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57 テレビの向こう側の出来事
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吹田さんが出ていってお昼も近くなった頃、山田太郎さんと花子さんがおっきなワゴンで僕たちを迎えに来てくれた。
太郎さんも花子さんも普段はしないような真剣な顔をして雰囲気もどこか張り積めた緊張感を漂わせている。
「ナツ君、アオちゃん、準備できた? 出発するよ」
僕たちとの会話もどこか淡々とした感じでこれが山田さんたちの仕事モードなんだなって何となく思う。
「それじゃぁね、お兄さん」
「キュゥゥ、キュー」
「また遊びに来いよな、なんかあったら連絡してこい」
僕たちとお兄さんがお別れのあいさつを交わすと直ぐ様ワゴンは走り出した。
ワゴンの窓ガラス越しに見える空は真っ青でおんなじ国の何処かでは雨と風がスゴいことになってるだなんて冗談みたいにも思えるんだけど。
「吹田さんの居るトコはもう降ってるのかなぁ…!?」
「今回の台風はアシが速いようでね、もう暴風域に入ってるそうだよ」
たいして返事も気にせず何となく呟いた言葉だったけど、太郎さんには聴こえていたみたいで運転席からチラリとバックミラー越しに僕らの座っている後部座席を見て応えてくれた。
「室長はまだ現地入りはしてないけど、警報が発令されているみたいだね。新幹線も停まってしまって最寄りの職員が室長を車で迎えに向かったと連絡があったよ」
「…そっか」
警報や新幹線が停まるだなんて台風は僕が考えているよりもずっと大きいのかも知れない。
吹田さんにははやく無事に帰ってきてもらいたい。
なんだか太郎さんや花子さんもそうだけど、吹田さんも最初は怪しいひとたちだって思ったけど、わずかな時間でずいぶんと親しくなった気がする。
なんでだろう?
僕自身人見知りする性分って訳じゃないけど、そんなに直ぐに出会ったひとと仲良くできるほど無警戒な性格でもなかったハズだ。
それは確実にアオちゃんのおかげだろう。
アオちゃんの人好きする好奇心旺盛な性格がいろんなひとを惹き付けつんだろう。
調査室のひとたちだけじゃない。
エミおばさんやシャノン、海の家のお兄さんとだってアオちゃんが居なければ今ほど仲良くできていたかはわからない。
…なんて事をとりとめもなく考えていたら、あっと言う間にじいちゃん家にワゴンは到着してしまった。
吹田さんのバイクでおんなじ道を通ったはずなのに昨日の朝方の#ソレ_・・_#よりもなんだか素っ気なく目的地に着いた気がする。
たぶんだけど、わくわくした冒険気分がなかったからなんだろうと思う。
ともあれ、僕はじいちゃん家に着くと直ぐ様居間へ走り込んでテレビのスイッチを入れた。
『……現在この地域は暴風圏に入っております。住民の方々は最寄りの避難所をご確認のうえ、今後の情報にご注意ください……』
ちょうど台風に関するニュースをやってた。いや、大きな台風らしいからずっとテレビではこの報道を流していたのかも。
「刑部君はこんな荒い天気の場所に行ってるんか」
居間にじいちゃんが入ってきた。
刑部君? 一瞬誰のことかと思ったけどたしか吹田さんの名前が刑部って言っていたハズだ。
どうやら一昨日の夜に一緒にお酒を飲んだとき、吹田さんを名前で呼ぶくらい仲良くなったみたいだ。
「ただいま、じいちゃん。吹田さんはこの台風のせいで問題の起こったトコに行ったそうだから、たぶんそうだよ」
「そうか、ナツ坊も残念だったな。折角のツーリングだったのに中途半端で帰ってくる羽目になって」
「んー、そうでもないよ。楽しかったし」
「そのようじゃな、いろいろとあったようじゃがナツ坊もアオもいい顔しとる。一皮剥けた男の顔じゃ。いい旅をしてきたようじゃ」
「うん!」
じいちゃんの言う通り今回のツーリングは短かったけど、いろいろとあった。
海の家のお兄さんとも再会できたし、アオちゃんともさらに仲良くなれたし、終わってみればそう悪い経験ではなかった。
その後、ばあちゃんのお手製のお昼を食べながらニュースをみんなで見た。
僕たちがじいちゃん家に到着したのはお昼もずいぶんと過ぎた時間だったけれど、じいちゃんとばあちゃんは山田さんからお昼過ぎに僕たちが帰ってくるって連絡をもらって食べずに待っててくれてた。
「おい、ここバアサンと行った籠目大社じゃねぇか!?」
不意にじいちゃんがお箸でテレビを指す。
「お爺さん、ナッちゃんとアオちゃんの前でお行儀の悪いことしないでちょうだい」
「ああ、ホレ、やっぱり籠目大社じゃ。あの鬱陶しい大岩よく覚えとるわ」
ばあちゃんが叱るけどじいちゃんはそんなこと意にも返さない。
「あ、ホントだ」
籠目大社、たしかエミおばさんとシャノンがお泊まりした翌朝にテレビで見た神社だ。
裏山の神社とおんなじ#あっち_・・・_#と#こっち_・・・_#とが通じてる結界があるって教えてもらって驚いた記憶があるからよく覚えている。
「たしか改築工事中だったんだっけ?」
「ああ」
画面では金属の足場に囲まれた大岩を背景にアナウンサーさんがどれだけひどい台風かを怒鳴り声で説明している。
「てかさ、これってヤバくない?」
「ああ」
大岩の周りは水捌けが悪いみたいでもう池みたいになってるし、風の影響で足場に掛けられた目隠しの覆いもバタバタと破れそうなほどに暴れている。
よっぽど緊急の状況なんだろう。カメラが回っているにも関わらず周囲でヘルメットを被りレインコートを着た工事関係者さんたちが慌てた様子で走り回っている。
その間にも足場はどんどんと不安定さを増していって全体が風に煽られるたび、グラグラ左右に振れているのが画面越しにもわかるほどになってきた。
『おい、君たち、もうここは危険だ。直ぐ様撮影を中止して避難を…』
いよいよ危ないらしくアナウンサーさんに工事の責任者らしきひとが駆け寄り避難を促した。
「あっ! テレビに映ってるの、吹田さんだっ!」
僕は思わず叫んでしまった。
アナウンサーさんに駆け寄ってきた工事関係者さんこそ誰あろう今朝まで一緒にいた吹田さんだったからだ。
「吹田さんの言っていた問題の起こった場所って、この神社のことだったのか」
確かに言葉通り暴風雨に曝され今にも破壊されそうなこの現状は大問題だ。籠目大社に結界があるのなら吹田さんたち異種属調査室の仕事なのもうなづける。
吹田さんはアナウンサーさんたちテレビ関係者を避難させようとしているが、彼らは聞き入れず今にも倒れそうな足場にカメラを向けている。
『…こち……ゆう…に、……し…たがい………………いっ!』
『じゃ………を、する…………スクー……さつ…し……ほう……しょうもの………』
『…のあんぜん………しょ…できな……………はなれ……』
『……っさいっ……こっ……ちは…きょか……ってる…だ』
必死になって避難を促しす吹田さん、撮影の邪魔をするなと吹田さんを邪険に振り払おうとするテレビ関係者、その押し問答の怒声が風音で切れ切れになりながらもスピーカーを通して聴こえてくる。
「あっ!」
台風でテンションがあがっているのか、自分がどれほどに危険な状態なのかを認識出来ず一向に撮影を中止しようとしないテレビ関係者、それでもめげずに避難をさせようとしてくる吹田さんに業を煮やしたのか、アナウンサーさんはついにマイクを投げ棄てて吹田さんを突き飛ばした。
きっと普段の吹田さんならどうってことのないことだったのだろう。
けどその時、足元はぬかるんでいて視界も悪かった。今朝がた海の家のお兄さんの家から出発しての現地入り、暴風雨のなかでの作業、体力面でも精神面でもすでに疲労は限界に達していたのだろう。
吹田さんは本当に吹っ飛ぶみたいに後ろへと倒れ込んだ。
さらに間の悪い事に吹田さんが倒れた瞬間、今までで一番強い風が吹き荒れた。
画面の背後に映し出されていた足場の覆いがビリビリと嫌な音をたてて破れだす。
それに引き摺られるみたいに足場そのものもぐらりと大きく傾いで…
「あぶないっ!」
「キュゥゥッ!」
僕とアオちゃんは思わず立ち上がった。
吹田さんの倒れているすぐ側で足場が倒壊を始めたんだ。
重量のある鉄製の足場が水溜まりのなかに崩れたせいで画面の向こうは水煙に覆い隠され吹田さんがどうなったかも判別が出来ない。
「し、室長っ!?」
「ああ、そんな…」
じいちゃんが呼んできたのだろうか、外で待機していた山田さんたちもいつの間にか居間まで入ってきてテレビを食い入るように見詰めていた。
太郎さんも花子さんも普段はしないような真剣な顔をして雰囲気もどこか張り積めた緊張感を漂わせている。
「ナツ君、アオちゃん、準備できた? 出発するよ」
僕たちとの会話もどこか淡々とした感じでこれが山田さんたちの仕事モードなんだなって何となく思う。
「それじゃぁね、お兄さん」
「キュゥゥ、キュー」
「また遊びに来いよな、なんかあったら連絡してこい」
僕たちとお兄さんがお別れのあいさつを交わすと直ぐ様ワゴンは走り出した。
ワゴンの窓ガラス越しに見える空は真っ青でおんなじ国の何処かでは雨と風がスゴいことになってるだなんて冗談みたいにも思えるんだけど。
「吹田さんの居るトコはもう降ってるのかなぁ…!?」
「今回の台風はアシが速いようでね、もう暴風域に入ってるそうだよ」
たいして返事も気にせず何となく呟いた言葉だったけど、太郎さんには聴こえていたみたいで運転席からチラリとバックミラー越しに僕らの座っている後部座席を見て応えてくれた。
「室長はまだ現地入りはしてないけど、警報が発令されているみたいだね。新幹線も停まってしまって最寄りの職員が室長を車で迎えに向かったと連絡があったよ」
「…そっか」
警報や新幹線が停まるだなんて台風は僕が考えているよりもずっと大きいのかも知れない。
吹田さんにははやく無事に帰ってきてもらいたい。
なんだか太郎さんや花子さんもそうだけど、吹田さんも最初は怪しいひとたちだって思ったけど、わずかな時間でずいぶんと親しくなった気がする。
なんでだろう?
僕自身人見知りする性分って訳じゃないけど、そんなに直ぐに出会ったひとと仲良くできるほど無警戒な性格でもなかったハズだ。
それは確実にアオちゃんのおかげだろう。
アオちゃんの人好きする好奇心旺盛な性格がいろんなひとを惹き付けつんだろう。
調査室のひとたちだけじゃない。
エミおばさんやシャノン、海の家のお兄さんとだってアオちゃんが居なければ今ほど仲良くできていたかはわからない。
…なんて事をとりとめもなく考えていたら、あっと言う間にじいちゃん家にワゴンは到着してしまった。
吹田さんのバイクでおんなじ道を通ったはずなのに昨日の朝方の#ソレ_・・_#よりもなんだか素っ気なく目的地に着いた気がする。
たぶんだけど、わくわくした冒険気分がなかったからなんだろうと思う。
ともあれ、僕はじいちゃん家に着くと直ぐ様居間へ走り込んでテレビのスイッチを入れた。
『……現在この地域は暴風圏に入っております。住民の方々は最寄りの避難所をご確認のうえ、今後の情報にご注意ください……』
ちょうど台風に関するニュースをやってた。いや、大きな台風らしいからずっとテレビではこの報道を流していたのかも。
「刑部君はこんな荒い天気の場所に行ってるんか」
居間にじいちゃんが入ってきた。
刑部君? 一瞬誰のことかと思ったけどたしか吹田さんの名前が刑部って言っていたハズだ。
どうやら一昨日の夜に一緒にお酒を飲んだとき、吹田さんを名前で呼ぶくらい仲良くなったみたいだ。
「ただいま、じいちゃん。吹田さんはこの台風のせいで問題の起こったトコに行ったそうだから、たぶんそうだよ」
「そうか、ナツ坊も残念だったな。折角のツーリングだったのに中途半端で帰ってくる羽目になって」
「んー、そうでもないよ。楽しかったし」
「そのようじゃな、いろいろとあったようじゃがナツ坊もアオもいい顔しとる。一皮剥けた男の顔じゃ。いい旅をしてきたようじゃ」
「うん!」
じいちゃんの言う通り今回のツーリングは短かったけど、いろいろとあった。
海の家のお兄さんとも再会できたし、アオちゃんともさらに仲良くなれたし、終わってみればそう悪い経験ではなかった。
その後、ばあちゃんのお手製のお昼を食べながらニュースをみんなで見た。
僕たちがじいちゃん家に到着したのはお昼もずいぶんと過ぎた時間だったけれど、じいちゃんとばあちゃんは山田さんからお昼過ぎに僕たちが帰ってくるって連絡をもらって食べずに待っててくれてた。
「おい、ここバアサンと行った籠目大社じゃねぇか!?」
不意にじいちゃんがお箸でテレビを指す。
