105 / 249
特別編
特別編 『日頃の感謝と一緒に』(前編)
しおりを挟む
それは、ほんの四日前のこと。休日を使って友人のイルリアと買い物に出かけた帰り道のことだった。
「……バレンタインデー、ですか?」
最近、周りの女性からチョコレートの話題を耳にすることが多くて疑問に思っていたのだが、そのことをイルリアに打ち明けると、簡潔に説明してくれた。
なんでもその日は、女性が好意を寄せる男性にチョコレートを贈る日なのらしい。
田舎暮らしの長かったメルエーナは、そんな習慣を初めて耳にした。
「まぁ、知らなくても死にはしないわよ、そんなもの」
さも詰まらなさそうに言うと、イルリアは「まったく、なんでこんな面倒な行事があるのかしら」と言い、嘆息する。
「ですが、イルリアさんも先ほどチョコを買っていたのでは?」
「ああっ、あれね。あれは、うちのお祖父ちゃんによ。『義理チョコ』っていうものもあってね。まぁ、本当に面倒な行事なのよ、まったく……」
イルリアはブツブツと文句を言っていたが、
「ところで、メル。今の話を聞いて、あんたはどうするつもり? あいつにチョコをあげるの?」
不意にメルエーナに尋ねてくる。
「えっ? ……あっ、そっ、そうですね。いい機会ですし、私も……」
イルリアが言っている「あいつ」とは、メルエーナと同じ家に住んでいる同い年の少年のことだ。
その名をジェノと言う。出会って以来、彼女がずっと憎からず思っているのだが、まったくと言っていいほどその思いに気づいてもらえない相手でもある。
「ああっ、聞くだけ野暮だったわね。……まったく、こんな可愛い子にここまで慕われているのに、どうして、あのバカは……」
イルリアの声のトーンが少し落ち、剣呑な声色になる。
いつもこうだ。ジェノの話題になるとイルリアは途端に不機嫌な顔になる。メルエーナにはそれが不思議でならない。
「その、イルリアさんも、もしかしてジェノさんに、チョコを?」
「はっ? なんで私があんな奴にチョコを渡さなくちゃいけないの?」
心外といった顔でまた不機嫌な顔をするイルリア。そこには嘘も偽りもないように思える。
「いっ、いえ、すみません」
そう謝罪の言葉を口にするメルエーナに、イルリアは小さく嘆息し、足を止めて彼女の頭をコツンと小さく叩いた。
「まったく。あんたはもう少し自分に自信を持ちなさい。あんたくらいに可愛い子なんてそうそういないんだから。その上、家庭的で料理上手。男にとってこんなに理想的な女の子なんていないわよ。
いくらあのバカがどうしょうもない朴念仁の大馬鹿でも、男であることには変わりないんだから、少なくとも気に入ってはいるはずよ」
イルリアの励ましの言葉に、メルエーナは「はい、ありがとうございます」と感謝の言葉を口にするが、さらに、
「ですが、私なんかよりもイルリアさんのほうが素敵だと思います」
笑顔で思ったことを口にする。
綺麗な情熱的な赤い髪に、宝石のような青い瞳。そのうえスタイルだって優れていることをメルエーナは知っている。もっとも、あえて体の線がでにくい上着と地味な色のズボン姿というラフな姿のため、それはおそらく外見からでは分かりにくいだろうが。
もしも、イルリアが髪を伸ばし、美しいドレスを身に纏ったのであれば、だれもが見惚れる姿になることは想像に難くない。正直、同い年の女の子としては、メルエーナはイルリアに羨望を抱いている。
「はぁ、馬鹿なこと言ってないでとっとと帰るわよ」
イルリアは興味がなさそうにそれだけ言うと、踵を返して歩き始める。メルエーナは慌ててそれを追いかけた。
イルリアは自分の容姿に関心が薄く、異性に対して興味が少ない。それは間違いないだろう。でも、だからこそメルエーナは不思議に思う。
仕事仲間だからということを差し引いても、イルリアはジェノに対しては心を動かす。それが嫌悪に近い負の感情のようなものであっても、あまりにもその感情は強すぎる気がするのだ。
「……考えすぎ、ですよね」
大切な友人に向ける感情ではないと思い、メルエーナは不安な気持ちを頭から追い払う。
それよりも今はチョコレートだ。
いつも勇気が出せなくて自分の想いを口にできない自分だが、心を込めたチョコレートを渡せばこの気持ちもジェノさんに伝わるかもしれない。
メルエーナはそう考えを新たにし、家に帰ったらさっそくチョコレート作りに取り掛かろうと決意した。
◇
「やっぱり、甘さはこのくらいで……。でも、固まってからのことを考えると……」
湯煎したチョコレートを相手に試行錯誤を繰り返し、もう十回近く試作を続けているが、なかなか自分の思ったような味になってくれない。期限までもう二日しかないというのに。
イルリアからバレンタインというイベントを聞いたメルエーナはこの二日間、仕事の合間を使って、ジェノに隠れて店の厨房の片隅で、チョコレート作りに没頭していた。
市販のチョコレートを溶かして形を変えるだけならば簡単にできるのだが、それではあまりも手抜きが過ぎる。それに、普段から美味しいバルネアの料理を食べて舌が肥えているジェノは、きっとその程度のチョコレートでは喜んではくれないだろう。
それ故に、メルエーナは買ってきたチョコレートづくりの本と、にらめっこをすることになっているのである。
「……ううっ、お母さんから、もっとお菓子作りのコツを聞いておくべきでした」
いまさらそんなことをぼやいても、何も改善しないことは分かっているが、メルエーナの口から思わず後悔の言葉が漏れた。
「困っているようね、メルちゃん。私で良ければ協力するわよ」
だが、そんなところに、救いの手が差し伸べられた。
この上なく、頼りになる人から。
「バルネアさん……。ううっ、すみません、力を貸して下さい」
将来は料理人になることを夢見る身としては、助けを求めるのは情けないし、そんなことでは駄目だと思う。ただ、もう時間がないのだ。
メルエーナは瞳に涙を溜めて、助けを求める。
ジェノが自分からのチョコレートを期待しているとは思えないが、折角のチャンスである。全然察してもらえない自分の気持ちに、気づいて貰いたいし、そんな下心だけではなく、いつもお世話になっているので、そのお礼として美味しいチョコレートを贈って食べてもらいたい。
「任せて、メルちゃん。リアラ先輩にも、力になってほしいと手紙で頼まれているし、全力で美味しいチョコレートの作り方を教えてあげるわ」
「……えっ? 母から手紙が来たんですか?」
バルネアが助けてくれるのは、百万の味方がいるよりも頼りになる話だが、そこに思いもかけない言葉が続いたことに、メルエーナは驚く。
「ええ。先程届いたのよ。この荷物と一緒にね。あっ、メルちゃん宛の手紙も入っていたわよ。まずは、そっちを確認してみて」
バルネアはそう言うと、視線を一番近くの客席のテーブルの上に移す。そこには、少し大きめの木箱が置かれていた。
どうしたものかとメルエーナが悩んでいるうちに、バルネアが運んでくれたようだ。
メルエーナは厨房を出て、バルネアに促されるままに木箱の中身を確認する。
そこには、特徴的な形の薄緑の瓶が三本と、『親愛なる娘へ』と書かれた封筒が入っていた。
それが母の字で書かれたものである以上、もちろん自分宛てなので、メルエーナは封筒を取り出し、その中の手紙に目を通す。
遠方で暮らす母からの手紙だ。嬉しくないはずがない。
元気にしているかどうかの確認から始まり、お父さんも『メルは元気にしているだろうか?』ばかり言っていると書かれていた。
そして、今年で十八歳になる自分のために、故郷のリムロ村の名産である、ワインを三本も贈ってくれたのだ。
メルエーナは両親の温かな愛情に、胸がジーンとしてしまった。
……そう、ここまでは感動していたのである。だが、手紙には続きがあった。
『メル。お酒は成人するまでお預けなんて、私は硬いことは言わないわ。バレンタインデーも近いことだし、チョコレートと一緒に、ジェノ君と楽しみなさい』
その内容に、メルエーナは苦笑する。
