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第十一章 恐怖
第十一章(後編)ー②
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温かいシャワーが心地良い。
ついさっきまで、このお風呂のあまりの豪華さに驚いていたコリィだったが、今はそんなことよりも自分の躰を清めることに集中する。
「あたしの貧相な躰じゃあ楽しくないだろうけど、せめて少しでもユウヤさんに喜んでもらえるようにしないと……」
懸命にユウヤに抱いてくれるように頼み、なんとかユウヤも首を縦に振ってくれた。
そして、シャワーを先に使ってもらい、今はベッドで自分が来るのを待ってくれているはずだ。
「……まさか、気が変わってしまったりしていないよね?」
不安な気持ちが溢れ出して止まらない。けれど、今はきちんとユウヤさんに貰ってもらうための準備をしなければいけないと、泣き出しそうな自分を叱咤する。
けれど、躰が震える。温かなシャワーを浴びているのに。
抱いてもらいたい。けれど、初めてなのだ。怖くて仕方がない。
「ううん。だめだよ、こんなことじゃあ。初めては痛いって聞いたけれど、ユウヤさんが満足してくれることが一番大事。あたしなんかを抱いてくれるって言ってくれたことが奇跡なんだから」
そう自分で思って、自分で落ち込む。
どうして、あたしにはなにもないのだろう。少しでも、一つでもユウヤさんに喜んでもらえる要素が自分にあるのであれば、それを寄る辺にできるのに。
「……お願い、レアさん。あたしに勇気を貸して……」
一番信頼ができる、自分を大切にしてくれるお姉ちゃんに縋り、コリィはシャワーを止めて、深呼吸をする。
「うん。もう大丈夫。レアさんに作法も聞いて覚えているし、練習もしたんだから」
コリィはそう覚悟を決めると、躰が冷えてしまう前に急いでバスタオルで躰を拭く。
フカフカの上質のバスタオル。でも、その感触を楽しんでいる時間はない。これ以上、ユウヤさんを待たせるわけにはいかないのだから。
躰を拭いたものとは別のバスタオルを躰に巻きつけて、コリィは浴室を出る。
そして、大きなベッドの端にバスローブ一の姿で座るユウヤを発見し、コリィは涙が出てきそうになってしまう。
「良かった。ユウヤさん、あたしをちゃんと待っていてくれたんだ」
そんな嬉しい気持ちをぐっと堪えて、コリィは悪戯っぽい笑みを作る。なるべく自然に、緊張していることを悟られないように気をつけながら。
「おっ、お待たせ、ユウヤさん」
恥ずかしい気持ちをぐっと堪えて、コリィはバスタオル一枚の自分の躰をユウヤに見せる。バスローブの場合、躰のラインがはっきりしていないと色気を感じてもらえないだろうけれど、これなら少しは色っぽく思ってくれるはずだ。
「…………」
だが、ユウヤは何も言ってくれない。ただ、こちらを見つめて、微動だにしない。
今、目の前の彼がどんな思いで自分を見てくれているかがまるで分からず、コリィは不安で仕方がなかった。
「そっ、その、隣に座るね」
そんな事をいちいち断る必要はないのだろうが、無言に耐えられないコリィは、そう口に出してから遠慮がちにユウヤの隣に座る。
「わっ!」
不意にユウヤに肩を軽く掴まれて、思わずコリィは飛び退いてしまった。
そのためユウヤが申し訳無さそうな顔をするので、コリィは慌てに慌てる。
「ごっ、ごめんなさい! そっ、その、びっくりしてしまって! いや、その、本当にびっくりしただけだよ! あっ、あははははっ。これから、ユウヤさんともっと凄いことしようとしているのに、なんでこんなに緊張しているんだろうね、あたしったら。はははっ」
両手を上下に動かしながら、早口でそう言い訳をするコリィに、ユウヤは驚いた顔をしていたが、やがて微笑んでくれた。
「驚かせてごめんね、コリィ。確認してからにするべきだったよね。それで、その、嫌でなければ、キスをしてもいいかな?」
「きっ、キス? うっ、うん、もちろんいいよ。というか、うん、あの、その、むしろここはあたしの方からしようと思っていて……。でも、その、はっ、はい……」
慌てふためいていたコリィだったが、観念して覚悟を決め、もう一度ユウヤの隣に座る。
すると、ユウヤの手が自分の顔に向かって伸びてくるのを見たコリィは、つい躰を縮めて硬直してしまう。
「ばっ、馬鹿。なんで縮こまるのよ、あたし。ここは、レアさんに教えてもらったように、目を瞑って、唇を……」
そう思いながらも、コリィは動けない。気持ちばかりが先走って、躰が反応しない。
怖い気持ちと不安な気持ちが消えてくれないのだ。ユウヤに抱かれたいと思っているのに。この機会を逃したら、もうこんな幸運はないのに。
もしも、ユウヤさんの手が顔に触れたら、きっと払ってしまう。そうしたら、もう……。
コリィは臆病な自分を嫌ったが、後悔しても何も改善はしない。
しかし、ユウヤの手は彼女の顔に触れることはなかった。
「えっ?」
ポンポンと優しい感触を頭に感じて、コリィは俯いていた顔を上げる。するとそこには、優しい笑みを浮かべるユウヤの顔があった。
「可愛いよ、コリィ」
そう言って笑みを強めるユウヤに、コリィの顔はこれ以上ないほど真っ赤になる。
「えっ、あっ、その。かっ、可愛いなんて……」
「本当だよ。すごく可愛い」
そう言って頭を優しく撫でてくれるユウヤに、コリィは恥ずかしく思いながらも、躰の強張りが薄れていくのを感じていた。
「もう。ユウヤさんは優しいね」
コリィは微笑み、頭を撫でてくれる大きな手を両手で優しく掴む。そして、それを自分の頬に持ってきて、そこに頬ずりをする。
この優しくて温かい手は怖くない。怯える自分の躰にそれを教えていく。
「うん。もう大丈夫だよ、ユウヤさん」
コリィはそう言って目を瞑り、唇を前に静かに突き出す。すると、すぐにそこに柔らかくて温かな感触が触れる。
静かにまぶたを開けると、ユウヤの顔がそこにあった。
それに、ユウヤは左腕をコリィの後頭部に回して軽く固定し、右手は優しく頭を撫でてくれているようだ。感触でそれが分かる。
でも、今はその感触よりも唇に伝わる感触が何よりも蠱惑的だった。
少しカサついていたユウヤの唇に自分のそれが触れたときには、少しくすぐったく思ったコリィだったが、それも彼女の唾液で柔らかくなって感じなくなる。
けれど、それでホッとしたのもつかの間で、ユウヤは唇を動かして、コリィの唇を味わうように動かして刺激を与えてくる。
「あんっ、んっ、んんっ……」
知らなかった、キスがこんなに凄い行為だなんて。恥ずかしくてたまらないけれど、気持ちいい。
「ああっ、あたしの唇がユウヤさんに味わわれている。そして、あたしの知らなかった気持ちいいことを教えられていくの。あたしの唇、もうユウヤさんのものだ……」
愛する男に自分の知らなかった快楽を教え込まれていく。けれど、その事に嫌悪感はまるでない。むしろ、嬉しい。そう、嬉しくてたまらない。ようやく、自分もこの男の人のものにしてもらえるのだという充足感と安心感が溢れ出して止まらない。
ただ、異性に、愛する男に唇を捧げて愛される。この部分が誰のものかを教え込まれていく。心と躰に所有印を刻まれていく。
ただただその行為に陶酔するコリィは、けれど幸せを感じていた。だから、
「あっ……」
ポンポンとユウヤが優しく頭を叩き、静かに唇を離したときには、とても悲しい気持ちになってしまった。
「ユウヤさん、いやっ、もっと……」
「うん。ただ、このままではコリィの体が冷え切ってしまうからね」
ユウヤはそう言うと、後頭部に回していた手をコリィの腰に回す。
バスタオルとバスローブ越しでも、自分とは違う固くて太い腕の感触が伝わってくる。
でも、その腕の温度は温かくはなかった。
部屋の暖炉に火はくべられているけれど、ユウヤさんはずっと裸にバスローブ一枚だったのだ。それに、自分の長いシャワーをずっと待っていてくれた。
それなのに、ユウヤさんは、自分のことよりもあたしのことを心配してくれて……。
「ユウヤさん。ごめんね。あたし、自分のことしか考えてなかった」
コリィはそう言うと、唯一身につけていたバスタオルを解く。
それはユウヤの腕に当たって止まったが、彼は静かにそれを手で抜き取る。
そして、ユウヤはコリィから腕を離し、自分のバスローブも脱ぐ。
「あっ……」
ユウヤの裸身を目にし、コリィは赤面する。
自分が一糸まとわぬ姿でいることよりも、初めて見る異性の裸のほうが恥ずかしかった。
「こっ、これがユウヤさんの裸……」
ただ、恥ずかしくても好奇心がコリィを動かす。
具体的に言うと、自然と彼女の視線はユウヤの下腹部に向かう。
そこには、女の自分にはない大きな肉の棒が、あまりにも強烈な存在感を放っていた。
えっ、えっ、えっ! こっ、こんなに大きいの? ユウヤさんのって……。
しっ、しかも、まだその、かっ、固くなってないよね? 固くなったら更に大きくなるんだよね?
まだ勃起していないユウヤの男性器を目の当たりにし、コリィは心のなかで悲鳴を上げながらも、つぶさにそれを観察し続ける。
「コリィ、凍えてしまうよ」
ユウヤは苦笑して、掛け布団をめくってベッドに体を入れる。もう少し観察していたかったコリィは、それを残念に思いながらも、「おいで」とユウヤが優しく言ってくれたので、恐る恐るもベッドに入り、彼に抱きつく。
「待たせて、ごめんね。すっかり冷たくなっちゃったよね」
「大丈夫だよ。それに、少し落ち着く時間が欲しかったからね」
そう言うと、ユウヤは掛け布団を掛ける。そして、コリィの背中と腰に手をやり、彼女の躰を優しく引き寄せる。
「怖くないかい?」
「うん。もう大丈夫だよ。だからね、その、あたしの躰にもっと触れて。その、どこに触れてもいいから……」
「あっ、うん。分かったよ。でも、その前に……」
ユウヤはコリィの躰を上に抱き寄せ、彼女の顔に自分の顔を近づけると、再びキスをした。
再び唇を弄ばれるコリィ。しかし、今回はキスだけではない。ユウヤの手が腰から臀部に、おしりに伸びて、そこを愛撫し始める。只触れるだけではない。その感触を味わうかのような、エッチな触り方。
「んっ、んんんっ……」
ただキスをされながらお尻に触れられているだけなのに、コリィは声が漏れそうになる。
ただ、キスで唇を塞がれているので、それはくぐもった声になるだけで……。
なっ、なんで、こっ、こんなに感じるなんて。おかしいよ……。まだ、胸にもあそこにも触られていないのに……。
おしりを撫でられているだけなのに、気持ちいい。
ああっ、変えられていっちゃう。ユウヤさんに、エッチな躰に変えられちゃうの……。
年頃の健康な少女であるコリィにも、当然性欲はある。だから、それを持て余す夜には、自分のベッドでユウヤのことを思い浮かべながらそれを処理することはあった。
だが、その際には決まって女性器の一番敏感なクリトリスをいじるのが定番だった。たまに胸を露出して乳首をいじる事もあったが、やはり女の一番敏感な肉芽への刺激が一番だった。
だが、今、愛するユウヤにされているキスをされながらのおしりへの愛撫は、それに勝るとも劣らない刺激だった。
いや、違う。クリトリスへの刺激は絶頂へと向かう強く大きな快楽の上昇を感じる、周期の短い快楽。だが、この行為は躰の中に快楽を溜め込んでいくようだ。まだまだ絶頂に向かうことができない。なのに、すさまじい快楽が、多幸感が体の奥に溜め込まれていく。
いや、だめ。こんなの、おかしくなる……。この気持ちいいのが溜まっていったら、そして限界を迎えたら、あたし、死んじゃうよ……。
「んっ、んんっ!」
おしりを愛撫するのとは反対の手が、コリィの控えめな胸の愛撫を始めた。しかも、いきなり乳首を指で軽くつまんだのだ。
コリィの頭に火花のような快楽が襲った。
だが、それはやはり一瞬のこと。乳房全体への均一化した愛撫に切り替え、ユウヤはさらなる快楽をコリィの体の中心に溜めていく。
躰が。先程まで冷え切っていたはずの躰が、熱くて仕方がない。
もどかしい。早く絶頂したい。そうすればすぐに快楽を甘受できる。でも、このまま快楽を我慢して、我慢した果てにあるものがどのようなものかを知りたくもある。
「あっ……」
不意にユウヤは、コリィから唇を離す。
そして、
「コリィ、気持ちいいかな?」
優しい笑顔でそんな事を聞いてくる。
「……うっ、うん。気持ちいいよ。おかしくなってしまいそうなくらい……」
コリィは恥ずかしさを堪えて正直に答えた。すると、躰が一層火照ってくる。
「少し、体制を変えるよ」
「えっ、あっ、その……」
コリィが返事を返す暇もなく、ユウヤはコリィの躰と自分の体を器用に動かして、今度は背中からコリィを抱きしめる。
「あっ、んっ!」
体位を変えられたかと思うと、ユウヤは不意にコリィの耳たぶを唇だけで甘噛みした。ただそれだけのことなのに、敏感になっているコリィは甘い声を上げてしまう。
ユウヤは両手でコリィの胸を弄ぶ。指の間を使って巧みに固くなった乳首を刺激しながら、コリィを甘く、優しく、蕩けさせていく。
「あんっ、そんなの、エッチ過ぎるよ。あっ、あたしの小さな胸なんて、触っても面白く……んんっ……」
「もっともっと、気持ちよくなって、コリィ」
「あんっ、それ、駄目っ、あんっ、あああっ……」
コリィは胸を弄ばれる快楽に陶酔していたが、ユウヤの片手が胸からお腹に降りていく。そして、お腹を愛撫しながらも、少しずつコリィのもっとも恥ずかしい女の部分に近づいていく。
「あっ……。だっ、駄目。そこは、もう……」
コリィのその言葉に、ユウヤの下に向かっていた手は、コリィの恥丘にふれる寸前で止まった。
そして、焦らすようにその部分をいやらしく指で刺激してくる。
「あっ、ずっ、ずるい、そんなの……」
触られるのは恥ずかしい。でも、触ってもらいたい。そんな切ない気持ちがコリィを苛む。
このときのために手入れをしたすべすべの恥丘に指が微かに触れるだけで、堪らない気持ちになる。
「コリィ、触ってもいいかな?」
優しい。この上なく優しくて、残酷で、ずるい言葉がユウヤの口から漏れる。
自分がいいと言うまで、触ってほしいと懇願するまで、ユウヤはそこに触ってくれないつもりなのだ。
「……ずるいよ。そんなにあたしに恥ずかしいことを……」
コリィはそう嫌がる素振りを見せたが、もう我慢できなかった。
「……馬鹿。……さっ、触って下さい……」
「うん。分かったよ」
ユウヤはそう言うと、コリィの陰裂から溢れた愛液で濡れそぼった女性器に優しく触れる。
まずは大切な機関を守る柔らかな女の肉を優しく愛撫し、そして、その割れ目に指をなぞらせていく。
「あっ、んんっ! やっ、やん、あっ……」
快楽を与えながらも、決して絶頂させてくれない。ユウヤの愛撫。
とめどなく淫らな液体を吐き出すその部分を苛める、甘美な拷問だった。
「コリィ、このまま、一度達してしまおうか? その方が、きっと痛くないよ」
ユウヤの優しい提案。その言葉に、いよいよユウヤと結ばれるときが近いのだと理解したコリィは、首を横に振る。
「だっ、駄目だよ。あっ、あたし、ばっ、ばっかり気持ちよくなって、一人でいっちゃうのは、嫌だよ……」
一人で達してしまったら、躰の疼きを堪えきれずに自慰をしているのと変わらない。あの、快楽の後の寂しさと罪悪感を覚えるのはもうたくさんだ。
「ユウヤさん。あっ、あたし、ちゃんとユウヤさんのお嫁さんとしての役割を果たしたいよ。だからね、そのためなら、何も怖くない。怖いことなんてないよ」
「コリィ……」
「そっ、その、おしりに、ユウヤさんの硬いのが当たっているよ」
「あっ、うん、その、ごめん」
「ううん。違うよ。あたしなんかで固くしてくれて嬉しいんだよ。でも、こっ、こうなると、男の人って苦しいんだよね? そっ、その、ユウヤさんに気持ちよくなってもらえるか分からないけれど……。あたしを使って下さい。あたしに、ユウヤさんのお嫁さんになった証をつけて……下さい……」
コリィの勇気を振り絞った告白に、ユウヤは「うん。分かったよ」と言って、彼女から離れると、ベッドから降りて立ち上がる。
「すっ、凄いね。こっ、こんなに、おっ、大きいんだ」
ユウヤの股間の天を突かんばかりに勃起する肉の槍に、コリィは頬を赤らめる。けれど、覚悟を決めて、掛け布団をとり、ベッドの端に躰を動かして、大きく足を広げて股を開く。
躰が震える。痛みを予見して嫌がっている。でも、コリィは微笑む。こんなことは何でもない。怖くなんてないと自分に暗示を掛けていく。
リナやファリアさん、そしてシノさん。あの三人と同じ様に、ユウヤさんのお嫁さんにしてもらえる。もう、一人で寂しく、枕を涙で濡らすことはなくなるんだ。
あの、寂しさ。悲しさ。切なさ。それらに比べたら、これからの痛みなんて、怖くなんてない。恐怖なんてない。
「コリィ。その、ゆっくりするほうが苦しいらしいから、一気に入れるよ」
「うっ、うん。でも大丈夫だよ。ユウヤさんが気持ちいいやり方で、いいよ」
コリィがそう微笑むと、ユウヤは優しく微笑んで、頭を撫でてくれた。
どうして、自分がしてほしい事が分かったのかとコリィは不思議に思う。でも、それ以上に嬉しかった。
「コリィ。貰うよ……」
「はい……」
コリィは、覚悟を決めて目を瞑る。
濡れそぼった女性器に、硬いユウヤの男の部分が擦り付けられる。そして、それはコリィの女の入り口に少し侵入したかと思うと、
「―――くぅぅぅぅ!」
間髪をいれずに、一気に彼女の膣内に埋め込まれた。
初めて体内に受け入れる大きな異物感と、ピッタリと閉じていた膣をこじ開けられた破瓜の痛みに、コリィは涙を目の端に溜めながら震える。
「コリィ……。ごめんね。痛かったよね?」
ユウヤはそう言うと、コリィに覆いかぶさるように体を密着させて、また優しく頭を撫でる。
そのことで、コリィは一層涙を溢れさせて、ポロポロと大粒な液体を瞳から零す。
「いっ、痛いよ。すっ、すごく。でも、でもね……」
コリィは痛みを堪えて微笑んだ。心から、嬉しそうに。
「やっと、やっと……。あたしもこれで、ユウヤさんのお嫁さんになれたんだよね?」
「コリィ……」
そんなコリィを、ユウヤは優しく抱きしめてくれた。
「ずっと、ずっと、大好きだったんだよ。シノさんにだって負けないくらいにあたしは、ユウヤさんのことが、ずっと……」
「うん。ありがとう」
「そして、寂しかったんだよ。あたし一人が仲間はずれで。辛かったんだよ……」
「うん。ごめんね。もう、そんな思いはさせないから」
「これから、辛いことが始まるんだよね。でも、あたしが絶対にユウヤさんを守るからね。だから、大丈夫だよ」
「コリィ……」
ユウヤはコリィに静かにキスをした。それは、誓いの口づけ。
もう、決して離さないと。互いを守るとの約束だった。
そして、ユウヤはその証としてコリィの中に性を放ち、彼女を抱きしめた。
これで、四人。
そして、さらにもう一人の女を、レミアを数日後に抱いたユウヤのもとに、件の手紙が届くこととなった。
そして、ユウヤは思い知る。
あの本に書かれていた事柄は全て真実であったということを。
急いで自分達の戦力を理解しなければいけない。
自分達の力を確認して、これからの方針を立てなければ。
もう時間はない。
まもなく、最低なゲームが幕を開けてしまうのだから。
ついさっきまで、このお風呂のあまりの豪華さに驚いていたコリィだったが、今はそんなことよりも自分の躰を清めることに集中する。
「あたしの貧相な躰じゃあ楽しくないだろうけど、せめて少しでもユウヤさんに喜んでもらえるようにしないと……」
懸命にユウヤに抱いてくれるように頼み、なんとかユウヤも首を縦に振ってくれた。
そして、シャワーを先に使ってもらい、今はベッドで自分が来るのを待ってくれているはずだ。
「……まさか、気が変わってしまったりしていないよね?」
不安な気持ちが溢れ出して止まらない。けれど、今はきちんとユウヤさんに貰ってもらうための準備をしなければいけないと、泣き出しそうな自分を叱咤する。
けれど、躰が震える。温かなシャワーを浴びているのに。
抱いてもらいたい。けれど、初めてなのだ。怖くて仕方がない。
「ううん。だめだよ、こんなことじゃあ。初めては痛いって聞いたけれど、ユウヤさんが満足してくれることが一番大事。あたしなんかを抱いてくれるって言ってくれたことが奇跡なんだから」
そう自分で思って、自分で落ち込む。
どうして、あたしにはなにもないのだろう。少しでも、一つでもユウヤさんに喜んでもらえる要素が自分にあるのであれば、それを寄る辺にできるのに。
「……お願い、レアさん。あたしに勇気を貸して……」
一番信頼ができる、自分を大切にしてくれるお姉ちゃんに縋り、コリィはシャワーを止めて、深呼吸をする。
「うん。もう大丈夫。レアさんに作法も聞いて覚えているし、練習もしたんだから」
コリィはそう覚悟を決めると、躰が冷えてしまう前に急いでバスタオルで躰を拭く。
フカフカの上質のバスタオル。でも、その感触を楽しんでいる時間はない。これ以上、ユウヤさんを待たせるわけにはいかないのだから。
躰を拭いたものとは別のバスタオルを躰に巻きつけて、コリィは浴室を出る。
そして、大きなベッドの端にバスローブ一の姿で座るユウヤを発見し、コリィは涙が出てきそうになってしまう。
「良かった。ユウヤさん、あたしをちゃんと待っていてくれたんだ」
そんな嬉しい気持ちをぐっと堪えて、コリィは悪戯っぽい笑みを作る。なるべく自然に、緊張していることを悟られないように気をつけながら。
「おっ、お待たせ、ユウヤさん」
恥ずかしい気持ちをぐっと堪えて、コリィはバスタオル一枚の自分の躰をユウヤに見せる。バスローブの場合、躰のラインがはっきりしていないと色気を感じてもらえないだろうけれど、これなら少しは色っぽく思ってくれるはずだ。
「…………」
だが、ユウヤは何も言ってくれない。ただ、こちらを見つめて、微動だにしない。
今、目の前の彼がどんな思いで自分を見てくれているかがまるで分からず、コリィは不安で仕方がなかった。
「そっ、その、隣に座るね」
そんな事をいちいち断る必要はないのだろうが、無言に耐えられないコリィは、そう口に出してから遠慮がちにユウヤの隣に座る。
「わっ!」
不意にユウヤに肩を軽く掴まれて、思わずコリィは飛び退いてしまった。
そのためユウヤが申し訳無さそうな顔をするので、コリィは慌てに慌てる。
「ごっ、ごめんなさい! そっ、その、びっくりしてしまって! いや、その、本当にびっくりしただけだよ! あっ、あははははっ。これから、ユウヤさんともっと凄いことしようとしているのに、なんでこんなに緊張しているんだろうね、あたしったら。はははっ」
両手を上下に動かしながら、早口でそう言い訳をするコリィに、ユウヤは驚いた顔をしていたが、やがて微笑んでくれた。
「驚かせてごめんね、コリィ。確認してからにするべきだったよね。それで、その、嫌でなければ、キスをしてもいいかな?」
「きっ、キス? うっ、うん、もちろんいいよ。というか、うん、あの、その、むしろここはあたしの方からしようと思っていて……。でも、その、はっ、はい……」
慌てふためいていたコリィだったが、観念して覚悟を決め、もう一度ユウヤの隣に座る。
すると、ユウヤの手が自分の顔に向かって伸びてくるのを見たコリィは、つい躰を縮めて硬直してしまう。
「ばっ、馬鹿。なんで縮こまるのよ、あたし。ここは、レアさんに教えてもらったように、目を瞑って、唇を……」
そう思いながらも、コリィは動けない。気持ちばかりが先走って、躰が反応しない。
怖い気持ちと不安な気持ちが消えてくれないのだ。ユウヤに抱かれたいと思っているのに。この機会を逃したら、もうこんな幸運はないのに。
もしも、ユウヤさんの手が顔に触れたら、きっと払ってしまう。そうしたら、もう……。
コリィは臆病な自分を嫌ったが、後悔しても何も改善はしない。
しかし、ユウヤの手は彼女の顔に触れることはなかった。
「えっ?」
ポンポンと優しい感触を頭に感じて、コリィは俯いていた顔を上げる。するとそこには、優しい笑みを浮かべるユウヤの顔があった。
「可愛いよ、コリィ」
そう言って笑みを強めるユウヤに、コリィの顔はこれ以上ないほど真っ赤になる。
「えっ、あっ、その。かっ、可愛いなんて……」
「本当だよ。すごく可愛い」
そう言って頭を優しく撫でてくれるユウヤに、コリィは恥ずかしく思いながらも、躰の強張りが薄れていくのを感じていた。
「もう。ユウヤさんは優しいね」
コリィは微笑み、頭を撫でてくれる大きな手を両手で優しく掴む。そして、それを自分の頬に持ってきて、そこに頬ずりをする。
この優しくて温かい手は怖くない。怯える自分の躰にそれを教えていく。
「うん。もう大丈夫だよ、ユウヤさん」
コリィはそう言って目を瞑り、唇を前に静かに突き出す。すると、すぐにそこに柔らかくて温かな感触が触れる。
静かにまぶたを開けると、ユウヤの顔がそこにあった。
それに、ユウヤは左腕をコリィの後頭部に回して軽く固定し、右手は優しく頭を撫でてくれているようだ。感触でそれが分かる。
でも、今はその感触よりも唇に伝わる感触が何よりも蠱惑的だった。
少しカサついていたユウヤの唇に自分のそれが触れたときには、少しくすぐったく思ったコリィだったが、それも彼女の唾液で柔らかくなって感じなくなる。
けれど、それでホッとしたのもつかの間で、ユウヤは唇を動かして、コリィの唇を味わうように動かして刺激を与えてくる。
「あんっ、んっ、んんっ……」
知らなかった、キスがこんなに凄い行為だなんて。恥ずかしくてたまらないけれど、気持ちいい。
「ああっ、あたしの唇がユウヤさんに味わわれている。そして、あたしの知らなかった気持ちいいことを教えられていくの。あたしの唇、もうユウヤさんのものだ……」
愛する男に自分の知らなかった快楽を教え込まれていく。けれど、その事に嫌悪感はまるでない。むしろ、嬉しい。そう、嬉しくてたまらない。ようやく、自分もこの男の人のものにしてもらえるのだという充足感と安心感が溢れ出して止まらない。
ただ、異性に、愛する男に唇を捧げて愛される。この部分が誰のものかを教え込まれていく。心と躰に所有印を刻まれていく。
ただただその行為に陶酔するコリィは、けれど幸せを感じていた。だから、
「あっ……」
ポンポンとユウヤが優しく頭を叩き、静かに唇を離したときには、とても悲しい気持ちになってしまった。
「ユウヤさん、いやっ、もっと……」
「うん。ただ、このままではコリィの体が冷え切ってしまうからね」
ユウヤはそう言うと、後頭部に回していた手をコリィの腰に回す。
バスタオルとバスローブ越しでも、自分とは違う固くて太い腕の感触が伝わってくる。
でも、その腕の温度は温かくはなかった。
部屋の暖炉に火はくべられているけれど、ユウヤさんはずっと裸にバスローブ一枚だったのだ。それに、自分の長いシャワーをずっと待っていてくれた。
それなのに、ユウヤさんは、自分のことよりもあたしのことを心配してくれて……。
「ユウヤさん。ごめんね。あたし、自分のことしか考えてなかった」
コリィはそう言うと、唯一身につけていたバスタオルを解く。
それはユウヤの腕に当たって止まったが、彼は静かにそれを手で抜き取る。
そして、ユウヤはコリィから腕を離し、自分のバスローブも脱ぐ。
「あっ……」
ユウヤの裸身を目にし、コリィは赤面する。
自分が一糸まとわぬ姿でいることよりも、初めて見る異性の裸のほうが恥ずかしかった。
「こっ、これがユウヤさんの裸……」
ただ、恥ずかしくても好奇心がコリィを動かす。
具体的に言うと、自然と彼女の視線はユウヤの下腹部に向かう。
そこには、女の自分にはない大きな肉の棒が、あまりにも強烈な存在感を放っていた。
えっ、えっ、えっ! こっ、こんなに大きいの? ユウヤさんのって……。
しっ、しかも、まだその、かっ、固くなってないよね? 固くなったら更に大きくなるんだよね?
