていた。
歳は16か17歳ほど。長い金色の髪が光を反射し、まるで太陽のようだ。黒いワンピースを着ていて、どこか神聖な気配を漂わせている。彼女の瞳は深い赤で、僕の心を見透かすようなやさしさがあった。
「……だ、誰ですか? ここはどこ?葵は?葵はどこに?」
美少女は穏やかな笑みを浮かべている。
「私はイリアール、この世界を統べる双子神の一人です。そしてここは、神々の間。」
――ええ?この展開ってラノベとかでよくある異世界転生?
あれ?僕死んだっけ?
「いいえ、あなたは死んでないよ」
――こいつ心を読みやがった!
「死んでない!?」
思わず声を上げると、イリアールと名乗る美少女はクスクスと笑った。彼女の声はまるで鈴の音のようで、緊張していた心が少しだけほぐれる。
「うん、死んでないよ。田中悠斗さん? 私、あなたをこの世界――エルトリアに召喚したの。ちょっとお願いがあってさ!」
「お願い? 召喚? いや、待って、頭整理させて!」
パニックになりながら額を押さえる。さっきまでオフィスで葵にボロクソ言われてたのに、急に異世界とか神とか、情報が多すぎる。しかもこのイリアール、めっちゃ軽いノリだ。双子神って言ったのに、まるでクラスメイトみたいなテンション。
イリアールはふわっと浮かび上がり、僕の周りをくるくる回りながら続ける。
「ねえ、悠斗、細かいことはいいじゃん! とにかく、この世界にすっごくヤバい魔王がいて、そいつを倒してほしいの! 私たち神様も手一杯でさ、こうやって人間界から助っ人を呼ぶしかなかったんだよね~。ふぁああ、説明するの疲れる~!」
彼女は大きなアクビをして、まるで面倒くさそうに髪をかき上げる。神様ってこんなキャラでいいのか?
「魔王討伐って……僕、ただの派遣プログラマーだよ? 戦闘経験ゼロだし、運動神経も悪いし、なんで僕なんかを?」
イリアールはピタッと動きを止め、ニッコリ笑う。
「それがね、悠斗には特別な力――チート能力をあげるから! その名も『2倍』! 超シンプルで超強いよ!」
「2倍?何が2倍?」
なんか地味な名前だな、と思いつつ、詳しく聞こうとすると、イリアールは手を振って遮る。
「うん、2倍!細かい性能はね、使っていくうちに自分で分かるよ。ほら、チュートリアルとか面倒でしょ? 実戦で覚えて!」
「いや、チュートリアルくらいちゃんとやってくれよ! 命かかってるんだぞ!」
思わず突っ込むと、イリアールはプクッと頬を膨らませて
「えー、めんどくさいじゃん!」
とこいつ、本当に神様か?
「で、魔王を倒したらどうなるの? 報酬とか、元の世界に戻れるの?」
イリアールは一瞬、真剣な表情になり、僕の目をじっと見つめる。
「魔王を倒せば、エルトリアは平和になるよ。報酬は……うーん、なんでも願いを一つ叶えてあげる! もちろん、元の世界に戻るのだってOK! でもさ、悠斗、この世界で新しい人生始めるのもアリだと思わない? だって、そっちの世界、めっちゃストレス溜まってたでしょ?」
その言葉に、胸がズキッと痛む。葵の冷たい言葉、派遣社員としての不安定な生活、積み重なる疲労――確かに、あの生活にはもう戻りたくないかもしれない。でも、急にこんなファンタジー世界で魔王討伐とか、頭整理しきれねえよ!