母は、自分が十五歳になったときに、「お父さんには、ないしょだからね」と村の名産のワインを一口だけ味見させてくれたのだ。
それから、たまに父がいないときを見計らって、少しずつ味見をさせてくれるようになったのだ。
法律的に言えば、このエルマイラム王国での飲酒は、十八歳以上からとなっている。
だが母は、
「雁字搦めに規制した反発で、興味本位で無謀な飲み方をするより、こうして慣らしていったほうが良いのよ。まして料理の道を志すのであれば、お酒の味も知っていないと駄目」
という教育方針であったため、メルエーナも実はワインが好きなのだ。
『それと、流石にバレンタインデーの話は友達なんかから聞いているだろうけれど、しっかり、ジェノ君にアピールしなくては駄目よ! 応援しているわ!』
母のおせっかいに、メルエーナは頬を赤らめて顔を俯ける。
遠く離れていても、自分の考えを母には全てお見通しだったようだ。
メルエーナは頬を薄っすら朱に染めながらも、笑顔で手紙を読んでいたが、最後の三枚目の手紙に目を通す。
『それと、私も早く孫の顔が見たいから、チョコレートとワインだけじゃなくて、勢いのままに貴女自身もジェノ君に食……』
そこまで読むと、メルエーナは顔を真っ赤にして、手紙をクシャクシャに握りつぶしてしまう。
「ばっ、バルネアさん。すっ、すぐに手を洗ってきますんで、チョコレートの、つっ、作り方を教えて下さい!」
「あらっ? 慌てなくてもいいわよ。それに、メルちゃん、顔が真っ赤よ。大丈夫?」
心配するバルネアに、「大丈夫です」と答え、メルエーナは手洗い場に向かって駆け出す。
手だけではなく、火照る顔も洗わなければと思うメルエーナだった。
「……バレンタインデー、ですか?」
最近、周りの女性からチョコレートの話題を耳にすることが多くて疑問に思っていたのだが、そのことをイルリアに打ち明けると、簡潔に説明してくれた。
なんでもその日は、女性が好意を寄せる男性にチョコレートを贈る日なのらしい。
田舎暮らしの長かったメルエーナは、そんな習慣を初めて耳にした。
「まぁ、知らなくても死にはしないわよ、そんなもの」
さも詰まらなさそうに言うと、イルリアは「まったく、なんでこんな面倒な行事があるのかしら」と言い、嘆息する。
「ですが、イルリアさんも先ほどチョコを買っていたのでは?」
「ああっ、あれね。あれは、うちのお祖父ちゃんによ。『義理チョコ』っていうものもあってね。まぁ、本当に面倒な行事なのよ、まったく……」
イルリアはブツブツと文句を言っていたが、
「ところで、メル。今の話を聞いて、あんたはどうするつもり? あいつにチョコをあげるの?」
不意にメルエーナに尋ねてくる。
「えっ? ……あっ、そっ、そうですね。いい機会ですし、私も……」
イルリアが言っている「あいつ」とは、メルエーナと同じ家に住んでいる同い年の少年のことだ。
その名をジェノと言う。出会って以来、彼女がずっと憎からず思っているのだが、まったくと言っていいほどその思いに気づいてもらえない相手でもある。
「ああっ、聞くだけ野暮だったわね。……まったく、こんな可愛い子にここまで慕われているのに、どうして、あのバカは……」
イルリアの声のトーンが少し落ち、剣呑な声色になる。
いつもこうだ。ジェノの話題になるとイルリアは途端に不機嫌な顔になる。メルエーナにはそれが不思議でならない。
「その、イルリアさんも、もしかしてジェノさんに、チョコを?」
「はっ? なんで私があんな奴にチョコを渡さなくちゃいけないの?」
心外といった顔でまた不機嫌な顔をするイルリア。そこには嘘も偽りもないように思える。
「いっ、いえ、すみません」
そう謝罪の言葉を口にするメルエーナに、イルリアは小さく嘆息し、足を止めて彼女の頭をコツンと小さく叩いた。
「まったく。あんたはもう少し自分に自信を持ちなさい。あんたくらいに可愛い子なんてそうそういないんだから。その上、家庭的で料理上手。男にとってこんなに理想的な女の子なんていないわよ。
