彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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あの日見た打ち上げ花火を絶対に忘れない

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「宏美...?」

次々と打ち上がっていく花火。

何かを言いかけた宏美は、それに言葉を奪われたかのように黙ってしまう。

「一体どうし.……「私、帰るね。」あ、おい...。」

「大丈夫、1人で帰れるから。

三澄君は皆の所に戻ってあげて?」

「っ...!?」

そう言うと宏美はゆっくりと歩いて行ってしまう。

なんだよ、それ...。

なんで急にまた三澄君だなんて...。

彼女にまたそう呼ばれただけで、彼女が随分遠くに行ってしまったような気持ちになる。

確かに最初はめちゃくちゃ気まずかったし、絡まれてめんどくさいなと思っていた。

でもなんでこんなに胸が痛むんだろう。

最初の頃の俺ならこれで良かったと思っただろう。

いや、最初の頃でも少しは心を痛めたりしたのかもしれない。

でもやっぱり、そう思う位には俺にとってアイツは大事だったって事だよ...な。

お前はそうじゃないのかよ...?宏美。

だからあんなに絡んで来てたんじゃないのかよ……?

そのままここに居る訳にもいかず、仕方なく来た道を戻って祭り会場に入ると...。

「悠太!待ってたよ!悠太!」

志麻虫がいた。

ぴょんぴょんと跳ねる志麻虫。

「追いかけに行った悠にぃを更に追いかけようとしてたから。」

縛ってるロープの先を持ってブラブラと振る茉里愛。

流石の有能っぷりである……。

「悠太さん!宏美さんは...?」

次にリオがそう言って駆け寄ってくる。

「あ、あぁ...一応会えたけど...。

その、体調が悪いらしくて帰ったと言うか...。」

他の人もいる手前、咄嗟に嘘をつく。

「体調悪いから、ね。」

それに不満気な声を漏らす瑞穂。

「ならなんで悠太はそんな辛そうな顔してんの?  」

「え...。」

しまった、戻るなら戻るでもう少し気持ちを切り替えておけば良かった...。

「そ、そうか?

普通だろ?」

「……それに、わざわざ探しに行くぐらい心配ならなんで体調悪い奴を1人で帰らせたの?」

「そ、それは...。」

「本当に見つけたか、は見れば分かる。

そんだけ辛そうな顔されたら見つけられなかったからだなんて思えないし。」

うぅっ...鋭い!