「とりあえず、考える時間くれ。ていうか、葵は? あいつも一緒に召喚されたんじゃないの?」
イリアールは首を振る。
「うーん、わかんない」
葵のニヤリとした笑顔が脳裏に浮かんで、思わずため息が出る。
「さあ、悠斗! 時間もないし、早速冒険始めよっか! ほら、チート能力『2倍』もゲットしたし、魔王討伐の第一歩、踏み出してみない?」
イリアールはウキウキした様子で手を差し出す。
目の前には、ステンドグラスから差し込む光に照らされた神聖なホール。そして、底抜けに明るい神様(?)の少女。
――本当にこれでいいのか? いや、よくない気がするけど、選択肢もない。
「はあ……わかったよ。とりあえず、やってみる。けど、イリアール、ちゃんとサポートしろよ? 神様なんだからさ」
「やったー! でもごめんね、神様は手助けできないんだ。ふぁああ、もう眠いな~。じゃ、最初の街に転送するね!」
「いや、眠いって言うなよ! 頼むから真面目に――」
次の瞬間、また青白い光が僕を包み込む。視界が揺れ、気づけば石畳の街並みが広がっていた。遠くで馬車が走り、市場の喧騒が聞こえてくる。完全に異世界だ。
大きなアクビをする。
眠い。本当に眠い。昨日の睡眠時間は4時間ほど。
それでも終わらない。
僕は田中悠斗、30歳。派遣社員のプログラマーとして、都内のIT企業で日々コードと格闘している。給料は同世代の中央値以下で、貯金もほぼゼロ。将来の不安は山のように積み重なっている。
目の前に立つ高柳葵は、僕の言葉を聞いてニヤリと笑う。まるで獲物をいたぶる猫のような表情だ。
「悠斗、甘えるのもいい加減にしてよ? あんたのコード、いつも後でバグが見つかるんだから、ちゃんとやってよね。じゃないと、契約更新の話、ちょっと考えちゃうかも?」
その言葉に、背筋が冷たくなる。派遣社員の弱みだ。契約を切られたら、次の仕事を探すのだって一苦労だ。葵はそれを知っていて、わざとこういうプレッシャーをかけてくる。
「......わかったよ。やれるだけやってみる」
そう答えるしかなかった。葵は満足そうに頷き、ヒールの音を響かせながら去っていく。オフィスの空気が一瞬で重くなる。
時計を見ると、すでに夕方6時。終電までに仕様書を書き直し、プログラムの修正を終わらせるなんて、ほぼ不可能だ。それでも、やるしかない。さもないと、葵の「契約更新の話」が現実になる。
コーヒーを一気飲みして、キーボードに向かう。画面に映るコードは、まるで僕の人生そのもの――複雑で、バグだらけで、どこを直せばいいのかすらわからない。
それでも、どこかで変えなきゃいけない。ふぁあああああああ、なんて大きなアクビ。疲れ果てた頭で、なんとか状況を整理しようとするけど、睡魔が襲ってくる。
そんな中、親会社の部長――高柳葵(たかやなぎ あおい)からの声が響く。
「悠斗、仕様書まだ?」
幼馴染であり、親会社の部長である葵。美人で頭脳明晰、でも底意地の悪い性格は高校時代から変わらない。あの頃、陽キャのイジメグループを仕切っていた彼女は、今も男を弄ぶのが趣味のようだ。
「これ、バグってるよ。直して」
――またか。
朝に大幅な仕様変更が入ったのに、今日中に仕様書を書き直してプログラム修正までしろなんて、無茶苦茶だ。
ため息をつきながら、僕はパソコンに向かう。画面に映るエラーメッセージが、まるで僕の人生を嘲笑っているようだ。
キーボードを叩く手が、疲労で震え始める。画面上のコードは一向に進まず、エラーメッセージが赤く点滅している。時計はすでに8時を回り、オフィスには僕と葵の二人しか残っていない。
「悠斗、ちょっと、話あるんだけど」
背後から葵の声。振り返ると、彼女は腕を組んで立っている。いつものニヤリとした笑みは消え、代わりにイラついた表情が浮かんでいる。嫌な予感しかしない。
「仕様書、さっき見たけど、めっちゃ雑なんだけど? こんなんでクライアントに提出できるわけないじゃん。マジで何やってんの?」
「いや、葵、今日の朝に仕様変更入って、時間ない中で――」
「言い訳やめてよ!」
葵の声が一気に鋭くなる。
「いつもそうやって被害者ぶってさ! 派遣なんだから、もっと必死にやらないとダメでしょ? こんな仕事しかできないなら、正直、君いらないんだけど?」
その言葉が胸に突き刺さる。いらない――その一言が、僕の30年間の努力や苦労を全部否定するように響く。拳を握りしめるけど、反論の言葉が出てこない。派遣社員の立場じゃ、彼女に逆らうなんて無理だ。
葵はさらに畳み掛ける。「ほんと、悠斗って昔から変わんないよね。高校の時も、いつもオドオドして、クラスの隅で縮こまってたじゃん。なんでそんなんで生きていけると思ってるの?」
――そこまで言うか。
頭に血が上るけど、同時に無力感が全身を覆う。彼女の言葉は、まるで刃物のように僕のプライドを切り刻んでいく。もう限界だ。こんな生活、こんな職場、こんな人間関係――全部、投げ出してしまいたい。
その瞬間だった。
ゴオオオオ――
突然、足元から奇妙な音が響く。床を見ると、青白い光が円形に広がり、複雑な模様が浮かび上がっている。魔法陣? いや、そんなバカな。頭が混乱する中、魔法陣の光はどんどん強くなり、僕の体を包み込む。
「え、な、なにこれ!?」
思わず叫ぶ。
葵も目を丸くして後ずさる。「悠斗!? な、何!? コレ?」
「僕が知りたいよ!」
光が一気に爆発し、視界が真っ白になる。次の瞬間、僕は――どこか知らない場所に立っていた。
オフィスの無機質な蛍光灯は消え、柔らかな光に満ちた空間が広がっていた。 足元に広がるのは石造りの広いホール。高い天井には色とりどりのステンドグラス、壁には古びた紋章が刻まれている。遠くには金色の柱が立ち並ぶ神殿のような場所。
花のような甘い香りが鼻をくすぐる。現実とはあまりにもかけ離れた光景に、僕は状況を把握できなかった。
「ようこそ」
突然、背後から透き通った声が響いた。振り返ると、そこには一人の美少女が立っていた。
歳は16か17歳ほど。長い金色の髪が光を反射し、まるで太陽のようだ。黒いワンピースを着ていて、どこか神聖な気配を漂わせている。彼女の瞳は深い赤で、僕の心を見透かすようなやさしさがあった。
「……だ、誰ですか? ここはどこ?葵は?葵はどこに?」
美少女は穏やかな笑みを浮かべている。
「私はイリアール、この世界を統べる双子神の一人です。そしてここは、神々の間。」
――ええ?この展開ってラノベとかでよくある異世界転生?