「お爺さん、ナッちゃんとアオちゃんの前でお行儀の悪いことしないでちょうだい」
「ああ、ホレ、やっぱり籠目大社じゃ。あの鬱陶しい大岩よく覚えとるわ」
ばあちゃんが叱るけどじいちゃんはそんなこと意にも返さない。
「あ、ホントだ」
籠目大社、たしかエミおばさんとシャノンがお泊まりした翌朝にテレビで見た神社だ。
裏山の神社とおんなじ#あっち_・・・_#と#こっち_・・・_#とが通じてる結界があるって教えてもらって驚いた記憶があるからよく覚えている。
「たしか改築工事中だったんだっけ?」
「ああ」
画面では金属の足場に囲まれた大岩を背景にアナウンサーさんがどれだけひどい台風かを怒鳴り声で説明している。
「てかさ、これってヤバくない?」
「ああ」
大岩の周りは水捌けが悪いみたいでもう池みたいになってるし、風の影響で足場に掛けられた目隠しの覆いもバタバタと破れそうなほどに暴れている。
よっぽど緊急の状況なんだろう。カメラが回っているにも関わらず周囲でヘルメットを被りレインコートを着た工事関係者さんたちが慌てた様子で走り回っている。
その間にも足場はどんどんと不安定さを増していって全体が風に煽られるたび、グラグラ左右に振れているのが画面越しにもわかるほどになってきた。
『おい、君たち、もうここは危険だ。直ぐ様撮影を中止して避難を…』
いよいよ危ないらしくアナウンサーさんに工事の責任者らしきひとが駆け寄り避難を促した。
「あっ! テレビに映ってるの、吹田さんだっ!」
僕は思わず叫んでしまった。
アナウンサーさんに駆け寄ってきた工事関係者さんこそ誰あろう今朝まで一緒にいた吹田さんだったからだ。
「吹田さんの言っていた問題の起こった場所って、この神社のことだったのか」
確かに言葉通り暴風雨に曝され今にも破壊されそうなこの現状は大問題だ。籠目大社に結界があるのなら吹田さんたち異種属調査室の仕事なのもうなづける。
吹田さんはアナウンサーさんたちテレビ関係者を避難させようとしているが、彼らは聞き入れず今にも倒れそうな足場にカメラを向けている。
『…こち……ゆう…に、……し…たがい………………いっ!』
『じゃ………を、する…………スクー……さつ…し……ほう……しょうもの………』
『…のあんぜん………しょ…できな……………はなれ……』
『……っさいっ……こっ……ちは…きょか……ってる…だ』
必死になって避難を促しす吹田さん、撮影の邪魔をするなと吹田さんを邪険に振り払おうとするテレビ関係者、その押し問答の怒声が風音で切れ切れになりながらもスピーカーを通して聴こえてくる。
「あっ!」
台風でテンションがあがっているのか、自分がどれほどに危険な状態なのかを認識出来ず一向に撮影を中止しようとしないテレビ関係者、それでもめげずに避難をさせようとしてくる吹田さんに業を煮やしたのか、アナウンサーさんはついにマイクを投げ棄てて吹田さんを突き飛ばした。
きっと普段の吹田さんならどうってことのないことだったのだろう。
けどその時、足元はぬかるんでいて視界も悪かった。今朝がた海の家のお兄さんの家から出発しての現地入り、暴風雨のなかでの作業、体力面でも精神面でもすでに疲労は限界に達していたのだろう。
吹田さんは本当に吹っ飛ぶみたいに後ろへと倒れ込んだ。
さらに間の悪い事に吹田さんが倒れた瞬間、今までで一番強い風が吹き荒れた。
画面の背後に映し出されていた足場の覆いがビリビリと嫌な音をたてて破れだす。
それに引き摺られるみたいに足場そのものもぐらりと大きく傾いで…
「あぶないっ!」
「キュゥゥッ!」
僕とアオちゃんは思わず立ち上がった。
吹田さんの倒れているすぐ側で足場が倒壊を始めたんだ。
重量のある鉄製の足場が水溜まりのなかに崩れたせいで画面の向こうは水煙に覆い隠され吹田さんがどうなったかも判別が出来ない。
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連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
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