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ときには、気心知れた親友と
⑭ 『過去語り①』
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ジェノは今日も『パニヨン』での仕事を終え、昼過ぎに宿に戻った。そしてその足で、ルーシアの部屋を訪ねる。
ルーシアの邪魔にならないように、普段は部屋を訪れることはしないのだが、今日は彼女に手渡さなければいけない物があるのだ。
来訪を告げると、ルーシアはドアを開けて出てきてくれた。
「あら、今日も早いのね」
「はい。それと、今朝頼まれた手紙はバルネアさんに手渡しておきました。ですが、バルネアさんからも、ルーシアさんに手紙を預かったので、お持ちしました」
「はっ? あいつからも? もしかして、私の手紙の返事かしら?」
「いいえ。手紙を渡す前に、ルーシアさんに渡すように頼まれましたので……」
説明に怪訝な顔をしながらも、ルーシアはジェノから手紙の入った封筒を受け取る。
封はされていなかったので、ルーシアはその場で手紙を開けて目を通し始める。
そして、読み進めるにつれて、彼女の目つきが険しいものになっていく。
「……ジェノ。着替えたら、すぐに厨房にいらっしゃい」
「はい。分かりました」
ルーシアが怒っている理由は分からないが、今の自分の仕事は彼女をサポートすることだ。ジェノはそう考えて、一旦部屋に戻り、宿の厨房に向かう事にした。
厨房にジェノが足を運ぶと、ルーシアもすぐにやって来た。
不機嫌そうな顔をしながら。
「ジェノ。とりあえず、このお馬鹿な手紙を読んでみなさい」
ルーシアはジェノの前にやってくるなり、先程の手紙をジェノに手渡してくる。
ジェノは言われるがままに手紙に目を通し、やがて小さく嘆息した。
「まったく、あの天然ボケの大馬鹿は! 最初から私と同じ方法を考えついているのなら、先に説明をしなさいよ! 私がこの作戦に適応できない料理を作る予定だったら、どうするつもりだったのかしら、まったく!」
ルーシアの怒りの言葉に、ジェノは、今朝に彼女から手渡された手紙の内容も同じだったのだと察する。
「ですが、細かい打ち合わせは必要ないのですか? お互いの料理の詳細が分からなければ、そう上手く事が運ぶとは……」
バルネアの手紙には、料理の品目をあるものに合わせようと書かれていただけだった。
もっとも、ジェノもその品目から、バルネアとルーシアが何を考えているのかだいたい想像がついたが、詳細がわからなければ、これで上手くいく可能性は低いと思う。
「あらっ? ジェノ。私とあの馬鹿が何を企んでいるのか分かるの?」
「予想は付きます。合っているかどうかは分かりませんが」
「へぇ~。いいわ。貴方の予想を聞かせて」
促され、ジェノは思ったままのことを口にする。
「……まったく。可愛げがないわね、貴方は。ええ、そのとおりよ」
ルーシアは苦笑交じりに言い、ジェノが返そうとした手紙を受け取る。
「あの馬鹿でも考えつく方法しか思いつかなかったのは腹立たしいけれど、もう手はコレしかなさそうだしね」
「ですが、その方法は、お互いの料理が……」
ジェノの言葉は最後まで続かない。ルーシアが掌を彼の方向に向けて、口を噤むようにジェスチャーで伝えたからだ。
「ジェノ。忘れているようだから、もう一度言うわ。これは勝負なのよ。私とバルネアの真剣勝負。単純な嗜好の違いで軽々に互いの店の名前が傷つかないように手は打ったけれど、勝負は勝負なの」
ルーシアは真剣な眼差しで、ジェノに言い聞かせる。
「私がバルネアと最後に勝負をしたのは、もう十年以上前。それからは、いろいろ合って勝負ができなかった。
だから、今回の勝負は久しぶりに本気であいつと腕くらべができる数少ないチャンス。その機会は絶対に逃さない」
ルーシアははっきりと告げる。
これは勝負だと。馴れ合いはこれ以上するつもりはないと。
「……分かりました」
ジェノはルーシアの強い想いを感じ取り、今回の勝負に全力を尽くすことを改めて決意する。
そんなジェノに、何故かルーシアは微笑みを向けてくる。
「そう言えば、話すと言いながら、バルネアに弟子がいない理由を、まだ話していなかったわね」
突然話題を切り替えられたことに多少驚きながらも、ジェノはそれを表情には出さない。
「ええ。聞いていません」
「どうして私が、あいつとこんなに勝負をしたいと言っているかにも関わってくることだから、今から話してあげるわ。でも、この話は貴方の胸の中だけに留めておいて欲しい。約束はできるかしら?」
ルーシアの問いかけに、ジェノは「はい」と即答する。
「そう。それなら話すわね」
ルーシアはそう前置きをして話してくれた。
今のバルネアからは、想像もつかない過去を。
◇
私にとって、バルネアは目の上のたんこぶのような存在だった。
そして、同い年であり、同じ店で、大衆料理店<銅の調べ>で一緒に働く仲間でもありライバルでもあった。
正直、料理の腕でバルネアに負けているつもりはなかった。けれど、<銀の旋律>で働くための条件である、料理コンテストでは、バルネアと何度も対戦し、ことごとく私は敗れた。
何故だろう?
バルネアもそれなりの腕は持っているが、調理技術は自分が明らかに勝っているはずなのに。
あいつが作る奇抜な料理の数々は、自分の作った完成度の高い料理よりも評価される。
そんなものは稚拙な調理技術を誤魔化すための小細工だと思いながらも、結果はいつも同じだった。
もしも、それでそのまま自分よりも先に『銀の旋律』にバルネアが入っていれば、私にとってあいつは、超えていくための壁、障害の一つに過ぎなかった。
けれど、バルネアはいつもコンテストの決勝で、明らかに自分よりも格下の料理人に敗れてしまうのだ。
「こいつは、私に対する嫌がらせをしているのかしら?」
そう思ったことは、一度や二度ではない。
どうして、この私を打ち負かした料理人が、いつも最後に格下に敗れるのだ。
どうして、そんな奴に私は勝てないのか。
腹立たしくて仕方がなかった。
でも、私は諦めなかった。
癪だとは思いながらも、コンテストで優勝して<銀の旋律>に入るためだと自分に言い聞かせ、バルネアの料理を研究し、自分の料理にも取り入れた。
その結果、私は最後のチャンスを見事につかみ取り、憎らしいバルネアをコンテストの決勝戦で見事に打ち負かしたのだ。
けれど、私はそのときの結果を快くは思っていない。
採点も、ほんの一点差。それに私は、バルネアが決勝で出した料理が、自分の料理よりも優れていると感じてしまっていた。
調理技術は拙くとも、食べる者が喜んでくれるように、楽しめるようにと作られた料理の数々は、全て心が込められていた。
自分のような勝つための料理ではない温かな想いが、その料理には間違いなくあった。
私はバルネアの料理を研究していた。そして、私が先に料理を審査員に出す立場だった。
だから、私の料理に似ている部分があったことから、後に出てきたバルネアの料理が少し低く評価されてしまったのではないだろうか?
勝つために、バルネアの心配りの真似事をした、小手先の私の料理が、たまたま評価されただけではなかったのだろうか?
……私は今でも時折そう考える。
私は<銀の旋律>に入った。
あいつは、店を去り、店の常連だった同い年の男と結婚した。
ご丁寧に私のところにまで、あいつは結婚報告の手紙を送ってきた。
そして、夫の実家の料理店で働いていると報告してきたのだ。
てっきり、別れたことで縁が切れることになると思っていたのだが、あいつは私のことを友達か何かだと勘違いしているらしい。
でも、私は優しいので、仕方なく手紙の返事を書いてやった。
すると、調子に乗って頻繁に手紙が送られてくることになった。
<銀の旋律>の見習いになってから、心休まる暇がなかった私には、良い気分転換になったので、仕方なく手紙のやり取りを続けてあげた。
それから、五年ほど経ったころ、私は<銀の旋律>でも頭角を表し、ある程度纏まった休みを取れる立場になっていた。
そして私は、何度も手紙でせがまれたので、仕方なくバルネアのいる、エルマイラム王国の東端のメイラ島という小さな島まで足を運ぶことにしたのだった。
ルーシアの邪魔にならないように、普段は部屋を訪れることはしないのだが、今日は彼女に手渡さなければいけない物があるのだ。
来訪を告げると、ルーシアはドアを開けて出てきてくれた。
「あら、今日も早いのね」
「はい。それと、今朝頼まれた手紙はバルネアさんに手渡しておきました。ですが、バルネアさんからも、ルーシアさんに手紙を預かったので、お持ちしました」
「はっ? あいつからも? もしかして、私の手紙の返事かしら?」
「いいえ。手紙を渡す前に、ルーシアさんに渡すように頼まれましたので……」
説明に怪訝な顔をしながらも、ルーシアはジェノから手紙の入った封筒を受け取る。
封はされていなかったので、ルーシアはその場で手紙を開けて目を通し始める。
そして、読み進めるにつれて、彼女の目つきが険しいものになっていく。
「……ジェノ。着替えたら、すぐに厨房にいらっしゃい」
「はい。分かりました」
ルーシアが怒っている理由は分からないが、今の自分の仕事は彼女をサポートすることだ。ジェノはそう考えて、一旦部屋に戻り、宿の厨房に向かう事にした。
厨房にジェノが足を運ぶと、ルーシアもすぐにやって来た。
不機嫌そうな顔をしながら。
「ジェノ。とりあえず、このお馬鹿な手紙を読んでみなさい」
ルーシアはジェノの前にやってくるなり、先程の手紙をジェノに手渡してくる。
ジェノは言われるがままに手紙に目を通し、やがて小さく嘆息した。
「まったく、あの天然ボケの大馬鹿は! 最初から私と同じ方法を考えついているのなら、先に説明をしなさいよ! 私がこの作戦に適応できない料理を作る予定だったら、どうするつもりだったのかしら、まったく!」
ルーシアの怒りの言葉に、ジェノは、今朝に彼女から手渡された手紙の内容も同じだったのだと察する。
「ですが、細かい打ち合わせは必要ないのですか? お互いの料理の詳細が分からなければ、そう上手く事が運ぶとは……」
バルネアの手紙には、料理の品目をあるものに合わせようと書かれていただけだった。
もっとも、ジェノもその品目から、バルネアとルーシアが何を考えているのかだいたい想像がついたが、詳細がわからなければ、これで上手くいく可能性は低いと思う。
「あらっ? ジェノ。私とあの馬鹿が何を企んでいるのか分かるの?」
「予想は付きます。合っているかどうかは分かりませんが」
「へぇ~。いいわ。貴方の予想を聞かせて」
促され、ジェノは思ったままのことを口にする。
「……まったく。可愛げがないわね、貴方は。ええ、そのとおりよ」
ルーシアは苦笑交じりに言い、ジェノが返そうとした手紙を受け取る。
「あの馬鹿でも考えつく方法しか思いつかなかったのは腹立たしいけれど、もう手はコレしかなさそうだしね」
「ですが、その方法は、お互いの料理が……」
ジェノの言葉は最後まで続かない。ルーシアが掌を彼の方向に向けて、口を噤むようにジェスチャーで伝えたからだ。
「ジェノ。忘れているようだから、もう一度言うわ。これは勝負なのよ。私とバルネアの真剣勝負。単純な嗜好の違いで軽々に互いの店の名前が傷つかないように手は打ったけれど、勝負は勝負なの」
ルーシアは真剣な眼差しで、ジェノに言い聞かせる。
「私がバルネアと最後に勝負をしたのは、もう十年以上前。それからは、いろいろ合って勝負ができなかった。
だから、今回の勝負は久しぶりに本気であいつと腕くらべができる数少ないチャンス。その機会は絶対に逃さない」
ルーシアははっきりと告げる。
これは勝負だと。馴れ合いはこれ以上するつもりはないと。
「……分かりました」
ジェノはルーシアの強い想いを感じ取り、今回の勝負に全力を尽くすことを改めて決意する。
そんなジェノに、何故かルーシアは微笑みを向けてくる。
「そう言えば、話すと言いながら、バルネアに弟子がいない理由を、まだ話していなかったわね」
突然話題を切り替えられたことに多少驚きながらも、ジェノはそれを表情には出さない。
「ええ。聞いていません」
「どうして私が、あいつとこんなに勝負をしたいと言っているかにも関わってくることだから、今から話してあげるわ。でも、この話は貴方の胸の中だけに留めておいて欲しい。約束はできるかしら?」
ルーシアの問いかけに、ジェノは「はい」と即答する。
「そう。それなら話すわね」
ルーシアはそう前置きをして話してくれた。
今のバルネアからは、想像もつかない過去を。
◇
私にとって、バルネアは目の上のたんこぶのような存在だった。
そして、同い年であり、同じ店で、大衆料理店<銅の調べ>で一緒に働く仲間でもありライバルでもあった。
正直、料理の腕でバルネアに負けているつもりはなかった。けれど、<銀の旋律>で働くための条件である、料理コンテストでは、バルネアと何度も対戦し、ことごとく私は敗れた。
何故だろう?
