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余話3 虎之介とチルチル
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「ふぅん、コレで魚を誘き寄せて棘に引っ掛けて捕まえるの!?」
チルチルと名乗ったマーメイドがオレが投げたメタルジグを指先で弄びながら訊ねる。
「まぁな」
「面倒な手順を踏むのねぇ、魚なんて泳いで手掴みで簡単に捕らえられるじゃない」
「そりゃぁ竿で釣るよりももっとたくさん一挙に魚を手に入れる方法だってあるけどさ、竿で魚とやり取りしたりとかが面白いんじゃん。効率よりも楽しさにオレは重要視したいんだよ。面倒さだって楽しむのが趣味ってヤツだろ!?」
「趣味ねぇ。そんなに楽しい事だって言うんならアタシにやらせてみせなさいよ」
なんてワガママなオンナだ。面倒だの何だのと文句ばっかり言ってくるクセにその面倒事をやりたがったりする。
どうせ二、三回やってみれば飽きてしまうだろう。そう思いつつオレはチルチルにメタルジグの投げ方をレクチャーする。
釣りは楽しいけれども絶対安全ってワケじゃない。岩場ならば高波に浚われたり、岩に滑って海に落ちてしまったり、針が身体に刺さったりと危険もいっぱいだ。
チルチルはマーメイドだから高波やら落水やらは心配していないが、針の扱いに関してだけは信用がおけない。さっきから弄んでいるメタルジグだって鋭い針が付いているのに不用心に過ぎる。
だからオレは懇切丁寧にリールの取り扱いから竿の投げ方。針の付いた竿先をヒトに向けないよう説明を繰り返した。
「もう、うるさいわねっ! しつこいわよアンタッ。要はヒトに当てたりとかするなって事でしょっ!? わかっているってのっ!」
「あとコイツを掛けろ」
不快そうに眉をしかめつつ直ぐ様竿を振ろうと逸るチルチル。オレは最後の忠告とばかりに自分の掛けていたサングラスを外してチルチルのヤツに掛けてやった。
「視界が暗くなって不便だろうけど我慢しろ、万が一眼にジグが当たりでもしたら失明だってあり得るんだ。ルアーフィッシングをやるんだったらサングラスは絶対のマナーのひとつだ」
「ふぅん、サン、グラスって言うのコレ!? 別に多少暗くなったって不便なんかじゃないけど…… 目の前が暗くなってちょっと楽しいわねコレ」
チルチルは何度もサングラスを着けたり外したりして視界の変化を楽しんでいる。
本当だったら針が肌に刺さらない様に着ている服も長袖だったりってのが好ましいんだが、オレ自身が面倒がって膝丈のカーゴパンツにランニングシャツだから黙っていよう。
ちなみにチルチルのヤツの着ている服は白のチューブトップって言うんか? 水着に腰に巻かれた金装飾のアクセサリーと小さなナイフくらいだ。
正直かわいい子だと思う。
赤味かかった金の髪は波打つ様だし、肌もきめ細かくてシミひとつない。
眼もクリッと大きめなアーモンド型、顔もかなり整っていて朝日に照らされながら遠くを見つめている様子は絵画みたいだ。
「って、いやいやいやいやいやいやいやいや。オレの好みはケモ耳少女ですからっ。ツン十割の魚類はお呼びじゃないからっ」
「はい? なにを言ってるの? 突然発狂とかしないでよ。ちょっとトラノスケ、アンタ怖いわよ?」
「ハッキョーなんかしてねぇよ。ちょっと堪えきれない心の叫びが表に出ちゃっただけだから気にすんな」
オレはくだらない話を切り上げて竿の投げ方についてレクチャーを続ける。糸が出ないようにして数度竿を前後に振らせてみる。
グリップの握る位置、糸に指を掛け放すタイミング、スイングでジグが竿に負担を掛けしなる様子、
しなりを利用してジグを遠くまで投げる感覚などを教えた後に実際にキャスティングをチルチルにさせてみる。
「やーーーーーーーーッッ!!」
チルチルのかけ声とともにメタルジグが弧を描いて宙を跳んでゆく。距離としては充分魚が喰ってくれる距離だ。
「着水したらベールを戻す」
「うっさいわね、今やろうと思ったいたところでしょっ」
いや、絶対ソレ忘れてたヤツだろ。オレも親に注意された時口にするセリフだからわかるんだ。
ベールを戻してゆっくりとリールのハンドルを回す。眼では確認できないけれどもメタルジグは水中をフラフラと頼りなく尻を振って泳いでいるハズだ。
この『頼りなく』ってのが重要なんだ。エサであるメタルジグがギュンギュンと元気に泳いでいるのならばそれを捕らえようとする魚も「このエサは元気過ぎて捕まえるのに苦労しそうだ」って二の足を踏むだろう。
だから弱ってヨタヨタと頼りなく泳ぐ小魚を演出するんだ。
……ってな事をハンドルを回すチルチルに言ってみたけれど、ヤツは邪険そうにうなずいただけで返事もしやしない。
けれどもオレの言葉は聞こえていた様でハンドルの回転が若干遅くなったのを感じた。
「えっ!? ちょっ、コレ、えっ!?? なんか引いているんだけどっーーーーーーーーーーーー!??」
「お、釣れたな。オメデトさん」
「『お、釣れたな』じゃないわよっ! どーすんのよコレッ!? スッゴい引っ張られるのよっ!」
「いや、普通にハンドル回して魚こっちに寄せるんだよ」
「やってるわよっ! チョーやってるわよっ!!」
夢中になってて魚が釣れた場合の対処法は忘れていてリールの巻き方も我夢捨羅だ。けれども何とか魚は寄ってくる針が唇から外れる『バラシ』の様子もない。
オレは魚がこっちに寄ってくる様子を見て傍らに置いていたネットを手にする。
伸縮式の柄を延ばして海面にネットの先を入れ、魚をネットに寄せるようチルチルを誘導する。
「ハンドル回すのは止めていい。こっち魚寄せて」
「よ、よせる!? どーやってよバカッ!??」
え!? 最後の「バカッ!??」って要る? オレはネットを構えている手と反対の手をチルチルの握っている竿にのばす。
体勢的にチルチルを抱える様な形になる。
お互いに薄着だったせいで肌と肌が直接くっつく。予想していた魚っぽいヌメリは感じなかった。その代わりにやわらか………いや、いやいやいやいやいやいやいやいや。
「こ、こう、ゆっくりと竿を上にあげてくんだ。そう、その体勢を維持して」
「わっ、わかった。上に、ゆっくりと上に……」
魚が水面に現れたタイミングでオレはネットを魚の下に潜らせてネットの中に捕らえ引き揚げる。
手早くフィッシュグリップで唇を掴み反対の手にペンチを握り刺さっていた針を外す。
「ホレ、オマエの釣った魚だ」
網から出した魚をフィッシュグリップごとチルチルの前に差し出す。けれど彼女は何だか呆然としながら自分の釣った魚を見つめるだけで「あー」とか「うん」とか頼りない反応しかしめさない。
オレはチルチルがまだ握っていた竿を引ったくる様に離させると代わりに魚の付いたフィッシュグリップを握らせた。
握らせてから「もしかして生きている魚とかキモチワルイ」って言うタイプか? とか思ったけれど、コイツマーメイドなんだよな。おんなじ魚類だし。
フィッシュグリップを掴んでまじまじと自分の釣った魚を見る。
「コレ、アタシが捕ったの?」
「ああ」
「スゴいわっ! この魚素早くってなかなか捕まえられないって姉様たちも苦労していたのに!」
はっ? 素早くってなかなか捕まえられなくって苦労している? コイツ最初自分たちはサイキョーの海の種族マーメイドって言ってなかったか? 弱々じゃないか??
なんか知らんがスゲー感動してて眼なんかキラッキラしてるんだが。
ちなみに釣れた魚はカンパチだった。確かにヤツは回遊魚で泳ぐのが速い魚ではあるんだが、マーメイドはカンパチよりも泳ぐのが遅いのか? って思ったが、よく考えてみるとマーメイドってのは下半身だけ魚なんだよな、上半身ヒトだったら流線形の回遊魚には敵わんか。
……とかひとりで納得していたらチルチルのヤツは自分の釣った魚をオレのクーラーボックスに放り込んで二投目を勝手に始めていた。
なんで? 一回釣れたら満足してくれるんじゃないの?? 魚なんか手掴みで簡単に捕らえられるんじゃなかったのか???
ってかコイツ回遊魚を捕まえるのに苦労しているんだっけ。
結局チルチルのヤツは太陽が完全に昇りきるまで竿を放さず、通算八匹の魚を釣りあげた。その度にオレはネットを使い、針も外させられた。
自分でやれよ。
太陽が昇ればバイトの時間が来る。チルチルのヤツはてっきり「まだやる」って駄々をこねるかと思ったんだがか
「しかたないわね」っておとなしく竿を置いた。
釣った魚は一匹だけオレが貰って残りはチルチルが持っていくことになった。
オレの家はオヤジとオフクロとバァチャンとオレの四人だけだし、オヤジは漁師なんだからいらねぇっ、チルチルが全部持っていけって言ったんだけど。
「それじゃあアタシがトラノスケから奪ったみたいでカッコ悪いじゃない。マーメイドはドロボウじゃないのよっ! 少なくとも半分は持ってってもらわないと格好がつかないわっ」
ってのを言いくるめて一対七にしてもらった。
まぁこーゆーところは律儀で義理堅いヤツだと思う。
帰り支度を終えあいさつをしようと振り返ったオレにチルチルのヤツは海間から顔を出してこう言った。
「それじゃあ明日も今日とおなじ時間でね! 待ってるわトラノスケ」
「………………………」
律儀で義理堅いけれどもそれ以上に自分勝手なヤツだった。
マーメイドってのはみんなこうなのか?
ちなみにチルチルの持って帰った魚は姉達に大好評だったらしい。
チルチルと名乗ったマーメイドがオレが投げたメタルジグを指先で弄びながら訊ねる。
「まぁな」
「面倒な手順を踏むのねぇ、魚なんて泳いで手掴みで簡単に捕らえられるじゃない」
「そりゃぁ竿で釣るよりももっとたくさん一挙に魚を手に入れる方法だってあるけどさ、竿で魚とやり取りしたりとかが面白いんじゃん。効率よりも楽しさにオレは重要視したいんだよ。面倒さだって楽しむのが趣味ってヤツだろ!?」
「趣味ねぇ。そんなに楽しい事だって言うんならアタシにやらせてみせなさいよ」
なんてワガママなオンナだ。面倒だの何だのと文句ばっかり言ってくるクセにその面倒事をやりたがったりする。
どうせ二、三回やってみれば飽きてしまうだろう。そう思いつつオレはチルチルにメタルジグの投げ方をレクチャーする。
釣りは楽しいけれども絶対安全ってワケじゃない。岩場ならば高波に浚われたり、岩に滑って海に落ちてしまったり、針が身体に刺さったりと危険もいっぱいだ。
チルチルはマーメイドだから高波やら落水やらは心配していないが、針の扱いに関してだけは信用がおけない。さっきから弄んでいるメタルジグだって鋭い針が付いているのに不用心に過ぎる。
だからオレは懇切丁寧にリールの取り扱いから竿の投げ方。針の付いた竿先をヒトに向けないよう説明を繰り返した。
「もう、うるさいわねっ! しつこいわよアンタッ。要はヒトに当てたりとかするなって事でしょっ!? わかっているってのっ!」
「あとコイツを掛けろ」
不快そうに眉をしかめつつ直ぐ様竿を振ろうと逸るチルチル。オレは最後の忠告とばかりに自分の掛けていたサングラスを外してチルチルのヤツに掛けてやった。
「視界が暗くなって不便だろうけど我慢しろ、万が一眼にジグが当たりでもしたら失明だってあり得るんだ。ルアーフィッシングをやるんだったらサングラスは絶対のマナーのひとつだ」
「ふぅん、サン、グラスって言うのコレ!? 別に多少暗くなったって不便なんかじゃないけど…… 目の前が暗くなってちょっと楽しいわねコレ」
チルチルは何度もサングラスを着けたり外したりして視界の変化を楽しんでいる。
本当だったら針が肌に刺さらない様に着ている服も長袖だったりってのが好ましいんだが、オレ自身が面倒がって膝丈のカーゴパンツにランニングシャツだから黙っていよう。
ちなみにチルチルのヤツの着ている服は白のチューブトップって言うんか? 水着に腰に巻かれた金装飾のアクセサリーと小さなナイフくらいだ。
正直かわいい子だと思う。
赤味かかった金の髪は波打つ様だし、肌もきめ細かくてシミひとつない。
眼もクリッと大きめなアーモンド型、顔もかなり整っていて朝日に照らされながら遠くを見つめている様子は絵画みたいだ。
「って、いやいやいやいやいやいやいやいや。オレの好みはケモ耳少女ですからっ。ツン十割の魚類はお呼びじゃないからっ」
「はい? なにを言ってるの? 突然発狂とかしないでよ。ちょっとトラノスケ、アンタ怖いわよ?」
「ハッキョーなんかしてねぇよ。ちょっと堪えきれない心の叫びが表に出ちゃっただけだから気にすんな」
オレはくだらない話を切り上げて竿の投げ方についてレクチャーを続ける。糸が出ないようにして数度竿を前後に振らせてみる。
グリップの握る位置、糸に指を掛け放すタイミング、スイングでジグが竿に負担を掛けしなる様子、
しなりを利用してジグを遠くまで投げる感覚などを教えた後に実際にキャスティングをチルチルにさせてみる。
「やーーーーーーーーッッ!!」
チルチルのかけ声とともにメタルジグが弧を描いて宙を跳んでゆく。距離としては充分魚が喰ってくれる距離だ。
「着水したらベールを戻す」
「うっさいわね、今やろうと思ったいたところでしょっ」
いや、絶対ソレ忘れてたヤツだろ。オレも親に注意された時口にするセリフだからわかるんだ。
ベールを戻してゆっくりとリールのハンドルを回す。眼では確認できないけれどもメタルジグは水中をフラフラと頼りなく尻を振って泳いでいるハズだ。
この『頼りなく』ってのが重要なんだ。エサであるメタルジグがギュンギュンと元気に泳いでいるのならばそれを捕らえようとする魚も「このエサは元気過ぎて捕まえるのに苦労しそうだ」って二の足を踏むだろう。
だから弱ってヨタヨタと頼りなく泳ぐ小魚を演出するんだ。
……ってな事をハンドルを回すチルチルに言ってみたけれど、ヤツは邪険そうにうなずいただけで返事もしやしない。
けれどもオレの言葉は聞こえていた様でハンドルの回転が若干遅くなったのを感じた。
「えっ!? ちょっ、コレ、えっ!?? なんか引いているんだけどっーーーーーーーーーーーー!??」
「お、釣れたな。オメデトさん」
「『お、釣れたな』じゃないわよっ! どーすんのよコレッ!? スッゴい引っ張られるのよっ!」
「いや、普通にハンドル回して魚こっちに寄せるんだよ」
「やってるわよっ! チョーやってるわよっ!!」
夢中になってて魚が釣れた場合の対処法は忘れていてリールの巻き方も我夢捨羅だ。けれども何とか魚は寄ってくる針が唇から外れる『バラシ』の様子もない。
オレは魚がこっちに寄ってくる様子を見て傍らに置いていたネットを手にする。
伸縮式の柄を延ばして海面にネットの先を入れ、魚をネットに寄せるようチルチルを誘導する。
「ハンドル回すのは止めていい。こっち魚寄せて」
「よ、よせる!? どーやってよバカッ!??」
え!? 最後の「バカッ!??」って要る? オレはネットを構えている手と反対の手をチルチルの握っている竿にのばす。
体勢的にチルチルを抱える様な形になる。
お互いに薄着だったせいで肌と肌が直接くっつく。予想していた魚っぽいヌメリは感じなかった。その代わりにやわらか………いや、いやいやいやいやいやいやいやいや。
「こ、こう、ゆっくりと竿を上にあげてくんだ。そう、その体勢を維持して」
「わっ、わかった。上に、ゆっくりと上に……」
魚が水面に現れたタイミングでオレはネットを魚の下に潜らせてネットの中に捕らえ引き揚げる。
手早くフィッシュグリップで唇を掴み反対の手にペンチを握り刺さっていた針を外す。
「ホレ、オマエの釣った魚だ」
網から出した魚をフィッシュグリップごとチルチルの前に差し出す。けれど彼女は何だか呆然としながら自分の釣った魚を見つめるだけで「あー」とか「うん」とか頼りない反応しかしめさない。
オレはチルチルがまだ握っていた竿を引ったくる様に離させると代わりに魚の付いたフィッシュグリップを握らせた。
握らせてから「もしかして生きている魚とかキモチワルイ」って言うタイプか? とか思ったけれど、コイツマーメイドなんだよな。おんなじ魚類だし。
フィッシュグリップを掴んでまじまじと自分の釣った魚を見る。
「コレ、アタシが捕ったの?」
「ああ」
「スゴいわっ! この魚素早くってなかなか捕まえられないって姉様たちも苦労していたのに!」
はっ? 素早くってなかなか捕まえられなくって苦労している? コイツ最初自分たちはサイキョーの海の種族マーメイドって言ってなかったか? 弱々じゃないか??
なんか知らんがスゲー感動してて眼なんかキラッキラしてるんだが。
ちなみに釣れた魚はカンパチだった。確かにヤツは回遊魚で泳ぐのが速い魚ではあるんだが、マーメイドはカンパチよりも泳ぐのが遅いのか? って思ったが、よく考えてみるとマーメイドってのは下半身だけ魚なんだよな、上半身ヒトだったら流線形の回遊魚には敵わんか。
……とかひとりで納得していたらチルチルのヤツは自分の釣った魚をオレのクーラーボックスに放り込んで二投目を勝手に始めていた。
なんで? 一回釣れたら満足してくれるんじゃないの?? 魚なんか手掴みで簡単に捕らえられるんじゃなかったのか???
ってかコイツ回遊魚を捕まえるのに苦労しているんだっけ。
結局チルチルのヤツは太陽が完全に昇りきるまで竿を放さず、通算八匹の魚を釣りあげた。その度にオレはネットを使い、針も外させられた。
自分でやれよ。
太陽が昇ればバイトの時間が来る。チルチルのヤツはてっきり「まだやる」って駄々をこねるかと思ったんだがか
「しかたないわね」っておとなしく竿を置いた。
釣った魚は一匹だけオレが貰って残りはチルチルが持っていくことになった。
オレの家はオヤジとオフクロとバァチャンとオレの四人だけだし、オヤジは漁師なんだからいらねぇっ、チルチルが全部持っていけって言ったんだけど。
「それじゃあアタシがトラノスケから奪ったみたいでカッコ悪いじゃない。マーメイドはドロボウじゃないのよっ! 少なくとも半分は持ってってもらわないと格好がつかないわっ」
ってのを言いくるめて一対七にしてもらった。
まぁこーゆーところは律儀で義理堅いヤツだと思う。
帰り支度を終えあいさつをしようと振り返ったオレにチルチルのヤツは海間から顔を出してこう言った。
「それじゃあ明日も今日とおなじ時間でね! 待ってるわトラノスケ」
「………………………」
律儀で義理堅いけれどもそれ以上に自分勝手なヤツだった。
マーメイドってのはみんなこうなのか?
ちなみにチルチルの持って帰った魚は姉達に大好評だったらしい。
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