彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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流し素麺と言う死亡フラグ

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※宏美目線。

私の名前は瀬川宏美。

「あー……涼しい。」

ある日の夏休みの昼間。

早々に宿題を終わらせた私は、昼間っからクーラーをきかせた部屋でダラダラしていた。

この暑い中わざわざ用もないのに家を出るなんて馬鹿のする事だ。

部屋から出ただけで寒暖差にやられそうになるのに、わざわざ外に出るなんて自殺行為だと思う。

そりゃ一応アイツに誘われたから合宿には行ったし、ずっと楽しみにしてたアイツにオススメされて私もハマったラノベの新刊を買いに行ったりはしたけど……。

「用が無かったらわざわざ部屋から出なくて良いよね。

あー部屋最高……。」

とは言えそろそろ散らかってきてるし片付けなきゃとは思う。

食べたポテチの袋やペットボトルがその辺に投げ散らかされ、服も何着か投げっぱなしになっている。

これは良くない……。

頭では分かってる。

でも一度ベッドに寝転がったら全く体が動かなくなる。

お布団の魔力……。

「宏美んそんな事言ってて良いのー?

せっかくの夏休みだってのに。」

「リタ。」

いつの間にか現れたリタがそう言って絡んでくる。

「別に良いでしょ。

私にとってはこれが最高の夏休みの過ごし方の。」

ゴロゴロしながらそう返すと、リタはニヤリと笑う。

あ、また悪い事考えてるな……。

でも特に興味も無く、私はゴロゴロを継続する。

「良いのかな?宏美んがそうしてる間に三澄悠太君は随分とお楽しみみたいだけど?」

思わず耳がピクリと反応する。

お楽しみ……?

「あの赤髪の子とは一緒にライブデートに行ってお互いを姫様悠様ッ呼び合ってたし。」

「は?」

「あの清楚系ビッチさんとは大人のデートをお楽しみだったみたいだし?」

「はぁ……?」

「昨日は風邪引いた金澤さんのお見舞いに行ってちょっとえっちな看病をしたみたいだし?」

「はぁぁぁ!?」

思わずベッドから飛び起きる。

思ったよりすんなり起き上がれてしまった。

いや……そんな事より、だ。

私は全く!何も誘われてないのに!知らない所で他の元カノ達と随分お楽しみのようだ。

「そう言えばアイツから借りた本まだ返してなかったなぁ……。」

言いながら宏美がふふふと不敵に笑っている頃。

※悠太目線

「はぁ……相変わらず悠太さんは悠太さんですね……。」

「そうだろう、もっと褒めて良いぞ?」

「いや褒めてませんから!?」

今は遊びに来た……いや元々同じ家の中に住んでるからその表現はおかしいのか……?

ともかく俺の家に来たリオに昨日までの話をしていたところだ。

ちなみに今日奈美は学校の友達とお出かけ中で居ない。

クスン……。

昼ごはんにと用意されていた素麺を、折角なのでド○キで買った流れるプールみたいな流し素麺機で流しながら二人で食べている所だ。

「それだけ夏休みを盛大に満喫しといて恋愛したくないなんて無理があるでしょう……。」

そう言って頭を抱えるリオ。

でもそうしながらもしっかり素麺をすくいとっている。

この機械一度に大量に流すと動かなくなるからどうにも1回の両が少なくなりがちなんだよなぁ……。

普通に食べた方が効率は良いだろうが、それはそれである。

こう言うのは雰囲気である。

これぞ夏の醍醐味!夏の風物詩!

それに一度に大量に食べたら飽きるしな!

……でも今度からは1人で使おうと思います……。

「確かに瑞穂には告白されたし、志麻は相変わらずだけど……。」

「でもだから付き合おうとは思わないんですよね?」

「そうだな……。

不安もあるし、怖さもある。

何より二人のどちらかが特別なのかも分からない。」

「でも二人ともとても魅力的じゃないですか。

確かに癖が強い部分もありますけど……。」

「だからとりあえず付き合ってみろって?

そんなのアイツらに失礼だろ。

あんなに真剣に俺を好きになってくれてんのに俺がそんな中途半端な気持ちで付き合える訳が無い。」

「真面目ですね……。

そう言う所は良いと思いますけど……でも分かってますか?あなたに与えられてる時間は……。」

最後の言葉だけ言いづらそうに口ごもるリオ。

「分かってるって……。」

頭では分かっているのだ。

このままじゃダメだって事くらい。

でも結局不安や恐怖に縛られてその為の一歩が踏み出せないでいる。

「でもあぁは言ったけどさ、付き合ってた時俺はちゃんとアイツらの事を本気で好きになれてなかったんだと思う。

だから大事にしてるようでちゃんと大事に出来なかった。

自分の事ばかりで、アイツらの気持ちとか思いにちゃんと向き合えてなかった。

でもだからこそ今はそれがすっごく失礼な事だって分かるんだよ。

アイツらがしてくれたように自分も同じように返せるようにならなくちゃ……って。」

リオは思った。

最初の頃の彼は、ただ単純に恋愛なんかしたくない!と拒絶反応を示しているような感じだった。

でも今の彼はこうして元カノさん達や色んな方たちと関わって行く中で少しずつそんな自分と、そして自分を愛してくれる存在と彼なりに向き合おうとしている。

まだまだだから恋愛しようとはならないかもしれないが、それは確かな前進と言えるのではないだろうか。

「そうですね。

じっくり考えてみてください。」

「おう、ありがとな。」

あらかた素麺が片付いてきたところで、家のチャイムが鳴る。

「おや、こんな時間に誰かが来たようだ。」

「なんで一々死亡フラグみたいに言うんですか……。 

それにまだ真昼間でしょうに……。」

リオに呆れられながら、仕方なく玄関に向かう。

そしてドアを開けると……。

「よっ……。」

宏美がいた。

「借りた本返しに来た。」

「あぁ、そうなのか。

で、どうだった?」

「それはじっくり話させてもらうけど。」

「けど?」

「私が知らない間に随分お楽しみだったみたいだね?」

言いながら本が入ってるのであろう紙袋を少し乱暴に突きつけてくる。

あるぇぇ?なんか怒ってない!?

ガチな死亡フラグだったのかしらん!?

「その辺も含めてさ、今からじーっくり話そうよ?」

やっぱり笑顔がなんか怖いんだが!?



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