バルネアもそれなりの腕は持っているが、調理技術は自分が明らかに勝っているはずなのに。
あいつが作る奇抜な料理の数々は、自分の作った完成度の高い料理よりも評価される。
そんなものは稚拙な調理技術を誤魔化すための小細工だと思いながらも、結果はいつも同じだった。
もしも、それでそのまま自分よりも先に『銀の旋律』にバルネアが入っていれば、私にとってあいつは、超えていくための壁、障害の一つに過ぎなかった。
けれど、バルネアはいつもコンテストの決勝で、明らかに自分よりも格下の料理人に敗れてしまうのだ。
「こいつは、私に対する嫌がらせをしているのかしら?」
そう思ったことは、一度や二度ではない。
どうして、この私を打ち負かした料理人が、いつも最後に格下に敗れるのだ。
どうして、そんな奴に私は勝てないのか。
腹立たしくて仕方がなかった。
でも、私は諦めなかった。
癪だとは思いながらも、コンテストで優勝して<銀の旋律>に入るためだと自分に言い聞かせ、バルネアの料理を研究し、自分の料理にも取り入れた。
その結果、私は最後のチャンスを見事につかみ取り、憎らしいバルネアをコンテストの決勝戦で見事に打ち負かしたのだ。
けれど、私はそのときの結果を快くは思っていない。
採点も、ほんの一点差。それに私は、バルネアが決勝で出した料理が、自分の料理よりも優れていると感じてしまっていた。
調理技術は拙くとも、食べる者が喜んでくれるように、楽しめるようにと作られた料理の数々は、全て心が込められていた。
自分のような勝つための料理ではない温かな想いが、その料理には間違いなくあった。
私はバルネアの料理を研究していた。そして、私が先に料理を審査員に出す立場だった。
だから、私の料理に似ている部分があったことから、後に出てきたバルネアの料理が少し低く評価されてしまったのではないだろうか?
勝つために、バルネアの心配りの真似事をした、小手先の私の料理が、たまたま評価されただけではなかったのだろうか?
……私は今でも時折そう考える。
私は<銀の旋律>に入った。
あいつは、店を去り、店の常連だった同い年の男と結婚した。
ご丁寧に私のところにまで、あいつは結婚報告の手紙を送ってきた。
そして、夫の実家の料理店で働いていると報告してきたのだ。
てっきり、別れたことで縁が切れることになると思っていたのだが、あいつは私のことを友達か何かだと勘違いしているらしい。
でも、私は優しいので、仕方なく手紙の返事を書いてやった。
すると、調子に乗って頻繁に手紙が送られてくることになった。
<銀の旋律>の見習いになってから、心休まる暇がなかった私には、良い気分転換になったので、仕方なく手紙のやり取りを続けてあげた。
それから、五年ほど経ったころ、私は<銀の旋律>でも頭角を表し、ある程度纏まった休みを取れる立場になっていた。
そして私は、何度も手紙でせがまれたので、仕方なくバルネアのいる、エルマイラム王国の東端のメイラ島という小さな島まで足を運ぶことにしたのだった。
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