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事後報告とプレゼント
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さて、事後報告になるのだが。
あの後店長から事情を聞かれた紗奈さんはリオに対して辛く当たっていた事、そして弁当を捨てた事を認めた。
理由は俺と仲良くしていたリオが単純に羨ましかったから...らしい。
結局その後彼女はその後すぐにバイトを辞め、俺とリオに一瞥もよこさず逃げる様に職場を去っていった。
ちなみに神田さんにはめちゃくちゃ文句を言われた。
「そうしなくてもうちは万年人手不足なのにどうしてくれんのよ……。」
「返す言葉もございません...。」
「は?」
「すいませんでした!?」
「あまり彼を責めないであげてください。
こうなった原因で言うなら私にも責任はありますから。」
「リオちゃんはただ巻き込まれただけじゃん...。
元々コイツが優柔不断だからこうなったんでしょうが。」
「ぐう...。」
「ふざけてんの?ぐうの音も出なくしてほしい?」
「滅相もございません!?」
顔は笑顔なのに拳パキパキしてるの怖すぎんだろw
「まぁ...でもリオちゃんがそう言うなら私からはもう何も言わないわ。
実際あの人性格悪くて苦手だったし。
...今お前もだろとか考えなかった?」
「一切考えてませんっ!!」
「自分好みの男性客とかには露骨に態度変えてたの知ってるしね。
私は一応そう言うの一切しないようにしてるんだけどさ、たまたまあの人が好みの相手にオーダー聞きに言って愛想振り舞いた時は露骨に睨まれたりしてまぁめんどくさかったよね。」
「だから私に気を付けるようにと言ってくれたんですか?」
「まぁ、そんなとこ。
本当は私から直接彼女に文句言ってあげるのが良かったんだろうけどさ……。
ほんとごめん!彼女とは普段事務的な会話ぐらいしかしてないのに急に説教なんかして喧嘩になったり辞められたりしても困るとか色々考えちゃって…。」
「いえいえ、そうやって色々考えていただけただけで充分ですから。」
「リオちゃんいい子だわ…。
それに比べて…。」
こっち睨んで露骨に舌打ちしてきた!?
とまぁ…神田さんには散々言われた訳だが…。
店長はそんな事もあると優しく許してくれた。
明日から2人分働きます!
さて帰り道。
「なんだかまだ数日しか経ってないのに一緒に帰るのが随分久しぶりな気がしますね。」
「そうだなぁ。」
リオと並んで帰り道を歩く。
「その悪かったな、今回は。
神田さんの言う通り巻き込んじまって。」
「だからそれは別に悠太さんのせいでは…。
」
「いや、まぁ…実際神田さんの言う通り俺が最初からハッキリ突き放しとけばこうはならなかった筈なんだよ。」
「それはそれで気まずかったんじゃないですか…?」
「うっ…。」
振った相手と同じ職場で働くとか確かに気まずい…。
逆もまた然り。
いや俺逆の方が圧倒的に多かったわ…。
今度からもう少し元カノに優しくしようと思います、、
「それに、最後はちゃんと助けてくれたじゃないですか。」
そう言ってリオは嬉しそうに微笑む。
「それはまぁ…。」
「シスコンなのは相変わらずでしたが…。」
「何を言う、当たり前だろう。」
「はぁ、やっぱり悠太さんは悠太さんですね。」
「なんだよ?」
「いえ、いつも通りで安心しただけですよ。」
「ならもうちょっとそう思ってる顔しろよ…。
やれやれみたいな顔しやがって…。」
「ふふふ。 」
「笑ってごまかしやがった!?」
まぁ一難去って安心したってのは確かだ。
やっとリオに相談も出来る。
「それにしても…紗奈さんがまたって言ったのが気になるんだが。」
「そうですね。
この世界でも一度は告白して振られてるのでしょう。
まぁ今世では流石に結婚はしてなかったでしょうが、新しい彼氏ぐらいは居たんじゃないでしょうか。」
「だよなぁ。
で、その新しい彼氏にも振られたからって感じかな。」
「おそらくは…。
神田さんが言う通りの彼女なら一度は振られた相手だけど自分好みの相手が職場に入って運命を感じた、と言った所じゃないでしょうか…。」
「理屈としては分かるけど言葉にするとだいぶあれだな…。」
「まぁ…そうですね。
大前提としてこの世界は悠太さんのこれまでの人生設定を高校生と言う設定で違和感無く再現すると言うのがあります。」
「それで紗奈さんがあんな感じになってたのか…。
でもさ、もう一つ気になった事があるんだけど。」
「なんですか?」
「日奈美の事だよ。」
「日奈美さん、ですか?」
「リオの言う前提は俺もその通りだと思う。
でも日奈美に関してはどうにも腑に落ちない。
確かに日奈美は前世でも妹みたいな存在だった。
でも実際はみたいな存在であって本当の妹じゃない。
あくまでお互いで勝手にそう言う存在だと思い合ってただけだ。」
「そうですね。」
「そして、だ。
日奈美は実の妹って設定になってるのに、同じようにお互いが勝手にそう言う存在だと思い合ってる茉里愛と美紀は俺の事を悠兄と呼ぶけどそれだけだ。
そりゃ関係の長さで言うなら日奈美が一番だけども。
でもだからって実の妹になるって言うのが本当に必要な設定なのかとは思う。」
「そうですね…。
何か意味があるとは思いますが…。」
うーん……それにしても何か忘れてるような気が…。
「それって単純に悠君がその方が良いって思ってるからじゃないの?」
「うぉっ、宏美!?」
「え、宏美さん!?」
声に気付いて二人して振り向くと、いつの間にか宏美がついてきていた。
「いや、驚きすぎ…。
さっきからずっと後ろに居たんだけど…。」
「え、何お前もストーカーな訳…?
間に合ってるんだが…。」
「調子に乗んな。
ってかストーカーが間に合ってるってそれはそれでどうなのよ…。」
「それは本当にそう思う…。」
志麻どころか美江までそれっぽい事してたしなぁ…。
本人は全面否定してたけど…。
「まぁいいや、さっきの話だけどさ。
リオちゃんが言う前提は間違いないと思う。
でももう一つ、可能な限り悠君の願望に沿った設定になるって言う前提もあるんじゃないかな。
例えば前世ではただのネッ友だったメンバーがクラスメイトだったり先生だったりするって言うのも、悠君が身近にいて欲しいって言う願望から来てるって考えたら説明つくし。」
「た、確かにそう考えたら腑に落ちるな。」
「この世界を作ったのはリタだからね。
実際に口に出してなくても深層心理の中にそう言う願望があったって考えたら悠君に自覚がなくてもしょうがないんじゃないかな?」
「なる…ほど?」
って事はだ。
俺は心のどこかで日奈美が妹だったら良かったと思ってるって事なのか…?
まぁ分からなくもないが…。
「それより、だよ。」
「え?」
「私、そんな話をしに来た訳じゃないんだけど。」
「ほ?」
「せっかく用があって来たのになんか取り込み中だし。
今だって後ろ歩いてるのに知らん顔だし。」
「それは普通に気づかなかっただけと言うかストーカーされ慣れてるからと言うか…。」
「それはそれでどうかと思う…。」
「それは本当にそう思う。(2回目)」
「私もすいません全然気付かなくて……。」
「あぁ、リオちゃんは気にしなくて良いよ。
悪いのは全面的にコイツだし。」
おぉん…扱いの差よ…。
「それに大変だったみたいだしね、誰かさんのせいで。」
「その件に関しては返す言葉もございませんっ!」
「ま、とにかくはい、これ。」
「え?」
そう言って宏美が何かを差し出してくる。
「これ…。」
差し出されたのは少し大きめなラッピング袋。
「そう言えば誰かさんがもうすぐ誕生日だった気がしたから。」
コイツ…わざとらしく…。
「わざわざこれを渡しに…?」
「まぁ一応…?ついでに…だから。
たまたま買い物に行った時に私的にぴったりだと思うのがあったから買ってみただけと言うか…。」
「へぇー…開けてみてい……「駄目!」ほん?」
「帰ってから開けて。」
「お、おん。」
「それじゃ。」
そう言って宏美はさっさと行ってしまう。
「悠太さんもう少しで誕生日だったんですか?」
と、ここでリオが聞いてくる。
「え?あぁそうだけど。」
「そうなんですね。
それって皆さん知ってるんですか?」
「どうだろうな。
あんまり公言してないからなぁ。」
「え、そうなんですか?人間界の誕生日ってみんなでパーティとかするものじゃないんですか?」
「はは、そんなのリア充だけだろ?
俺みたいな陰キャはそう!あ、誕生日か、また年取ったなぁ…で終わりだから。」
「またそんな事言って…誕生日プレゼントもらってるじゃないですか。」
「分からないぞ?中身はビックリ箱とかだったり…。」
「そんな小学生の悪戯みたいな事、わざわざ誕生日にしますかねぇ…。」
「あ、そう言えば小学生の時兄貴とか友達の誕生日パーティーに参加した事あったけど俺の誕生日パーティはやるって言っても誰も来なくて家族でやったんだよな、ははは。」
「なんかまたトラウマを掘り起こしちゃってる!? 」
「で、次の日に聞いたらさ、え?昨日だったの?ごめんごめん用事あったし何も用意してなかったわ…。
また来年は行くから!と言ってたがそれ以来そいつらとは一切関わってない。」
「あぁ…。」
「…とまぁ誕生日にはさ、あんまり良い思い出がなくてさ。
宏美と美江に振られたのも誕生日だし。」
「なんと言うかその…本当なんと言って良いか…。」
「良い、みなまで言うな…。」
この時リオは思うのだった。
助けてもらったお礼もしたいし、それにこのまま悠太さんにとっての誕生日が悲しい物と言う認識であり続けるのはとても心苦しい。
今年は悠太さんにとって忘れられない誕生日になるように私が何とかしてみせます!
そんなリオの脳内での決意など悠太は知るはずもなかった。
さて、家に帰り、早速宏美からもらったプレゼントを開封してみる。
中身は…。
悠と言うロゴが入った黒のTシャツと帽子だった。
「ぶはっ!」
思わず吹き出してしまう。
「相変わらずあいつのセンス、微妙にズレてんだよなぁ。」
去年のクリスマスは赤のニット帽と赤のネックウォーマーだったしその年の誕プレはマッサージ機だったっけ。
と、ここで宏美からメッセージ。
「どう?開けてみた?」
「おう、なんて言うかお前らしくてちょっと笑ったわ。」
「は!?どういう意味!?」
とりあえずせっかくだから部屋に飾っとこうと思います。
「ねぇちょっとどう言う意味!?」
「ありがとな、大事にするよ。」
インテリアとして…。
「うん…?ならいいけど…。」
そんなやり取りをどこか懐かしみながら、部屋着としてぐらいならたまには着てみてもいいのかもと思うのだった。
そして俺がそんな事を考えてる事など宏美は知る由もなく。
「まぁ大事にしてもらえるなら良いか。」
と一応の納得をするのだった。
あの後店長から事情を聞かれた紗奈さんはリオに対して辛く当たっていた事、そして弁当を捨てた事を認めた。
理由は俺と仲良くしていたリオが単純に羨ましかったから...らしい。
結局その後彼女はその後すぐにバイトを辞め、俺とリオに一瞥もよこさず逃げる様に職場を去っていった。
ちなみに神田さんにはめちゃくちゃ文句を言われた。
「そうしなくてもうちは万年人手不足なのにどうしてくれんのよ……。」
「返す言葉もございません...。」
「は?」
「すいませんでした!?」
「あまり彼を責めないであげてください。
こうなった原因で言うなら私にも責任はありますから。」
「リオちゃんはただ巻き込まれただけじゃん...。
元々コイツが優柔不断だからこうなったんでしょうが。」
「ぐう...。」
「ふざけてんの?ぐうの音も出なくしてほしい?」
「滅相もございません!?」
顔は笑顔なのに拳パキパキしてるの怖すぎんだろw
「まぁ...でもリオちゃんがそう言うなら私からはもう何も言わないわ。
実際あの人性格悪くて苦手だったし。
...今お前もだろとか考えなかった?」
「一切考えてませんっ!!」
「自分好みの男性客とかには露骨に態度変えてたの知ってるしね。
私は一応そう言うの一切しないようにしてるんだけどさ、たまたまあの人が好みの相手にオーダー聞きに言って愛想振り舞いた時は露骨に睨まれたりしてまぁめんどくさかったよね。」
「だから私に気を付けるようにと言ってくれたんですか?」
「まぁ、そんなとこ。
本当は私から直接彼女に文句言ってあげるのが良かったんだろうけどさ……。
ほんとごめん!彼女とは普段事務的な会話ぐらいしかしてないのに急に説教なんかして喧嘩になったり辞められたりしても困るとか色々考えちゃって…。」
「いえいえ、そうやって色々考えていただけただけで充分ですから。」
「リオちゃんいい子だわ…。
それに比べて…。」
こっち睨んで露骨に舌打ちしてきた!?
とまぁ…神田さんには散々言われた訳だが…。
店長はそんな事もあると優しく許してくれた。
明日から2人分働きます!
さて帰り道。
「なんだかまだ数日しか経ってないのに一緒に帰るのが随分久しぶりな気がしますね。」
「そうだなぁ。」
リオと並んで帰り道を歩く。
「その悪かったな、今回は。
神田さんの言う通り巻き込んじまって。」
「だからそれは別に悠太さんのせいでは…。
」
「いや、まぁ…実際神田さんの言う通り俺が最初からハッキリ突き放しとけばこうはならなかった筈なんだよ。」
「それはそれで気まずかったんじゃないですか…?」
「うっ…。」
振った相手と同じ職場で働くとか確かに気まずい…。
逆もまた然り。
いや俺逆の方が圧倒的に多かったわ…。
今度からもう少し元カノに優しくしようと思います、、
「それに、最後はちゃんと助けてくれたじゃないですか。」
そう言ってリオは嬉しそうに微笑む。
「それはまぁ…。」
「シスコンなのは相変わらずでしたが…。」
「何を言う、当たり前だろう。」
「はぁ、やっぱり悠太さんは悠太さんですね。」
「なんだよ?」
「いえ、いつも通りで安心しただけですよ。」
「ならもうちょっとそう思ってる顔しろよ…。
やれやれみたいな顔しやがって…。」
「ふふふ。 」
「笑ってごまかしやがった!?」
まぁ一難去って安心したってのは確かだ。
やっとリオに相談も出来る。
「それにしても…紗奈さんがまたって言ったのが気になるんだが。」
「そうですね。
この世界でも一度は告白して振られてるのでしょう。
まぁ今世では流石に結婚はしてなかったでしょうが、新しい彼氏ぐらいは居たんじゃないでしょうか。」
「だよなぁ。
で、その新しい彼氏にも振られたからって感じかな。」
「おそらくは…。
神田さんが言う通りの彼女なら一度は振られた相手だけど自分好みの相手が職場に入って運命を感じた、と言った所じゃないでしょうか…。」
「理屈としては分かるけど言葉にするとだいぶあれだな…。」
「まぁ…そうですね。
大前提としてこの世界は悠太さんのこれまでの人生設定を高校生と言う設定で違和感無く再現すると言うのがあります。」
「それで紗奈さんがあんな感じになってたのか…。
でもさ、もう一つ気になった事があるんだけど。」
「なんですか?」
「日奈美の事だよ。」
「日奈美さん、ですか?」
「リオの言う前提は俺もその通りだと思う。
でも日奈美に関してはどうにも腑に落ちない。
確かに日奈美は前世でも妹みたいな存在だった。
でも実際はみたいな存在であって本当の妹じゃない。
あくまでお互いで勝手にそう言う存在だと思い合ってただけだ。」
「そうですね。」
「そして、だ。
日奈美は実の妹って設定になってるのに、同じようにお互いが勝手にそう言う存在だと思い合ってる茉里愛と美紀は俺の事を悠兄と呼ぶけどそれだけだ。
そりゃ関係の長さで言うなら日奈美が一番だけども。
でもだからって実の妹になるって言うのが本当に必要な設定なのかとは思う。」
「そうですね…。
何か意味があるとは思いますが…。」
うーん……それにしても何か忘れてるような気が…。
「それって単純に悠君がその方が良いって思ってるからじゃないの?」
「うぉっ、宏美!?」
「え、宏美さん!?」
声に気付いて二人して振り向くと、いつの間にか宏美がついてきていた。
「いや、驚きすぎ…。
さっきからずっと後ろに居たんだけど…。」
「え、何お前もストーカーな訳…?
間に合ってるんだが…。」
「調子に乗んな。
ってかストーカーが間に合ってるってそれはそれでどうなのよ…。」
「それは本当にそう思う…。」
志麻どころか美江までそれっぽい事してたしなぁ…。
本人は全面否定してたけど…。
「まぁいいや、さっきの話だけどさ。
リオちゃんが言う前提は間違いないと思う。
でももう一つ、可能な限り悠君の願望に沿った設定になるって言う前提もあるんじゃないかな。
例えば前世ではただのネッ友だったメンバーがクラスメイトだったり先生だったりするって言うのも、悠君が身近にいて欲しいって言う願望から来てるって考えたら説明つくし。」
「た、確かにそう考えたら腑に落ちるな。」
「この世界を作ったのはリタだからね。
実際に口に出してなくても深層心理の中にそう言う願望があったって考えたら悠君に自覚がなくてもしょうがないんじゃないかな?」
「なる…ほど?」
って事はだ。
俺は心のどこかで日奈美が妹だったら良かったと思ってるって事なのか…?
まぁ分からなくもないが…。
「それより、だよ。」
「え?」
「私、そんな話をしに来た訳じゃないんだけど。」
「ほ?」
「せっかく用があって来たのになんか取り込み中だし。
今だって後ろ歩いてるのに知らん顔だし。」
「それは普通に気づかなかっただけと言うかストーカーされ慣れてるからと言うか…。」
「それはそれでどうかと思う…。」
「それは本当にそう思う。(2回目)」
「私もすいません全然気付かなくて……。」
「あぁ、リオちゃんは気にしなくて良いよ。
悪いのは全面的にコイツだし。」
おぉん…扱いの差よ…。
「それに大変だったみたいだしね、誰かさんのせいで。」
「その件に関しては返す言葉もございませんっ!」
「ま、とにかくはい、これ。」
「え?」
そう言って宏美が何かを差し出してくる。
「これ…。」
差し出されたのは少し大きめなラッピング袋。
「そう言えば誰かさんがもうすぐ誕生日だった気がしたから。」
コイツ…わざとらしく…。
「わざわざこれを渡しに…?」
「まぁ一応…?ついでに…だから。
たまたま買い物に行った時に私的にぴったりだと思うのがあったから買ってみただけと言うか…。」
「へぇー…開けてみてい……「駄目!」ほん?」
「帰ってから開けて。」
「お、おん。」
「それじゃ。」
そう言って宏美はさっさと行ってしまう。
「悠太さんもう少しで誕生日だったんですか?」
と、ここでリオが聞いてくる。
「え?あぁそうだけど。」
「そうなんですね。
それって皆さん知ってるんですか?」
「どうだろうな。
あんまり公言してないからなぁ。」
「え、そうなんですか?人間界の誕生日ってみんなでパーティとかするものじゃないんですか?」
「はは、そんなのリア充だけだろ?
俺みたいな陰キャはそう!あ、誕生日か、また年取ったなぁ…で終わりだから。」
「またそんな事言って…誕生日プレゼントもらってるじゃないですか。」
「分からないぞ?中身はビックリ箱とかだったり…。」
「そんな小学生の悪戯みたいな事、わざわざ誕生日にしますかねぇ…。」
「あ、そう言えば小学生の時兄貴とか友達の誕生日パーティーに参加した事あったけど俺の誕生日パーティはやるって言っても誰も来なくて家族でやったんだよな、ははは。」
「なんかまたトラウマを掘り起こしちゃってる!? 」
「で、次の日に聞いたらさ、え?昨日だったの?ごめんごめん用事あったし何も用意してなかったわ…。
また来年は行くから!と言ってたがそれ以来そいつらとは一切関わってない。」
「あぁ…。」
「…とまぁ誕生日にはさ、あんまり良い思い出がなくてさ。
宏美と美江に振られたのも誕生日だし。」
「なんと言うかその…本当なんと言って良いか…。」
「良い、みなまで言うな…。」
この時リオは思うのだった。
助けてもらったお礼もしたいし、それにこのまま悠太さんにとっての誕生日が悲しい物と言う認識であり続けるのはとても心苦しい。
今年は悠太さんにとって忘れられない誕生日になるように私が何とかしてみせます!
そんなリオの脳内での決意など悠太は知るはずもなかった。
さて、家に帰り、早速宏美からもらったプレゼントを開封してみる。
中身は…。
悠と言うロゴが入った黒のTシャツと帽子だった。
「ぶはっ!」
思わず吹き出してしまう。
「相変わらずあいつのセンス、微妙にズレてんだよなぁ。」
去年のクリスマスは赤のニット帽と赤のネックウォーマーだったしその年の誕プレはマッサージ機だったっけ。
と、ここで宏美からメッセージ。
「どう?開けてみた?」
「おう、なんて言うかお前らしくてちょっと笑ったわ。」
「は!?どういう意味!?」
とりあえずせっかくだから部屋に飾っとこうと思います。
「ねぇちょっとどう言う意味!?」
「ありがとな、大事にするよ。」
インテリアとして…。
「うん…?ならいいけど…。」
そんなやり取りをどこか懐かしみながら、部屋着としてぐらいならたまには着てみてもいいのかもと思うのだった。
そして俺がそんな事を考えてる事など宏美は知る由もなく。
「まぁ大事にしてもらえるなら良いか。」
と一応の納得をするのだった。
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