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第42話 砂漠攻略開始
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「じゃあ行くぞ。 ローズ、タリアへの伝言頼む」
「はい! セムネイル様も、皆も気を付けて」
セムネイル達は4次元の扉の前で、ローズ達に暫しの別れを告げていた。
「あの……セムネイル様。 本当に此処って外じゃないんですよね」
「「普通なら信じれない事。 でもセムネイル様は神、信じない等あり得ない」」
アヤメやカリンとコリンは4次元に留守番となったが、説明を聞いたアヤメはまだ信じられないのか不安げだ。
「いや……信じて無い訳じゃないんだよ。 本当に……凄い人の妻になったんだなって……」
セムネイルは可愛い事を言う3人の頭を撫で回す。
「くっくっくっ、平屋の隣に訓練する場所がある事も説明したよな? 俺達が帰ってくるまで訓練でもしてろ。 必ず戻るから」
「……うん」 「人って変わるものねカリン」 「そうねコリン」
しおらしく返事をするアヤメをカリンとコリンはからかう。
風呂場での交流で仲良くなったセリスは3人を順番に抱きしめる。
「貴方様に愛されたら変わるのは当然です。 3人共、ゆっくりしてて下さいね」
「ふふ、もしお腹空いたら家の貯蓄庫にあるのを食べて下さいね」
「おう! 腹が減ったら肉だぞ肉!」
(くっくっくっ、色々あったが上手くやれそうだな)
リンとノラも無事に仲良くなれた様子に、セムネイルは内心で安堵する。
「セリスさん達も気を付けてね!」 「「姉様達の無事を祈ります」」 「ん? セムネイル様の無事は祈らないの?」
「「アヤメ、愚問。 セムネイル様は神、無事に戻るのは当然」」
「ふははは! カリン、コリン、俺は神では無い。 極悪非道の魔王だ!」
3人の会話にひとしきり笑ったセムネイルはセリス達を連れて4次元の扉をくぐった。
◆◇◆
「よし、今日中にこの4階層を抜けるぞ」
セムネイルは珍しく武器を4次元から取り出す。
3階層の宝箱から出た赤い巨大な大剣だ。
「貴方様、武器を使われるのですか?」
「ん? 以外か? セリス」
「いえ、大剣を構えるお姿も素敵だと思っただけですわ♡」
「はい! 凄く格好良いです!」
「セムネイルも武器を持つのか! あの馬鹿でかい大剣を使うんだな! セムネイルの雄と同じでデカくて格好良いな!」
「ふはは! そうか、うむ……悪くないな」
セムネイルは、赤い巨大な大剣を軽々と片手で持ち上げ振り回す。
妻達には褒められ上機嫌だ。
「この大剣はな……魔剣なんだ。 俺の古い知り合いの魔王が使ってた」
「もしや、2層で手に入れた同じ様な大きな大剣も……?」
「そうだ。 魔剣の魔王、共に神達と戦った仲だ。 まぁ、アイツの愛用していた魔剣が2本とも宝箱のドロップに入っていたって事は……確実に死んだってことだろうな」
この世界での宝箱の中身はいわば神の戦利品だったり、そのダンジョンで死んだ者の装備が多い。
つまり、魔剣の魔王は神魔大戦で神にでも殺されたのだろうとセムネイルは推測していた。
「そうだ。砂漠を冒険するなら、この魔法が必要になる。セリス、見て覚えろ」
「はい、必ず」
「情熱の女神に願う。 我等女神の熱さに耐えうる者達、灼熱の熱さより情熱の熱さを願う。 一時の間、我等を灼熱から守り給え。 情熱の加護!」
セムネイルの足下から真っ赤な炎が沸き立ち、4人を包む。
「これは……流石ですわ、貴方様」
「ふっ、昔は砂漠や溶岩のダンジョンを突破する時はこれがセオリーでな。 それに、一度会った事があるが……砂漠や溶岩の熱さが涼しく思う程に情熱的な女神だった」
「あら、ではその情熱の女神様もセムネイルの?」
「くっくっくっ、秘密だ。 だが、この魔法は詠唱と魔力操作を完璧にすれば誰でも使える最上級魔法だからな。 セリスなら直ぐに使える。 しっかりと覚えたか?」
「勿論です。 必要になれば、次はお任せ下さい」
「流石だな。 よし、では行くぞ! 砂漠の階は必ず全体がボスフロアになっている。 ボスは当然……アイツだ」
セムネイル達の目線の先には、このフロアに着いた時に見た巨大なミミズの様な魔物が砂漠の中を縦横無尽に泳ぎトカゲのような魔物や鳥の様な魔物を捕食しようと追い掛けているのが見える。
「貴方様はあの魔物が何かご存知なのですか?」
「ふわわ……大っきいですね」
「でかいな! 斬り応えがありそうだぞセムネイル!」
「ふっ、無論だ。 アレは砂食いミミズと呼ばれる最上級の魔物だ。 もし、今の時代でアレが外に居たら世界はやばいだろうな。 まぁ倒し方は簡単だ。 皮膚は魔法無効の性質を持つ。 つまり、腹を切り裂いてから傷口に魔法をたらふくぶち込む。 簡単だろ?」
「あはは……セムネイル様の簡単ってスケールが違いますよね」
「ふふ、貴方様が居てくださるなら本当に簡単に思えてしまいますわ」
「おー! 簡単だ! セムネイルと一緒に斬るぞ!」
リンは弓を握りしめ苦笑いし、セリスは自信ありげに胸を張った。
そして、全く怯んでないノラはやる気満々で手斧を振り上げて雄叫びを上げる。
「くっくっくっ、俺の予想通りなら次の階層が最後だ。 さっさと終わらして次に行くぞ!」
「「はい!」」 「おー!」
セムネイル達は情熱の加護により、砂漠の悪環境を受ける事無く走り出した。
「はい! セムネイル様も、皆も気を付けて」
セムネイル達は4次元の扉の前で、ローズ達に暫しの別れを告げていた。
「あの……セムネイル様。 本当に此処って外じゃないんですよね」
「「普通なら信じれない事。 でもセムネイル様は神、信じない等あり得ない」」
アヤメやカリンとコリンは4次元に留守番となったが、説明を聞いたアヤメはまだ信じられないのか不安げだ。
「いや……信じて無い訳じゃないんだよ。 本当に……凄い人の妻になったんだなって……」
セムネイルは可愛い事を言う3人の頭を撫で回す。
「くっくっくっ、平屋の隣に訓練する場所がある事も説明したよな? 俺達が帰ってくるまで訓練でもしてろ。 必ず戻るから」
「……うん」 「人って変わるものねカリン」 「そうねコリン」
しおらしく返事をするアヤメをカリンとコリンはからかう。
風呂場での交流で仲良くなったセリスは3人を順番に抱きしめる。
「貴方様に愛されたら変わるのは当然です。 3人共、ゆっくりしてて下さいね」
「ふふ、もしお腹空いたら家の貯蓄庫にあるのを食べて下さいね」
「おう! 腹が減ったら肉だぞ肉!」
(くっくっくっ、色々あったが上手くやれそうだな)
リンとノラも無事に仲良くなれた様子に、セムネイルは内心で安堵する。
「セリスさん達も気を付けてね!」 「「姉様達の無事を祈ります」」 「ん? セムネイル様の無事は祈らないの?」
「「アヤメ、愚問。 セムネイル様は神、無事に戻るのは当然」」
「ふははは! カリン、コリン、俺は神では無い。 極悪非道の魔王だ!」
3人の会話にひとしきり笑ったセムネイルはセリス達を連れて4次元の扉をくぐった。
◆◇◆
「よし、今日中にこの4階層を抜けるぞ」
セムネイルは珍しく武器を4次元から取り出す。
3階層の宝箱から出た赤い巨大な大剣だ。
「貴方様、武器を使われるのですか?」
「ん? 以外か? セリス」
「いえ、大剣を構えるお姿も素敵だと思っただけですわ♡」
「はい! 凄く格好良いです!」
「セムネイルも武器を持つのか! あの馬鹿でかい大剣を使うんだな! セムネイルの雄と同じでデカくて格好良いな!」
「ふはは! そうか、うむ……悪くないな」
セムネイルは、赤い巨大な大剣を軽々と片手で持ち上げ振り回す。
妻達には褒められ上機嫌だ。
「この大剣はな……魔剣なんだ。 俺の古い知り合いの魔王が使ってた」
「もしや、2層で手に入れた同じ様な大きな大剣も……?」
「そうだ。 魔剣の魔王、共に神達と戦った仲だ。 まぁ、アイツの愛用していた魔剣が2本とも宝箱のドロップに入っていたって事は……確実に死んだってことだろうな」
この世界での宝箱の中身はいわば神の戦利品だったり、そのダンジョンで死んだ者の装備が多い。
つまり、魔剣の魔王は神魔大戦で神にでも殺されたのだろうとセムネイルは推測していた。
「そうだ。砂漠を冒険するなら、この魔法が必要になる。セリス、見て覚えろ」
「はい、必ず」
「情熱の女神に願う。 我等女神の熱さに耐えうる者達、灼熱の熱さより情熱の熱さを願う。 一時の間、我等を灼熱から守り給え。 情熱の加護!」
セムネイルの足下から真っ赤な炎が沸き立ち、4人を包む。
「これは……流石ですわ、貴方様」
「ふっ、昔は砂漠や溶岩のダンジョンを突破する時はこれがセオリーでな。 それに、一度会った事があるが……砂漠や溶岩の熱さが涼しく思う程に情熱的な女神だった」
「あら、ではその情熱の女神様もセムネイルの?」
「くっくっくっ、秘密だ。 だが、この魔法は詠唱と魔力操作を完璧にすれば誰でも使える最上級魔法だからな。 セリスなら直ぐに使える。 しっかりと覚えたか?」
「勿論です。 必要になれば、次はお任せ下さい」
「流石だな。 よし、では行くぞ! 砂漠の階は必ず全体がボスフロアになっている。 ボスは当然……アイツだ」
セムネイル達の目線の先には、このフロアに着いた時に見た巨大なミミズの様な魔物が砂漠の中を縦横無尽に泳ぎトカゲのような魔物や鳥の様な魔物を捕食しようと追い掛けているのが見える。
「貴方様はあの魔物が何かご存知なのですか?」
「ふわわ……大っきいですね」
「でかいな! 斬り応えがありそうだぞセムネイル!」
「ふっ、無論だ。 アレは砂食いミミズと呼ばれる最上級の魔物だ。 もし、今の時代でアレが外に居たら世界はやばいだろうな。 まぁ倒し方は簡単だ。 皮膚は魔法無効の性質を持つ。 つまり、腹を切り裂いてから傷口に魔法をたらふくぶち込む。 簡単だろ?」
「あはは……セムネイル様の簡単ってスケールが違いますよね」
「ふふ、貴方様が居てくださるなら本当に簡単に思えてしまいますわ」
「おー! 簡単だ! セムネイルと一緒に斬るぞ!」
リンは弓を握りしめ苦笑いし、セリスは自信ありげに胸を張った。
そして、全く怯んでないノラはやる気満々で手斧を振り上げて雄叫びを上げる。
「くっくっくっ、俺の予想通りなら次の階層が最後だ。 さっさと終わらして次に行くぞ!」
「「はい!」」 「おー!」
セムネイル達は情熱の加護により、砂漠の悪環境を受ける事無く走り出した。
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