困ったことにあなたが好きみたい。

神木カロ

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40、浮気 健太Side

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「私と浮気しない?」

美人の先輩に呼び出されて、最初にかけられた言葉がそれだった。

「え?あ、えっと、俺彼女がいて、」

モゴモゴと答える俺をいじらしそうに見て、「別にいいよ、彼女いる方が燃えるし!」と近寄ってきた。

すぐ近くまで来て、いいでしょと言わんばかりに微笑む。

よくない、と言おうとして俯いていた顔を上げると思いのほか彼女の顔が近くにあって俺たちはキスをした。

するつもりはなかったのに先輩が俺に唇を押し付けてきたのだ。

固まる俺に先輩は擦り寄ってきて腕を絡ませる。

「もう浮気しちゃったね?」

先輩の柔らかい胸が当たって、心臓がバクバクと大きな音を立てた。

「う、あ、ちょっと、、、」

「ん?なあに?」

「離れてもらえると、、、」

「なんで?」

「なんでって、俺にはみながいて、、、」

「キスしたこと、バレてもいいの?」

俺は不敵に微笑む先輩に何も言えなかった。

キスしたことがバレたらどうしようと思った。

やっと付き合えたあのかわいくて純粋なみなにバレてしまったら、もう今まで通りにはなれないかもしれない。

「わ、分かりました、だからみなには、」

「ふーん。みなちゃんのこと大事なんだねぇ、あたしを抱くことよりも?」

腕に当たる先輩の胸が強く押し当てられる。

俺は我慢していたけれど男の性には勝てず、ついには先輩を押し倒してしまった。

挑発的な彼女を組み敷いて本番をしてしまった。










『4時半に教室に来てね♡♡』

先輩からのLINEに胸が高鳴った。

みなを好きなのは変わらないのに、俺は先輩に会うことをいつの間にか楽しみにするようになった。

「やっと来た!健太くん」

「あの、学校で会うのはちょっと」

「いいじゃん!うちらも付き合ってんだし!」

「まあ、、、そうですけど」

初めて先輩と付き合ってることを認めた自分に驚いて、みなへの罪悪感はドブの中で泥に埋もれているような重さだった。

もうやめましょうと言うつもりで先輩を見ると、ふわりと近づいてキスをされた。

しまった!

慌てて廊下を見て、誰も見ていないことを確認する。

「先輩!急にキスするのもやめてください!もし、みなに見られてたら!」

「うふ。誰もいなかったもの。...こっちの校舎には」

含みのある言い方をして妖艶に笑う彼女に俺はまた心を掴まれた。

「ホテル行く?」

そう微笑んだ先輩に、俺はNOとは言えなかった。

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