161 / 219
ハルたん星人、特技はチョップ
しおりを挟む
片杉の相方が決まってから数日が経った。
遂に生徒会副会長選挙の日取りが今週の金曜日に決まった。
「遂に今週かー。」
感慨深げに呟く瑞穂。
脱いだ靴下をその辺にほっぽりだし、シャツのボタンを上から3つ目ぐらい開けて…何ともだらしない格好である。
「またあんたは…。
ここは家じゃないのよ…?」
そんな瑞穂の態度にハルたん会長は呆れ顔。
「へぇ?ハルたんも家ならやるんだ?」
「そ…そんな訳あるか!?」
「あだァ!?今一瞬間が空いたじゃん…。」
会長チョップを受けた頭を擦りながら瑞穂が言う。
「あ、あんたが変な事言うからでしょうが!」
ハルたん会長、実はそうなのかしらん…。
朝が弱かったり実はポンコツだったりするから…。
「ちょ、悠太君!?違うからね!?」
どうやら呆れ顔で見ていたのがバレたらしい。
「大丈夫ですよ、ハルたん会長。」
ニッコリと笑顔を作って答える。
「悠太君…?」
「どんなハルたん会長でも素敵だと思います。」
そう言ってサムズアップする。
「なんかフォローされた!?
違うから!本当に違うんだからね!?」
「まぁ実際夏休み明けてもまだまだ暑いしなー…。
ダラけたくなるんも分かるわー。」
私物らしい紺地に白猫模様の扇子をパタパタしながら蘭ちゃんが応える。
「だよね!私のとこの悠太も暑さでへばっちゃってて家から出るの嫌がっててさ、散歩も中々連れて行けなくて困ってるの。」
それに下敷きをパタパタしながら絵美が応える
「お、おん…。」
「あ、蘭ちゃん!悠太ってうちの家のワンちゃんの事だよ?」
「お、おん…。」
絵美に説明されてもまだ戸惑いの表情の蘭ちゃん。
多分そう言われてもコイツならとか思ってるんだろうなぁ…。
でもそれ本当にワンチャン俺かもしれない…。
日奈美にたまには家から出ようって誘われても暑いからって渋ってた時あるし…あれ俺日奈美に飼われてたのかしら…。
何それ悪くないかもしれない…。
そんな事を考えていたら、瑞穂が露骨に顔を顰めながらこちらを見ていた。
「ハルたーん。
こっちにも選挙の事考えずにめちゃくちゃしょーもない事考えてる奴がいるよー。」
「そうね。」
瑞穂はともかくハルたん会長にまでバレてるんだが...。
「今度散歩に行こうね!悠太!」
「ワン!」
「いや相変わらずノリノリやん!?」
とまぁ、生徒会は今日も平常運行。
誰がなんと言おうとこれがいつも通りなのである。
それよりも、だ。
「なぁ、応援演説って何言えば良いんだ?」
俺の言葉に、その場に居た全員、ハルたん会長までもがずっこける。
いや...だから今令和だっての...。
「悠太...。
そんな事も分からないで引き受けたの...?」
ヨロヨロと起き上がりながら瑞穂が言う。
「お、終わりや...ウチらの戦いはもう終わってもうたんや、、」
「お、落ち着いて蘭ちゃん、まだ、まだチャンスはあるから!その...多分...。」
絵美のやつフォローになってないがな...。
「悠太君...この期に及んでそんな事を言うなんてあなた勝つ気があるの...?」
「いやいや、違うって、なんと言うか...。
大体どんな感じかって言うのは何となく分かってるんだけどさ、こう言うのって初めてだから参考までにって言うか...。」
「あ、あぁ...。
そうね...そう言う事なら...。」
「まぁ中々やる機会が無いもんやしなぁ...。」
「応援演説って言うくらいだからさ、皆が瑞穂ちゃんの事を認めてくれるような演説をすれば良いって事だよね?」
「いや絵美、簡単に言うけどさ。
それがそんな単純な話しでもないんだって。」
「まぁそうね、瑞穂の印象は今も最悪だし。」
「事実だけどそんなあっさり断言する!?」
ハルたん会長の断言に瑞穂がくってかかるが、ハルたん会長は気にせず続ける。
「でもね、悠太君。
最初からどんなにいい言葉を用意しても響く人もいれば響かない人もいる。
これはどうしても仕方ない事だと思う。」
「まぁ確かに...。」
「だからそんなに難しく考えなくても良いと思う。
あなたがどう思うか、どう伝えたいかで良いと思うわ。」
「そうか...。
まぁ確かにそうだな。」
と、ここでノック。
「どうぞ。」
「失礼します。」
ハルたん会長が促すと、片杉が入ってくる。
「随分と余裕なのですね。」
「ふふん、こっちはあなたと違って相方は直ぐに決まってるからね。」
「別に、私なりに私にピッタリな相手をじっくり選んでいただけなので。」
「嘘つけ...普通に逃げられまくってただろうが...。」
「あぁ、ゲスミも居たのですか。」
コイツ絶対見えてて言ってんだろ...!
