彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

文字の大きさ
65 / 258

カタクチイワシとスイーツビュッフェ

しおりを挟む
「って事があったんだ。」

「……ふぁはひははにほきははれへるんへふはね。(わたしは何を聞かされてるんですかね。)」

「口の中の物をしまってから喋りなさいこのロリ天使。」

「だ!だって!こんな機会中々無いんですもん!」

今俺はロリ天使ことリオと二人でスイーツビュッフェに来ている。

「……それに、私言いましたよね、ちゃんと名前で呼んでくださいって。」

「だから呼んでんだろ、ロリ天使って。」

「喧嘩売ってるんですかね?買いますよ?」

「天使の顔じゃない!?」

顔は笑っていても分かる黒いオーラと圧。

ひーん怖いよう……。

さて、今日は金曜日。

激動の1週間を終え、明日からは遂に合宿!と言うタイミングでリオから近況報告と今後の打ち合わせの為の呼び出しがあった。

それはそれとして。

「なんでスイーツビュッフェ……?」

一応同じ家に住んでいる訳だし、わざわざこんな所に来る必要はなかったのだが。

「なんか話を逸らされたようで気に入らないですが……まぁ良いです。

私、下界に来たら一度は来てみたいと思ってたんですよ。」

いや、めっちゃ私利私欲で草。

そうウットリとした表情で山盛りのケーキに目を向けるリオ。

「まぁそりゃ毎日目刺しばっか食ってたらな……。」

「うっ……痛いところを……。」

あ、やっぱりまだ続いてるのか……。

お悔やみ申し上げます……。

「それより悠太さん、俺はもう恋愛なんかしたくないんだぁとか言いながらなんだかんだ充実した夏休みを過ごしてるじゃないですか。」

言いながら小さな口で合間合間にケーキを頬張るリオ。

その度に幸せを噛み締めているような表情は確かに天使のそれで。

それは良いけどこの子ってこんな大食いキャラだったかしらん……。

「それだけ充実してて恋愛したくないっておかしいでしょ。」

「いや……でもさ。

それだけで片付けられるものでもないだろ……。」

「あいっかわらずめんどくさいですねー。

目の前に自分を好きって言って追いかけてくれる異性がいる。

高校生が恋愛するのにこれ以上の理由がいりますか?」

あいつの場合は追いかけ方も恋愛感情の向け方にも色々問題があるんだけどなぁ……。

まぁ実際そうなのかもしれない。

現実世界で俺が高校生だった時も、卒業して数年くらいの頃も、結構何も考えずに彼女が欲しい!って感じだった。

今リオが言うように、それなりに可愛くて自分の事を好きだと言う異性が居たらその頃の俺なら何も考えずに付き合っていただろう。

実際初めての彼女だった志麻と付き合ったのだって半ば強引だったと言うのもあるが、それなりに可愛くて自分の事を好きという存在を前に満更でもなかったからなように思う。

大人になってそれなりに経験も重ねた今の自分からすればそんなの無謀以外の何ものでもない。

まず、相手は県外だ。

当然だが会うのだって簡単じゃないし、もし結婚する、なんて事になればどちからが地元を離れる事になる。

これは志麻と美江は離れたくない派で、瑞穂は元々将来離れてこちらに住むつもりだった事から離れる派に分類される。

ちなみに宏美の場合は同じ市内で距離も近かったので除外である。

実際、そう言う離れる、離れない騒動が志麻、美江との交際を終わらせるキッカケになってしまった事は否めない。

志麻と恋愛した事に関してで言うならまだある。

相手はSNSを通じて知り合ったばかりなのだ。

そんな何も知らない相手と電話して意気投合したから付き合う、だなんて今になって思えばほんと無謀が過ぎる話である。

そんなのSNSで横行してる釣りアカウントに騙されてもおかしくない……。

何より。

「結局俺自身が相手をどう思うか、だろ。」

「まぁそうですけど。」

実際俺はこれまで自分を好きだと言って付き合った彼女達にそんな感情を向けてこれていたのだろうか。

志麻の時と同様ただ彼女が欲しくて、だから自分を好きだと言ってくれる相手を利用しただけ?

