彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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絵日記と盗聴メッセージ

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きょうは、みずほちゃんとおとなのでーとをしました。
びじゅつかんにいったり、からおけにいったりしてとてもたのしかったです。

「……お兄ちゃん何やってんの……?」

瑞穂との大人のデートを終えた翌日の昼間。

部屋で宿題をしていると、日奈美が怪訝な表情でそれを覗き込んできた。

「何って絵日記だが?」

「絵日記!? 」

「夏休みの宿題の定番だろ?」

「そんなの無いよ!?

小学生じゃあるまいし!」

「え、無いの?」

「しかもなんで全部平仮名!?絶対わざとやってるよね!?」

「ははは、絵も中々の物だろ?」

「このいかにも小学生の落書きみたいなのが!?」

「何を言う、行先が美術館だから俺の芸術的センスをフル活用して描いたんだぞ?」

「絶対にセンスの使い方もフル活用する方向性も間違えてるよ!?」

「なん、だと。」

俺の芸術的センス雑魚すぎワロタ。

「だからなんでそんな意外そうな反応なの……。」

「いかんいかん……昨日のデートがあんまりに衝撃的過ぎて思わず童心に帰りすぎてしまった……。」

「どう言う理屈!?」

うーん伝わらないかぁ……。

実際衝撃的だったのは事実だ。

自分からあんな質問をしといてなんだが、瑞穂が俺の事を好きで、まさか急に告白してくるなんて思いもしなかった。

そうなのかもなんて思ったりする事もあるにはある。

でも直接口に出して言われるのとただ想像するだけとでは全く違うのである。

今でもあの瞬間を思い出すと、嬉しいような、照れくさいような。

何とも言えない気持ちになる。

でもだから付き合うのかと言われたら答えはNoだ。

志麻にしてもそうだが、一度別れている相手なだけに新しい人と付き合う事以上に上手くやれるかどうかの不安が付きまとう。

多分これは彼女達も少しは感じている事だろうけど……。

でもその上で伝えてくれたんだよな……。

俺には無理だ。

付き合う事で見れるその先の幸せな未来よりも、それが終わった時の未来がどうしたって見えてしまう。

それに彼女達のどちらかに特別な感情を自分が向けているのかでさえ分からない。

そんな気持ちで告白に答えるなんて、俺には無理だ。

「と言うかデート?

それに大人のデートって何?

私、全然聞いてないんだけど?」

そんな事を考えていると、いつの間にか日奈美がそう言いながらハイライトの消えた目で俺を見ていた。 

いやww怖っw!こう言う時毎回目のハイライト消してくるの本当怖いんでやめてもらって良いですかねww

「え、あ、いや……それはだな……はは。」

「ちゃんと説明してくれるんだよね?」

ひーん...怖いよう……!

「あ、あぁ、そうだ...。

め、メールが来てたんだった。

すぐに返さないと!」

ここは話を逸らすに限る!

どうせ志麻からのメールならタイミング関係無しに届いてるだろうし、たまには返してやろう!

「あ!ちょっと!お兄ちゃん!!」

「あれ?」

スマホを開くと、いつもは余裕でカンストしてるメッセージアプリの通知が一件だけしか届いていない。

しかもだ。

「え……?これ……。」

「もぉ、普段は全然返さない癖に……え?どうしたの?」

ぷりぷりと可愛らしく怒っていた日奈美も、俺の様子の変化に気づいて心配そうに聞いてくる。

「いや、これやばくないか?」

「え?」

その一件のメッセージには助けての一文。

「え!?これどう言う意味なんだろ……。」

「あの志麻が追撃メッセ無しにこの一文だけなんておかしい!」

「いや、追撃メッセでカンストするのも十分おかしいと思うけど...。」

「それは本当にそう思うけど!」

「あ、思うんだ……。」

「しかも普段なら今も何処かから様子を見守っててもおかしくないってのに!」

「いや……それも普通はおかしいと思うけど……。」

「それは本当にそう思うけど!(2回目)」

「やっぱり思うんだ……。

それに2回目までちゃんと口に出すんだ……。」

「とにかく!これは本当に何かあったのかもしれない。」

「どうするの?」

「どうしよう?」

「聞き返された!?」

「だってあいつは教えてもないのに何故か俺の家知ってた……いやそれは志麻だから仕方ないとして。」

「全然仕方なくないよ!?」

「それは本当にそう思うけど!(3回目)」

「やっぱり思うんだ……。(2回目)」

流石ノリをよく分かってる。

出来る妹である。

「コホン、あいつはそうでも俺はあいつの家をそもそも知らないんだよな。」

「まぁ、そうだよね...。

知ってたらちょっと怖いもん……。」

知らなくて良かった!

いやまぁ……仮に知ってても聞いたからだろうし大丈夫か……。

と、ここで再びメールが届く。

そこには家の住所だけがシンプルに書かれていた。

「いや、タイムリー過ぎんだろ……。」

「助けてとか言いながらしっかり盗聴はしてるみたいだね……。」

「やっぱりそうだよなぁ……。」

うーん……だから危機感のある状況って感じがイマイチ伝わってこないんだよなぁ……。

これただ構ってほしくて手法を変えただけなんじゃ……。

と、ここで更にメッセージ。

<来てくれなきゃ死ぬかも>

なんかメッセージが急に不穏になった!?

何!?脅しか!?まさかリスカとかしてないよな!?

<あと来るなら一人で来て欲しい。>

しれっとそんな要求までしてきやがった。

「どうするの……?お兄ちゃん。」

「うーん……。

いや、確かにこのまま放置すんのは寝覚めが悪いけど……。

志麻がわざわざ俺を騙す為にこんなメッセージを送ってくるとは思えな……いや普通に送ってきそうだな……。」

「あー……。」

<そんな事しないもん!>

これも聞かれてて草。

うーん……これ信じて良いのか...?

正直怪しさもあるが……。

でも言われてどう言う状況なのか気になるくらいには関わりを持ってしまった訳で……。

「行くか……。」

「えぇ!?大丈夫!?」

「ま、まぁなんとかなるだろ。

志麻だし。」

「志麻さんだから心配なんだけど……。」

「それは本当にそう思うけど!(4回目)」

「思うんじゃん……。」

呆れられてしまった。

「大丈夫、日奈美。

この戦いが終わったらデートしような?」

「嬉しいけどなんでそんな死亡フラグっぽく言うの!?」

だって志麻だしなぁ……。

気は進まないが、本当に何かあっても寝覚めが悪いしと俺は日奈美に呆れられながらも家を出るのだった。
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