彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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The尾行!

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悠太さんと生徒会長がデート(?)してる頃。

私、リオと日奈美さん、津川さん、金澤さんそして他の生徒会メンバー二人はその後をこっそりつけていた。

事の発端は津川さんが、「悠太、ハルたんと二人きりで勉強会するんでしょ?

これってデートだよね?

面白そうだし後つけてみない?」

と言い出したのが始まりだった。

「た、確かに二人きりって感じみたいですけど……ただ勉強するだけじゃないんですか?」

私が言うと、津川さんはちっちっちと言いながら指を振る。

「だってそれならわざわざ二人にこだわる必要ある?

ただ勉強会するだけならあたし達が居ても良いわけじゃん?」

「まぁ……確かに……。」

「でしょ?

もしかしたら二人きりでしか出来ないあんな事やこんな事までしちゃうかもだし?」

「瑞穂ちゃん!?な、なななな……何を言ってるの!?」

動揺する絵美さん。

「何ってデートでしょ?

手も繋ぐだろうし、キスもするだろうし、そしたらそう言う雰囲気になってホテルとか。」

「だから何言ってんの!?」

顔を真っ赤にする絵美さん。

「そ、そうやで!?

う、ウチらまだ高校生やで!?」

蘭さんも顔を赤くして動揺する。

「う、うん、私達にはまだ早いよ……。」

日奈美さんも顔を赤くする。

「えー、別に早くないでしょ。

中学生とかでも普通にしてる人居るでしょ?」

「悠太が望むなら私はウエルカムだけど他の人に先を越されるのはなんとしてでも阻止したい……!」

恥じらう素振りさえ一切見せない志麻さん。

「お、お二人ともそれくらいにしときましょ。

二人は平気かもしれませんがもう三方はそっち系の話にはついていけてないみたいですし……。」

私が二人を宥めると、今度は津川さんの目が私に向く。

「まぁでもリオちゃんにはちょっと早いかぁ。」

と、津川さん。

「その見た目だもんね。」

と志麻さん。

「どういう意味ですか!?

私!一応あなた方と同い年ですけど!?」

実際は違うけどでも皆さんより年上だし!

そう言い返すと、二人は意地の悪い笑みを浮かべる。

「ほーん?じゃあリオちゃんはやったことあんの? 」

ニヤニヤしながら聞いてくる津川さん。

「ふぇ!?」

「あるなら是非聞かせてもらいたいなぁ。」

と、志麻さん。

「え、あるの?」

意外そうな表情の日奈美さん。

うぅっ!なんですかこの空気は!?

「わっ!私だって!彼にあーんをしてあげた事くらいありますから!」

ヤケになって叫ぶと、日奈美さんと生徒会メンバー二人はほっと胸をなでおろした。

そして津川さんは、と言うと。

大爆笑だった。

「わ、笑わないでくださいよ!」

「ははは、ごめんごめん!

