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二人の関係
第四話
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楓から私の好きなところを聞いてから一日が経った。楓は私に答えを急がせることはなく、いつも通りそばにいてくれる。それに甘えているのだろうか、体操座りで抱えた足をより近づける。
六時間目の体育、今日は男女ともにバスケをしている。コートは二つあり、入り口側が男子、ステージ側が女子。私は体育館の隅で空いている扉のそばで涼んでいた。
バスケ中にも関わらず楓のことで悩んでいた。最近はそのことで授業に身が入っていない。
「四条さん危ない!」
「へ?」
だからバックボードに跳ね返ったボールが私の顔面に当たる直前までボールに気がつかなかった。
「四条さん!!」
ボールに当たった衝撃で頭がくらっとして床に倒れた。
休憩をしていた男子の何人かが近づいてくれたけど、それを見た女子がまた影口をこぼす。わざとでしょ、悲劇のヒロインのつもり?って。私が当たりに行ったわけじゃないのに。
そんな人達を分入って駆けつけて来る足音がした。プレイ中の試合の足音より遥かに力強い踏み込みで。
「遥華大丈夫!?」
バスケのゲーム中だった楓が荒い息のまま来てくれた。
「大丈夫」
と言っておきながら鼻を擦ると手に赤いものがついた。
「遥華鼻血出てる、先生!遥華を保健室に連れて行きます」
楓から少し遅れて別のコートを見ていた先生が駆けつけた。
「本当!西野さんお願いしてもいい?先生も授業が終わったら行くから」
「わかりました。遥華行こう?」
私は鼻をつまんだまま頷く。頭がクラクラしているわけではないのですんなりと立ち上がる。楓が私の背中に手を当て、付き添われながら保健室に向かった。
「失礼しまーす、先生居ますか?」
保健室に着くと先生はどこにもいなかった。ひとまず近くにあった椅子に腰掛け、テーブルの上に置かれたティッシュで両方の穴に鼻栓をする。
鼻で呼吸できない以上、口を開けてするしかない。そんな私を見て楓が笑う。
「遥華不細工だよ、それ」
「しょうがないじゃない、こうしないと血止まんないし。手で押さえておくのも疲れた」
前屈みになりながら私の前に立つ楓に言い訳じみたことを言う。
「最近ボートしてること多いよ、どうしたの?」
何にも知らないみたいな顔で聞いてくる楓に少しイラッとした。分かって聞いているのか、それとも本当にわからないのか、私は楓ではないのでわからない。だから少し拗ねたような口調で言ってしまった。
「楓が告白なんかしたからいけないんだよ」
「・・・え!?」
楓は本当にわかっていない驚いた顔をした。だけどそれはほんの少しの間だけ。その顔はすぐに笑顔に変わった。
「ちゃんと考えてくれてるんだ、嬉しいな」
細めた目が、少しつり上がった口が、赤く染まっていく頬が、私の鼓動を早くさせる。可愛いと思った。いつも見せる笑顔とどこか違う顔、今まで見たことない顔にキュンとしてしまった。
そのことを隠すかのように楓から目を逸らす。
「じゃあ先生呼んで来る。大人しくしているんだよ」
楓はそう言って保健室を出て行った。
一人になった私は一度鼻栓を外した。血に染まったティッシュを綺麗なティッシュにくるみ、まるでバスケでもしているかのようにダストシュートをした。
綺麗な放物線を描いていくティッシュは、やがてゴミ箱の周りの囲いに当たって弾かれた。
いつもなら入るのに、と愚痴りながら入らなかったティッシュをつまんで確実に入れる。
入らなかった理由はなんとなくわかっている。今までに感じたことのない、モヤモヤして表現できない感情のせいだ。
「この気持ちってなんだろう?」
私はこの気持ちに検討がつかなかった。
六時間目の体育、今日は男女ともにバスケをしている。コートは二つあり、入り口側が男子、ステージ側が女子。私は体育館の隅で空いている扉のそばで涼んでいた。
バスケ中にも関わらず楓のことで悩んでいた。最近はそのことで授業に身が入っていない。
「四条さん危ない!」
「へ?」
だからバックボードに跳ね返ったボールが私の顔面に当たる直前までボールに気がつかなかった。
「四条さん!!」
ボールに当たった衝撃で頭がくらっとして床に倒れた。
休憩をしていた男子の何人かが近づいてくれたけど、それを見た女子がまた影口をこぼす。わざとでしょ、悲劇のヒロインのつもり?って。私が当たりに行ったわけじゃないのに。
そんな人達を分入って駆けつけて来る足音がした。プレイ中の試合の足音より遥かに力強い踏み込みで。
「遥華大丈夫!?」
バスケのゲーム中だった楓が荒い息のまま来てくれた。
「大丈夫」
と言っておきながら鼻を擦ると手に赤いものがついた。
「遥華鼻血出てる、先生!遥華を保健室に連れて行きます」
楓から少し遅れて別のコートを見ていた先生が駆けつけた。
「本当!西野さんお願いしてもいい?先生も授業が終わったら行くから」
「わかりました。遥華行こう?」
私は鼻をつまんだまま頷く。頭がクラクラしているわけではないのですんなりと立ち上がる。楓が私の背中に手を当て、付き添われながら保健室に向かった。
「失礼しまーす、先生居ますか?」
保健室に着くと先生はどこにもいなかった。ひとまず近くにあった椅子に腰掛け、テーブルの上に置かれたティッシュで両方の穴に鼻栓をする。
鼻で呼吸できない以上、口を開けてするしかない。そんな私を見て楓が笑う。
「遥華不細工だよ、それ」
「しょうがないじゃない、こうしないと血止まんないし。手で押さえておくのも疲れた」
前屈みになりながら私の前に立つ楓に言い訳じみたことを言う。
「最近ボートしてること多いよ、どうしたの?」
何にも知らないみたいな顔で聞いてくる楓に少しイラッとした。分かって聞いているのか、それとも本当にわからないのか、私は楓ではないのでわからない。だから少し拗ねたような口調で言ってしまった。
「楓が告白なんかしたからいけないんだよ」
「・・・え!?」
楓は本当にわかっていない驚いた顔をした。だけどそれはほんの少しの間だけ。その顔はすぐに笑顔に変わった。
「ちゃんと考えてくれてるんだ、嬉しいな」
細めた目が、少しつり上がった口が、赤く染まっていく頬が、私の鼓動を早くさせる。可愛いと思った。いつも見せる笑顔とどこか違う顔、今まで見たことない顔にキュンとしてしまった。
そのことを隠すかのように楓から目を逸らす。
「じゃあ先生呼んで来る。大人しくしているんだよ」
楓はそう言って保健室を出て行った。
一人になった私は一度鼻栓を外した。血に染まったティッシュを綺麗なティッシュにくるみ、まるでバスケでもしているかのようにダストシュートをした。
綺麗な放物線を描いていくティッシュは、やがてゴミ箱の周りの囲いに当たって弾かれた。
いつもなら入るのに、と愚痴りながら入らなかったティッシュをつまんで確実に入れる。
入らなかった理由はなんとなくわかっている。今までに感じたことのない、モヤモヤして表現できない感情のせいだ。
「この気持ちってなんだろう?」
私はこの気持ちに検討がつかなかった。
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