うつしよの波 ~波およぎ兼光異伝~

春疾風

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小早川秀秋の章

第九話 七将襲撃事件

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 かくして一月二十一日、諸将たちが家康邸と利家邸に分かれ警護する事態となってしまった。
 家康邸に参集した大名は伊達政宗、福島正則、池田輝政、黒田如水、黒田長政、藤堂高虎、森忠政、織田有楽斎、有馬則頼、金森長近、新庄直頼、真田信幸。
 一方、利家邸に参集した大名は毛利輝元、上杉景勝、宇喜多秀家、細川忠興、加藤清正、加藤嘉明、浅野長政、浅野幸長、佐竹義宣、立花宗茂、毛利秀包、小西行長、長宗我部盛親、前田玄以、増田長盛、長束正家、石田三成であった。
 即ち、家康を除く大老衆と奉行衆が利家邸に詰めたと言う事になる。また、利家邸に参集した大名らも詰問の正当性は家康ではなくこちらにあると判断したのであろう。数の上では、家康を除く大老衆と奉行衆に利があったのである。
 だが、この男は不満げであった。
「この様な大事に兵を寄越さんとは……あの男、何を考えている?」
 憎々しげな顔で床几しょうぎに腰掛けたまま、輝元は呟いた。松明の火がその顔を炙るように照らしている。その声に、傍らに立っていた男が僅かに首を傾げた。
「広家殿の事でしょうか」
「違う」
 怜悧な声で問いかける秀包に、輝元は荒い声で即答した。
「広家は良いのだ。私が此処へ行くと言い出した時も、大老衆と奉行衆が居ると言えば止めはしなかったからな」
 そう言うと輝元は床几を蹴るようにして立ち上がり、秀包と視線を合わせた。
「秀秋だ、秀秋。伏見に居るのにこの様な事態に参集せんとは……奴は毛利家の自覚があるのか?」
「自覚は無いでしょうな。奴は元はと言えば殿下の御養子。豊臣の為であればともかく、我らに与するとは思えませぬ」
 秀包の返答に、輝元は苛立つように頭を掻く。
「分かってはいる、分かってはいるのだ。だからこそ、毛利に奴を抱え込まねばならんのだ」
 ふと輝元は手を止め、何か思い至ったように秀包の目を見つめた。
「秀包、奴とは一応とはいえ義理の兄弟だな。どうだ、奴の様子を探れるか」
「某は奴などとは……」
 秀包はそこまで言いかけると、何か思案するかのように押し黙った。
「いや、お受け仕りましょう」

 輝元から放れた場所。秀包は腕を組み、壁に寄りかかり瞑目していた。
「輝元殿も相変わらずだな」
 一人の男が傍らの壁に寄りかかった。立花宗茂である。
「仕方あるまい。奴の出方が分からぬのも事実だ」
 秀包が目を開く。しかし顔は宗茂を向かず、ただ前を見つめていた。
「……秀包。お前は毛利の出とはいえ、今は殿下から領地を賜った独立大名だ」
 宗茂の言に、秀包は眉間に皺を寄せ向き直った。
「何が言いたい」
 宗茂の声が一段小さくなる。これからの言を秀包以外の者の耳へ入らせぬ様であった。
「毛利の意思ではなく、お前の意思で動くという道もあるのだぞ」
 秀包は思う。恐らく宗茂は俺の身を案じて、毛利と共倒れになる事を懸念しているのだと。
「余計な御世話だ」
 だが、そう思いつつも秀包は鼻を鳴らし元の様に瞑目した。
「……それに、奴の出方を探りたいのは俺自身の望みなのだ」

 秀包らより些か離れた場所に、二人の男が立っている。石田三成と加藤清正である。三成は腕を組み、思案しているかの様であった。
「まさか、貴殿がこちら側に付くとは思わなかった」
「勘違いするな。貴様に付いた心算はない。俺は唯、無用に天下を乱す真似は秀頼様の御為にならぬと考えているだけだ。その為にも家康殿と利家様……お二方の間では均衡を保って貰わねば。だからこそ」
 清正が太刀――紅葉狩兼光の柄に手を掛ける。
「若し貴様が天下を乱すのなら、俺は容赦しない」
 清正が三成を睨む。冷徹に獲物を見定める虎狼の眼であった。

 一方の家康邸である。
「家康殿の事でしょう。この結果も想定内、で御座いますよね」
 何時もの人を食ったような調子で黒田長政が家康に問いかける。
「……愚問にござる」
「成程、それは良い事をお聞き致しました」
 顔は家康を向いたまま、長政が家康の手元に視線を落とす。割れた爪。
 家康殿も、焦っておいでか。
 ふい、と屋敷の奥に引っ込んで行く家康から視線を外し、長政はある男を凝視した。
「貴方も『こちら側』でしたか」
「……」
 諸将の居並ぶ中に在りて、一際その大きさが人目を引く男。藤堂高虎である。
 高虎は長政に視線を返したが、その問いには答えない。
「其は唯、世の在り方を思案したのみ」
 それだけ言うと、高虎は腕を組み瞑目した。これ以上長政と話す気は無いと示したいのであろう。
 長政は鼻から軽く息を出すと、何処かへ立ち去って行った。
 関白様は、某の才を天下に活かすことこそ、秀長様や秀保様への何よりの供養と仰って下さった。
 残された高虎は、かつて秀次と交わした言葉を思い出していた。優しげな秀次の顔は今も胸に焼き付いている。
 今こそ、否、これよりがそのお言葉に報いる時。
 身を切る様な冬の風が高虎の髪を撫でる。しかし高虎は身震い一つせず、目を見開き天を睥睨へいげいしていた。
 結局。二月二日、家康は大老衆・奉行衆と和睦したのであった。

 そして二月五日。この様な不穏な情勢の中、秀秋の筑前復領は成ったのである。
「それで、如何なる御用の向きなのです、秀包殿」
 伏見・小早川邸の一室。秀秋は憮然とした顔で秀包に酒をいだ。手前にはその表情に似つかわしくない、華やかな膳に盛られた肴が置かれていた。
 こちらも憮然としたまま、秀包は己の盃に注がれた酒を一息に飲み干した。
「貴様の復領祝いの他に何がある」
「秀包殿が御冗談を言える方だとは思いませんでした」
 秀秋が己の盃に酒を注ぐ。しかし。
「ならば、何故俺が此処に居るか分かるな?」
 その盃を口元へ運ぶことは叶わなかった。いつ動いたかも分からぬ刹那に、秀秋は秀包に手首を掴まれていたのである。
「もし、私の『それ』がただの諦観だとしたら?」
 静やかな声。手にした盃。その水面は波一つ立てていない。
「小早川に相応しからざる者と判断する」
 秀包はその氷の目で秀秋を見据える。眼前の全てが動きを止めるほどに、冷たい。
 その氷が不意に、融けた。
「ふっ、我ながら馬鹿馬鹿しい」
 秀包が秀秋の手首を放す。水面が僅かに揺れる。
「兄上なら、決して味方を見捨てなかっただろう――いや、見捨てなかった」
 秀包が遠くを見つめる様に外に目をやった。
「そして、秀秋。お前も味方を見捨てなかった」
「義兄上?」
 気付けば、自然にお互いを呼んでいた。
「そんなお前の事だ、ただの諦観ではあるまい。おおかた、誰がどちら側なのか見定めていたのだろう」
「……そうでは無いとしたら?」
 秀秋の返答に、秀包はまた、ふ、と笑った。
「良い。俺の中で既に答えは出ていたのだ。お前は既に――なのだから」
 秀包の言葉に、秀秋は浮かび来る涙を呑み込み微笑んだ。
 遠くで、桃の花が微かに香っている。
「九州で待っているぞ、小早川秀秋」
 その桃花の如く、兄は柔らかなかんばせだった。

 二月二十九日。利家は病を押して伏見の家康邸へ赴いた。その中で利家は「家康殿の伏見屋敷は三成殿の屋敷に隣接していて不用心である。向島城に移ると良い」と家康に述べたと言う。
 三月二十六日。三成が家康の屋敷へ放火し、混乱に乗じて討ち取ろうとしているとの噂が細川忠興より家康にもたらされる。そのため、家康は利家の言葉に従い向島城に移る事となる。
 そして閏三月三日。豊臣家の支柱であった前田利家が亡くなる。即ち、此を以て彼の一条はこう成った。

  何たる儀も、内府へ得御意、其次第相究候。

 その夜。漆黒の闇に七人の男。その闇はあまりに深く、各々の顔を判別する事すら叶わない。
「では、皆々様。本当に宜しいのですね」
 物々しい空気にそぐわない、人を食った様な調子で男は言った。しかし男は帯刀し、甲冑までも着込んでいた。
「応。我らを助けた秀秋殿、いや、従弟へのあの仕打ち……許せるものでは無い」
 若く、張りのある声で男は言った。手には鉄砲を携えている。その腰には、些か大柄な太刀を差していた。
「ああ。蔚山の事もそうだが……今、天下を乱しているのは奴だ。亡き殿下の為にも、奴を捨て置けはしない」
 鍛え抜かれた肉体から、少し掠れた声を出し男は言った。腰に下げた太刀の柄に手を掛けている。
「確かにあの男が有能なのは認めましょう。ですが、余りに実情という物を軽視し過ぎている。その様な男を奉行衆に置いておく事も少々どうか」
 言葉尻こそ穏やかだが、その目に老獪な狸の如き眼光を宿している男は言った。
「四年前、関白様は……御自害なされたのだ。それを、佐吉は、あの男は……謀叛などと!」
 筋肉質の身体から、厳めしい声を震わせ男は言った。手は力強く腰の太刀を握っていた。
「それについては某も思うところがある。それに、天下を治める御方の為にも……」
 一際大きな体躯を持つ男は言った。その背には、その大柄な身体に相応しい大太刀を背負っていた。
「天下静謐の為にも、あの男には退いて貰わねばな」
 細身の身体から、怜悧な声を響かせ男は言った。その手には抜き身の刀が握られている。刀身は幽かな月光を映し、妖しく煌いていた。
 あの男も損な役回りですね……しかし、これ程の諸将が加担する程。まあ、自業自得という所でしょうか。
 それにしても、あの方が加担されないのは予想外でした。あの方さえ居らっしゃれば、我らはまごう事無き正当性を振り翳せたと言うのに。
「では、参りましょう。皆々様」
 顔を上げ、男は言った。
 闇を纏い、駆けて行く七人の男。否、三千の軍勢。
 空に三日月が嗤っていた。

 まさか、この様な事態になろうとは。
 石田三成は軍勢と共に夜道を駆けていた。宇喜多秀家・佐竹義宣の軍勢も共に駆けている。
 俺はただ、殿下に怨嗟の矛先を向けない様、代わりに俺を憎む様、豊家の為にと……それが、この様な形で噴出するとは。
 加藤清正ら諸将が大坂・石田屋敷を襲撃しようと企てている――この様な情報がもたらされた三成は、即刻伏見へと移動を開始したのである。
 目指す先は伏見城・治部少丸。伏見城内にある三成の屋敷であった。
 清正らもまさか、伏見城を……殿下の城を攻撃する真似はしまい。だが。
 三成は傍らを駆ける若い武者に目を遣った。
「秀家殿。本当に宜しいのですか。貴殿の立場では……」
 備前中納言・宇喜多秀家。御年数え二十八という若年でありながら、幼き頃より秀吉に後見され、文禄の役総大将、五大老の一角と言う大役を仰せつかっている男である。
 この秀家の正室は亡き前田利家の娘・豪姫であった。しかし、その利家は死を目前に、三成を危険視する旨の発言を残していた。
 まるで、次代の――前田利長の時代には家康に付く事を匂わせるかの様に。
「前田家は前田家、余は余だ。余は唯、ご遺命である五大老・五奉行の合義が崩れる事は殿下のご遺志に反していると思うのだ。故に、そなたを助ける」
 朗々堂々とした声である。一抹も、己の行動に誤りなど無いと確信している様であった。
「真に……有難き事と存じます」
 眩しい。暗闇に在りてこの男の存在は余りにも眩しい。三成は思わず目を背ける。
 俺は、その五大老の一角である家康殿を排しようとしているのだ。豊家の為と言って。
「御心配召さるな」
 三成の心中を慮ったかのように秀家が声を掛ける。日輪の如きその声に、三成の心は熱を帯びていく様な気がした。

