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ありふれた休日
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十分な時間を置いて染料を流した髪は、褪せた茶色に染まる。
髪を乾かしてもらう心地よさにうとうとしているうちに、私の髪は丁寧に編み込まれてゆき、終わりましたよという声が落ちたときには髪留めまで付けられていた。
顔の向きを変えると、こめかみの編み込みや、後ろで一つに編まれた髪が緩く引き出されているのがよく見える。この後はお土産に林檎のマフィンを焼こうという話になっていたから、動きやすいよう纏めてくれたのだろう。
「いつも思うことだけど、あなたはこういうことも上手よね」
「最近よく街で見かける髪型にしてみました。うまくできたと思います」
テオの器用さに驚かされるとき、いつだって私はおじさまの家に身を寄せていた頃のことを思い出す。
お屋敷の侍女たちから髪の編み方を習ったという話を聞いて、幼かった私はなんだか良い気持ちはしなかったものだけれど……今も昔も、週に一度、こうして髪を可愛らしく纏めてもらうのが楽しみだった。
「……可愛いわ。ありがとう」
「いいえ、何でもないことです」
はっきりと口にすることはなかったけれど、彼はたぶん、私が元のように暮らせなくなったことを気にしているのだと思う。ほとんど構われていなかった王女だった私にとって、テオの優しさはいつだって眩しくて、ほとんど何も持たない私の手で受け止めてはいけないもののように思われた。
「ねえ、今日は私が林檎を剥くわ」
椅子を引かれて立ち上がった私がそう言うと、テオがぴたりと動きを止める。
まじまじと見つめられて、こっそり皮剥きの練習する度に指を怪我してきた私は、いささか気まずく思った。
「……練習したいの」
「わかりました。上から下に剥くのは大変ですから、八等分に切りましょう」
言われるままに林檎を切って、芯のある部分を取り除く。ここまでは難しくない。
自分の意思のほかで力が抜けてしまう私の左手と一番相性が悪いのは、皮剥きだ。どんなに注意を払っていても食材が手の中から抜け落ちてしまうときがある。
皮が上を向くようにして持ち、皮と実の間に刃を差し入れる。隣でテオが見せてくれる動きを真似しながら、左手で持つ林檎を回すようにしてみる。息を止めていた私は、半分ほど皮が剥けたところで、いやに分厚い皮を見て唇をひん曲げた。あきらかに実を削りすぎている。
「俺が最初に皮剥きを習ったときは、もっと分厚かったですよ」
「本当に?」
するすると魔法のように薄く剥かれていく皮を疑いの目で見ていると、はいとテオが笑う。
その淡い表情に、ああと思う。テオは故国で暮らしていたときのことを振り返るとき、忘れていた幼い頃の宝物を小箱から取り出して眺めるような顔をするから。
「俺たち兄弟は、従騎士になる前から騎士団で下働きをする習いでした。坊ちゃん扱いをされながらも、野営では調理も担当しましたよ。とても食べられたものではないスープを作って、怒られたこともありました」
テオはするりと剥いた皮を流しに落とすと、注意深く私の手元を見つめた。
何度か林檎を取り落とし、何度か薄く手の皮を切りながらも私が諦めようとしないのを見て取って、消毒液をしまったテオはこんな提案をした。
「薄く皮を剥けるようになりたいんですよね? なら、感覚を覚えるのが一番です。もしお嫌でなかったら、一度俺が姫の手を動かします」
「動かすって?」
それはこう、と呟いたテオが私の背後に回った。背中に感じるあたたかさに瞬いていると、左手に林檎を握らされる。促されるままに包丁を手に取ると、失礼しますと声が落ちた。
思いのほか近くで落とされた声に驚いていると、静かに両手を包まれる。あたたかい手だった。あの旅で、ほとんど毎日私の手を引いてくれていた彼の手は、今ではすっかり大きくなっている。
安堵する心とは裏腹に、じわりと首筋に熱が灯るのがわかった。
「最初に刃を差し入れるときは、このくらいの感覚です。包丁を進めるというよりも、林檎を動かしながら刃に当てていくと良いかもしれません。慣れないうちは一度に全部剥こうとせずに、少しずつ剥きましょう」
テオの手に促されながら、ゆっくりと林檎の皮が剥けていく。すとん、と落ちた皮を見ながら、できたわと息をこぼすと、テオが小さく笑う気配がした。
「はい。お上手です」
「ほとんどテオが剥いてくれたのよ」
もうと眉を下げた私は後ろを振り向いて、あまりにも近いところにテオの顔があったものだから、短くも長い一瞬の間、ひどく驚いた。