図星をつかれ過ぎて口ごもっていると、瑞穂は更に畳み掛けてくる。

「大方、本当に取り付く島もないくらいに突き放されてそのまま追い返されたとかそんなとこでしょ?」

あ、当たらずとも遠からずなんだよなぁ。

「だからほっとけば良いって言ったのに。」

「っ...!?それは...」

違う、と言う言葉がすぐに口から出なかった。

実際俺が見つけて声を掛けたから...アイツはあんなに辛そうにしてたんじゃないのだろうか。

「ちょっと瑞穂...。

悠太君は瀬川さんを心配して迎えに行ってあげたんだからそんな責めるみたいな言い方しなくても良いじゃない。」

「ふんっ。」

ハルたん会長が見かねて窘めるも、瑞穂は面白くなさそうにそっぽを向く。

「お兄ちゃん、大丈夫?」

瑞穂が何も言わなくなったのを見て、日奈美が心配そうに声をかけてくる。

「あ、あぁ...なんとか。」

「悠さん、今日は無理せず休んだ方が良いですよぉ?」

次に千鶴さんが気遣わしげに声をかけてくる。

「あ、はい...。」

「まぁ...花火も終わったし解散かな...。 」

ハルたん会長がそう言って周りを見る。

「はぁ...仕方ないか。」

うぉ、瑞穂のやつ露骨なため息...。

「え!?もしかしなくても私縛られ損じゃない!?」

ぴょんぴょんと跳ねて抗議する志麻...じゃなくて志麻虫。

「それはあなたが決める事じゃない。」

そう言って茉里愛は俺を見る。

「悠にぃ、追いかけた事を後悔してる?」

「それは...。」

「どっちみち縛らなくて良いと思うけど!」

「だって縛らなきゃあなた何しでかすか分からないし...。」

それはそう...。

「悠にぃがどうかは分からないけどまりは間違ってないと思う。」

「あ...ありがとう。」

「だから縛ったのは正解。」

お、おん...。

そこは肯定していいのか複雑だな...。

「瀬川さん...大丈夫かな...。」

さっきまで瑞穂の言葉をハラハラしながら見ていた美江が言いながらおずおずとしがみついてくる。

「分からない...。」

そう、分からない。

あいつが何を考えているのか。

いや、実際俺はアイツの事を何も分かってないのかもしれない。

改めてその事実を思い知らされた気がする。

結局そのままその場は解散と言う事になり、各々元々のメンバーでの解散となった。

美江を送って行くと言って日奈美も行ってしまい、後には俺とリオだけが残る。

ちなみに志麻虫はまりちゃんがその状態のままきちんと家に送り届けるとの事で、多分大丈夫だろう...。

多分...。

「なるほど、リタがそんな事を...。」

皆が帰った後、俺は早速さっきまでの事をリオに話した。

「あぁ……。

それを言われて自信が無くなったのは事実だし、だからあいつにももし嫌ならと聞いた。

でもあいつはそうじゃないって。

ちゃんと否定したんだよ。」

「そう、ですよね。

宏美さん、素直じゃないしちょっと悠太さんに当たり強い時もありますけど...。

でもそれだって悠太さんを信用してるからこそそんな面を遠慮せずに出せてるんだと私は思います。」

「でも...。

ならなんで...。」

「それは...。」

リオは分かっている。

宏美さんは悠太さんの事が好き。

だから嫉妬だってするし、素直じゃない彼女はたまに可愛げのない態度をとってしまう時もあるのだろう。

そんな彼女が、今更呼び方を戻すなんて...。

もしかして彼女は...。

胸が痛くなる。

宏美の気持ちを、私の口から彼に伝えるのは簡単だ。

きっと優しい彼の事だし、どうするべきか真面目に考えて決めるのだろう。

でもそれは駄目だ。

結局第三者でしかない私が彼女の代わりにその思いを伝えて良い筈がない。

でも...。

「おい...なんでお前が泣いて...。」

「すいません...。」

私に、何か出来る事は無いのだろうか...。

だってこのまま終わるだなんて...。

そんなの……そんなのあんまりじゃないですか...宏美さん...。

「リオ...?」

「ごめんなさい..。

こればかりは私でもどうしようも無いです。」

そう言うリオの表情はとても苦しそうなものだった。

「そう、だよな...。」

悠太は思う。

今は様子を見るしかない、のだろうか。

こんな時、以前神田さんに言われた言葉が胸に刺さる。

「なんでもどうにか出来るって思わないで!

あんたに出来る事なんて何も無い!」

そのまま神田さんからはブロックされ……今の今まで関係はなかった訳だが……。

...確かに何でもどうにか出来る訳じゃないなんて分かってる。

でもだから何もしないなんて絶対おかしいだろ...。

「……とりあえず今は彼女にも一人で考える時間が必要なのではないでしょうか。」

「そう..かもな。」

「だ、大丈夫ですよ!新学期になれば席もまた隣同士になるし話せますって!」

「そ、そうだな。」

今は仕方ない...のかな。

どちらにしろ、俺自身も気持ちの整理が必要なのは確かだ。

そのまま二人で、何を話すでもなく帰路を歩く。

長かった筈の夏休みももうすぐ終わってしまう。

それは打ち上げ花火のように一瞬で、なのに沢山の輝きや思いが詰まっていて。

確かに一瞬だけど、俺はきっとこれからも忘れる事はないのだろう。

そうして俺達は波乱の新学期を迎える...。











夏休み編完結です!

次回からは遂に新学期編!

新学期編もイベント盛りだくさんでお届けする予定なのでお楽しみに!








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