もしそうなら俺はなんて最低なんだろう。

「なぁリオ。

好きってなんだろう。」

「……急にどうしたんですか?」

「俺はさ、これまで付き合ってきたあいつらと一緒に居て楽しいとか幸せだとか思ってた。」

「なら……「でもそれって結局ただ好きだからって言う理屈になるとは限らないだろ。」

はぁ……。」

「それを本当の意味で好きだって思おうとした。

でもただ楽しくて幸せだってだけなら友達と一緒にいる時だってそうだ。

別に彼女とじゃなくても出来る。

結局そんな中途半端な気持ちだから相手を幸せにするなんて出来なかったんだと思う。」

「好きの定義、ですか。

悠太さん、日奈美さんの事はどう思って「そんなの世界一大好きに決まってんだろ!」このシスコン……。 」

「は!?さてはお前それが言いたかっただけだろ!?」

「いや……そう言う訳でもないですが……。

なら千鶴先生は「宇宙一好きに決まってんだろ!?」はぁ……」

まさかのガチため息!?

「それと恋愛感情の何が違うんですか……?」

「うっ……だからそれは……。」

「違いませんよ。

良いじゃないですか。

あなたにとって二人は特別なんでしょ?」

「いや……でもひーちゃんは最強の妹だし千鶴さんは最高の女神様だし……。」

「あなたが重度のドルオタ兼シスコンなのはよく分かりましたから……。

でもそれなら分かるでしょう。

あなたはきちんと人を愛する事の意味を理解している。

なら今度は本当に向けたいと思う相手をこの世界で見つければ良い。」

「簡単に言うけどなぁ……。

そんな簡単に……「出来なくてもやらなくちゃいけないんですから。

じゃないとあなた、本当に死にますよ?」ひんっ...。」

正直今も不安しか無い。

生まれ変わったとは言え、そんな相手が出来るかどうかの不安。

そして出来たとしてその人を幸せに出来るかどうかの不安。

見限られてまたフラレる事への不安。

そんな不安に駆られ続けるくらいなら、正直もう恋愛なんてしない方が良いと頭の中で弱い自分が言う。

「ま、焦らなくてもゆっくり考えてみたらいいんじゃないですか?

明日からは合宿もある訳ですし。

もしかしたらそれをキッカケに何かが変わるかもしれませんしね。 」

「そう、だな。」

先の事は分からない。

でもひょっとしたら今リオが言うように、今感じる不安や思いを打ち消すような何かがこの先起こるのではないか。

そうなったとき俺はどうなって、最終的に誰を選ぶのだろう。

そんな事を考えたところで、今は何も分からない。

それはそれとして……。

この子どんだけ食べるのかしらん……。

既に何周目か分からないケーキ山盛り皿を見て、よっぽどこれまでの目刺し生活が苦痛だったんだなと思い今度にしんの缶詰でもプレゼントしてやるかと思うのだった。

「何故鰊!?」

「何言ってんだ。

カタクチイワシと鰊は仲間だろうが。」

「それ分かってて当てつけで言ってんですか!?」

「心配するな。

鰊って言っても塩漬けにして発酵させたりしないから。」

「それなら安心……じゃないですよ!?

そんな公害レベルで臭い物絶対送らないでくださいよ!?」

ダメかぁ……。

「あとそう言えば瑞穂さんの件で言ったら私も一応クラスメイトなんですが...。」

「すいません調子に乗りましたトップシークレットでおなしゃす!」











しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件

暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件

こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。 ・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。 ・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。 ・物静かで儚げな美術部員。 ・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。 ・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。 拓海の生活はどうなるのか!?

『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』

まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。 朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。 「ご主人様の笑顔が見たいんです」 その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。 全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!? 甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。 ​「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」 ​「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」 ​「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」

【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。

エース皇命
青春
 高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。  そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。  最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。  陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。  以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。 ※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。 ※表紙にはAI生成画像を使用しています。

クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる

グミ食べたい
恋愛
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。 彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。 だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。 容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。 「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」 そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。 これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、 高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。

処理中です...