いくらあのバカがどうしょうもない朴念仁の大馬鹿でも、男であることには変わりないんだから、少なくとも気に入ってはいるはずよ」
イルリアの励ましの言葉に、メルエーナは「はい、ありがとうございます」と感謝の言葉を口にするが、さらに、
「ですが、私なんかよりもイルリアさんのほうが素敵だと思います」
笑顔で思ったことを口にする。
綺麗な情熱的な赤い髪に、宝石のような青い瞳。そのうえスタイルだって優れていることをメルエーナは知っている。もっとも、あえて体の線がでにくい上着と地味な色のズボン姿というラフな姿のため、それはおそらく外見からでは分かりにくいだろうが。
もしも、イルリアが髪を伸ばし、美しいドレスを身に纏ったのであれば、だれもが見惚れる姿になることは想像に難くない。正直、同い年の女の子としては、メルエーナはイルリアに羨望を抱いている。
「はぁ、馬鹿なこと言ってないでとっとと帰るわよ」
イルリアは興味がなさそうにそれだけ言うと、踵を返して歩き始める。メルエーナは慌ててそれを追いかけた。
イルリアは自分の容姿に関心が薄く、異性に対して興味が少ない。それは間違いないだろう。でも、だからこそメルエーナは不思議に思う。
仕事仲間だからということを差し引いても、イルリアはジェノに対しては心を動かす。それが嫌悪に近い負の感情のようなものであっても、あまりにもその感情は強すぎる気がするのだ。
「……考えすぎ、ですよね」
大切な友人に向ける感情ではないと思い、メルエーナは不安な気持ちを頭から追い払う。
それよりも今はチョコレートだ。
いつも勇気が出せなくて自分の想いを口にできない自分だが、心を込めたチョコレートを渡せばこの気持ちもジェノさんに伝わるかもしれない。
メルエーナはそう考えを新たにし、家に帰ったらさっそくチョコレート作りに取り掛かろうと決意した。
◇
「やっぱり、甘さはこのくらいで……。でも、固まってからのことを考えると……」
湯煎したチョコレートを相手に試行錯誤を繰り返し、もう十回近く試作を続けているが、なかなか自分の思ったような味になってくれない。期限までもう二日しかないというのに。
イルリアからバレンタインというイベントを聞いたメルエーナはこの二日間、仕事の合間を使って、ジェノに隠れて店の厨房の片隅で、チョコレート作りに没頭していた。
市販のチョコレートを溶かして形を変えるだけならば簡単にできるのだが、それではあまりも手抜きが過ぎる。それに、普段から美味しいバルネアの料理を食べて舌が肥えているジェノは、きっとその程度のチョコレートでは喜んではくれないだろう。
それ故に、メルエーナは買ってきたチョコレートづくりの本と、にらめっこをすることになっているのである。
「……ううっ、お母さんから、もっとお菓子作りのコツを聞いておくべきでした」
いまさらそんなことをぼやいても、何も改善しないことは分かっているが、メルエーナの口から思わず後悔の言葉が漏れた。
「困っているようね、メルちゃん。私で良ければ協力するわよ」
だが、そんなところに、救いの手が差し伸べられた。
この上なく、頼りになる人から。
「バルネアさん……。ううっ、すみません、力を貸して下さい」
将来は料理人になることを夢見る身としては、助けを求めるのは情けないし、そんなことでは駄目だと思う。ただ、もう時間がないのだ。
メルエーナは瞳に涙を溜めて、助けを求める。
ジェノが自分からのチョコレートを期待しているとは思えないが、折角のチャンスである。全然察してもらえない自分の気持ちに、気づいて貰いたいし、そんな下心だけではなく、いつもお世話になっているので、そのお礼として美味しいチョコレートを贈って食べてもらいたい。
「任せて、メルちゃん。リアラ先輩にも、力になってほしいと手紙で頼まれているし、全力で美味しいチョコレートの作り方を教えてあげるわ」
「……えっ? 母から手紙が来たんですか?」
バルネアが助けてくれるのは、百万の味方がいるよりも頼りになる話だが、そこに思いもかけない言葉が続いたことに、メルエーナは驚く。
