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フェイドアウトは認めない
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※リオ目線
「宏美さん!」
「はぁ…はぁ…なんで普通に追いつけるの…。」
全力疾走して息も絶え絶えな宏美さんに追いつき、背中をさする。
確かに私は走るのは得意な方じゃないし、普通に走って追いかけたら追いつけない。
まぁそれは宏美さんも同じだからこんなに息も絶え絶えになってるんだろうけど。
申し訳ないが私が彼女に追いつけたのはこっそり瞬間移動を使ったからである。
そして彼女もそれに気付いたのか恨めしそうに睨んでくる。
「瑞穂さんと何かあったんですか?」
「別に…あの人が勝手にからんできてただけ。」
「ほんとにそうですか?
そうなった原因、分かってるんですよね?」
「だったら何…?
その理由を聞いて悠太に話すつもり?」
「話しませんよ。」
そうキッパリ断言する。
「じゃあ…なんで。」
「宏美さんがどう思ってるかは分かりませんが、お友達として辛そうにしているあなたを見て心配だから、ではいけませんか?」
そう言って優しく微笑むと、宏美は心苦しそうな表情をした。
「ほんと…惨め過ぎて嫌になる。」
かと思うと、宏美は泣きそうな顔で頭を抱える。
「分かってるんでしょ?
私があいつの事、どう思ってるか。」
「はい、おそらく。」
「でもほら、私は他の元カノと違って何もしてない。
可愛気だってないし、あいつの前だとつい嫌な態度とっちゃう。
なのに誰かに取られたくなんかなくて、口出ししたり、今みたいに喧嘩になったり、あの人からしたらそんな中途半端な私が気に入らなかったんだろうね。」
「…想いを伝えようとは思わなかったんですか?」
「駄目だよ。
私にはそんな資格ない。」
「そんな事…。」
「ほんとはね、花火大会の日に…告白しようとしたんだ。」
「え?」
それは初耳だった。
悠太さんからもそれらしい話をされた覚えはない。
「でも、駄目だった。
私の告白は、あいつには全く届かなかった。」
「届かなかった…?」
「ちょうど花火が鳴ってね。
その大きな音で私のちっぽけな想いも、勇気も言葉も全部、打ち砕かれたの。」
「そんな…。」
「でもきっとこれで良かったんだと思ってる。」
「え?」
「だってこんなめんどくさい奴に告白されなくても悠太の周りにはもっと魅力な人達がいる。
何もしてなかった私はだから彼女たちに劣等感を抱いて…。
あの人にめちゃくちゃキレられた。
そりゃそうだよね。
やり方はともあれ積極的にアプローチしてる奴と何もせずに難癖つけてくる奴、どっちが悪いかなんて言わずもがなだもん。
仮にもし告白して届いてたとしてもフラれるのは分かってるし…悠太からすれば自分からフッておいて今更なんだって感じだし。
だからもう諦めようって。」
なるほど。
これが最近の彼女の変化の原因。
「宏美さんはどうして悠太さんをフッたのですか?」
「うっ…。」
バツが悪そうな顔をする宏美。
「恋愛として好きじゃないと言うのは事実じゃなかったのですか?」
「うぅっ…!?」
そ、その間違いじゃないし今のままじゃ無理だと思ったのは事実だけど…。」
「だけど?」
「だけどその…。」
これは…訳ありっぽいですね…。
そしてこの状況をどうにかするにはまずこの訳ありな状況を解消させる他ない。
「その?」
そうして、渋々ながらに宏美さんは自分の思いや現状をゆっくり自分の言葉で話してくれました。
それは概ね私の予想通りの物でした。
「なるほど。」
正直どちらの言い分も分かる。
急に別れを告げられた悠太さんの気持ちも分かるし、告げた側の宏美さんの気持ちも。
きっと宏美さんはその一人でどうにも出来ない悩みを、一人で無理やり考えに考え込んで結論を出したのだろう。
そう思うとどうにもやりきれない。
私はどうするべきなのでしょうか…。
今のままでは二人はお互いの気持ちを理解できないまますれ違ってしまう。
かと言ってこれは2人の問題だ。
あくまで第三者でなければならない私が下手に手を加えて取り返しの付かない事になりでもしたら目も当てられない、、
そうして悩むリオを、リタは遠くからつまらなそうな目で見ていた。
「はぁ…アホくさ。
そうやって結局何もしないからリオちんはリオちんなんだよ。」
その点私は違う。
こんな面白い状況、何もせずに見てるなんてしない。
「せいぜいそこで指を加えて見てると良いよ。」
そうつぶやき、リタはほくそ笑む。
一方その頃。
「はぁ、なるほどね。」
スターフロンツにて。
※瑞穂目線
対面にハルたんが座り、あたしはさっきまでの事を根掘り葉掘り聞き出されていた。
「あたしがムカついた理由も分かるでしょ!?」
「まぁ…分からなくはないわね…。」
「だよね!?なら…。」
「でも生徒会の人間のあなたがあんな目立つ場所で問題を起こしていい理由にはならないわね。」
「うぅっ…。
あ、あたしだってあそこまで苛立たされるとは思ってなかったと言うか…。
それにほら!ハルたんも悠太の事「コホン!悠太君は大事な友達よ。」おぉう……。
でも気持ちは分かるんだよね?」
「えぇ、そうね。
仮にもし、万が一にも私が悠太君の事をその…好きだとしたらあまりいい気分はしないわね。」
照れ臭そうな顔でそんな事を言う姿も可愛らしくて実に憎らしい。
「うへぇ…めんどくさ…「何か言った?」
滅相もありません!?」
危ない危ない。
下手に口を滑らせたら何されるか分かった物じゃない。
「とにかく、このままという訳にもいかないでしょ。」
「そうだね。
でもあたしは謝るつもりとかないし。」
「そうでしょうね…。」
呆れ顔で頭を抱えるハルたん。
元より注意されたからって素直に謝るような想いならわざわざ喧嘩なんてしない。
こっちは相手が何かしら動きを見せるまで、とことんやり合うつもりだ。
そうじゃないと。
「本当に気に入らない。」
「あんたの事だから言いだしたら聞かないんだろうけどさ、あんまり揉め事を起こさないようにしてよ?」
「はーい。
今度からは目立たないようにしまーす。」
「分かってない!」
このままフェイドアウトなんてさせてやるもんか。
「宏美さん!」
「はぁ…はぁ…なんで普通に追いつけるの…。」
全力疾走して息も絶え絶えな宏美さんに追いつき、背中をさする。
確かに私は走るのは得意な方じゃないし、普通に走って追いかけたら追いつけない。
まぁそれは宏美さんも同じだからこんなに息も絶え絶えになってるんだろうけど。
申し訳ないが私が彼女に追いつけたのはこっそり瞬間移動を使ったからである。
そして彼女もそれに気付いたのか恨めしそうに睨んでくる。
「瑞穂さんと何かあったんですか?」
「別に…あの人が勝手にからんできてただけ。」
「ほんとにそうですか?
そうなった原因、分かってるんですよね?」
「だったら何…?
その理由を聞いて悠太に話すつもり?」
「話しませんよ。」
そうキッパリ断言する。
「じゃあ…なんで。」
「宏美さんがどう思ってるかは分かりませんが、お友達として辛そうにしているあなたを見て心配だから、ではいけませんか?」
そう言って優しく微笑むと、宏美は心苦しそうな表情をした。
「ほんと…惨め過ぎて嫌になる。」
かと思うと、宏美は泣きそうな顔で頭を抱える。
「分かってるんでしょ?
私があいつの事、どう思ってるか。」
「はい、おそらく。」
「でもほら、私は他の元カノと違って何もしてない。
可愛気だってないし、あいつの前だとつい嫌な態度とっちゃう。
なのに誰かに取られたくなんかなくて、口出ししたり、今みたいに喧嘩になったり、あの人からしたらそんな中途半端な私が気に入らなかったんだろうね。」
「…想いを伝えようとは思わなかったんですか?」
「駄目だよ。
私にはそんな資格ない。」
「そんな事…。」
「ほんとはね、花火大会の日に…告白しようとしたんだ。」
「え?」
それは初耳だった。
悠太さんからもそれらしい話をされた覚えはない。
「でも、駄目だった。
私の告白は、あいつには全く届かなかった。」
「届かなかった…?」
「ちょうど花火が鳴ってね。
その大きな音で私のちっぽけな想いも、勇気も言葉も全部、打ち砕かれたの。」
「そんな…。」
「でもきっとこれで良かったんだと思ってる。」
「え?」
「だってこんなめんどくさい奴に告白されなくても悠太の周りにはもっと魅力な人達がいる。
何もしてなかった私はだから彼女たちに劣等感を抱いて…。
あの人にめちゃくちゃキレられた。
そりゃそうだよね。
やり方はともあれ積極的にアプローチしてる奴と何もせずに難癖つけてくる奴、どっちが悪いかなんて言わずもがなだもん。
仮にもし告白して届いてたとしてもフラれるのは分かってるし…悠太からすれば自分からフッておいて今更なんだって感じだし。
だからもう諦めようって。」
なるほど。
これが最近の彼女の変化の原因。
「宏美さんはどうして悠太さんをフッたのですか?」
「うっ…。」
バツが悪そうな顔をする宏美。
「恋愛として好きじゃないと言うのは事実じゃなかったのですか?」
「うぅっ…!?」
そ、その間違いじゃないし今のままじゃ無理だと思ったのは事実だけど…。」
「だけど?」
「だけどその…。」
これは…訳ありっぽいですね…。
そしてこの状況をどうにかするにはまずこの訳ありな状況を解消させる他ない。
「その?」
そうして、渋々ながらに宏美さんは自分の思いや現状をゆっくり自分の言葉で話してくれました。
それは概ね私の予想通りの物でした。
「なるほど。」
正直どちらの言い分も分かる。
急に別れを告げられた悠太さんの気持ちも分かるし、告げた側の宏美さんの気持ちも。
きっと宏美さんはその一人でどうにも出来ない悩みを、一人で無理やり考えに考え込んで結論を出したのだろう。
そう思うとどうにもやりきれない。
私はどうするべきなのでしょうか…。
今のままでは二人はお互いの気持ちを理解できないまますれ違ってしまう。
かと言ってこれは2人の問題だ。
あくまで第三者でなければならない私が下手に手を加えて取り返しの付かない事になりでもしたら目も当てられない、、
そうして悩むリオを、リタは遠くからつまらなそうな目で見ていた。
「はぁ…アホくさ。
そうやって結局何もしないからリオちんはリオちんなんだよ。」
その点私は違う。
こんな面白い状況、何もせずに見てるなんてしない。
「せいぜいそこで指を加えて見てると良いよ。」
そうつぶやき、リタはほくそ笑む。
一方その頃。
「はぁ、なるほどね。」
スターフロンツにて。
※瑞穂目線
対面にハルたんが座り、あたしはさっきまでの事を根掘り葉掘り聞き出されていた。
「あたしがムカついた理由も分かるでしょ!?」
「まぁ…分からなくはないわね…。」
「だよね!?なら…。」
「でも生徒会の人間のあなたがあんな目立つ場所で問題を起こしていい理由にはならないわね。」
「うぅっ…。
あ、あたしだってあそこまで苛立たされるとは思ってなかったと言うか…。
それにほら!ハルたんも悠太の事「コホン!悠太君は大事な友達よ。」おぉう……。
でも気持ちは分かるんだよね?」
「えぇ、そうね。
仮にもし、万が一にも私が悠太君の事をその…好きだとしたらあまりいい気分はしないわね。」
照れ臭そうな顔でそんな事を言う姿も可愛らしくて実に憎らしい。
「うへぇ…めんどくさ…「何か言った?」
滅相もありません!?」
危ない危ない。
下手に口を滑らせたら何されるか分かった物じゃない。
「とにかく、このままという訳にもいかないでしょ。」
「そうだね。
でもあたしは謝るつもりとかないし。」
「そうでしょうね…。」
呆れ顔で頭を抱えるハルたん。
元より注意されたからって素直に謝るような想いならわざわざ喧嘩なんてしない。
こっちは相手が何かしら動きを見せるまで、とことんやり合うつもりだ。
そうじゃないと。
「本当に気に入らない。」
「あんたの事だから言いだしたら聞かないんだろうけどさ、あんまり揉め事を起こさないようにしてよ?」
「はーい。
今度からは目立たないようにしまーす。」
「分かってない!」
このままフェイドアウトなんてさせてやるもんか。
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