彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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波乱万丈奇々怪々

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さて、そんな訳で。

三澄悠太、転生後初のバイト生活スタート!

「三澄!1番卓片付け!」

「はい!」

「何してんの!3番卓注文待ってる!」

「はいっ!?」

「終わったら皿洗い!」

「ひいっ!?ただいま!!」

早速神田さん、いや神田様に良いように使われていた。

「悠太さん、こっちは任せてください!」

「おう、頼む!俺皿洗いしてくるから!」

テラ激務。

入ったばっかりの俺とリオも漏れなくそう感じさせられるぐらいに、昼のピーク時間は忙しさを極めた。

「皿洗い遅い!次来るよ!」

ひぃっ!?

皿洗いも皿洗いで、侮るなかれ。

片付けても片付けても減らない量、量。

かと言ってスピードに任せて適当にやる訳にもいかない。

次のお客様が使う物だから、確実に綺麗にしなければいけないのは勿論。

更に、集中しなければ手を滑らせて皿を割らないとも限らない。

スピードが求められ、かつ正確さも求められる。

「どう?悠くん。

うちの職場結構大変でしょ?」

「え?あぁ、はい。」

そんな風にどうにかこうにか皿洗いを片付けていると、横から豊原さんが話しかけてくる。

どうにもこの人の事は分からない事ばかりで気味の悪さすら感じてるんだよなぁ……。

最初から敵意丸出しの神田と違い、普通にフレンドリーな態度で関わってきている。

この人もこの人で普通に嫌われてても仕方ない筈なんだが……。

「悠君?」

「え?あ、はい。」

「悠君まだ入ったばかりなのに神田さんも人使い荒いよねー。」

「いや、まぁ……神田さんとは前に色々あったんで……。」

「そうなの?

それであんな感じなんだね。

大丈夫?」

「まぁ、神田さんに関しては俺の自業自得なので…。

せっかく働かせてもらってるんだし期待に応えられるように頑張りますよ。」

「悠君は相変わらず真面目だねぇ。

あんな感じ悪い態度取られたら普通の人なら愚痴の一つでも言いそうなのに。」

「別に言わないですよ。

アイツがただ感じ悪いだけのやつじゃないって知ってるつもりなんで。」

「へぇー真面目だし優しいよね。

あ、このお皿まだ洗剤が残ってるよ?」

「わ、本当だ!すいません!」

「仕方無いよ。

今日が初めてだし。」

「すぐに洗い直します!」

「あぁ、そんなに焦らなくても。」

「ちょっと!皿洗いにいつまで時間かけてんの!」

「は、はひ!ただい……あっ!」

豊原さんから皿を受け取ろうとして……。

それが上手く掴めずに皿は床に落ちる。

鈍い音と同時に皿は割れてしまう。

「あぁ、もぉ!何やってんの!」

やっちまった...。

一瞬呆けてしまう。

「あちゃー、派手に割れちゃったねー。」

調理中だったとみーさんも気付いて声をかけてくる。

「す、すいませんとみーさん。

すぐに片付けを……!」

「ここは私がやっておくから悠君は接客を手伝ってあげて?」

「あ、ありがとうございます。

でも割ったのは俺だし割れた皿は危ないんでそんな事させられませんよ。」

と言うか現状よく分からない相手に借りを作りたくないんだよなぁ……。

「やっぱり相変わらず優しいし真面目だよね。」

そんな俺の本音等知る由もなく…そう言って豊原さんは微笑む。

「買いかぶり過ぎですって……。」

「そうかなー。

私は良いと思うけどな。」

「はぁ、ありがとうございます。」

軽く返し、手早く箒と塵取りで破片を集める。

「片付けたらこの袋に入れておいてくださいね。」

そう言ってとみーさんが袋を渡してくる。

「すいません、とみーさんも忙しいのに……。」

「全然大丈夫ですよ。

さ、休憩までもうひと頑張りしましょ。」

「はい!」

言われた通りにして接客の方に戻る。

そんなこんなでやっと休憩時間。

「ハード、、だよな、、。」

「ですね……。」

休憩室で俺とリオは早速へばっていた。

「悠君お疲れ様。

1番忙しい時間帯は過ぎたし休憩明けはここまでじゃないと思うよ。」

言いながら豊原さんは俺の隣に座ってくる。

「あ、どうも……。」

せっかくの休憩時間でリオと二人の事を話しておきたかったんだけど……。

本人が隣にいるんじゃ難しそうだよな……。

「そうだ!悠君良かったら私のお弁当少し食べない?ちょっと多めに作ったの!」

「え、あぁどうも……。」

なんかこの人初っ端から距離感近めだよな……。

「この卵焼きとか自信作なんだ!食べて食べて!」

そう言って早速弁当を開き、卵焼きを差し出してくる豊原さん。
 
「あとこの唐揚げとかも!」

「じゃ、じゃあ。」

正直まだよく分からない相手ではあるが、食べ物に恨みは無いのでお言葉に甘えて頂く事にする。

「と言うか悠君なんだか他人行儀じゃない?

呼び方も豊原さんだし……。

前みたいに名前で呼んでほしいなぁ。」 

「あ、いや……まぁはい...。」

確かに前までは彼女の事を紗奈だから紗奈さんと呼んでいた。

でも今はちょっとなぁ……。

「敬語も!」

「わ、分かった。」

「うん、ありがとう!

さ、遠慮せずに食べてね!」

一応リオも近くに居るんだが……。

リオもリオで話に全く入れなくて気まずそうである。

でも紗奈さんはそんなリオの様子等お構い無しとばかりに俺に絡み続けた。

「どう?美味しい?」

「あ、あぁ。」

「本当!?嬉しいなぁ!また明日も楽しみにしててね!」

ちゃっかり明日の約束まで取り付けられてしまった。

そんなこんなで昼休憩は終わった…。

そこからの仕事は紗奈さんの言う様に昼のピーク時に比べると幾分かマシな物だった。

だから楽な訳でもないのだが…。

「じゃ、二人共初めてのお仕事お疲れ様!

大変だったと思うから帰ったらゆっくり休んでね!」

なんとか1日の仕事が終わり、とみーさんから労いの言葉を貰い。

よし、リオに……。

「あ、悠太さ……「悠君!近くまで一緒に帰らない?」」

同じく俺に気付いて声をかけようとしたリオを遮るように、紗奈さんが声をかけてくる。

「私、先に帰りますね。

悠太さん、また明日。」

「お、おう。」

そう言ってリオは俺の返事を待たずしてさっさと帰ってしまう。

「行こ、悠君。」

結局リオと全然話せなかったな……。

それに去り際のアイツなんだか辛そうに見えたような……。

「悠君?」

「え、あぁ……。」

「早く早く!」

強引に、と言うかナチュラルに腕を掴んで引いてくる紗奈さん。

ほんと、どうなってるんだ……?

分かるのは、紗奈さんはリオをまるで居ない物のように扱っていると言う事。

そして本来なら嫌われていても仕方無いのに、好感度が異様に高い気がする事。

これじゃあまるで……いや……まさか……。

とにかくリオにも相談したいけど携帯持ってないんだよな、アイツ……。

まぁアイツも話したそうだったから後で出てくるかな……?

「もう!悠君、私の話ちゃんと聞いてる?」

「え、あぁ悪い。」

兎に角今はこの機会にこの人の真意を探ってみるか……。
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