「ええ。先程届いたのよ。この荷物と一緒にね。あっ、メルちゃん宛の手紙も入っていたわよ。まずは、そっちを確認してみて」
バルネアはそう言うと、視線を一番近くの客席のテーブルの上に移す。そこには、少し大きめの木箱が置かれていた。
どうしたものかとメルエーナが悩んでいるうちに、バルネアが運んでくれたようだ。
メルエーナは厨房を出て、バルネアに促されるままに木箱の中身を確認する。
そこには、特徴的な形の薄緑の瓶が三本と、『親愛なる娘へ』と書かれた封筒が入っていた。
それが母の字で書かれたものである以上、もちろん自分宛てなので、メルエーナは封筒を取り出し、その中の手紙に目を通す。
遠方で暮らす母からの手紙だ。嬉しくないはずがない。
元気にしているかどうかの確認から始まり、お父さんも『メルは元気にしているだろうか?』ばかり言っていると書かれていた。
そして、今年で十八歳になる自分のために、故郷のリムロ村の名産である、ワインを三本も贈ってくれたのだ。
メルエーナは両親の温かな愛情に、胸がジーンとしてしまった。
……そう、ここまでは感動していたのである。だが、手紙には続きがあった。
『メル。お酒は成人するまでお預けなんて、私は硬いことは言わないわ。バレンタインデーも近いことだし、チョコレートと一緒に、ジェノ君と楽しみなさい』
その内容に、メルエーナは苦笑する。
母は、自分が十五歳になったときに、「お父さんには、ないしょだからね」と村の名産のワインを一口だけ味見させてくれたのだ。
それから、たまに父がいないときを見計らって、少しずつ味見をさせてくれるようになったのだ。
法律的に言えば、このエルマイラム王国での飲酒は、十八歳以上からとなっている。
だが母は、
「雁字搦めに規制した反発で、興味本位で無謀な飲み方をするより、こうして慣らしていったほうが良いのよ。まして料理の道を志すのであれば、お酒の味も知っていないと駄目」
という教育方針であったため、メルエーナも実はワインが好きなのだ。
『それと、流石にバレンタインデーの話は友達なんかから聞いているだろうけれど、しっかり、ジェノ君にアピールしなくては駄目よ! 応援しているわ!』
母のおせっかいに、メルエーナは頬を赤らめて顔を俯ける。
遠く離れていても、自分の考えを母には全てお見通しだったようだ。
メルエーナは頬を薄っすら朱に染めながらも、笑顔で手紙を読んでいたが、最後の三枚目の手紙に目を通す。
『それと、私も早く孫の顔が見たいから、チョコレートとワインだけじゃなくて、勢いのままに貴女自身もジェノ君に食……』
そこまで読むと、メルエーナは顔を真っ赤にして、手紙をクシャクシャに握りつぶしてしまう。
「ばっ、バルネアさん。すっ、すぐに手を洗ってきますんで、チョコレートの、つっ、作り方を教えて下さい!」
「あらっ? 慌てなくてもいいわよ。それに、メルちゃん、顔が真っ赤よ。大丈夫?」
心配するバルネアに、「大丈夫です」と答え、メルエーナは手洗い場に向かって駆け出す。
手だけではなく、火照る顔も洗わなければと思うメルエーナだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
一国一城の主を目指す!〜渇望の日々を超えて。
リョウ
ファンタジー
何者かになりたかった。
だが現世でその願いは叶わず、男は敗北感と悲嘆を胸に沈んでいた。
そんな彼の前に現れたのは、一柱の女神。
導かれるまま異世界へ転移した男は、新たにレイと名乗り、剣も魔法も身分もない底辺から成り上がることを決意する。
冒険者として生きる術を学び、魔法を覚え、剣を磨き、人と裏社会を見極めながら、レイは少しずつ力を蓄えていく。
目指すのは、ただ生き延びることではない。
一国一城の主となり、この世界で“何者か”になること。
渇望を燃料に、知恵と執念で上へ上へと這い上がる、ダークファンタジー成り上がり譚。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる