96 / 232
恋は盲目
しおりを挟む
※リオ目線。
成り行きではありますが、今日から私もバイトデビューする事になりました。
人間界でバイトするなんて初めてなのでちょっと楽しみだったりします。
悠太さんも一緒だし……。
いや、それはただ知り合いと一緒だからですからね……。
別に他意はありませんよ。
って誰に言い訳してるんでしょうか……私は。
兎に角きっと楽しくなるはず!……そう思っていたのですが……。
志麻さんは相変わらずだし……なんと悠太さんから聞かされたトラウマエピソードの二人がアルバイト先で働いていたのです。
「リオちゃん、宜しく。
うちの職場忙しい時はほんと忙しいから覚悟しなよ?」
嫌悪感があるからか、悠太さんには凄く厳しかった神田さんも私にはとても優しかった。
「はい!頑張ります!」
「うん、分からない事は気軽に聞いてくれていいから。」
「ありがとうございます。」
優しい先輩バイトさんがいて良かったです……。
なんて安心していられたのも束の間。
「リオちゃん!そっち宜しく!」
「あ、はい!」
そこから慌ただしく動き回りながらも、神田さんにはその合間に接客のやり方からレジの使い方とかを本当に分かりやすく教えてもらった。
「三澄!遅い!」
「はひ!?」
ほんと、、悠太さんには厳しいけど……。
でもこうして関わってみて神田さんが本当は優しい人だと言うのが分かりました。
それは多分悠太さんも気付いてると思います。
だからあんなに厳しくされても言われた通りに仕事をしている。
対して……。
「悠君、頑張ってね!」
「あ、あの。」
もう一人の先輩アルバイトの豊原先輩はと言うと……正直苦手です。
「……何?」
神田さんにも色々教えてもらったのですが、当然神田さんでも教えられない場面や分野はある。
だからこうして豊原先輩にも聞かなきゃいけない事がある訳なのですが……。
「えっと...。」
「用があるなら早くしてくれないかな。」
不機嫌を隠さないような態度と言葉遣い。
「ご、ごめんなさい。
これはどこに片付けたら……。」
「あぁ、その辺に置いとけば?
あ、悠君!」
悠太さんの顔を見ると、少し前まで私に向けていた無愛想な表情が見るからに変わる。
確かに、転生前の世界で、悠太さんは彼女に告白されたと言っていました。
悠太さん以外有り得ないと言う程だったらしいですが、最終的に彼女は別の人と結婚したと聞いています。
それがどうしてそうなったのかは聞いてないし、そうなるまでにどんな心境の変化があったのかは分かりません。
でもそんな状態で転生したなら、悠太さんへのあの態度はどういう事なのでしょう。
その辺りの話も含めて悠太さんと話さないと……。
そして昼休憩。
早速悠太さんに相談しようと思っていたのですが……。
「そうだ!悠君良かったら私のお弁当少し食べない?ちょっと多めに作ったの!」
なんて、近くに私が居るのにもお構い無しで持って来た弁当を広げて悠太さんに差し出す豊原先輩。
なんと言うかあれですね……。
好きな人と自分しか世界に居ない、見えてないとでも言いたいような……。
まるでこの状況をあえて見せつける事によって邪魔をするなと牽制しているかのような……。
兎に角、状況的にとても気まずいのは確かです。
持ってきていたお弁当も正直全然味がしませんでした……。
「私、先に戻りますね。」
いつもなら絶対食べ切れる筈のお弁当を、今日は食べる気になれず半分以上残してしまいました……。
正直気まずさもあります。
でも何故か目の前で築かれている二人だけの世界が見ていられず、その場を離れずにはいられませんでした。
悠太さんも何か話があるようだし、仕事帰りには一緒に帰って話せますかね……。
そして結局、それも叶わずに終わる。
「悠君!途中まで一緒に帰ろ!」
あぁ、まただ……。
私が入り込む余地なんてないし、入り込ませる気も無いような。
「私、先に帰りますね。」
そう言って背を向けた後、一度だけチラリと振り返ると、自然な感じで悠太さんの腕を引く豊原先輩が見えてモヤっとします。
なんでだろう、すごく寂しい。
朝一緒にバイト先に向かうまでは、いつでも話せていたのに。
なんだか悠太さんがとても遠くに行ってしまったような。
「疲れてるんでしょうか……。」
一人トボトボと駅に向けて歩く。
自然と足取りも重くなる。
本当にどうしてしまったんでしょうか。
今まで一人でいる時間の方が長かった。
家に帰っても一人だし。
それで別に寂しいと思った事は無かったし、いや最初は感じていたかもしれない。
でもいつからかそれが当たり前になって気にならなくなっていて。
なのに……。
今は一人で居る事がこんなにも寂しくて、胸が痛い。
早く帰ろう……。
駅に向かっていた足を止め、人目につかない場所に移動してから行きたい場所ドアを使って部屋に戻る。
引き出しから顔を出しても悠太さんはまだ居ません。
ドアを使ってすぐに帰ったから当然ですが……。
今頃豊原先輩と何をしているんでしょうか……。
不安と一緒にモヤモヤとした感情が渦巻く。
色々考えたところで何も変わらないし、きっと悪いようにしかならないだろう。
何もする気にならず、そのままベッドに倒れる。
「明日からもやっていけるんでしょうか……。」
まだ初日なのに……。
仕事自体は忙しいながらにやりがいがあって良いなと思った。
でもあんなのを毎日目の前で見せつけられる事を考えると、どうにも気が滅入ってしまう。
「もうこのまま寝てしまおう……。」
そうして私は目を閉じる。
成り行きではありますが、今日から私もバイトデビューする事になりました。
人間界でバイトするなんて初めてなのでちょっと楽しみだったりします。
悠太さんも一緒だし……。
いや、それはただ知り合いと一緒だからですからね……。
別に他意はありませんよ。
って誰に言い訳してるんでしょうか……私は。
兎に角きっと楽しくなるはず!……そう思っていたのですが……。
志麻さんは相変わらずだし……なんと悠太さんから聞かされたトラウマエピソードの二人がアルバイト先で働いていたのです。
「リオちゃん、宜しく。
うちの職場忙しい時はほんと忙しいから覚悟しなよ?」
嫌悪感があるからか、悠太さんには凄く厳しかった神田さんも私にはとても優しかった。
「はい!頑張ります!」
「うん、分からない事は気軽に聞いてくれていいから。」
「ありがとうございます。」
優しい先輩バイトさんがいて良かったです……。
なんて安心していられたのも束の間。
「リオちゃん!そっち宜しく!」
「あ、はい!」
そこから慌ただしく動き回りながらも、神田さんにはその合間に接客のやり方からレジの使い方とかを本当に分かりやすく教えてもらった。
「三澄!遅い!」
「はひ!?」
ほんと、、悠太さんには厳しいけど……。
でもこうして関わってみて神田さんが本当は優しい人だと言うのが分かりました。
それは多分悠太さんも気付いてると思います。
だからあんなに厳しくされても言われた通りに仕事をしている。
対して……。
「悠君、頑張ってね!」
「あ、あの。」
もう一人の先輩アルバイトの豊原先輩はと言うと……正直苦手です。
「……何?」
神田さんにも色々教えてもらったのですが、当然神田さんでも教えられない場面や分野はある。
だからこうして豊原先輩にも聞かなきゃいけない事がある訳なのですが……。
「えっと...。」
「用があるなら早くしてくれないかな。」
不機嫌を隠さないような態度と言葉遣い。
「ご、ごめんなさい。
これはどこに片付けたら……。」
「あぁ、その辺に置いとけば?
あ、悠君!」
悠太さんの顔を見ると、少し前まで私に向けていた無愛想な表情が見るからに変わる。
確かに、転生前の世界で、悠太さんは彼女に告白されたと言っていました。
悠太さん以外有り得ないと言う程だったらしいですが、最終的に彼女は別の人と結婚したと聞いています。
それがどうしてそうなったのかは聞いてないし、そうなるまでにどんな心境の変化があったのかは分かりません。
でもそんな状態で転生したなら、悠太さんへのあの態度はどういう事なのでしょう。
その辺りの話も含めて悠太さんと話さないと……。
そして昼休憩。
早速悠太さんに相談しようと思っていたのですが……。
「そうだ!悠君良かったら私のお弁当少し食べない?ちょっと多めに作ったの!」
なんて、近くに私が居るのにもお構い無しで持って来た弁当を広げて悠太さんに差し出す豊原先輩。
なんと言うかあれですね……。
好きな人と自分しか世界に居ない、見えてないとでも言いたいような……。
まるでこの状況をあえて見せつける事によって邪魔をするなと牽制しているかのような……。
兎に角、状況的にとても気まずいのは確かです。
持ってきていたお弁当も正直全然味がしませんでした……。
「私、先に戻りますね。」
いつもなら絶対食べ切れる筈のお弁当を、今日は食べる気になれず半分以上残してしまいました……。
正直気まずさもあります。
でも何故か目の前で築かれている二人だけの世界が見ていられず、その場を離れずにはいられませんでした。
悠太さんも何か話があるようだし、仕事帰りには一緒に帰って話せますかね……。
そして結局、それも叶わずに終わる。
「悠君!途中まで一緒に帰ろ!」
あぁ、まただ……。
私が入り込む余地なんてないし、入り込ませる気も無いような。
「私、先に帰りますね。」
そう言って背を向けた後、一度だけチラリと振り返ると、自然な感じで悠太さんの腕を引く豊原先輩が見えてモヤっとします。
なんでだろう、すごく寂しい。
朝一緒にバイト先に向かうまでは、いつでも話せていたのに。
なんだか悠太さんがとても遠くに行ってしまったような。
「疲れてるんでしょうか……。」
一人トボトボと駅に向けて歩く。
自然と足取りも重くなる。
本当にどうしてしまったんでしょうか。
今まで一人でいる時間の方が長かった。
家に帰っても一人だし。
それで別に寂しいと思った事は無かったし、いや最初は感じていたかもしれない。
でもいつからかそれが当たり前になって気にならなくなっていて。
なのに……。
今は一人で居る事がこんなにも寂しくて、胸が痛い。
早く帰ろう……。
駅に向かっていた足を止め、人目につかない場所に移動してから行きたい場所ドアを使って部屋に戻る。
引き出しから顔を出しても悠太さんはまだ居ません。
ドアを使ってすぐに帰ったから当然ですが……。
今頃豊原先輩と何をしているんでしょうか……。
不安と一緒にモヤモヤとした感情が渦巻く。
色々考えたところで何も変わらないし、きっと悪いようにしかならないだろう。
何もする気にならず、そのままベッドに倒れる。
「明日からもやっていけるんでしょうか……。」
まだ初日なのに……。
仕事自体は忙しいながらにやりがいがあって良いなと思った。
でもあんなのを毎日目の前で見せつけられる事を考えると、どうにも気が滅入ってしまう。
「もうこのまま寝てしまおう……。」
そうして私は目を閉じる。
10
あなたにおすすめの小説
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。
エース皇命
青春
高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。
そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。
最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。
陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。
以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。
※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
※表紙にはAI生成画像を使用しています。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる
グミ食べたい
青春
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。
彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。
だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。
容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。
「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」
そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。
これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、
高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる