33 / 81
ミックスが終わって
しおりを挟む
撮影翌日の朝、晴天。少し風はあったが快適な温度でとても気分がよかった。
ただ気分がよかったのは温度のお陰だけではない。
いつもの待ち合わせ場所でマリと落ち合う。
「おはよー」
「おはよう」
「お、なんか機嫌いいね」
「え、分かっちゃう?」
朝の挨拶だけでマリに見抜かれた。頬が緩んでいる自覚はある。
「うん、ニッコニコだよ。どうしたの?」
「昨日録音したじゃん? ミックス終わってさぁ」
「おぉ!」
「それ聞いてたらもう気分すっごく良くなっちゃって」
ミックスした音源は宝物になった。
マリの歌も皆の演奏も本当に気持ちいい。
この先この音源を聞くだけでどんな時も頑張れる。元気が出ると思った。
ミックス自体は夜十二時頃には終わったけど、昨日はそれをずっとリピートしていた。
夢の中でもずっと聞いていた感覚。
そのせいで少し寝不足だけど、そんなことはどうでもよくなるくらい幸せだった。
睡眠なんて授業中にとればいいのだ。
「すごーい! 聞かせてー!」
「学校着いたらね」
腕を絡ませながらお願いされたが音楽を聴きながら歩くのは危ないので断った。
腕を組むのを「やめて」と言うのも忘れるほど機嫌が良かった。
「うん! でもようやく自分の曲の良さに気付いたか!」
「いやそれは違う」
一気に良かった機嫌が霧散した。
「うわぁ真顔急潜航」
「私の気分がいいのはマリの歌と皆の演奏にであって自分の曲に対してでは無い」
「頑なだなぁ」
「ネットの再生数伸びてないし」
マリは私の急潜航振りに呆気に取られていたが。自分の曲に自信があるわけでは無かった。
「みんな見る目無いなぁ!」
「……」
マリはいつも通りネット民に怒ってくれたが、何も言わないでおいた。
それから二日後、ミックスの最終調整を終え、動画に編集した。
動画を再生する度にマリが「世界最高の動画だね!!」 とニコニコしていた。
いや、マリだけじゃなく、皆笑っていた。もちろん私も。
こんなに幸せの詰まった動画は今後一生出来ないと思えるほど素敵な動画になった。
もちろんそうは言わないけど。
ともかく、動画は完成し、予選登録の準備は完了した。
ただ気分がよかったのは温度のお陰だけではない。
いつもの待ち合わせ場所でマリと落ち合う。
「おはよー」
「おはよう」
「お、なんか機嫌いいね」
「え、分かっちゃう?」
朝の挨拶だけでマリに見抜かれた。頬が緩んでいる自覚はある。
「うん、ニッコニコだよ。どうしたの?」
「昨日録音したじゃん? ミックス終わってさぁ」
「おぉ!」
「それ聞いてたらもう気分すっごく良くなっちゃって」
ミックスした音源は宝物になった。
マリの歌も皆の演奏も本当に気持ちいい。
この先この音源を聞くだけでどんな時も頑張れる。元気が出ると思った。
ミックス自体は夜十二時頃には終わったけど、昨日はそれをずっとリピートしていた。
夢の中でもずっと聞いていた感覚。
そのせいで少し寝不足だけど、そんなことはどうでもよくなるくらい幸せだった。
睡眠なんて授業中にとればいいのだ。
「すごーい! 聞かせてー!」
「学校着いたらね」
腕を絡ませながらお願いされたが音楽を聴きながら歩くのは危ないので断った。
腕を組むのを「やめて」と言うのも忘れるほど機嫌が良かった。
「うん! でもようやく自分の曲の良さに気付いたか!」
「いやそれは違う」
一気に良かった機嫌が霧散した。
「うわぁ真顔急潜航」
「私の気分がいいのはマリの歌と皆の演奏にであって自分の曲に対してでは無い」
「頑なだなぁ」
「ネットの再生数伸びてないし」
マリは私の急潜航振りに呆気に取られていたが。自分の曲に自信があるわけでは無かった。
「みんな見る目無いなぁ!」
「……」
マリはいつも通りネット民に怒ってくれたが、何も言わないでおいた。
それから二日後、ミックスの最終調整を終え、動画に編集した。
動画を再生する度にマリが「世界最高の動画だね!!」 とニコニコしていた。
いや、マリだけじゃなく、皆笑っていた。もちろん私も。
こんなに幸せの詰まった動画は今後一生出来ないと思えるほど素敵な動画になった。
もちろんそうは言わないけど。
ともかく、動画は完成し、予選登録の準備は完了した。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
パクチーの王様 ~俺の弟と結婚しろと突然言われて、苦手なパクチー専門店で働いています~
菱沼あゆ
キャラ文芸
クリスマスイブの夜。
幼なじみの圭太に告白された直後にフラれるという奇異な体験をした芽以(めい)。
「家の都合で、お前とは結婚できなくなった。
だから、お前、俺の弟と結婚しろ」
え?
すみません。
もう一度言ってください。
圭太は今まで待たせた詫びに、自分の弟、逸人(はやと)と結婚しろと言う。
いや、全然待ってなかったんですけど……。
しかも、圭太以上にMr.パーフェクトな逸人は、突然、会社を辞め、パクチー専門店を開いているという。
ま、待ってくださいっ。
私、パクチーも貴方の弟さんも苦手なんですけどーっ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる