彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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夏風邪は○○がひく

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と、言う訳で家を出たのだが、、

そもそも助けてとか言いつつ、普通に盗聴しながら悠々とメールまで送ってくるぐらいである。

すぐに助けが必要な状況ならそもそもそんな余裕すらない筈だ。

そう考えた俺は、特に急ぐ事もなくゆっくりとメールに書かれた住所まで歩いていく事にする。

その間に志麻から早く早くと急かしメールが何通も届いたが、とりあえず放置。

……してたらあら不思議。

最初こそ助けてだけだった新着メールがあっという間に100……200……まだ伸びるだと!?

さて、世の中にはなんとかは風邪をひかない、夏風邪はなんとかがひく、なんて言葉がある訳だが。

急になんの話しかって?そのなんとかは馬鹿だろって?

ノーノーそのなんとかは志麻である。

夏風邪は志麻がひく……。

辿り着いたのはタワマン。

金持ちなのは知ってたけどまさかタワマン暮らしだったなんて……。

アイツこんな立派なとこに一人で住んでんのか……。

俺が呼び鈴を鳴らすと待ってましたとばかりにモニターに顔を出す志麻。

そんな彼女はマスクをしていて、おでこには冷えピタ、服装は可愛らしい志麻リス……じゃなかったシマリス柄のパジャマ姿だった。

どうやら本当に風邪を引いているようである。

もしこれが実は罠で、家まで来させればこっちの物だ!みたいな感じならまんまと騙された事になる訳だが……。

ここまで完璧な病人スタイルになっておいて実は騙す為の演技でしたとか言われたらもはやホラーだぞ、、

「悠太……本当に来てくれたんだ……。」

そう言ってドアを開けた志麻の顔は少し赤い。

汗もかいてるようだし、恐らく熱があるのだろう。

「お前……大丈夫か?」

「心配してくれるの……?

嬉しいなぁ……もうこのまま死んでもいいかもー……。」

「そんな病人スタイルで言われたら冗談に聞こえないからやめなさい……。

で?風邪なのか?」

「そうだと思う……。

朝測ったら熱があってさっきまで寝てた……。」

「そうかそうか夏風邪は志麻がひくって言うしな。」

「聞いた事ないよ……!?

馬鹿にしてる……?」

「だってストーカーがひくだと語呂が悪いだろ?」

「そう言う事……!?

いや否定は出来ないけど……!」

そこは否定してほしかったんだけどなぁ……無理かぁ……知ってた……。

「と言うかこんな時でもお前一人なのかよ?」

玄関にあった靴も志麻が普段履いている靴のみ。

一人なのは間違いないだろう。

「一応お手伝いさんに色々してもらったけど……。

目が覚めたらなんか心細くなっちゃって……。」

「それであんなメールを?」

「うん……。」

「家族は?」

「こんな事で一々来ないよ。

かかったのがお兄ちゃんだったら分からないけど。」

そうだった。

志麻は普段の振る舞いは色々アレだが、元来は金持ちのお嬢様である。

ただ、両親は長男で才能のある兄を溺愛しており、その妹の志麻は必要な物だけを与えてお払い箱と言うような感じなのだ。

「それにお手伝いさん呼んでくれたから。」

「お手伝いさん、ね。」

そんな感じだから、自分でなんて発想がそもそも無いのだ。

志麻にはお金で雇われて自分の世話をしてくれるお手伝いさんは居ても、俺みたいに寝込んだ時に紅茶を差し出してくれるような親は居ないのだ。
 
なんともやりきれない。

「風邪引いちゃったから今日はもう悠太の顔見れないと思って寂しかったんだぁ……。

だから来てくれて嬉しい……。

さ、入って……?」

うーん……今更ながらではあるが、自分をストーカーしてる奴の家に堂々と入ると言うのは些か抵抗があるよなぁ……。

でも病人の志麻をいつまでも玄関先で応対させるのも流石に悪いし……。

それにコイツ……もし俺がこうして来てなかったら俺の顔見たさにこの状態でストーカーし始めるかもだし……。

このまま帰ってついてこられても困るしなぁ……。

なんて言い訳めいた事を思いながら、「じゃあ遠慮なく……。」と部屋に入ったのが運の尽き!

高級感漂う廊下を歩いてリビングの扉を開けると、突き当たりの壁からいつの間に撮られたのか分からない俺の写真の特大サイズポスターがお出迎え。

そしてソファには俺のデフォルメらしいキャラのぬいぐるみが鎮座しており、隣に志麻が座るのを待っているかのようである。

そしてテレビからは、あの屋上で再会した時の隠し撮り動画が絶賛放映中!

あとなんか神棚みたいな物もあってそこに悠太コレクションなる物騒な貼り紙が貼られたダンボールが置かれていたんだが怖いから触れないでおく……。

なんと言うか、絵に書いたような……お手本のような!いや……お手本のようなってなんだ、、

とにかくまごう事なきストーカーの部屋である。

めちゃくちゃ高級感溢れる部屋だからこそ違和感が半端ない……!

ほんとどうしてこうなった……。

と言うかなんでこの部屋に普通に俺を呼ぼうと言う気になったんだ……。

「こんな状態だから大したおもてなし出来なくてごめんね……。」

「いや…うん……まぁいいや……。」

出来ればおもてなしよりこのカオスな状態を改善してから真似ほしかったんだけど無理だよなぁ……。

志麻だしなぁ……。

「良かったらお手伝いさんが作ったやつ食べて……?

私あんまり食欲無くて……。

あ、でも悠太欲はいつもあるよ?」

「なんだよ悠太欲って……。」

「3大欲求の一つだよ……?」

「お前の、だろうが……。

勝手に人の3大欲求を改変させるんじゃありません。」

と言うか他の2つはなんだよ……。

いや……怖いから聞かんとこ……。

「で、2つ目はー「うん、言わなくて良い!」ぴえん。」

他の2つは読者のご想像にお任せしようと思います……。
 
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