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その二十七 襲撃者
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ふっふっふ、王子の御命令とあっては仕方ないですねー、王子を護るため、またお役に立とうと思い戦闘訓練をしていて正解でした。
クレアさんを護ることは王子のためでもあるので、この私ことニーナは頑張って任務遂行しますよ。
私は王子に言われた通り、アルファス王子と皆さんの陰に隠れそこから曲がり角へと移動します。
そして身を潜めていると、襲撃者二名が私が身を潜めている付近に差し掛かります。
……しかし、困りました。片方を華麗に一発で仕留め、すかさずもう一人を組み伏せようとしたのですが……間近で見ると二人とも思ったより背が大きいんですよねぇ。
仕方ないので近場にあった箱の上に乗って待ちます。
さあ、そろそろ私の間合いに入ってきますよ。
……来た、今です!
私は手前にいる男の首、延髄の部分を王子に買ってもらった短剣の柄の部分を思いっきり叩きつけます。すると男は呻いただけで昏倒。
相棒の異変に気付いたもう一人の男は、ナイフを取り出そうとしましたが私は男の右ひざの裏に蹴りを入れます、バランスを崩したところで背中を蹴り飛ばし、地面に倒れた所を背中を踏みつけ短剣を首筋に当て制圧完了です。
いやー、案外上手くいくもんですねぇ。
「よくやったニーナ!」
「ふっふっふ、王子もっと褒めてくれていいんですよ」
カナード王子とアルファス王子が近くのお店から、ロープを借りて持ってきてくれました。
「ロープで縛りあげてから、警邏の兵士を呼ぼう」
王子の提案で兵士を呼び、近くの詰め所まで男二名を連れていくことにしました。
私たちはクレアさんを寮に送り届けた後に、詰め所に向かうことになりました。
――
――――
クレアを寮に送り届けた後。
ニーナの活躍により、捕まえた男たちに話を聞くため、僕たちは男達の連れていかれた詰め所へと向かった。
兵士達には僕が第二王子でアルが第三王子だという事を伝え、兵士見張りの元彼らに話を聞く事が許された。
「さて、お前たち。誰に頼まれて水の巫女候補であるクレアを襲った?」
僕は男たちに静かに問う、男たちは後悔の言葉を口にしていた。
「くそ! 小娘を殺っちまうだけの簡単な仕事って聞いてたのによ!」
「あー、怪しいと思ってたんだよなぁ、提示された金額が妙に良いから何かあるとは思ってたがよ。まさか水の巫女候補がターゲットだったなんて」
兵士達の話によると、こいつ等は頼まれれば殺しだろうが誘拐だろうがやる指名手配犯だそうだ。
うん、そんな凶悪犯相手にニーナ一人で向かわせたのを、今では反省している。
「あー、なんか変なオッサンに頼まれたんだよ」
おっさん? セイラさん達の報告にあった、ソニアの付き人のホプキンスというヤツだろうか?
「ブタ面の女ではないんだな?」
「違うな、オッサンだ年のころは五十くらいか?」
「そのオッサン一人だったのか?」
「ああ、一人だったよ」
何かホプキンスだという特徴が分かればいいのだけど、あいにくと僕たちはホプキンスの顔を知らない。
「そう言えば、ヤギの書かれた紋章が付いた服を着てたな」
男の一人が重要そうなことを話す。
ヤギの紋章か……ん? それてハインツ家の紋章じゃないか。
「カナード王子、その紋章ってハインツ家の……」
ユリアーナも思い当たったらしく、僕と同じ事を考えたようだ。
依頼した男がホプキンスならソニアの差し金と言う事は確実となる。
「ここの責任者はいるかな?」
僕がそう言う四十代くらいの、髭のおじさんが前に出て敬礼する。
「私がこの詰め所を預かっております、王子殿下」
「あなたが責任者?」
「はい、この付近である第四区画を担当している部隊の隊長をしている、ロッソと申します」
僕はロッソと名乗った隊長にこの付近にある学生寮も担当なのかを尋ねる。
「この部隊は学生寮付近の担当もしてるのかな?」
「そうですね、担当区域ですが、学生寮には特別な警備部隊がおりますので、あまり干渉はせぬようにしております」
「三十日まででいいので、警備部隊と連携して学生寮の周りの警備を徹底してほしい」
僕はロッソ隊長に頼む、するとロッソ隊長は二人組を指さし口を開いた。
「水の巫女襲撃についてですか?」
「ああ、学生寮に巫女の候補がいるんだよ、その彼女が今日こいつ等に狙われた」
「なるほど、それで三十日までということですね?」
僕は頷く、おそらく次は無いと思うけど念のためにね。
「わかりました、巫女候補となると我々にも無関係ではありません、警備部隊に連絡をして連携をしてみましょう」
「ありがとう、ロッソ隊長。なにかあればカナードの名を出してくれても構わない。かならずクレアを護ってほしい」
「了解です」
最後に強力な協力者を……洒落じゃないよ。ロッソ率いる守備隊の協力を得る事が出来、ますます守りは完ぺきとなった。
全ては三十日の選定の日にかかっている……
クレアさんを護ることは王子のためでもあるので、この私ことニーナは頑張って任務遂行しますよ。
私は王子に言われた通り、アルファス王子と皆さんの陰に隠れそこから曲がり角へと移動します。
そして身を潜めていると、襲撃者二名が私が身を潜めている付近に差し掛かります。
……しかし、困りました。片方を華麗に一発で仕留め、すかさずもう一人を組み伏せようとしたのですが……間近で見ると二人とも思ったより背が大きいんですよねぇ。
仕方ないので近場にあった箱の上に乗って待ちます。
さあ、そろそろ私の間合いに入ってきますよ。
……来た、今です!
私は手前にいる男の首、延髄の部分を王子に買ってもらった短剣の柄の部分を思いっきり叩きつけます。すると男は呻いただけで昏倒。
相棒の異変に気付いたもう一人の男は、ナイフを取り出そうとしましたが私は男の右ひざの裏に蹴りを入れます、バランスを崩したところで背中を蹴り飛ばし、地面に倒れた所を背中を踏みつけ短剣を首筋に当て制圧完了です。
いやー、案外上手くいくもんですねぇ。
「よくやったニーナ!」
「ふっふっふ、王子もっと褒めてくれていいんですよ」
カナード王子とアルファス王子が近くのお店から、ロープを借りて持ってきてくれました。
「ロープで縛りあげてから、警邏の兵士を呼ぼう」
王子の提案で兵士を呼び、近くの詰め所まで男二名を連れていくことにしました。
私たちはクレアさんを寮に送り届けた後に、詰め所に向かうことになりました。
――
――――
クレアを寮に送り届けた後。
ニーナの活躍により、捕まえた男たちに話を聞くため、僕たちは男達の連れていかれた詰め所へと向かった。
兵士達には僕が第二王子でアルが第三王子だという事を伝え、兵士見張りの元彼らに話を聞く事が許された。
「さて、お前たち。誰に頼まれて水の巫女候補であるクレアを襲った?」
僕は男たちに静かに問う、男たちは後悔の言葉を口にしていた。
「くそ! 小娘を殺っちまうだけの簡単な仕事って聞いてたのによ!」
「あー、怪しいと思ってたんだよなぁ、提示された金額が妙に良いから何かあるとは思ってたがよ。まさか水の巫女候補がターゲットだったなんて」
兵士達の話によると、こいつ等は頼まれれば殺しだろうが誘拐だろうがやる指名手配犯だそうだ。
うん、そんな凶悪犯相手にニーナ一人で向かわせたのを、今では反省している。
「あー、なんか変なオッサンに頼まれたんだよ」
おっさん? セイラさん達の報告にあった、ソニアの付き人のホプキンスというヤツだろうか?
「ブタ面の女ではないんだな?」
「違うな、オッサンだ年のころは五十くらいか?」
「そのオッサン一人だったのか?」
「ああ、一人だったよ」
何かホプキンスだという特徴が分かればいいのだけど、あいにくと僕たちはホプキンスの顔を知らない。
「そう言えば、ヤギの書かれた紋章が付いた服を着てたな」
男の一人が重要そうなことを話す。
ヤギの紋章か……ん? それてハインツ家の紋章じゃないか。
「カナード王子、その紋章ってハインツ家の……」
ユリアーナも思い当たったらしく、僕と同じ事を考えたようだ。
依頼した男がホプキンスならソニアの差し金と言う事は確実となる。
「ここの責任者はいるかな?」
僕がそう言う四十代くらいの、髭のおじさんが前に出て敬礼する。
「私がこの詰め所を預かっております、王子殿下」
「あなたが責任者?」
「はい、この付近である第四区画を担当している部隊の隊長をしている、ロッソと申します」
僕はロッソと名乗った隊長にこの付近にある学生寮も担当なのかを尋ねる。
「この部隊は学生寮付近の担当もしてるのかな?」
「そうですね、担当区域ですが、学生寮には特別な警備部隊がおりますので、あまり干渉はせぬようにしております」
「三十日まででいいので、警備部隊と連携して学生寮の周りの警備を徹底してほしい」
僕はロッソ隊長に頼む、するとロッソ隊長は二人組を指さし口を開いた。
「水の巫女襲撃についてですか?」
「ああ、学生寮に巫女の候補がいるんだよ、その彼女が今日こいつ等に狙われた」
「なるほど、それで三十日までということですね?」
僕は頷く、おそらく次は無いと思うけど念のためにね。
「わかりました、巫女候補となると我々にも無関係ではありません、警備部隊に連絡をして連携をしてみましょう」
「ありがとう、ロッソ隊長。なにかあればカナードの名を出してくれても構わない。かならずクレアを護ってほしい」
「了解です」
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