130 / 258
夏風邪は○○がひく
しおりを挟む
と、言う訳で家を出たのだが、、
そもそも助けてとか言いつつ、普通に盗聴しながら悠々とメールまで送ってくるぐらいである。
すぐに助けが必要な状況ならそもそもそんな余裕すらない筈だ。
そう考えた俺は、特に急ぐ事もなくゆっくりとメールに書かれた住所まで歩いていく事にする。
その間に志麻から早く早くと急かしメールが何通も届いたが、とりあえず放置。
……してたらあら不思議。
最初こそ助けてだけだった新着メールがあっという間に100……200……まだ伸びるだと!?
さて、世の中にはなんとかは風邪をひかない、夏風邪はなんとかがひく、なんて言葉がある訳だが。
急になんの話しかって?そのなんとかは馬鹿だろって?
ノーノーそのなんとかは志麻である。
夏風邪は志麻がひく……。
辿り着いたのはタワマン。
金持ちなのは知ってたけどまさかタワマン暮らしだったなんて……。
アイツこんな立派なとこに一人で住んでんのか……。
俺が呼び鈴を鳴らすと待ってましたとばかりにモニターに顔を出す志麻。
そんな彼女はマスクをしていて、おでこには冷えピタ、服装は可愛らしい志麻リス……じゃなかったシマリス柄のパジャマ姿だった。
どうやら本当に風邪を引いているようである。
もしこれが実は罠で、家まで来させればこっちの物だ!みたいな感じならまんまと騙された事になる訳だが……。
ここまで完璧な病人スタイルになっておいて実は騙す為の演技でしたとか言われたらもはやホラーだぞ、、
「悠太……本当に来てくれたんだ……。」
そう言ってドアを開けた志麻の顔は少し赤い。
汗もかいてるようだし、恐らく熱があるのだろう。
「お前……大丈夫か?」
「心配してくれるの……?
嬉しいなぁ……もうこのまま死んでもいいかもー……。」
「そんな病人スタイルで言われたら冗談に聞こえないからやめなさい……。
で?風邪なのか?」
「そうだと思う……。
朝測ったら熱があってさっきまで寝てた……。」
「そうかそうか夏風邪は志麻がひくって言うしな。」
「聞いた事ないよ……!?
馬鹿にしてる……?」
「だってストーカーがひくだと語呂が悪いだろ?」
「そう言う事……!?
いや否定は出来ないけど……!」
そこは否定してほしかったんだけどなぁ……無理かぁ……知ってた……。
「と言うかこんな時でもお前一人なのかよ?」
玄関にあった靴も志麻が普段履いている靴のみ。
一人なのは間違いないだろう。
「一応お手伝いさんに色々してもらったけど……。
目が覚めたらなんか心細くなっちゃって……。」
「それであんなメールを?」
「うん……。」
「家族は?」
「こんな事で一々来ないよ。
かかったのがお兄ちゃんだったら分からないけど。」
そうだった。
志麻は普段の振る舞いは色々アレだが、元来は金持ちのお嬢様である。
ただ、両親は長男で才能のある兄を溺愛しており、その妹の志麻は必要な物だけを与えてお払い箱と言うような感じなのだ。
「それにお手伝いさん呼んでくれたから。」
「お手伝いさん、ね。」
そんな感じだから、自分でなんて発想がそもそも無いのだ。
志麻にはお金で雇われて自分の世話をしてくれるお手伝いさんは居ても、俺みたいに寝込んだ時に紅茶を差し出してくれるような親は居ないのだ。
なんともやりきれない。
「風邪引いちゃったから今日はもう悠太の顔見れないと思って寂しかったんだぁ……。
だから来てくれて嬉しい……。
さ、入って……?」
うーん……今更ながらではあるが、自分をストーカーしてる奴の家に堂々と入ると言うのは些か抵抗があるよなぁ……。
でも病人の志麻をいつまでも玄関先で応対させるのも流石に悪いし……。
それにコイツ……もし俺がこうして来てなかったら俺の顔見たさにこの状態でストーカーし始めるかもだし……。
このまま帰ってついてこられても困るしなぁ……。
なんて言い訳めいた事を思いながら、「じゃあ遠慮なく……。」と部屋に入ったのが運の尽き!