ただヤケになって言った割にはあまりにもウブ過ぎたから!」

ううっ……。

そもそも仕方ない話だ。

天使は本来清廉潔白であるべきな筈だし、そんな天使である私が見習いである内から不純異性交友なんて……。

「ま、まぁ、ついていけば分かるやろ。

ウチらも会長がどう言う目的なんかは気になるしな。」

結局蘭さんがそう言って話を纏めた。

そんなこんなで早速尾行を始めた訳だが。

「会長、気合い入っとるな……。」

会長が待ち合わせ場所らしい駅のモニュメント前に到着したのは、聞いていた待ち合わせ時間の1時間程前。

ちなみに私たちが来たのも大体それくらいだ。

まだ悠太さんは当然ながら来ていない。

それも本人的には想定内だったらしく、手頃なベンチに腰かけて待ち始める。

元の素材がいいので可愛らしい服装を着る事で更にその魅力が際立っていた。

仕切りに手鏡を見ながら髪やメイクの状態を確認したり、スマホにチラチラと目を向けて連絡が無いかを確認したりと、どこか落ち着かない様子で忙しない。

その様子を見ていた全員、なんなら通行人でさえもこう思っただろう。

これは間違い無くデートで、彼氏を待っているんだと……。

本人からしてみれば単純に異性と二人で出かける機会が少なくて緊張しているが故の行動なのだが、見ている側からすればそんな本人の思いなど知る由もないのである。

だから、と言うか。

そんな彼女の思いになど気付かずにただそのデート(?)用に洗練されている容姿だけを見た奴らは……と言うと。

「君可愛いね!良かったら俺らと遊ばない?」

こんな風にナンパをするのである。

迷惑そうにあしらおうとするも効果は無し。

助けに行った方が良いのでは……と思ってハラハラしながら見ていると、そこに呑気な顔をしてやっと悠太さんが現れた。

と言っても悠太さんが来たのも30分前な訳ですが……。

悠太さんはあっという間に暴力沙汰にせずにナンパ男を追い払ったが、それを見ていた瑞穂さんはまたも大爆笑。

「ははは!なんなのあの追っ払い方。

どんだけ陰キャなのよ、ウケるw!」

二人に聞かれないかヒヤヒヤだったが、どうやら気付かれてないらしい。

その後悠太さんがボケて会長がツッコんだりを繰り返したりをしてる内に、行先はスタフロに決まったらしい。

なんだか……本当に楽しそうだな……。

また少しモヤモヤする。

離れた席に陣取り、様子を盗み見る。

「へぇ?悠太もあたしの事そんな風に思ってたんだ。」

褒めたら調子に乗るからと生徒会長が言って悠太さんがそれに同意するのを見て、津川さんが乱入しようとしていたけどなんとか抑えつけた。

そうこうしていたら勉強会が始まる。

結果はどうやら相当悪いらしい。

「これは私が手取り足取り教えてあげなきゃ!」

更にそれに乱入しようとする志麻さんを日奈美さんが押さえ付ける。

その後、会長の口から今回の目的が告げられる。

会長、鋭いな...。

「あーそうなんだ。」

初めて聞いたであろう津川さんはそんなあっけらかんとした反応だった。

「驚かないんですか?」

「そりゃね、だってこんな悠太都合の世界、創作じゃなきゃ有り得ないよ。

それこそ悠太の事が大切で大好きなやつが作った世界って感じじゃなきゃ。

普通なら有り得ない話だけどそれ聞いてたら有り得ないとも思えないかなって。」

「な、なるほど。」

そして、唐突な悠太さんの自分語りに少ししんみりとした空気になる。

絵美さんはこれまで関われなかった時の話だからか辛そうに聞いてるし、志麻さんはと言うと……。

「悠太をいじめるなんて……許さない……絶対に……!一生フラれろうの呪いをかける!」

フラれろうの略称はここから生まれたとか違うとか……。

日奈美さんも日奈美さんで辛そうに聞いている。

日奈美さんは多分ずっと一緒に居たからこそ何も出来なかった事が尚の事辛いのだろう。

「とにかくその上で私から一つ提案があるんだけど。」

「提案?」

なんだろう?

私達も耳をすませる。

「そこで聞き耳たててるあなた達も聞きなさい。」

え!バレてた!?

「なぁんだ、バレてたんだ。」

言いながらそちらに歩み寄る津川さん。

「えぇ、だからこれみよがしに素行はアレだけどって言ってたんだけど。

と言うかあんなデカイ笑い声気付かない訳ないでしょ?」

「え?わ!お前らいつの間に!」

そりゃそうだよね……。

あ、でも悠太さんは気付いてなかったんだ……。

「確信犯か!?」

「あんたが尾行なんかするからでしょうが……。

全く、彼から事情を聞くために二人きりの勉強会にしたのに。」

なんて言って会長はため息を吐く。

「え?」

「え?」

「デートじゃないの?」

恐らく悠太さん以外の全員が思っているであろう事を、津川さんが事も無げに言う。

「でっ!?

そ、そんな訳ないじゃない!」

「あだぁっ!?」

顔を真っ赤にした会長のチョップが、津川さんの脳天に炸裂する。

「そうだぞ瑞穂!

せっかくの神様仏様生徒会長様のお施しに対してなんて失礼な事を!」

「三澄悠太君も何を言ってるの!?」

会長の返しにえー、だめー?とか考えてる悠太さん、、やれやれですね……。

「だ、だって!あ、あんなに早く来てあんなにソワソワして、身なりとかしきりに気にしてるの見たら誰でもそう思うって!」

「え、会長そうなの……?」

「ち、違っ!?しょ、しょうがないじゃない!男の子と二人きりで出掛けるのなんて初めてなんだから!」

「いや、だからって、ねぇ……?」

呆れ顔の瑞穂。

「そ、そんな事ないわよね!?二人共!」

ここで会長は縋るような思いで二人の生徒会メンバーに目を向ける。

「あー……えっと……。」

「まぁ、なんや……。

解釈のしかたは人それぞれやから……。」

「蘭ちゃんそれフォローになってない、、」

「そん、な……。」

愕然とする会長。

なんだか可哀想になってきました……。

「あー、えっと……会長が俺に気を使って色々動いてくれたってのは伝わったよ、ありがとう。」

「え、えぇ……。

なんだか釈然としないけど三澄悠太君が分かってくれているのなら良いわ……。

ひとまず話を戻すわね。

実は今年の夏休みは生徒会主催で夏の勉強合宿をしようと思っているの。」

「勉強合宿?」

「そ、差し当たり夏休みに入って2週目の土曜日から2泊3日。

下宿先は私の親戚の別荘を借りるから必要費用は交通費くらい。

悪い話じゃないでしょ?」

「ま、まぁそうだけど……。」

「ちなみに名目は勉強合宿だからこれに参加すれば、夏休みの補習は免除になるわ。」

「参加する!」

「いや、決断はやっ!?」

これには流石に私もツッコむ。

「いや、だってお前、補習免除だぞ!?合宿だぞ!?いかない理由がどこにある!?」

「必死だなぁ……。」

そうして大興奮の悠太さんを見て、会長が小さくほくそ笑んでいる事を……悠太さんは気付いていなかったみたいでした……。

と、言う訳で私達は夏の勉強合宿に参加する事になったのだった。




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