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夏祭り
第二十八話
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日が沈み始め、外気が徐々に下がり涼しさがやって来る夕方五時前、私達は駅の公衆電話の近くで楓を待った。
駅はお祭りがあるということでいつも以上の人が行き来している。もちろん浴衣を着た同い年の子や甚平を着た男集団、彼氏と手を繋いだカップまで幅広い人が学校の反対側に流れて行く。
祭り会場は学校とは反対側の出口を出てすぐ目の前から豊海神社までの約一キロメートルぐらい。駅の中から見てもわかるぐらい多くの人で盛り上がっている。
「楓さん・・・はもう時期来るのよね」
美夢は緊張しているのか強張った口調で聞いてくる。
「到着が五時二分だからそろそろだと思う」
「会って高校での遥華のこといっぱい聞いてみよう」
いずみは美夢とは逆で楓に会うことを心待ちにしている様子。
あの後三人でUNOをしながら楓について少し話した。人柄がよく、友達が多くて慕われていると。私の彼女ということは言わなかった。むしろ言えなかった。二人がそういうことに理解あるかどうか、長い付き合いの私でもわからなかったから。
時間が気になり壁に取り付けられた時計に目をやる。分針はすでに四分を指していた。
「そろそろ着てもいい頃なのに」
そう言いながら視線を下ろすと二人が私の方をじっと見ていた。何か言いたげな顔ではなく、何かをじっと見つめるような目で。
「どうしたの?」
「わぁ!」
「キャ!」
急に肩に手を置かれながら叫ばれたものだから体がビクッと反応し、いつもは出さないような高い声が喉から漏れた。
私は急いで距離を取り後ろを振り向く。そこに立っていたのは白生地にワンポイントの入ったTシャツにデニムのショートパンツ、腰に赤と黒のチェック柄の入ったネルシャツを巻いた楓が立っていた。
「はぁ、不審者かと思ったじゃん」
「いや、遥華がずっとこっちに背ばっか向けてるから脅かそうと思って」
そう言っていたずらな笑みを見せる楓。楓の顔を見るのはとても久しい。電話越しの声は聞いているけど直接楓の声を聞くとどこかほっとする。
ちなみに私は白一色のTシャツに膝まである黒のスカート。美夢は青を基調としたワンピース、いずみはロングズボンに大きく英語が書かれた白のブラウス。靴は私といずみがスニーカー、楓と美夢がサンダルを履いている。
楓が二人の方を見ているし、二人も楓を見ているので早めに紹介した方が良いとすぐに思った。
「えーと、こちらが私の高校から友達で楓」
「初めまして西野楓です」
楓がぺこりと頭を下げるとすぐに二人の紹介にはいった。
「楓、こっちが美夢であっちがいずみ」
「初めまして天野美夢です」
「天野いずみっす」
「やっぱり」
二人がそれぞれ名乗ると楓は謎が解けたとでも言いたげな顔で私を見る。
「天野さんって双子だよね!遠くから見たときは凄く似てるなーって思った」
いずみがそうなんだよと話を続けるので二人の距離はすぐに縮まっていくだろう。祭りの終わりには意気投合できそう。
ここに来るまでのいろんな心配がなかったかのように消えていく。
「じゃあ早速行こうか」
話が盛り上がってきていただけど私がそれを遮った。今日の目的はお祭りを楽しむこと。決して公衆電話の前でたむろすることではない。それに美夢が少し難しい顔をして二人の会話を聞いている。会話に入るタイムングでも伺っているのだろうか。
いずみと楓はどちらかというと二人ともフレンドリーなところがあるので、そこは似た者同士話が合うのだろう。
駅を出る頃にはなぜか私の過去話で盛り上がっていった。いずみと美夢が話すのを楓がほーとかヘーとか相槌を打ちながら真剣な眼差しで聞いている。
三人の共通の話題が今のところ私しかないことは重巡わかっている。美夢もいずみの話に付け足すようにしながら会話に入っているし。
だけどそれを横で聞いている私の身になって欲しい。とても恥ずかしいから。
そんなことを知らない楓はいずみ達の話を聞いて本当?と聞いてくる。だから私は顔では笑いながら今にでも走って立ち去りたい気持ちを抑えながら人混みの中へと入って行った。
駅はお祭りがあるということでいつも以上の人が行き来している。もちろん浴衣を着た同い年の子や甚平を着た男集団、彼氏と手を繋いだカップまで幅広い人が学校の反対側に流れて行く。
祭り会場は学校とは反対側の出口を出てすぐ目の前から豊海神社までの約一キロメートルぐらい。駅の中から見てもわかるぐらい多くの人で盛り上がっている。
「楓さん・・・はもう時期来るのよね」
美夢は緊張しているのか強張った口調で聞いてくる。
「到着が五時二分だからそろそろだと思う」
「会って高校での遥華のこといっぱい聞いてみよう」
いずみは美夢とは逆で楓に会うことを心待ちにしている様子。
あの後三人でUNOをしながら楓について少し話した。人柄がよく、友達が多くて慕われていると。私の彼女ということは言わなかった。むしろ言えなかった。二人がそういうことに理解あるかどうか、長い付き合いの私でもわからなかったから。
時間が気になり壁に取り付けられた時計に目をやる。分針はすでに四分を指していた。
「そろそろ着てもいい頃なのに」
そう言いながら視線を下ろすと二人が私の方をじっと見ていた。何か言いたげな顔ではなく、何かをじっと見つめるような目で。
「どうしたの?」
「わぁ!」
「キャ!」
急に肩に手を置かれながら叫ばれたものだから体がビクッと反応し、いつもは出さないような高い声が喉から漏れた。
私は急いで距離を取り後ろを振り向く。そこに立っていたのは白生地にワンポイントの入ったTシャツにデニムのショートパンツ、腰に赤と黒のチェック柄の入ったネルシャツを巻いた楓が立っていた。
「はぁ、不審者かと思ったじゃん」
「いや、遥華がずっとこっちに背ばっか向けてるから脅かそうと思って」
そう言っていたずらな笑みを見せる楓。楓の顔を見るのはとても久しい。電話越しの声は聞いているけど直接楓の声を聞くとどこかほっとする。
ちなみに私は白一色のTシャツに膝まである黒のスカート。美夢は青を基調としたワンピース、いずみはロングズボンに大きく英語が書かれた白のブラウス。靴は私といずみがスニーカー、楓と美夢がサンダルを履いている。
楓が二人の方を見ているし、二人も楓を見ているので早めに紹介した方が良いとすぐに思った。
「えーと、こちらが私の高校から友達で楓」
「初めまして西野楓です」
楓がぺこりと頭を下げるとすぐに二人の紹介にはいった。
「楓、こっちが美夢であっちがいずみ」
「初めまして天野美夢です」
「天野いずみっす」
「やっぱり」
二人がそれぞれ名乗ると楓は謎が解けたとでも言いたげな顔で私を見る。
「天野さんって双子だよね!遠くから見たときは凄く似てるなーって思った」
いずみがそうなんだよと話を続けるので二人の距離はすぐに縮まっていくだろう。祭りの終わりには意気投合できそう。
ここに来るまでのいろんな心配がなかったかのように消えていく。
「じゃあ早速行こうか」
話が盛り上がってきていただけど私がそれを遮った。今日の目的はお祭りを楽しむこと。決して公衆電話の前でたむろすることではない。それに美夢が少し難しい顔をして二人の会話を聞いている。会話に入るタイムングでも伺っているのだろうか。
いずみと楓はどちらかというと二人ともフレンドリーなところがあるので、そこは似た者同士話が合うのだろう。
駅を出る頃にはなぜか私の過去話で盛り上がっていった。いずみと美夢が話すのを楓がほーとかヘーとか相槌を打ちながら真剣な眼差しで聞いている。
三人の共通の話題が今のところ私しかないことは重巡わかっている。美夢もいずみの話に付け足すようにしながら会話に入っているし。
だけどそれを横で聞いている私の身になって欲しい。とても恥ずかしいから。
そんなことを知らない楓はいずみ達の話を聞いて本当?と聞いてくる。だから私は顔では笑いながら今にでも走って立ち去りたい気持ちを抑えながら人混みの中へと入って行った。
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