まだ勃起していないユウヤの男性器を目の当たりにし、コリィは心のなかで悲鳴を上げながらも、つぶさにそれを観察し続ける。
「コリィ、凍えてしまうよ」
ユウヤは苦笑して、掛け布団をめくってベッドに体を入れる。もう少し観察していたかったコリィは、それを残念に思いながらも、「おいで」とユウヤが優しく言ってくれたので、恐る恐るもベッドに入り、彼に抱きつく。
「待たせて、ごめんね。すっかり冷たくなっちゃったよね」
「大丈夫だよ。それに、少し落ち着く時間が欲しかったからね」
そう言うと、ユウヤは掛け布団を掛ける。そして、コリィの背中と腰に手をやり、彼女の躰を優しく引き寄せる。
「怖くないかい?」
「うん。もう大丈夫だよ。だからね、その、あたしの躰にもっと触れて。その、どこに触れてもいいから……」
「あっ、うん。分かったよ。でも、その前に……」
ユウヤはコリィの躰を上に抱き寄せ、彼女の顔に自分の顔を近づけると、再びキスをした。
再び唇を弄ばれるコリィ。しかし、今回はキスだけではない。ユウヤの手が腰から臀部に、おしりに伸びて、そこを愛撫し始める。只触れるだけではない。その感触を味わうかのような、エッチな触り方。
「んっ、んんんっ……」
ただキスをされながらお尻に触れられているだけなのに、コリィは声が漏れそうになる。
ただ、キスで唇を塞がれているので、それはくぐもった声になるだけで……。
なっ、なんで、こっ、こんなに感じるなんて。おかしいよ……。まだ、胸にもあそこにも触られていないのに……。
おしりを撫でられているだけなのに、気持ちいい。
ああっ、変えられていっちゃう。ユウヤさんに、エッチな躰に変えられちゃうの……。
年頃の健康な少女であるコリィにも、当然性欲はある。だから、それを持て余す夜には、自分のベッドでユウヤのことを思い浮かべながらそれを処理することはあった。
だが、その際には決まって女性器の一番敏感なクリトリスをいじるのが定番だった。たまに胸を露出して乳首をいじる事もあったが、やはり女の一番敏感な肉芽への刺激が一番だった。
だが、今、愛するユウヤにされているキスをされながらのおしりへの愛撫は、それに勝るとも劣らない刺激だった。
いや、違う。クリトリスへの刺激は絶頂へと向かう強く大きな快楽の上昇を感じる、周期の短い快楽。だが、この行為は躰の中に快楽を溜め込んでいくようだ。まだまだ絶頂に向かうことができない。なのに、すさまじい快楽が、多幸感が体の奥に溜め込まれていく。
いや、だめ。こんなの、おかしくなる……。この気持ちいいのが溜まっていったら、そして限界を迎えたら、あたし、死んじゃうよ……。
「んっ、んんっ!」
おしりを愛撫するのとは反対の手が、コリィの控えめな胸の愛撫を始めた。しかも、いきなり乳首を指で軽くつまんだのだ。
コリィの頭に火花のような快楽が襲った。
だが、それはやはり一瞬のこと。乳房全体への均一化した愛撫に切り替え、ユウヤはさらなる快楽をコリィの体の中心に溜めていく。
躰が。先程まで冷え切っていたはずの躰が、熱くて仕方がない。
もどかしい。早く絶頂したい。そうすればすぐに快楽を甘受できる。でも、このまま快楽を我慢して、我慢した果てにあるものがどのようなものかを知りたくもある。
「あっ……」
不意にユウヤは、コリィから唇を離す。
そして、
「コリィ、気持ちいいかな?」
優しい笑顔でそんな事を聞いてくる。
「……うっ、うん。気持ちいいよ。おかしくなってしまいそうなくらい……」
コリィは恥ずかしさを堪えて正直に答えた。すると、躰が一層火照ってくる。
「少し、体制を変えるよ」
「えっ、あっ、その……」
コリィが返事を返す暇もなく、ユウヤはコリィの躰と自分の体を器用に動かして、今度は背中からコリィを抱きしめる。
「あっ、んっ!」
体位を変えられたかと思うと、ユウヤは不意にコリィの耳たぶを唇だけで甘噛みした。ただそれだけのことなのに、敏感になっているコリィは甘い声を上げてしまう。
ユウヤは両手でコリィの胸を弄ぶ。指の間を使って巧みに固くなった乳首を刺激しながら、コリィを甘く、優しく、蕩けさせていく。
「あんっ、そんなの、エッチ過ぎるよ。あっ、あたしの小さな胸なんて、触っても面白く……んんっ……」
「もっともっと、気持ちよくなって、コリィ」
「あんっ、それ、駄目っ、あんっ、あああっ……」
コリィは胸を弄ばれる快楽に陶酔していたが、ユウヤの片手が胸からお腹に降りていく。そして、お腹を愛撫しながらも、少しずつコリィのもっとも恥ずかしい女の部分に近づいていく。
「あっ……。だっ、駄目。そこは、もう……」
コリィのその言葉に、ユウヤの下に向かっていた手は、コリィの恥丘にふれる寸前で止まった。
そして、焦らすようにその部分をいやらしく指で刺激してくる。
「あっ、ずっ、ずるい、そんなの……」
触られるのは恥ずかしい。でも、触ってもらいたい。そんな切ない気持ちがコリィを苛む。
このときのために手入れをしたすべすべの恥丘に指が微かに触れるだけで、堪らない気持ちになる。
「コリィ、触ってもいいかな?」
優しい。この上なく優しくて、残酷で、ずるい言葉がユウヤの口から漏れる。
自分がいいと言うまで、触ってほしいと懇願するまで、ユウヤはそこに触ってくれないつもりなのだ。