高級感漂う廊下を歩いてリビングの扉を開けると、突き当たりの壁からいつの間に撮られたのか分からない俺の写真の特大サイズポスターがお出迎え。
そしてソファには俺のデフォルメらしいキャラのぬいぐるみが鎮座しており、隣に志麻が座るのを待っているかのようである。
そしてテレビからは、あの屋上で再会した時の隠し撮り動画が絶賛放映中!
あとなんか神棚みたいな物もあってそこに悠太コレクションなる物騒な貼り紙が貼られたダンボールが置かれていたんだが怖いから触れないでおく……。
なんと言うか、絵に書いたような……お手本のような!いや……お手本のようなってなんだ、、
とにかくまごう事なきストーカーの部屋である。
めちゃくちゃ高級感溢れる部屋だからこそ違和感が半端ない……!
ほんとどうしてこうなった……。
と言うかなんでこの部屋に普通に俺を呼ぼうと言う気になったんだ……。
「こんな状態だから大したおもてなし出来なくてごめんね……。」
「いや…うん……まぁいいや……。」
出来ればおもてなしよりこのカオスな状態を改善してから真似ほしかったんだけど無理だよなぁ……。
志麻だしなぁ……。
「良かったらお手伝いさんが作ったやつ食べて……?
私あんまり食欲無くて……。
あ、でも悠太欲はいつもあるよ?」
「なんだよ悠太欲って……。」
「3大欲求の一つだよ……?」
「お前の、だろうが……。
勝手に人の3大欲求を改変させるんじゃありません。」
と言うか他の2つはなんだよ……。
いや……怖いから聞かんとこ……。
「で、2つ目はー「うん、言わなくて良い!」ぴえん。」
他の2つは読者のご想像にお任せしようと思います……。
そもそも助けてとか言いつつ、普通に盗聴しながら悠々とメールまで送ってくるぐらいである。
すぐに助けが必要な状況ならそもそもそんな余裕すらない筈だ。
そう考えた俺は、特に急ぐ事もなくゆっくりとメールに書かれた住所まで歩いていく事にする。
その間に志麻から早く早くと急かしメールが何通も届いたが、とりあえず放置。
……してたらあら不思議。
最初こそ助けてだけだった新着メールがあっという間に100……200……まだ伸びるだと!?
さて、世の中にはなんとかは風邪をひかない、夏風邪はなんとかがひく、なんて言葉がある訳だが。
急になんの話しかって?そのなんとかは馬鹿だろって?
ノーノーそのなんとかは志麻である。
夏風邪は志麻がひく……。
辿り着いたのはタワマン。
金持ちなのは知ってたけどまさかタワマン暮らしだったなんて……。
アイツこんな立派なとこに一人で住んでんのか……。
俺が呼び鈴を鳴らすと待ってましたとばかりにモニターに顔を出す志麻。
そんな彼女はマスクをしていて、おでこには冷えピタ、服装は可愛らしい志麻リス……じゃなかったシマリス柄のパジャマ姿だった。
どうやら本当に風邪を引いているようである。
もしこれが実は罠で、家まで来させればこっちの物だ!みたいな感じならまんまと騙された事になる訳だが……。
ここまで完璧な病人スタイルになっておいて実は騙す為の演技でしたとか言われたらもはやホラーだぞ、、
「悠太……本当に来てくれたんだ……。」
そう言ってドアを開けた志麻の顔は少し赤い。
汗もかいてるようだし、恐らく熱があるのだろう。
「お前……大丈夫か?」
「心配してくれるの……?
嬉しいなぁ……もうこのまま死んでもいいかもー……。」
「そんな病人スタイルで言われたら冗談に聞こえないからやめなさい……。
で?風邪なのか?」
「そうだと思う……。
朝測ったら熱があってさっきまで寝てた……。」
「そうかそうか夏風邪は志麻がひくって言うしな。」
「聞いた事ないよ……!?
馬鹿にしてる……?」
「だってストーカーがひくだと語呂が悪いだろ?」
「そう言う事……!?
いや否定は出来ないけど……!」
そこは否定してほしかったんだけどなぁ……無理かぁ……知ってた……。
「と言うかこんな時でもお前一人なのかよ?」
玄関にあった靴も志麻が普段履いている靴のみ。
一人なのは間違いないだろう。
「一応お手伝いさんに色々してもらったけど……。
目が覚めたらなんか心細くなっちゃって……。」
「それであんなメールを?」
「うん……。」
「家族は?」
「こんな事で一々来ないよ。
かかったのがお兄ちゃんだったら分からないけど。」
そうだった。
志麻は普段の振る舞いは色々アレだが、元来は金持ちのお嬢様である。
ただ、両親は長男で才能のある兄を溺愛しており、その妹の志麻は必要な物だけを与えてお払い箱と言うような感じなのだ。
「それにお手伝いさん呼んでくれたから。」
「お手伝いさん、ね。」
そんな感じだから、自分でなんて発想がそもそも無いのだ。
志麻にはお金で雇われて自分の世話をしてくれるお手伝いさんは居ても、俺みたいに寝込んだ時に紅茶を差し出してくれるような親は居ないのだ。
なんともやりきれない。
「風邪引いちゃったから今日はもう悠太の顔見れないと思って寂しかったんだぁ……。
だから来てくれて嬉しい……。
さ、入って……?」
うーん……今更ながらではあるが、自分をストーカーしてる奴の家に堂々と入ると言うのは些か抵抗があるよなぁ……。
でも病人の志麻をいつまでも玄関先で応対させるのも流石に悪いし……。
それにコイツ……もし俺がこうして来てなかったら俺の顔見たさにこの状態でストーカーし始めるかもだし……。
このまま帰ってついてこられても困るしなぁ……。
なんて言い訳めいた事を思いながら、「じゃあ遠慮なく……。」と部屋に入ったのが運の尽き!
高級感漂う廊下を歩いてリビングの扉を開けると、突き当たりの壁からいつの間に撮られたのか分からない俺の写真の特大サイズポスターがお出迎え。
そしてソファには俺のデフォルメらしいキャラのぬいぐるみが鎮座しており、隣に志麻が座るのを待っているかのようである。
そしてテレビからは、あの屋上で再会した時の隠し撮り動画が絶賛放映中!
あとなんか神棚みたいな物もあってそこに悠太コレクションなる物騒な貼り紙が貼られたダンボールが置かれていたんだが怖いから触れないでおく……。
なんと言うか、絵に書いたような……お手本のような!いや……お手本のようなってなんだ、、
とにかくまごう事なきストーカーの部屋である。
めちゃくちゃ高級感溢れる部屋だからこそ違和感が半端ない……!
ほんとどうしてこうなった……。
と言うかなんでこの部屋に普通に俺を呼ぼうと言う気になったんだ……。
「こんな状態だから大したおもてなし出来なくてごめんね……。」
「いや…うん……まぁいいや……。」
出来ればおもてなしよりこのカオスな状態を改善してから真似ほしかったんだけど無理だよなぁ……。
志麻だしなぁ……。
「良かったらお手伝いさんが作ったやつ食べて……?
私あんまり食欲無くて……。
あ、でも悠太欲はいつもあるよ?」
「なんだよ悠太欲って……。」
「3大欲求の一つだよ……?」
「お前の、だろうが……。
勝手に人の3大欲求を改変させるんじゃありません。」
と言うか他の2つはなんだよ……。
いや……怖いから聞かんとこ……。
「で、2つ目はー「うん、言わなくて良い!」ぴえん。」
他の2つは読者のご想像にお任せしようと思います……。
10
あなたにおすすめの小説
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
学年一可愛いS級の美少女の令嬢三姉妹が、何故かやたらと俺の部屋に入り浸ってくる件について
沢田美
恋愛
名門・雄幸高校で目立たず生きる一年生、神谷悠真。
クラスでは影が薄く、青春とは無縁の平凡な日々を送っていた。だがある放課後、街で不良に絡まれていた女子生徒を助けたことで、その日常は一変する。救った相手は、学年一の美少女三姉妹として知られる西園寺家の次女・優里だった。さらに家に帰れば、三姉妹の長女・龍華がなぜか当然のように悠真の部屋に入り浸っている。名門令嬢三姉妹に振り回されながら、静かだったはずの悠真の青春は少しずつ騒がしく揺れ始める。
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる
グミ食べたい
恋愛
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。
彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。
だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。
容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。
「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」
そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。
これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、
高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる