いつまでアイドルを続けられますか?

terasu2022

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16,脚本家の岩淵陽子

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私は脚本家の岩淵陽子。「オルレアン」の最初の案ではイギリス軍のスパイがフランス軍の陣地に潜入するというものだった。ジャンヌの正体を暴こうとたくらむも失敗するという。これは池崎さんと話し合ったが結末が浮かばずに流れた。ファルスタッフが見た夢としてイギリス軍が勝利した世界を描くという次の案、最終的に現在の展開になった。斬新な歴史解釈というのは難しいものだなと思う。池崎さんはたまに無理のあるギャグをぶち込もうとするのが良くない。トゥーレル砦攻防でジャンヌが旗を探そうとしたときに乃木希典風の人物が台詞なしで登場するシーンを入れたかったらしい。シリアスな劇なのになぜそういう演出をするのか。オルレアン砦を歴史学者が解説するというギャグが盛り込まれるというのも無理があった。モンティ・パイソンのパロディらしい。戦死した人を悼んでいるジャンヌにイギリス人の捕虜が「お前だってイギリス人を殺しただろう」と言う一幕。これはダイ大のポップのパロディなのかどうか判別は難しい。まあジャンヌは英仏両方の兵士の死を悼んで涙を流していたわけで内情は少し違うのだけれど。第一彼女はイギリス兵を殺していないと思う。この記述は残ることになった。また岡田版の天の声を嶋田さんが、島田版の天の声を岡田さんが行うことに決定した。最初はイギリス側から見るとジャンヌは怖い少女という面を強調しようかと思っていたがなかなかうまくいかないというか自分の中でまとまらなかったのでイギリス軍や出入りの商人たちに不安が広がっていく様子を描いた。詩人とイギリス軍兵士の会話でジャンヌの行動が誇張されて伝えられる様子を描写した。無数の弓矢がジャンヌに当たらなかった出来事が英国軍に動揺を呼び起こした。兵士たちの服に「不安」や「臆病」という単語が書かれているというような表現を使うということにためらいがあったが池崎さんはそれを認めてくれた。民放テレビ局の特集番組の取材を受ける。あまりこのようなことはしないのだが池崎さんや周りの意気込みがすごいのだ。それにこの舞台はCSでも上映されるらしい。プレッシャーかかってかわいそうにねえとつぶやくイギリス軍兵士役の中西さん。何日かの練習を経て目指すものにだんだん近づいてきた感じがする。岡田さんの絶叫というかヒステリーを帯びた感じのする叫び声は結構いいなと思った。初戦でフランス軍の部隊がジャンヌに無断で動いた際、ジャンヌが怒った場面。「こういうことがあってはいけません。あなたたちだけの問題じゃないんです。私の問題でもないんです。フランスの問題なんです」少しずつ兵士たちに対する表現が変わってくるところが重要だ。兵士の死を悲しんで泣いているところもよかった。これは嶋田さんもよかった。悪い娘ではないなというのが伝わってくる。この時代の英仏間の文化ギャップはどのくらいあったのか、そういうことを伝える努力も怠らなかったつもりなのだがちょっと省略することになってしまった。なんとなく話の全体を通してみるとフランス側は全力で真剣になって戦ったのに対してイギリス側はやる気がないように見える感じもする。私はそれは表現不足になってしまったと思う。当初の予定だと4時間を超えるものになってしまう。シャルル王太子(当時)の登場を省いたのにかかわらずだ。坂内さん、演出助手がサプライズ演出を企画して池崎さんも了承した。演出補佐の坂内君は嫌な奴だねえというのが池崎評。それは池崎さんのやり口をまねしたからなのだが。このご時世に水も漏らさぬ手口を行う池崎流の一番弟子が坂内君であるにすぎないのだ。新聞のインタビューで池崎さんの発言が大げさに伝えられた。フランスの人も満足すると思うと大言壮語しているような感じになっている。真面目な歴史研究者は怒る人もいるかもしれない。でも私自身は意欲作になったと自負する。あとはみんなの頑張りを期待している。 
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