お姉ちゃんと仲良くしような

武 働丁

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急転直下

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「うああああああー!」
 武は狂ったように走り出した。
 目の前に鉄道の高架の壁があるがそんなこと関係ない。
 「待ちやがれ!」
 女が小刀を振りかざして後を追う。
 「ぎゃあああああー!」
 武はパニックに陥って壁に突進する。
 ガツン!と壁に足をつく。勢いで一歩!二歩!
 ものすごい勢いがついていたのでそのまま壁を駆け上がる。
 しかし、そこで武は自分の体が宙に浮いていることに気付く。
 「あががががががががー!」
 叫びながらガンと両足で壁を蹴った。
 武はのけぞりながら無意識のうちに空中で一回転する。
 ガリッ!女が刃物を壁に突き立てる。
 もし、飛び上がってなかったら確実に殺されていた。
 女は本気で武を殺す気だったんだ。
 周囲の風景がスローモーションで見える。
 体が落ちる。ゆっくりと下に落ちていく。
 武の心が恐怖に包まれた。
 このままじゃ地面に叩き付けられる。
 「ぎゃっ!」
 思わず武は女の背中にしがみつく。
 さっき不良にひっぱられて半分破れていた女の服。
 それと、ブラジャーの紐を武は思わず掴む。
 ビリビリビリ!
 音を立てて破れる。
 「ヒッ!」
 女は短い声をあげながらも、
 とっさにその場から飛び退いて小刀を構えて武の方に向く。
 女の服は破れ去り、形のいい胸があらわになった。
 武は地面にビタンと落ちたが、すぐに女の方を見る。
 生まれて初めて見る女の生乳だった。
 武は殺されるかもしれない状況であることも忘れて
 女のオッパイを凝視した。
 否、死ぬ刹那だからこそ、その生まれた初めて見る生乳を
 見逃すことができようか、いや、できない(反語)。
 武に凝視されている事に気付いた女は慌てて片手で胸を隠した。



 「え、エッチい!」
 女の子が叫んだ。
 武は我に返る。
 「ご、ごめん、わざとじゃないんだ」
 「わざとでこんな事されてたまるか!」
 「あの、これ」
 武はネクタイをとって、自分の背広とカッターを脱ぎはじめた。
 「へ、へんたいだー!」
 女の子は叫ぶ。
 「ちがうよ!これ着て」
 武は服を差し出す。
 「で、でも、それじゃ、お前がシャツ一丁になっちゃうじゃん。
 そんな格好で家に帰るのかよ」
 「いいんだよ、俺は男だから。
 女の子をそんな格好のままにしちゃおけないだろ!」
 女の子の顔がカーッと赤くなる。
 「あ……ありがと」
 「さ、着て」
 武は服をさしだす。
 「……」
 女の子は無言で服を着た。
 「お、おい、お前、服くれたお礼に住所聞くとかオッパイもませろとか
 そういう事いわねえのかよ」
 「俺が悪いのに、そんな事言うわけないだろ」
 「なんだよ、お前、お前みたいな男見たことねえよ、バカじゃねえの!」
 「バカだね、だから未だに生まれてこのかた彼女出来たことないし。
 じゃあね」
 武は手を振ってその場を去ろうとした。
 「おい、待てよ」
 「え?」
 「私は女忍者、名前は姉勇名しような。お前は?」
 「あ、たけしってんだ。もう会うこともないだろうけどね、じゃ」
 女の子は顔を真っ赤にして唇をとがらせ、無言のまま武を凝視した。
 「じゃあね」
 武は去っていった。

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