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余話2 チルチルの場合
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早朝って言うよりも夜明けの直前ね。
アタシは一緒の部屋で眠っている姉達を起こさないように静かに寝床から抜け出す。
頭上はまだお日様の光が昇ってなくって真っ暗だけれども、海面から顔を出せば空がほんのり明るくなってきているのをアタシは知っている。
暗い空の片方がどんどんと色を変えていってお日様が夜と交替するのを観るのが最近の楽しみのひとつだ。
アタシ達マーメイドは元々別な場所に住んでいた。けれど海流の変化によってアタシ達は妙な穴に引き込まれてまったく知らない場所に跳ばされてしまった。
幸いだったのは姉妹みんなが跳ばされたおかげで離ればなれにならなかった事だろうか。
とにかくそんな感じでアタシ達は知らない場所での新生活を強いられる事になったの。
最初は大変だったわ。みんなで長年住んでいた家も失われて、知り合いも姉妹しかいない。みんなで開墾した海草の畑だって失くなってしまったんだもの。
けれど悪い事ばっかりでもなかった。
今住んでいる場所には前に居た場所と違って強くてアタシ達をエサにしようとする幻獣がいないし、水温も冷たくない。
それに海草の畑こそ失くなったものの野生の海草も多いし、食べられる生き物もやたらたくさん居るのよ。
しかもその食べられる生き物は時々網に絡まって動けないでいる。
四つ上の姉様が網から魚を取りながら笑って言った。
「アタシ達生きたまま天国に来たんじゃないかしら!?」
アタシもその考えに同意した。ここは食べるものにも困らず凍える事もなくって、アタシ達を襲う敵も居ない。まさに天国! 楽園! 理想郷だわっ!
食生活が充足したアタシ達は次に住居を整える事にした。
ここに跳ばされた当初、アタシ達は適当な洞窟を見つけてそこを拠点にしていた。
けれど上の姉様達数人が探索隊と称して辺りをくまなく泳ぎ回ったところから、素敵な住居を発見した。
その建物は細長くって中は何階にも階層が分かれてて真ん中には塔もそびえている。
塔の左右には細くて長い筒を備えたおっきな箱があってその箱の中にも部屋がある。
建物の片方の端には太陽? を象ったレリーフが飾られていて、その反対の端、下の方には五つのおっきなプロペラが突き出ている。
え!? プロペラじゃなくってスクリュー? 知らないわよそんなの。
あ、玄関は建物の真ん中にあるの。入り口が大きいのはいいんだけれども、扉が無いのが難点よね。
は!? それは入り口じゃなくって破孔? 魚雷の直撃で空いた船体の穴? さっきから何を言ってるの? 船の話なんてしていないでしょ、今は家の話をしているのっ。
とにかくその戦艦…… じゃなくってお屋敷を片付けて住めるようにしたのが今アタシ達が住んでいる家。
そしてアタシは夜明け前の空を観たくってみんなが寝ている間に家を脱け出したの。
「チル? また空を観に行くの?」
姉様達はみんな寝ていると思っていたからそう声を掛けられてドキッとした。
振り返ると一番上の姉様の姿がそこにあった。
「うん、ごめんなさい、起こしちゃった?」
アタシの答えに姉様は「物好きねぇ」って肩をすくめて笑う。
「居ないと思うけれどシーサーペントに気を付けてね」って注意の言葉を掛けて姉様は送り出してくれた。
アタシは姉様が言うように『物好き』なのだろうか?
違うと思う。
アタシ達が今居る場所は今までに比べて段違いに安全だわ。
かつてはアタシ達マーメイドは常にシーサーペントをはじめとした強い幻獣の姿に怯えて海底で隠れ住んでいた。
海の上の空なんて肝試し、度胸試しくらいでしか見ることはなかった。
だけど今はどう? この周囲の海域にはシーサーペントもアスピドケロンも居やしない。
クラーケンやテンタクルスに至っては笑ってしまうほどにちいさい。あれらの幻獣の子供が美味しいと知ったのはこちらに来てからだ。
今では食卓にクラーケンやテンタクルスがあると姉妹全員が取り合いになるほどに人気のある食材となっている。
つまるところアタシが何を言いたいかって言うと………
マーメイド最強!!
ってこと。
だって天敵も居なくって食べるものにも住むところにも困っていないのよ!?
それってサイキョーじゃない!?
だからサイキョーはサイキョーの流儀に従わねばならないとアタシは考えている。
サイキョーの流儀。つまり今までできなかったことをいっぱいする。
捕食者だったクラーケンもテンタクルスも食べるし、天敵を呼び寄せるから危ないって禁止されていた唄だって唄える。安全な住み処から離れて海面から空を望むことだって叶う。
アタシ達マーメイドは自由なんだっ!!
「きゃっ!?」
藍色から淡青に変わってゆく空を楽しもうと海面に顔を出した直後、ナニかが飛んできてすぐ近くに落ちた。
「なっ、なに!?」
海に沈み始めたソレをあわてて拾い上げ、しげしげと観察する。
「キレイ」
それは細長い金属の塊でキラキラと光を反射していた。お尻には三つに別れた棘が生えていてちょっと危ない感じだ。
「も、もしかして星が落っこちてきたとか?」
口にしてみるとそれが当たりの様な気になってくる。
だって星みたいにキレイな色をしているし、棘だって冬の鋭い光り方を思い起こさせるソレだ。
アタシは指で摘まんだ星を空にかざす。
「姉様達に見せたらきっとめずらしがってくれるわね。アクセサリーにするのも悪くないわ ……って、チョット!?」
星に見惚れているとソレが突然引っ張られる様に動き出した。
どうやら星には糸が付けられていた様で、その糸に引かれて星がアタシの手を放れて遠ざかってゆく。
「ちょっ、ちょっと待ちなさいって……… てててててっ!??」
慌てて星を取り戻そうとしたら、どういった案配か棘の部分にアタシの髪が絡まってしまった。
「痛ッ、痛いってっ! いたたたたたっーーーーーーっっ!!」
解きほぐそうと思ってもグングンと星が引っ張られる勢いで棘から髪が解せない。
その内に海の終わりの部分。陸が見えてきて、そこにひとりの男の子が立っていて何だか長い棒を持っている。
どうやらあの棒に糸が付いていてその先端の星が引っ張られているみたいだ。
向こうの男の子もアタシに気が付いたみたいで糸を引っ張るのを止めたけれど、アタシは怒りに任せてソイツの元まで泳いでいった。
そして頭に血が昇ったままソイツにアタシは言い放ったの。
「アンタバカァ!?」
他にもいろいろ言った気がしないでもないけれど、頭に血が昇っていたからあんまりなにを言ったのか記憶にない。
憶えているのはこの男の子がハヤカワ·トラノスケって事と、アタシが星だと思っていたモノが魚を捕まえる道具だったって言うことだ。
アタシは一緒の部屋で眠っている姉達を起こさないように静かに寝床から抜け出す。
頭上はまだお日様の光が昇ってなくって真っ暗だけれども、海面から顔を出せば空がほんのり明るくなってきているのをアタシは知っている。
暗い空の片方がどんどんと色を変えていってお日様が夜と交替するのを観るのが最近の楽しみのひとつだ。
アタシ達マーメイドは元々別な場所に住んでいた。けれど海流の変化によってアタシ達は妙な穴に引き込まれてまったく知らない場所に跳ばされてしまった。
幸いだったのは姉妹みんなが跳ばされたおかげで離ればなれにならなかった事だろうか。
とにかくそんな感じでアタシ達は知らない場所での新生活を強いられる事になったの。
最初は大変だったわ。みんなで長年住んでいた家も失われて、知り合いも姉妹しかいない。みんなで開墾した海草の畑だって失くなってしまったんだもの。
けれど悪い事ばっかりでもなかった。
今住んでいる場所には前に居た場所と違って強くてアタシ達をエサにしようとする幻獣がいないし、水温も冷たくない。
それに海草の畑こそ失くなったものの野生の海草も多いし、食べられる生き物もやたらたくさん居るのよ。
しかもその食べられる生き物は時々網に絡まって動けないでいる。
四つ上の姉様が網から魚を取りながら笑って言った。
「アタシ達生きたまま天国に来たんじゃないかしら!?」
アタシもその考えに同意した。ここは食べるものにも困らず凍える事もなくって、アタシ達を襲う敵も居ない。まさに天国! 楽園! 理想郷だわっ!
食生活が充足したアタシ達は次に住居を整える事にした。
ここに跳ばされた当初、アタシ達は適当な洞窟を見つけてそこを拠点にしていた。
けれど上の姉様達数人が探索隊と称して辺りをくまなく泳ぎ回ったところから、素敵な住居を発見した。
その建物は細長くって中は何階にも階層が分かれてて真ん中には塔もそびえている。
塔の左右には細くて長い筒を備えたおっきな箱があってその箱の中にも部屋がある。
建物の片方の端には太陽? を象ったレリーフが飾られていて、その反対の端、下の方には五つのおっきなプロペラが突き出ている。
え!? プロペラじゃなくってスクリュー? 知らないわよそんなの。
あ、玄関は建物の真ん中にあるの。入り口が大きいのはいいんだけれども、扉が無いのが難点よね。
は!? それは入り口じゃなくって破孔? 魚雷の直撃で空いた船体の穴? さっきから何を言ってるの? 船の話なんてしていないでしょ、今は家の話をしているのっ。
とにかくその戦艦…… じゃなくってお屋敷を片付けて住めるようにしたのが今アタシ達が住んでいる家。
そしてアタシは夜明け前の空を観たくってみんなが寝ている間に家を脱け出したの。
「チル? また空を観に行くの?」
姉様達はみんな寝ていると思っていたからそう声を掛けられてドキッとした。
振り返ると一番上の姉様の姿がそこにあった。
「うん、ごめんなさい、起こしちゃった?」
アタシの答えに姉様は「物好きねぇ」って肩をすくめて笑う。
「居ないと思うけれどシーサーペントに気を付けてね」って注意の言葉を掛けて姉様は送り出してくれた。
アタシは姉様が言うように『物好き』なのだろうか?
違うと思う。
アタシ達が今居る場所は今までに比べて段違いに安全だわ。
かつてはアタシ達マーメイドは常にシーサーペントをはじめとした強い幻獣の姿に怯えて海底で隠れ住んでいた。
海の上の空なんて肝試し、度胸試しくらいでしか見ることはなかった。
だけど今はどう? この周囲の海域にはシーサーペントもアスピドケロンも居やしない。
クラーケンやテンタクルスに至っては笑ってしまうほどにちいさい。あれらの幻獣の子供が美味しいと知ったのはこちらに来てからだ。
今では食卓にクラーケンやテンタクルスがあると姉妹全員が取り合いになるほどに人気のある食材となっている。
つまるところアタシが何を言いたいかって言うと………
マーメイド最強!!
ってこと。
だって天敵も居なくって食べるものにも住むところにも困っていないのよ!?
それってサイキョーじゃない!?
だからサイキョーはサイキョーの流儀に従わねばならないとアタシは考えている。
サイキョーの流儀。つまり今までできなかったことをいっぱいする。
捕食者だったクラーケンもテンタクルスも食べるし、天敵を呼び寄せるから危ないって禁止されていた唄だって唄える。安全な住み処から離れて海面から空を望むことだって叶う。
アタシ達マーメイドは自由なんだっ!!
「きゃっ!?」
藍色から淡青に変わってゆく空を楽しもうと海面に顔を出した直後、ナニかが飛んできてすぐ近くに落ちた。
「なっ、なに!?」
海に沈み始めたソレをあわてて拾い上げ、しげしげと観察する。
「キレイ」
それは細長い金属の塊でキラキラと光を反射していた。お尻には三つに別れた棘が生えていてちょっと危ない感じだ。
「も、もしかして星が落っこちてきたとか?」
口にしてみるとそれが当たりの様な気になってくる。
だって星みたいにキレイな色をしているし、棘だって冬の鋭い光り方を思い起こさせるソレだ。
アタシは指で摘まんだ星を空にかざす。
「姉様達に見せたらきっとめずらしがってくれるわね。アクセサリーにするのも悪くないわ ……って、チョット!?」
星に見惚れているとソレが突然引っ張られる様に動き出した。
どうやら星には糸が付けられていた様で、その糸に引かれて星がアタシの手を放れて遠ざかってゆく。
「ちょっ、ちょっと待ちなさいって……… てててててっ!??」
慌てて星を取り戻そうとしたら、どういった案配か棘の部分にアタシの髪が絡まってしまった。
「痛ッ、痛いってっ! いたたたたたっーーーーーーっっ!!」
解きほぐそうと思ってもグングンと星が引っ張られる勢いで棘から髪が解せない。
その内に海の終わりの部分。陸が見えてきて、そこにひとりの男の子が立っていて何だか長い棒を持っている。
どうやらあの棒に糸が付いていてその先端の星が引っ張られているみたいだ。
向こうの男の子もアタシに気が付いたみたいで糸を引っ張るのを止めたけれど、アタシは怒りに任せてソイツの元まで泳いでいった。
そして頭に血が昇ったままソイツにアタシは言い放ったの。
「アンタバカァ!?」
他にもいろいろ言った気がしないでもないけれど、頭に血が昇っていたからあんまりなにを言ったのか記憶にない。
憶えているのはこの男の子がハヤカワ·トラノスケって事と、アタシが星だと思っていたモノが魚を捕まえる道具だったって言うことだ。
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