「とにかく。」
そんな俺の心の叫び等気にもとめないと言わんばかりに、片杉は瑞穂の方に目を向けて上から下まで見て顔を顰める。
「あなたのような不潔でだらしないゴミのような人間には絶対に負けませんから。」
軽蔑の眼差しを向ける片杉。
まぁ確かに片杉は暑いからって制服を着崩したりしなさそうだし脱いだらすぐにきっちりと畳んでタンスとかに綺麗にしまってそうだよな...。
「え、そんなに言う...?」
小声でハルたん会長が何か言った気がするが、彼女の名誉の為に聞かなかった事にする...。
「あたしだってあんたみたいな堅物星人に負けるつもりないから。」
バチバチと火花を散らし合う二人。
いや堅物星人て、どっちかって言うとハルたん星人の方がそれっぽいだろ。
いやハサミ持ってフォッフォッフォとか言ってるハルたん会長とか中々にシュールだけども...。
と言うかハサミ持って笑ってるなんて見た目云々以前に普通に不審者である。
そんな奴が複数いる星なんて一瞬で滅ぶわ、、
「ストーップ!
二人とも!喧嘩は駄目!
生徒会室は喧嘩する為の場所じゃないよ!」
絵美がそう言って止めに入る。
「そうですね、私は別に喧嘩をしにきた訳ではありませんから。」
「へぇ、じゃあ何しきたって?」
「あなたには関係ありません。」
そう瑞穂の問いかけを一蹴すると、片杉はハルたん会長に目を向ける。
「綾瀬会長。
相方は決まりましたが少し事情があるのでその許可を頂きたくて。」
あ、何となくこれ読めたぞ...。
なんと言ってもあの部長である。
それなりに人とコミュニケーションをとってきた筈の俺ですら大勢の前で喋るとか怖いのに...。
あの部長が引き受けたからとは言え大勢の前で喋れるとは思えないし...。
かと思えば他のメンバー、主に瑞穂を警戒してかわざわざ片杉は外に出てハルたん会長に何やら話していた。
本当、どうなるんだ...?これ。
遂に生徒会副会長選挙の日取りが今週の金曜日に決まった。
「遂に今週かー。」
感慨深げに呟く瑞穂。
脱いだ靴下をその辺にほっぽりだし、シャツのボタンを上から3つ目ぐらい開けて…何ともだらしない格好である。
「またあんたは…。
ここは家じゃないのよ…?」
そんな瑞穂の態度にハルたん会長は呆れ顔。
「へぇ?ハルたんも家ならやるんだ?」
「そ…そんな訳あるか!?」
「あだァ!?今一瞬間が空いたじゃん…。」
会長チョップを受けた頭を擦りながら瑞穂が言う。
「あ、あんたが変な事言うからでしょうが!」
ハルたん会長、実はそうなのかしらん…。
朝が弱かったり実はポンコツだったりするから…。
「ちょ、悠太君!?違うからね!?」
どうやら呆れ顔で見ていたのがバレたらしい。
「大丈夫ですよ、ハルたん会長。」
ニッコリと笑顔を作って答える。
「悠太君…?」
「どんなハルたん会長でも素敵だと思います。」
そう言ってサムズアップする。
「なんかフォローされた!?