 結局、三成は伏見城・治部少丸へ逃れる事に成功する。清正らも、伏見城へ攻撃する事は無かった。此処までは三成の見立て通りであった。だが。
 お互いに攻撃する事が無い、それは即ち両者の睨み合いとなる。よって、事態は仲裁を求める事となった。
 清正らは当然、家康に仲裁を求めた。家康はこの騒動には直接関わっていない。即ち、その仲裁には正当性が生まれる事となる。そして。
 翌閏三月五日。仲裁を了承する旨の書状を家康から受け取った男は、何時ものように人を食った笑みを浮かべていた。
 家康殿が仲裁を成功させれば、どの道我らの目論見通りなのですよ三成殿。……出来れば、貴方の刑死を以て解決して頂ければ一番なのですが。

 一方の三成である。
 この男もまた、仲裁役を求めていた。利家死後、家康と対抗しうる人物を。
「それで私、か」
 毛利輝元は不敵な笑みを浮かべ、毛利屋敷にて三成からの使者と相対していた。
 この調停を成功させれば、家康を追い落とし私が実権を握れるというものだ。
 輝元はその様に思い描いていた。使者のこの言を聞くまでは。
「輝元殿には、毛利軍を率いて加勢して頂ければと思うております」
 使者は満面の笑みで言った。物騒な要請とは裏腹に、その細い目と大きな口はしなった弓の様に弧を描いていた。
 小西行長。堺の商人の元に生まれたが、秀家の父・宇喜多直家に見出され武士となり、後に秀吉の家臣となった男である。二度の渡海を前線で経験し、武将としても交渉役としても名を上げた男であった。領地や軍功を巡り清正とは対立する事が多く、この調停においても清正と対抗しうる三成へと付いていた。
「挙兵しろと? この伏見の地でか?」
 輝元は思わず倒れそうになる身体を必死に腕で支えながら行長へ返答した。
「此処以外に何処があると?」
「良く考えろ。この京には御所もあるのだぞ。鉄砲玉でも逸れてみろ、私達は朝敵だぞ」
 輝元の言に、行長は笑顔を崩さず「ああ、その事ですか」とにこやかに答えた。
「何も戦をしろと言うておる訳ではないのです。京で事を構えたくないのは清正らも同じ。毛利が後ろ盾に付いていると分かればそれで良いのです」
「しかしな……」
 輝元は額を押さえながら俯く。
 まず広家は兵を出さんだろうな。
 吉川広家は、間違いなく毛利の武のかなめである。だが、広家は毛利が天下の大勢に関わる事を良しとしていない様であった。
「何か、問題でも?」
「いや……」
 迂闊だった、と輝元は思い直し、居住まいを正した。この男に毛利の弱みを握られては、どう交渉の材料にされるか分かった物ではない。自然、輝元は無難な回答に落ち着くより他に無かった。
「考えておこう」
 その返答に、行長の目鼻はより一層深い弧を描いたようである。
「天下を担う大老筆頭としての御下知、期待しとりますよ」
 その言を残し、行長はいつ動いたのかという流麗さで部屋を出て行ってしまった。
 あいつ、分かっていて釘を刺して行きおった。
 後に残るのは輝元の深い溜息だけであった。
 足早に廊下を急ぎながら、行長は思考を巡らせていた。
 毛利の兵は期待できない。念の為上杉にも声は掛けておくが、元より遠方の国、こちらも兵は期待できないだろう。となると、三成殿が無傷と言うのは難しい。
 行長は一人息を吐くと、算盤を弾く様、空に指を動かした。
 ――一番損が少ないのは、毛利と上杉に負い目を作りつつ、三成殿が一旦退く事、か。
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