「……ずるいよ。そんなにあたしに恥ずかしいことを……」
コリィはそう嫌がる素振りを見せたが、もう我慢できなかった。
「……馬鹿。……さっ、触って下さい……」
「うん。分かったよ」
ユウヤはそう言うと、コリィの陰裂から溢れた愛液で濡れそぼった女性器に優しく触れる。
まずは大切な機関を守る柔らかな女の肉を優しく愛撫し、そして、その割れ目に指をなぞらせていく。
「あっ、んんっ! やっ、やん、あっ……」
快楽を与えながらも、決して絶頂させてくれない。ユウヤの愛撫。
とめどなく淫らな液体を吐き出すその部分を苛める、甘美な拷問だった。
「コリィ、このまま、一度達してしまおうか? その方が、きっと痛くないよ」
ユウヤの優しい提案。その言葉に、いよいよユウヤと結ばれるときが近いのだと理解したコリィは、首を横に振る。
「だっ、駄目だよ。あっ、あたし、ばっ、ばっかり気持ちよくなって、一人でいっちゃうのは、嫌だよ……」
一人で達してしまったら、躰の疼きを堪えきれずに自慰をしているのと変わらない。あの、快楽の後の寂しさと罪悪感を覚えるのはもうたくさんだ。
「ユウヤさん。あっ、あたし、ちゃんとユウヤさんのお嫁さんとしての役割を果たしたいよ。だからね、そのためなら、何も怖くない。怖いことなんてないよ」
「コリィ……」
「そっ、その、おしりに、ユウヤさんの硬いのが当たっているよ」
「あっ、うん、その、ごめん」
「ううん。違うよ。あたしなんかで固くしてくれて嬉しいんだよ。でも、こっ、こうなると、男の人って苦しいんだよね? そっ、その、ユウヤさんに気持ちよくなってもらえるか分からないけれど……。あたしを使って下さい。あたしに、ユウヤさんのお嫁さんになった証をつけて……下さい……」
コリィの勇気を振り絞った告白に、ユウヤは「うん。分かったよ」と言って、彼女から離れると、ベッドから降りて立ち上がる。
「すっ、凄いね。こっ、こんなに、おっ、大きいんだ」
ユウヤの股間の天を突かんばかりに勃起する肉の槍に、コリィは頬を赤らめる。けれど、覚悟を決めて、掛け布団をとり、ベッドの端に躰を動かして、大きく足を広げて股を開く。
躰が震える。痛みを予見して嫌がっている。でも、コリィは微笑む。こんなことは何でもない。怖くなんてないと自分に暗示を掛けていく。
リナやファリアさん、そしてシノさん。あの三人と同じ様に、ユウヤさんのお嫁さんにしてもらえる。もう、一人で寂しく、枕を涙で濡らすことはなくなるんだ。
あの、寂しさ。悲しさ。切なさ。それらに比べたら、これからの痛みなんて、怖くなんてない。恐怖なんてない。
「コリィ。その、ゆっくりするほうが苦しいらしいから、一気に入れるよ」
「うっ、うん。でも大丈夫だよ。ユウヤさんが気持ちいいやり方で、いいよ」
コリィがそう微笑むと、ユウヤは優しく微笑んで、頭を撫でてくれた。
どうして、自分がしてほしい事が分かったのかとコリィは不思議に思う。でも、それ以上に嬉しかった。
「コリィ。貰うよ……」
「はい……」
コリィは、覚悟を決めて目を瞑る。
濡れそぼった女性器に、硬いユウヤの男の部分が擦り付けられる。そして、それはコリィの女の入り口に少し侵入したかと思うと、
「―――くぅぅぅぅ!」
間髪をいれずに、一気に彼女の膣内に埋め込まれた。
初めて体内に受け入れる大きな異物感と、ピッタリと閉じていた膣をこじ開けられた破瓜の痛みに、コリィは涙を目の端に溜めながら震える。
「コリィ……。ごめんね。痛かったよね?」
ユウヤはそう言うと、コリィに覆いかぶさるように体を密着させて、また優しく頭を撫でる。
そのことで、コリィは一層涙を溢れさせて、ポロポロと大粒な液体を瞳から零す。
「いっ、痛いよ。すっ、すごく。でも、でもね……」
コリィは痛みを堪えて微笑んだ。心から、嬉しそうに。
「やっと、やっと……。あたしもこれで、ユウヤさんのお嫁さんになれたんだよね?」
「コリィ……」
そんなコリィを、ユウヤは優しく抱きしめてくれた。
「ずっと、ずっと、大好きだったんだよ。シノさんにだって負けないくらいにあたしは、ユウヤさんのことが、ずっと……」
「うん。ありがとう」
「そして、寂しかったんだよ。あたし一人が仲間はずれで。辛かったんだよ……」
「うん。ごめんね。もう、そんな思いはさせないから」
「これから、辛いことが始まるんだよね。でも、あたしが絶対にユウヤさんを守るからね。だから、大丈夫だよ」
「コリィ……」
ユウヤはコリィに静かにキスをした。それは、誓いの口づけ。
もう、決して離さないと。互いを守るとの約束だった。
そして、ユウヤはその証としてコリィの中に性を放ち、彼女を抱きしめた。
これで、四人。
そして、さらにもう一人の女を、レミアを数日後に抱いたユウヤのもとに、件の手紙が届くこととなった。
そして、ユウヤは思い知る。
あの本に書かれていた事柄は全て真実であったということを。
急いで自分達の戦力を理解しなければいけない。
自分達の力を確認して、これからの方針を立てなければ。
もう時間はない。
まもなく、最低なゲームが幕を開けてしまうのだから。
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