違うから!本当に違うんだからね!?」
「まぁ実際夏休み明けてもまだまだ暑いしなー…。
ダラけたくなるんも分かるわー。」
私物らしい紺地に白猫模様の扇子をパタパタしながら蘭ちゃんが応える。
「だよね!私のとこの悠太も暑さでへばっちゃってて家から出るの嫌がっててさ、散歩も中々連れて行けなくて困ってるの。」
それに下敷きをパタパタしながら絵美が応える
「お、おん…。」
「あ、蘭ちゃん!悠太ってうちの家のワンちゃんの事だよ?」
「お、おん…。」
絵美に説明されてもまだ戸惑いの表情の蘭ちゃん。
多分そう言われてもコイツならとか思ってるんだろうなぁ…。
でもそれ本当にワンチャン俺かもしれない…。
日奈美にたまには家から出ようって誘われても暑いからって渋ってた時あるし…あれ俺日奈美に飼われてたのかしら…。
何それ悪くないかもしれない…。
そんな事を考えていたら、瑞穂が露骨に顔を顰めながらこちらを見ていた。
「ハルたーん。
こっちにも選挙の事考えずにめちゃくちゃしょーもない事考えてる奴がいるよー。」
「そうね。」
瑞穂はともかくハルたん会長にまでバレてるんだが...。
「今度散歩に行こうね!悠太!」
「ワン!」
「いや相変わらずノリノリやん!?」
とまぁ、生徒会は今日も平常運行。
誰がなんと言おうとこれがいつも通りなのである。
それよりも、だ。
「なぁ、応援演説って何言えば良いんだ?」
俺の言葉に、その場に居た全員、ハルたん会長までもがずっこける。
いや...だから今令和だっての...。
「悠太...。
そんな事も分からないで引き受けたの...?」
ヨロヨロと起き上がりながら瑞穂が言う。
「お、終わりや...ウチらの戦いはもう終わってもうたんや、、」
「お、落ち着いて蘭ちゃん、まだ、まだチャンスはあるから!その...多分...。」
絵美のやつフォローになってないがな...。
「悠太君...この期に及んでそんな事を言うなんてあなた勝つ気があるの...?」
「いやいや、違うって、なんと言うか...。
大体どんな感じかって言うのは何となく分かってるんだけどさ、こう言うのって初めてだから参考までにって言うか...。」
「あ、あぁ...。
そうね...そう言う事なら...。」
「まぁ中々やる機会が無いもんやしなぁ...。」
「応援演説って言うくらいだからさ、皆が瑞穂ちゃんの事を認めてくれるような演説をすれば良いって事だよね?」
「いや絵美、簡単に言うけどさ。
それがそんな単純な話しでもないんだって。」
「まぁそうね、瑞穂の印象は今も最悪だし。」
「事実だけどそんなあっさり断言する!?」
ハルたん会長の断言に瑞穂がくってかかるが、ハルたん会長は気にせず続ける。
「でもね、悠太君。
最初からどんなにいい言葉を用意しても響く人もいれば響かない人もいる。
これはどうしても仕方ない事だと思う。」
「まぁ確かに...。」
「だからそんなに難しく考えなくても良いと思う。
あなたがどう思うか、どう伝えたいかで良いと思うわ。」
「そうか...。
まぁ確かにそうだな。」
と、ここでノック。
「どうぞ。」
「失礼します。」
ハルたん会長が促すと、片杉が入ってくる。
「随分と余裕なのですね。」
「ふふん、こっちはあなたと違って相方は直ぐに決まってるからね。」
「別に、私なりに私にピッタリな相手をじっくり選んでいただけなので。」
「嘘つけ...普通に逃げられまくってただろうが...。」
「あぁ、ゲスミも居たのですか。」
コイツ絶対見えてて言ってんだろ...!
「とにかく。」
そんな俺の心の叫び等気にもとめないと言わんばかりに、片杉は瑞穂の方に目を向けて上から下まで見て顔を顰める。
「あなたのような不潔でだらしないゴミのような人間には絶対に負けませんから。」
軽蔑の眼差しを向ける片杉。
まぁ確かに片杉は暑いからって制服を着崩したりしなさそうだし脱いだらすぐにきっちりと畳んでタンスとかに綺麗にしまってそうだよな...。
「え、そんなに言う...?」
小声でハルたん会長が何か言った気がするが、彼女の名誉の為に聞かなかった事にする...。
「あたしだってあんたみたいな堅物星人に負けるつもりないから。」
バチバチと火花を散らし合う二人。
いや堅物星人て、どっちかって言うとハルたん星人の方がそれっぽいだろ。
いやハサミ持ってフォッフォッフォとか言ってるハルたん会長とか中々にシュールだけども...。
と言うかハサミ持って笑ってるなんて見た目云々以前に普通に不審者である。
そんな奴が複数いる星なんて一瞬で滅ぶわ、、
「ストーップ!
二人とも!喧嘩は駄目!
生徒会室は喧嘩する為の場所じゃないよ!」
絵美がそう言って止めに入る。
「そうですね、私は別に喧嘩をしにきた訳ではありませんから。」
「へぇ、じゃあ何しきたって?」
「あなたには関係ありません。」
そう瑞穂の問いかけを一蹴すると、片杉はハルたん会長に目を向ける。
「綾瀬会長。
相方は決まりましたが少し事情があるのでその許可を頂きたくて。」
あ、何となくこれ読めたぞ...。
なんと言ってもあの部長である。
それなりに人とコミュニケーションをとってきた筈の俺ですら大勢の前で喋るとか怖いのに...。
あの部長が引き受けたからとは言え大勢の前で喋れるとは思えないし...。
かと思えば他のメンバー、主に瑞穂を警戒してかわざわざ片杉は外に出てハルたん会長に何やら話していた。
本当、どうなるんだ...?これ。
10
あなたにおすすめの小説
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話
頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。
綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。
だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。
中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。
とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。
高嶺の花。
そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。
だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。
しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。
それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。
他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。
存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。
両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。
拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。
そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。
それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。
イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。
付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる