彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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今は遠い

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新生生徒会の顔合わせを終え、教室に戻る。

「お!悠さん!遂に生徒会入りしたんだね!」

自分の席に向かう途中で、八重音が声をかけてくる。

「挨拶が盛大に滑ってたな。」

宮戸に鼻で笑われる。

くぅっ……!事実だけどしょうがないだろう…!

「可愛い女の子達と一緒に生徒会なんて!羨ましいぞ!悠ちゃん!」

「そう思うなら変われ…秋名たん…。」

「変われるもんなら変わりたいけどさ!でももう決まったんだろ?」

まぁ変わったところで普通にハルたん会長から却下されるだろうなぁ…。

「まぁな……。」

「そうか、ま、決まったからには頑張れよー。」

他人事だと思いやがってからに…。

「悠さんも新学期早々大変だね。

忙しい時は言ってくれたら僕も手伝うよ!」

流石智くん、相変わらず見た目だけでなく心までイケメンである。

秋名たん、こう言うとこやぞ…。

とりあえず秋名たんは智くんに任せて自分の席に戻る。

隣にはちゃんと宏美がいた。

「よっ。」

「お、おはよう…。」

短く返し、そっぽを向く宏美。

それはいつものツンとした態度からではなく、気まずさから来る物のように感じる。

やっぱりそうだよな…。

「はーい!全員席についてー!

ホームルーム始めるぞ!」

そこで、担任の綱岡先生が入ってきて全員に声をかける。

「今日から新学期が始まる。

お前ら、ちゃんと宿題は終わらせたか?」

うっ…!

その言葉に過剰に反応してしまう。

言い訳になるが…あの後宏美との事でどうにも気が乗らなくて結局全部は出来なかったのだ…。

「終わってないやつは残ってでもやって帰る事!」

なん、だと…。

うーん…ハルたん会長に怒られそうだなぁ…。

「さて、何はともあれとりあえず新学期の幕開けだ。

気持ちを切り替える意味も込めてまずは席替えをしようと思う。」

「「え!?」」

思わず声が出た。

そしてそれは宏美もで、その声が重なる。

「なんだ?席替えなんて別に珍しい事でもないだろう?」

「ま、まぁ確かに…。」

声が重なった際に一瞬目が合うが、すぐに逸らされる。

「クジを作って来たから前から順番に引きに来いよー」

ま、まぁ席替えするにしてもそんな一気に離れるとかないだろ…。

なんだかんだまた近くに…と思っていたのだが。

俺は窓側の1番後ろなのに対し、宏美は教室のドア側の1番前と、なんと言うか離れすぎな位に離れてしまった。

いやいや…こんなに離れるとか普通あるか!?

お互いの席が斜め端から端って…。

ここまで離れると、当然自分から近付かなければ会話すら出来ない距離である。

……なんと言うか……ついこないだまではあんなに近くに居たのに。

今はあんなにも遠い。

席替えはまるで今の気まずい関係性の心の距離を映しているかのようだった。

「随分離れちゃいましたね…。」

俺の前の席になったリオが声をかけてくる。

「だな…。

まさかここまで露骨に離れるとは思わなかったよ。」

とは言ってもくじ引きで決まった事だし、正直仕方ない話ではある。

仕方ないにしても…だ。

どんな確率だよ…。

前まで宏美が居た左隣。

今の左隣はまさかの窓である。

こんにちは窓さん、今日からよろしくね。

……いや悲しくなってきたわ…。

そして右隣はと言うと…。

「わ!隣悠さんだ!」

と、ここで隣から一際明るい声が聞こえてくる。

「ん?あぁ。

はいねか。」

クラスのムードメーカー、活発女子はいねこと灰崎八重音。

明るく親しみ易い彼女はクラスの人気者であり、クラス委員も務めている。

合宿にも参加してたし、誕生日会にも参加してプレゼントをくれたりと今世でも親しい友人の一人である。

そしてそんな彼女の好きな物、それは…。

「リオちゃんとも近くだし楽しくなりそう!

2人の事もじっくり聞かせてもらいたいしね!」

恋バナである。

以前にもリオとの仲を変に勘ぐられて絡まれた事があった。

「その件はまた後でじっくり話しましょうね?」

ひぃっ!リオの奴まだ根に持ってやがる…!

それもその筈で、以前絡まれた時は追求から逃れる為にリオを犠牲にして逃亡したのだった。

「あ、ちょっと用事を思い出した。」

「何また逃げようとしてるんですか?」

そう言ってガシリと腕を掴まれる。

ひぃ!笑顔が怖い!?

「悠さんの話もちゃんと聞きたいなぁ?」

はいねにも反対側の腕を掴まれる!

美少女二人(片方はロリ)に腕を捕まれて引き止められるこの状況!ちょっと優越感…。

「ふざけてるんですか?」

「はいすいませんでした!?」

「リオちゃんと悠さんが近くなのは良いと思うけどこないだまで隣だった瀬川さんとは随分離れちゃったよねぇ。」

本人は何の気なしに雑談感覚で言ったのだろうが、俺とリオは揃って痛い所をつかれた感じで黙る。

「え、ごめん!なんか変な事言っちゃった!?」

それに気付いたのか、はいねが申し訳なさそうに言ってくる。

「え、いや…。」

正直に言えばあんまり触れてほしくない話ではあるが、でも実情どうして良いか分からないのも確かなんだよなぁ…。

「あー、えっと、実はさ…。」

「え!?そんな感じだったんだ!」

とりあえず俺とリオだけではどうするか考えあぐねていたところだし、彼女にも意見をもらおうと、話てみる事にした。

「え、これってまさか、元カノと新しい想い人との三角関係!?

いや、でも悠さんなんかストーカーもいたし津川さんとも仲良いし…なんかいつもしがみついてる子もいたし…五角関係…」

「あぁ…嘘みたいだろ?それコイツ以外全員元カノなんだぜ…。」

「えぇ!?そんな事ある!?」

それは本当にそう思う…。

「それになんか会長とも仲良くなかったっけ?

あと会計の子とも仲良かったような。」

「ハルたん会長は上司だな。

あと絵美は幼なじみであり飼い主かな。」

「なんか不穏なワードが聞こえた気がする!?」

「あ、あとそうだ!なんか妹も三人いたよね!」

「あぁ、そうな。

実妹は日奈美だけだけど。」

「あとなんか先生とかも仲良かったし! 」

「あぁ、最推しだからな。」

「待って…情報が追い付かない…。

悠さんって何者…?

何角関係!?」

遂にははいねの頭が情報処理しきれなくなってしまったようである。

「改めて聞くと本当にリア充だな、滅べ。」

はいねの前の席に座った宮戸が恨めしげにそう言って睨んでくる。

やっぱりこの二人は基本セットだよなぁ…。

「と、とりあえず…。

その辺の話はまた改めてゆっくりするとして…。」

するのかぁ…。

しちゃうのかぁ……。

「今はとりあえず瀬川さんの事だよね。」

「あぁ…。」

「確かに教室ではあんまり仲良さそうにしてるとこ見てないけど合宿の時とか二人だけで遊びに行ってたりしてたもんね。

だから実は仲良かったりするのかなとは思ってたんだけど。」

「あんな可愛い女子達が全員元カノとかお前前世でどんな徳を積んだんだ…。」

冷めた目で睨んでくる宮戸。

いやだから徳を積めてなかったから今世にいる感じなんだよなぁ…。

そう言う事じゃないのかしらん…。

「でも夏休みの間にそんな事があったんだね。

悠さんの方からはどうしたいかちゃんと言った?」

「まぁ…一応。」

「うーん…なら瀬川さんの方の問題なのかなぁ…。」

「そう…だよなぁ。」

「それだと本人に直接聞くしか無さそうだけど…多分聞いても素直に教えてくれる感じじゃなさそうだよね…。」

「まぁな…。」

今は様子を見るしかないのだろうか…。




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