驚きが醒めると、後ろから抱き込まれているかのような体勢を意識しているのは自分だけなのだという気づきが追いかけてくる。
……ふと。大変遅まきながら、私はマフィンに入れる林檎は八等分にする必要がないことに気づいた。いつもマフィンに入れるときは、角切りにする。
そうだった。ぽつりと心の奥底でさみしさが滲む。
私の騎士はとびきり優しい人だから、困っている人がいたら同じように助けるだろう。
この家に越してきたばかりの頃、移民を警戒する近所の人々に陰口をたたかれたときだって、テオはするりと人々の輪に入って、いつの間にか近所のおばさま方を味方につけていた。今も、ちょっとした家具の修理や力仕事を頼まれても、嫌な顔一つしない。
(私、この人の特別になりたいんだわ……)
彼から故国を奪って、騎士の誓いまで立ててもらって。成人した今も当たり前のように生活を共にしているのだ、特別扱い以外の何ものでもない。
そうとわかっているのにまだ飽き足らないでいるなんて、なんて強欲なんだろう。
「姫?」
「懐かしいわねと思って。こちらへ来るとき、何度か樹の上で眠ったときのことを思い出したわ」
私はごまかすように笑って、手元に視線を戻した。
いつからか、テオは必要がなければ私に触れなくなった。森を歩いていたときのように手を繋いだり、遠慮がちに頭を撫でられたりすることもない。今こうして私に触れているのも、怪我から守りながら希望を叶えるのに必要なことだからだろう。
つきりと胸が痛んだとき、左手が微かに震えた。
取り落としそうになった林檎を難なく受け止めたテオは、慎重に私の手から包丁を取り上げると、静かに離れた。
ふわりと私の側から去って行く温もりを噛みしめていると、ぽちゃんという音がして、塩水を入れたボウルに林檎が浸される。それで、私も何も無かったかのように唇を吊り上げて、まだ熱いうなじを忘れることにした。
私がもたもたと皮剥きを練習してたせいで、マフィンが焼き上がった頃には、お三時には遅い時間にさしかかっていた。
マフィンは、おじさまが好きなごろごろと果肉が見えるものと、おばさまが以前喜んでくださった薄く切った林檎を巻いて花のように飾ったものの二種を仕上げた。テオに教わりながらだけれど、花を作るのもうまくできたと思う。
お三時の紅茶を淹れるのは、私の仕事だ。
女官たちから軽んじられていたせいで、私はお茶を淹れるのが得意だった。
最初はお母様の役に立つために始めたお茶や礼儀作法は、ヘルヴェスでも私を助けてくれた。おばさまは私が侍女の代わりに淹れたお茶を飲んで、幼い私に給金を出す価値があると言ってくださったのだ。
お茶を淹れるときは、無心になれる。蒸らした紅茶を丁寧に注ぐと、ふわりと優しい香りが立ちのぼる。お母様が好んでいた茶葉のように香り高くはないけれど、今の身の丈に合うこの香りが私は好きだった。
お湯を張ったボウルに型を浸して一つずつマフィンを取り出していたテオが、最後の一つをお皿に載せた。
「おいしそう。はやく食べたいわ」
台所で立ったままする味見という名のつまみ食いは、私が好んでするお行儀の悪い振る舞いだった。ちょっとだけいけないことをしているような気持ちがするけれど、おいしさには代えられない。
「味見しますか?」
マフィンを二つに割ったテオは、私が手を伸ばしたのに瞬いた。
「まだちょっと熱いですよ」
「テオは持っているじゃない」
「俺は姫よりも手の皮膚が厚いですから」
やだとわがままを言うと、テオは困ったように割った半分を一口食べて、うーんと眉を顰める。
「おいしい?」
「はい。バターを奮発した甲斐がありました」
「あのね、私だってそこまでか弱くはないのよ」
テオは、いったい何を言っているんだろう? とでも言いたげな顔をした。
私もとくり返すと、テオは口をつけていないほうのマフィンを小さく千切る。昔、樹の上で携帯食を食べさせてもらったときのように口を開いた私は、ぱちりと瞬いたテオと目が合って首を傾げた。
……そういえば、いつもはお皿に取り分けてもらうんだったわと思い出したのは、遠慮がちにさしだされたマフィンを食べた後のことだった。
マフィンは、確かにまだ熱かった。私が口元を手で覆ってふんわりとした生地を口の中で転がしていると、いつも優しく私を見ているテオの瞳が微かに揺らいで、ぱっと背けられる。
テオが慌てて注いでくれた水を飲むと、私はひと息ついた。
「……熱かったわ。でも、おいしい」
「火傷していませんか?」
「大丈夫よ。ゆっくりいただきましょう」
紅茶は少し冷めてしまったけれど、出来たてのマフィンはおいしかった。
私はただ、テオと一緒にこうして何でもない日々を過ごせるのであれば、他には何もいらないはずだった。
それだけでは満ち足りないと気づいてしまった私は、周囲もまたこの暮らしを許してくれなくなっているのだと、改めて突きつけられることになる。
髪を乾かしてもらう心地よさにうとうとしているうちに、私の髪は丁寧に編み込まれてゆき、終わりましたよという声が落ちたときには髪留めまで付けられていた。
顔の向きを変えると、こめかみの編み込みや、後ろで一つに編まれた髪が緩く引き出されているのがよく見える。この後はお土産に林檎のマフィンを焼こうという話になっていたから、動きやすいよう纏めてくれたのだろう。
「いつも思うことだけど、あなたはこういうことも上手よね」
「最近よく街で見かける髪型にしてみました。うまくできたと思います」
テオの器用さに驚かされるとき、いつだって私はおじさまの家に身を寄せていた頃のことを思い出す。
お屋敷の侍女たちから髪の編み方を習ったという話を聞いて、幼かった私はなんだか良い気持ちはしなかったものだけれど……今も昔も、週に一度、こうして髪を可愛らしく纏めてもらうのが楽しみだった。
「……可愛いわ。ありがとう」
「いいえ、何でもないことです」
はっきりと口にすることはなかったけれど、彼はたぶん、私が元のように暮らせなくなったことを気にしているのだと思う。ほとんど構われていなかった王女だった私にとって、テオの優しさはいつだって眩しくて、ほとんど何も持たない私の手で受け止めてはいけないもののように思われた。
「ねえ、今日は私が林檎を剥くわ」
椅子を引かれて立ち上がった私がそう言うと、テオがぴたりと動きを止める。
まじまじと見つめられて、こっそり皮剥きの練習する度に指を怪我してきた私は、いささか気まずく思った。
「……練習したいの」
「わかりました。上から下に剥くのは大変ですから、八等分に切りましょう」
言われるままに林檎を切って、芯のある部分を取り除く。ここまでは難しくない。
自分の意思のほかで力が抜けてしまう私の左手と一番相性が悪いのは、皮剥きだ。どんなに注意を払っていても食材が手の中から抜け落ちてしまうときがある。
皮が上を向くようにして持ち、皮と実の間に刃を差し入れる。隣でテオが見せてくれる動きを真似しながら、左手で持つ林檎を回すようにしてみる。息を止めていた私は、半分ほど皮が剥けたところで、いやに分厚い皮を見て唇をひん曲げた。あきらかに実を削りすぎている。
「俺が最初に皮剥きを習ったときは、もっと分厚かったですよ」
「本当に?」
するすると魔法のように薄く剥かれていく皮を疑いの目で見ていると、はいとテオが笑う。
その淡い表情に、ああと思う。テオは故国で暮らしていたときのことを振り返るとき、忘れていた幼い頃の宝物を小箱から取り出して眺めるような顔をするから。
「俺たち兄弟は、従騎士になる前から騎士団で下働きをする習いでした。坊ちゃん扱いをされながらも、野営では調理も担当しましたよ。とても食べられたものではないスープを作って、怒られたこともありました」
テオはするりと剥いた皮を流しに落とすと、注意深く私の手元を見つめた。
何度か林檎を取り落とし、何度か薄く手の皮を切りながらも私が諦めようとしないのを見て取って、消毒液をしまったテオはこんな提案をした。
「薄く皮を剥けるようになりたいんですよね? なら、感覚を覚えるのが一番です。もしお嫌でなかったら、一度俺が姫の手を動かします」
「動かすって?」
それはこう、と呟いたテオが私の背後に回った。背中に感じるあたたかさに瞬いていると、左手に林檎を握らされる。促されるままに包丁を手に取ると、失礼しますと声が落ちた。
思いのほか近くで落とされた声に驚いていると、静かに両手を包まれる。あたたかい手だった。あの旅で、ほとんど毎日私の手を引いてくれていた彼の手は、今ではすっかり大きくなっている。
安堵する心とは裏腹に、じわりと首筋に熱が灯るのがわかった。
「最初に刃を差し入れるときは、このくらいの感覚です。包丁を進めるというよりも、林檎を動かしながら刃に当てていくと良いかもしれません。慣れないうちは一度に全部剥こうとせずに、少しずつ剥きましょう」
テオの手に促されながら、ゆっくりと林檎の皮が剥けていく。すとん、と落ちた皮を見ながら、できたわと息をこぼすと、テオが小さく笑う気配がした。
「はい。お上手です」
「ほとんどテオが剥いてくれたのよ」
もうと眉を下げた私は後ろを振り向いて、あまりにも近いところにテオの顔があったものだから、短くも長い一瞬の間、ひどく驚いた。
驚きが醒めると、後ろから抱き込まれているかのような体勢を意識しているのは自分だけなのだという気づきが追いかけてくる。
……ふと。大変遅まきながら、私はマフィンに入れる林檎は八等分にする必要がないことに気づいた。いつもマフィンに入れるときは、角切りにする。
そうだった。ぽつりと心の奥底でさみしさが滲む。
私の騎士はとびきり優しい人だから、困っている人がいたら同じように助けるだろう。
この家に越してきたばかりの頃、移民を警戒する近所の人々に陰口をたたかれたときだって、テオはするりと人々の輪に入って、いつの間にか近所のおばさま方を味方につけていた。今も、ちょっとした家具の修理や力仕事を頼まれても、嫌な顔一つしない。
(私、この人の特別になりたいんだわ……)
彼から故国を奪って、騎士の誓いまで立ててもらって。成人した今も当たり前のように生活を共にしているのだ、特別扱い以外の何ものでもない。
そうとわかっているのにまだ飽き足らないでいるなんて、なんて強欲なんだろう。
「姫?」
「懐かしいわねと思って。こちらへ来るとき、何度か樹の上で眠ったときのことを思い出したわ」
私はごまかすように笑って、手元に視線を戻した。
いつからか、テオは必要がなければ私に触れなくなった。森を歩いていたときのように手を繋いだり、遠慮がちに頭を撫でられたりすることもない。今こうして私に触れているのも、怪我から守りながら希望を叶えるのに必要なことだからだろう。
つきりと胸が痛んだとき、左手が微かに震えた。
取り落としそうになった林檎を難なく受け止めたテオは、慎重に私の手から包丁を取り上げると、静かに離れた。
ふわりと私の側から去って行く温もりを噛みしめていると、ぽちゃんという音がして、塩水を入れたボウルに林檎が浸される。それで、私も何も無かったかのように唇を吊り上げて、まだ熱いうなじを忘れることにした。
私がもたもたと皮剥きを練習してたせいで、マフィンが焼き上がった頃には、お三時には遅い時間にさしかかっていた。
マフィンは、おじさまが好きなごろごろと果肉が見えるものと、おばさまが以前喜んでくださった薄く切った林檎を巻いて花のように飾ったものの二種を仕上げた。テオに教わりながらだけれど、花を作るのもうまくできたと思う。
お三時の紅茶を淹れるのは、私の仕事だ。
女官たちから軽んじられていたせいで、私はお茶を淹れるのが得意だった。
最初はお母様の役に立つために始めたお茶や礼儀作法は、ヘルヴェスでも私を助けてくれた。おばさまは私が侍女の代わりに淹れたお茶を飲んで、幼い私に給金を出す価値があると言ってくださったのだ。
お茶を淹れるときは、無心になれる。蒸らした紅茶を丁寧に注ぐと、ふわりと優しい香りが立ちのぼる。お母様が好んでいた茶葉のように香り高くはないけれど、今の身の丈に合うこの香りが私は好きだった。
お湯を張ったボウルに型を浸して一つずつマフィンを取り出していたテオが、最後の一つをお皿に載せた。
「おいしそう。はやく食べたいわ」
台所で立ったままする味見という名のつまみ食いは、私が好んでするお行儀の悪い振る舞いだった。ちょっとだけいけないことをしているような気持ちがするけれど、おいしさには代えられない。
「味見しますか?」
マフィンを二つに割ったテオは、私が手を伸ばしたのに瞬いた。
「まだちょっと熱いですよ」
「テオは持っているじゃない」
「俺は姫よりも手の皮膚が厚いですから」
やだとわがままを言うと、テオは困ったように割った半分を一口食べて、うーんと眉を顰める。
「おいしい?」
「はい。バターを奮発した甲斐がありました」
「あのね、私だってそこまでか弱くはないのよ」
テオは、いったい何を言っているんだろう? とでも言いたげな顔をした。
私もとくり返すと、テオは口をつけていないほうのマフィンを小さく千切る。昔、樹の上で携帯食を食べさせてもらったときのように口を開いた私は、ぱちりと瞬いたテオと目が合って首を傾げた。
……そういえば、いつもはお皿に取り分けてもらうんだったわと思い出したのは、遠慮がちにさしだされたマフィンを食べた後のことだった。
マフィンは、確かにまだ熱かった。私が口元を手で覆ってふんわりとした生地を口の中で転がしていると、いつも優しく私を見ているテオの瞳が微かに揺らいで、ぱっと背けられる。
テオが慌てて注いでくれた水を飲むと、私はひと息ついた。
「……熱かったわ。でも、おいしい」
「火傷していませんか?」
「大丈夫よ。ゆっくりいただきましょう」
紅茶は少し冷めてしまったけれど、出来たてのマフィンはおいしかった。
私はただ、テオと一緒にこうして何でもない日々を過ごせるのであれば、他には何もいらないはずだった。
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