あれ?僕死んだっけ?
「いいえ、あなたは死んでないよ」
――こいつ心を読みやがった!
「死んでない!?」
思わず声を上げると、イリアールと名乗る美少女はクスクスと笑った。彼女の声はまるで鈴の音のようで、緊張していた心が少しだけほぐれる。
「うん、死んでないよ。田中悠斗さん? 私、あなたをこの世界――エルトリアに召喚したの。ちょっとお願いがあってさ!」
「お願い? 召喚? いや、待って、頭整理させて!」
パニックになりながら額を押さえる。さっきまでオフィスで葵にボロクソ言われてたのに、急に異世界とか神とか、情報が多すぎる。しかもこのイリアール、めっちゃ軽いノリだ。双子神って言ったのに、まるでクラスメイトみたいなテンション。
イリアールはふわっと浮かび上がり、僕の周りをくるくる回りながら続ける。
「ねえ、悠斗、細かいことはいいじゃん! とにかく、この世界にすっごくヤバい魔王がいて、そいつを倒してほしいの! 私たち神様も手一杯でさ、こうやって人間界から助っ人を呼ぶしかなかったんだよね~。ふぁああ、説明するの疲れる~!」
彼女は大きなアクビをして、まるで面倒くさそうに髪をかき上げる。神様ってこんなキャラでいいのか?
「魔王討伐って……僕、ただの派遣プログラマーだよ? 戦闘経験ゼロだし、運動神経も悪いし、なんで僕なんかを?」
イリアールはピタッと動きを止め、ニッコリ笑う。
「それがね、悠斗には特別な力――チート能力をあげるから! その名も『2倍』! 超シンプルで超強いよ!」
「2倍?何が2倍?」
なんか地味な名前だな、と思いつつ、詳しく聞こうとすると、イリアールは手を振って遮る。
「うん、2倍!細かい性能はね、使っていくうちに自分で分かるよ。ほら、チュートリアルとか面倒でしょ? 実戦で覚えて!」
「いや、チュートリアルくらいちゃんとやってくれよ! 命かかってるんだぞ!」
思わず突っ込むと、イリアールはプクッと頬を膨らませて
「えー、めんどくさいじゃん!」
とこいつ、本当に神様か?
「で、魔王を倒したらどうなるの? 報酬とか、元の世界に戻れるの?」
イリアールは一瞬、真剣な表情になり、僕の目をじっと見つめる。
「魔王を倒せば、エルトリアは平和になるよ。報酬は……うーん、なんでも願いを一つ叶えてあげる! もちろん、元の世界に戻るのだってOK! でもさ、悠斗、この世界で新しい人生始めるのもアリだと思わない? だって、そっちの世界、めっちゃストレス溜まってたでしょ?」
その言葉に、胸がズキッと痛む。葵の冷たい言葉、派遣社員としての不安定な生活、積み重なる疲労――確かに、あの生活にはもう戻りたくないかもしれない。でも、急にこんなファンタジー世界で魔王討伐とか、頭整理しきれねえよ!
「とりあえず、考える時間くれ。ていうか、葵は? あいつも一緒に召喚されたんじゃないの?」
イリアールは首を振る。
「うーん、わかんない」
葵のニヤリとした笑顔が脳裏に浮かんで、思わずため息が出る。
「さあ、悠斗! 時間もないし、早速冒険始めよっか! ほら、チート能力『2倍』もゲットしたし、魔王討伐の第一歩、踏み出してみない?」
イリアールはウキウキした様子で手を差し出す。
目の前には、ステンドグラスから差し込む光に照らされた神聖なホール。そして、底抜けに明るい神様(?)の少女。
――本当にこれでいいのか? いや、よくない気がするけど、選択肢もない。
「はあ……わかったよ。とりあえず、やってみる。けど、イリアール、ちゃんとサポートしろよ? 神様なんだからさ」
「やったー! でもごめんね、神様は手助けできないんだ。ふぁああ、もう眠いな~。じゃ、最初の街に転送するね!」
「いや、眠いって言うなよ! 頼むから真面目に――」
次の瞬間、また青白い光が僕を包み込む。視界が揺れ、気づけば石畳の街並みが広がっていた。遠くで馬車が走り、市場の喧騒が聞こえてくる。完全に異世界だ。
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