96 / 258
恋は盲目
しおりを挟む
※リオ目線。
成り行きではありますが、今日から私もバイトデビューする事になりました。
人間界でバイトするなんて初めてなのでちょっと楽しみだったりします。
悠太さんも一緒だし……。
いや、それはただ知り合いと一緒だからですからね……。
別に他意はありませんよ。
って誰に言い訳してるんでしょうか……私は。
兎に角きっと楽しくなるはず!……そう思っていたのですが……。
志麻さんは相変わらずだし……なんと悠太さんから聞かされたトラウマエピソードの二人がアルバイト先で働いていたのです。
「リオちゃん、宜しく。
うちの職場忙しい時はほんと忙しいから覚悟しなよ?」
嫌悪感があるからか、悠太さんには凄く厳しかった神田さんも私にはとても優しかった。
「はい!頑張ります!」
「うん、分からない事は気軽に聞いてくれていいから。」
「ありがとうございます。」
優しい先輩バイトさんがいて良かったです……。
なんて安心していられたのも束の間。
「リオちゃん!そっち宜しく!」
「あ、はい!」
そこから慌ただしく動き回りながらも、神田さんにはその合間に接客のやり方からレジの使い方とかを本当に分かりやすく教えてもらった。
「三澄!遅い!」
「はひ!?」
ほんと、、悠太さんには厳しいけど……。
でもこうして関わってみて神田さんが本当は優しい人だと言うのが分かりました。
それは多分悠太さんも気付いてると思います。
だからあんなに厳しくされても言われた通りに仕事をしている。
対して……。
「悠君、頑張ってね!」
「あ、あの。」
もう一人の先輩アルバイトの豊原先輩はと言うと……正直苦手です。
「……何?」
神田さんにも色々教えてもらったのですが、当然神田さんでも教えられない場面や分野はある。
だからこうして豊原先輩にも聞かなきゃいけない事がある訳なのですが……。
「えっと...。」
「用があるなら早くしてくれないかな。」
不機嫌を隠さないような態度と言葉遣い。
「ご、ごめんなさい。
これはどこに片付けたら……。」
「あぁ、その辺に置いとけば?
あ、悠君!」
悠太さんの顔を見ると、少し前まで私に向けていた無愛想な表情が見るからに変わる。
確かに、転生前の世界で、悠太さんは彼女に告白されたと言っていました。
悠太さん以外有り得ないと言う程だったらしいですが、最終的に彼女は別の人と結婚したと聞いています。
それがどうしてそうなったのかは聞いてないし、そうなるまでにどんな心境の変化があったのかは分かりません。
でもそんな状態で転生したなら、悠太さんへのあの態度はどういう事なのでしょう。
その辺りの話も含めて悠太さんと話さないと……。
そして昼休憩。
早速悠太さんに相談しようと思っていたのですが……。
「そうだ!悠君良かったら私のお弁当少し食べない?ちょっと多めに作ったの!」
なんて、近くに私が居るのにもお構い無しで持って来た弁当を広げて悠太さんに差し出す豊原先輩。
なんと言うかあれですね……。
好きな人と自分しか世界に居ない、見えてないとでも言いたいような……。
まるでこの状況をあえて見せつける事によって邪魔をするなと牽制しているかのような……。
兎に角、状況的にとても気まずいのは確かです。
持ってきていたお弁当も正直全然味がしませんでした……。
「私、先に戻りますね。」
いつもなら絶対食べ切れる筈のお弁当を、今日は食べる気になれず半分以上残してしまいました……。
正直気まずさもあります。
でも何故か目の前で築かれている二人だけの世界が見ていられず、その場を離れずにはいられませんでした。
悠太さんも何か話があるようだし、仕事帰りには一緒に帰って話せますかね……。
そして結局、それも叶わずに終わる。
「悠君!途中まで一緒に帰ろ!」
あぁ、まただ……。
私が入り込む余地なんてないし、入り込ませる気も無いような。
「私、先に帰りますね。」
そう言って背を向けた後、一度だけチラリと振り返ると、自然な感じで悠太さんの腕を引く豊原先輩が見えてモヤっとします。
なんでだろう、すごく寂しい。
朝一緒にバイト先に向かうまでは、いつでも話せていたのに。
なんだか悠太さんがとても遠くに行ってしまったような。
「疲れてるんでしょうか……。」
一人トボトボと駅に向けて歩く。
自然と足取りも重くなる。
本当にどうしてしまったんでしょうか。
今まで一人でいる時間の方が長かった。
家に帰っても一人だし。
それで別に寂しいと思った事は無かったし、いや最初は感じていたかもしれない。
でもいつからかそれが当たり前になって気にならなくなっていて。
なのに……。
今は一人で居る事がこんなにも寂しくて、胸が痛い。
早く帰ろう……。
駅に向かっていた足を止め、人目につかない場所に移動してから行きたい場所ドアを使って部屋に戻る。
引き出しから顔を出しても悠太さんはまだ居ません。
ドアを使ってすぐに帰ったから当然ですが……。
今頃豊原先輩と何をしているんでしょうか……。
不安と一緒にモヤモヤとした感情が渦巻く。
色々考えたところで何も変わらないし、きっと悪いようにしかならないだろう。
何もする気にならず、そのままベッドに倒れる。
「明日からもやっていけるんでしょうか……。」
まだ初日なのに……。
仕事自体は忙しいながらにやりがいがあって良いなと思った。
でもあんなのを毎日目の前で見せつけられる事を考えると、どうにも気が滅入ってしまう。
「もうこのまま寝てしまおう……。」
そうして私は目を閉じる。
成り行きではありますが、今日から私もバイトデビューする事になりました。
人間界でバイトするなんて初めてなのでちょっと楽しみだったりします。
悠太さんも一緒だし……。
いや、それはただ知り合いと一緒だからですからね……。
別に他意はありませんよ。
って誰に言い訳してるんでしょうか……私は。
兎に角きっと楽しくなるはず!……そう思っていたのですが……。
志麻さんは相変わらずだし……なんと悠太さんから聞かされたトラウマエピソードの二人がアルバイト先で働いていたのです。
「リオちゃん、宜しく。
うちの職場忙しい時はほんと忙しいから覚悟しなよ?」
嫌悪感があるからか、悠太さんには凄く厳しかった神田さんも私にはとても優しかった。
「はい!頑張ります!」
「うん、分からない事は気軽に聞いてくれていいから。」
「ありがとうございます。」
優しい先輩バイトさんがいて良かったです……。
なんて安心していられたのも束の間。
「リオちゃん!そっち宜しく!」
「あ、はい!」
そこから慌ただしく動き回りながらも、神田さんにはその合間に接客のやり方からレジの使い方とかを本当に分かりやすく教えてもらった。
「三澄!遅い!」
「はひ!?」
ほんと、、悠太さんには厳しいけど……。
でもこうして関わってみて神田さんが本当は優しい人だと言うのが分かりました。
それは多分悠太さんも気付いてると思います。
だからあんなに厳しくされても言われた通りに仕事をしている。
対して……。
「悠君、頑張ってね!」
「あ、あの。」
もう一人の先輩アルバイトの豊原先輩はと言うと……正直苦手です。
「……何?」
神田さんにも色々教えてもらったのですが、当然神田さんでも教えられない場面や分野はある。
だからこうして豊原先輩にも聞かなきゃいけない事がある訳なのですが……。
「えっと...。」
「用があるなら早くしてくれないかな。」
不機嫌を隠さないような態度と言葉遣い。
「ご、ごめんなさい。
これはどこに片付けたら……。」
「あぁ、その辺に置いとけば?
あ、悠君!」
悠太さんの顔を見ると、少し前まで私に向けていた無愛想な表情が見るからに変わる。
確かに、転生前の世界で、悠太さんは彼女に告白されたと言っていました。
悠太さん以外有り得ないと言う程だったらしいですが、最終的に彼女は別の人と結婚したと聞いています。
それがどうしてそうなったのかは聞いてないし、そうなるまでにどんな心境の変化があったのかは分かりません。
でもそんな状態で転生したなら、悠太さんへのあの態度はどういう事なのでしょう。
その辺りの話も含めて悠太さんと話さないと……。
そして昼休憩。
早速悠太さんに相談しようと思っていたのですが……。
「そうだ!悠君良かったら私のお弁当少し食べない?ちょっと多めに作ったの!」
なんて、近くに私が居るのにもお構い無しで持って来た弁当を広げて悠太さんに差し出す豊原先輩。
なんと言うかあれですね……。
好きな人と自分しか世界に居ない、見えてないとでも言いたいような……。
まるでこの状況をあえて見せつける事によって邪魔をするなと牽制しているかのような……。
兎に角、状況的にとても気まずいのは確かです。
持ってきていたお弁当も正直全然味がしませんでした……。
「私、先に戻りますね。」
いつもなら絶対食べ切れる筈のお弁当を、今日は食べる気になれず半分以上残してしまいました……。
正直気まずさもあります。
でも何故か目の前で築かれている二人だけの世界が見ていられず、その場を離れずにはいられませんでした。
悠太さんも何か話があるようだし、仕事帰りには一緒に帰って話せますかね……。
そして結局、それも叶わずに終わる。
「悠君!途中まで一緒に帰ろ!」
あぁ、まただ……。
私が入り込む余地なんてないし、入り込ませる気も無いような。
「私、先に帰りますね。」
そう言って背を向けた後、一度だけチラリと振り返ると、自然な感じで悠太さんの腕を引く豊原先輩が見えてモヤっとします。
なんでだろう、すごく寂しい。
朝一緒にバイト先に向かうまでは、いつでも話せていたのに。
なんだか悠太さんがとても遠くに行ってしまったような。
「疲れてるんでしょうか……。」
一人トボトボと駅に向けて歩く。
自然と足取りも重くなる。
本当にどうしてしまったんでしょうか。
今まで一人でいる時間の方が長かった。
家に帰っても一人だし。
それで別に寂しいと思った事は無かったし、いや最初は感じていたかもしれない。
でもいつからかそれが当たり前になって気にならなくなっていて。
なのに……。
今は一人で居る事がこんなにも寂しくて、胸が痛い。
早く帰ろう……。
駅に向かっていた足を止め、人目につかない場所に移動してから行きたい場所ドアを使って部屋に戻る。
引き出しから顔を出しても悠太さんはまだ居ません。
ドアを使ってすぐに帰ったから当然ですが……。
今頃豊原先輩と何をしているんでしょうか……。
不安と一緒にモヤモヤとした感情が渦巻く。
色々考えたところで何も変わらないし、きっと悪いようにしかならないだろう。
何もする気にならず、そのままベッドに倒れる。
「明日からもやっていけるんでしょうか……。」
まだ初日なのに……。
仕事自体は忙しいながらにやりがいがあって良いなと思った。
でもあんなのを毎日目の前で見せつけられる事を考えると、どうにも気が滅入ってしまう。
「もうこのまま寝てしまおう……。」
そうして私は目を閉じる。
10
あなたにおすすめの小説
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
学年一可愛いS級の美少女の令嬢三姉妹が、何故かやたらと俺の部屋に入り浸ってくる件について
沢田美
恋愛
名門・雄幸高校で目立たず生きる一年生、神谷悠真。
クラスでは影が薄く、青春とは無縁の平凡な日々を送っていた。だがある放課後、街で不良に絡まれていた女子生徒を助けたことで、その日常は一変する。救った相手は、学年一の美少女三姉妹として知られる西園寺家の次女・優里だった。さらに家に帰れば、三姉妹の長女・龍華がなぜか当然のように悠真の部屋に入り浸っている。名門令嬢三姉妹に振り回されながら、静かだったはずの悠真の青春は少しずつ騒がしく揺れ始める。
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる
グミ食べたい
恋愛
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。
彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。
だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。
容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。
「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」
そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。
これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、
高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる