彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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3大欲求とドキドキタイム

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志麻の家に入れてもらったは良いものの……いや……良いのか……?

なんと言うかめちゃくちゃ落ち着かない。

四方八方から自分に見つめられてるような……!

何故なら壁一面に俺のポスターやら写真が貼られているからである……。

本当なんだこの状況。

「食欲無いって言ってたけど何か食べて薬飲んで寝ないと治る風邪も治らないだろ。」

「いらない……。」

とりあえず意識を逸らす意味も込めて、志麻に声をかけるも、即答で断られた。

「いや、少しぐらいは……。」

「やー……。」

そう返しながらプイッとそっぽを向く志麻。

「ワガママ言うんじゃありません。」

「やーなの……!

悠太が作ってくれたやつじゃなきゃやー……!」

なんか駄々っ子みたいになった……。

「やれやれ……。

分かった分かった。

ただし凝った物は作れないぞ?」

病人には優しく、である。

普段は塩対応だが、明らかに弱っている相手にまでそんな対応をするほど俺も鬼じゃない。

「じゃあアフリターダ……」

「あふり……なんて?」

「アフリターダ。

鶏肉とじゃがいも、にんじん、パプリカをトマトで煮込んだフィリピンの料理。」

「知らんわ……。」

「じゃあカレカレが良い……。

シチューみたいなフィリピン料理。」

「いやフィリピン料理大好きか!なんでそれを俺が知ってると思ったんだよ……?」

「何でも作ってくれるって言った……。」

「いや……何でもなんて一言も言ってないし凝った物はダメだって言ってんだろうが……。」

「ぶー……。」

「お粥で良いだろ?

作るからお前は部屋で寝てろよ。」

「やー……見とくもん……。」

このやーは今の口癖なのかしらん……。

うーん……これ言い出したら聞かなそうだよな……。

仕方なく俺は志麻に見守られながらもテキパキとお粥を作っていく。

とは言えそんなに難しい料理でもないし、すぐに完成する。

「ほら。」

小鍋を差し出すとまた志麻はそっぽを向く。

「おい……。」

まさかの受取拒否。

「やー……!食べさせてくれなきゃやー!」

「やれやれ……ほら。」

仕方なくスプーンで掬って差し出すも、またそっぽを向く。

「やー……!ちゃんとフーフーしてくれないとやー……!」

「……本音は?」

「悠太の息がかかったら実質関節キス!ひゃっほ……ゲホゲホ!」

あぁあ……無茶するから……。

それ聞いてやりづらくなったがまぁ熱いまま食べさせるのもあれか……。

「ほれ。」

仕方なくフーフーしてやり、それを仕切り直しで差し出すと志麻は早速パクついてきて……

「痛い痛い!」

この娘、スプーンを持つ 手ごと噛み付いてきたのである。

「悠太おいちぃ……。」

なるほど……これが食欲ならぬ悠太欲……。

なんて言ってる場合じゃない……!

「とりあえず痛いから普通に食べなさい。」

「やー……。」

「やーって言っても駄目な物は駄目。」

「むー……。」

「むーでも駄目。」

「ちぇー……。」

なんか1文字違いのキャラがいたなぁ……。

いや絶対意識してないだろうけど……。

とりあえず何とか志麻にお粥を食べさせ……いてて、思いっきり歯型付けやがって……。

「薬は?」

「そこにある……。」

志麻がそう言ってリビングの戸棚の上を指さす。

「これか。」

見ると一般的な病院の処方箋と言った紙袋が置かれていた。

そこから書かれた分量の薬を取り出し、キッチンでついできた水と一緒に差し出す。

「ん……。」

意外と素直に受け取って薬を飲む志麻。

「ほら、それ飲んだらさっさと寝な。」

「一緒に寝ないの……?

添い寝してくれなきゃやー……!」

こ、これが睡眠欲……!

「……本音は?」

「悠太が先に寝たら襲い放題!ひゃっほゲホゲホッ!」

ほらまた調子に乗るから……。

はっ!?これが性欲……?

なんて事だ……。

悠太欲だけで3大欲求を制覇してしまった。

恐るべし悠太欲……。

さて志麻の寝室に招かれて入ってみると、何となく甘い香りが鼻腔をくすぐる。

女子の部屋に遊びに行くイベント!

男子高校生なら普通に誰しも憧れるイベントな筈だが、残念志麻でした。

しっかり掃除はされているようだがリビングのとは違うポスターに加え、抱き枕に寝具のカバー類に至るまで俺づくしである。

色んな意味で期待を裏切られた気分っ……!

まぁもっとも抱き枕に関しては俺に自分の写真入りのを作って送り付けるくらいだから志麻にかかれば出来そうだし作ってても不思議じゃなさそうだが……。

「散らかってるからちょっと恥ずかしいけど……。」

出来ればもっと違う所を恥ずかしがって欲しかったっ!

「悠太も早く……。」

そのまま大人しくベッドに寝転がったと思うと、そんな事を言ってくる。

「いや……だからそれは……。」

「悠太なら襲っても良いよ……?」

「どっちからでもダメだっての……。」

「でも一緒に寝てくれなきゃ寝れないもん……。」

「全く……。」

渋々隣に寝転がる。

あれ……これ思ってたより近いな……。

元々一人暮らしである志麻のベッドはシングルサイズだ。

当然二人で寝るように設計されてない訳で、あまり距離を取りすぎると普通に落ちてしまう。

「えへへ……悠太ぁ……」

それをいい事に、そう言って遠慮なく抱き着いてくる志麻。

「えぇい抱き着くな……!

色々当たってるから!!」

「当ててるんだもん……。」

確信犯か!いやそんな気がしてたけども!

「あ、ねぇ悠太……。

寝る前にもう一つお願いして良い?」

「なんだよ……?」

もう今更何言われても驚かないぞ……。

「沢山汗かいたから濡れたタオルで汗拭いてほしいな……。」

「ブフッ!?

だ、駄目に決まってんだろ!?」

「えー……でも汗かいたまま寝たら悪化しちゃうし……。」

くっ……間違いないかもしれないけど!絶対下心があるだろ!?

「女子とお風呂に入ったぐらいだしそれくらい余裕だよね……?」

「っ!?いやだからあれは不可抗力と言うやつでだな!」

「なら今も不可抗力だよね……。」

「くぅっ……!?」

あ、揚げ足を取りやがって!!

「私だって悠太とお風呂入りたかったのに……なんなら今から入る!?ゲホゲホッ……。」

「それは色んな意味で勘弁してください!」

「即答!?ぴえん……!」

確かにタワマンのお風呂とかちょっと憧れるけど!

でもそれとこれとは話が別なのである!

本当にダメったらダメなんだからね!(必死。)

「じゃあ拭いて……?」

「せ、背中だけだからな!?

あと絶対振り向くなよ!?

ややこしいけど振り向くなって言う振りじゃないぞ!?」

「分かった分かった……。」

そう言って志麻はパジャマのボタンを外し始める。

「わ!ちょ!いきなり脱ぐなよ!」

「あ、これタオルだから濡らして来てね。」

「だぁ!だから振り向くなって!?」

ボタンを外した事ではだけたパジャマからピンクのストライプ柄タンクトップが見えている。

志麻だけにしましま模様ってか……!クソぅ!!

「悠太からしたら私らしいでしょ……?」

「あぁそうだな……!」

そう返しながら、タオルを水にさらす。

こう言う時って蒸しタオルとかの方が良いのかな……?

でもそんなのすぐには用意出来ないしな……。

とりあえずそのままで濡らしたタオルを持って戻る。
 
ちなみにこれも俺の写真入りオーダーメイド品である……。 

部屋に戻ると既に下着姿の志麻が……!

思わず目を隠す。

見てない!紫のレースなんて知らない!

「あ、ごめん全部脱いだ方が「よし黙れ。」ぴえん……。」

「と、とりあえず拭くぞ!」

なんとか背中を向けさせ軽く拭いていく。

「これもとるね……。」

「ちょ!? 」

ブラのホックを外した事により、綺麗な背中の全容が露わになる。

良くない。

これは非常に良くない……。

1番見えちゃいけない部分は見えてないものの、これはこれで大変よろしくない!

と、とにかくこれは早く終わらせねば!

「ひゃんっ……!」

「いっ……いいいきなり変な声出すなよ!? 」

「だ、だってタオル冷たかったんだもん……!」

「そ、そりゃただの水だし。」

「う、うん……。」

き、気まず過ぎる!

早く終わらせようと拭き始めるも……。

タオル越しに伝わる少し熱を持った背中の感触が……!

時間にしては数分とかだろうが、この時間はめちゃくちゃ長い物に感じられた。

「終わった……?」

「だぁ!?だから振り向くなって!今は特に!」

やがて。

無事拭き終え、志麻に後は自分で拭かせ。

(当然俺はその間廊下で待機である!)

再びパジャマを着た志麻は今度こそベッドに寝転がり、俺が隣に寝転がると安心したように小さな寝息をたて始めた。

「むにゃむにゃ悠太ー……好きー……」

そう言って抱きつこうとしてきたので、とりあえず抱き枕に身代わりになってもらった。

プリントされてる俺はそれでも爽やかな笑顔を浮かべている。

強過ぎんだろ……。

とりあえず無事寝れたみたいだしこれで俺の役目は終わりだろう。

「お母さん……お父さん……。」

「っ……。」

そのまま出来るだけ音をたてないように部屋を出ようとしたところで、不意にそんな寝言が聞こえてくる。

振り向くとその目には涙が浮かんでいた。

そりゃ……コイツだって寂しいよな……。

普段の行き過ぎた行動の裏には、両親に見放された寂しさと不安があるのかもしれないと思うと、なんともやれきれない。

……まぁだからって全部許せる訳でも無いが……。

ただまぁ……もう少し優しくしてやっても良いのかもな……。

正直これまでどう付き合って良いのか分からない部分もあった。

何せ彼女は俺の元カノで、しかも前世浮気して捨てたくせに俺を殺して無理心中を図ろうとするようなメンヘラで……うん、やっぱりだいぶ酷いな……。

友達になろうと思ったのだって最初はこのままほっとくとロクな事にならないからなんて言う理由だった。

でも再びこうして関わってみて分かった事もある。

ストーカーだけど純粋で、ストーカーだけどいつだってひたむきで、諦めが悪くて。
 
でも意外と繊細で、たまにはこんな自分の境遇を嘆いて涙したりもする。

そんな等身大の女の子。

それが金澤志麻なのだと。

勿論知らない方が良かった事も沢山あった訳だが……。

知って良かったと思えた事もある。

あの時何も知らないまま別れた時と違って悪い印象ばかりでも無くなってきている。

まぁストーカーだけど……。

「おやすみ、早く良くなれよ。」

そう言って頭を撫でてやる。

そうして俺は今度こそ静かに志麻の部屋を出た。

どうにもコイツが元気ないと調子が狂う。

ストーカーされ慣れると言うのも考え物だな……。

ちなみに帰ってからは日奈美に今日の事と瑞穂との事を根掘り葉掘り聞き出されました。

話を聞いてるあいだ目のハイライトを消してたひーちゃんは本当に怖かったです、はい……。
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