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第1話
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その日の午後も私は仕事を早めに切り上げ、いつもの
ライブハウスに向かった。
こんな生活を送るようになってもう7年だろうか。
仕事は以前勤めていた商社と違い、いたって気楽なものだ。
インターネットを使った通信販売のようなもので、趣味の
ブログから毎日注文が入り発送するだけである。
とはいっても月に50万円ほどの利益が出るお陰で商社時代の
貯金を切り崩さなくても充分生活ができた。
そもそも週に2回のライブハウス通いを除いてこれといった
贅沢はしていない。
この「ライブ」というのは若者たちがヘッドバンキングを
するような店ではなくそれこそ老舗といわれるジャズクラブだ。
日替わりのアーティスト達が演奏しそこそこの食事も提供している。
店内はそれほどハイセンスというわけでもないが
照明と家具によって落ち着いた雰囲気を出していた。
もちろん禁煙などという野暮なことも言わない。
もっとも私自身タバコを吸ったことはないのだが、煙が
スポットライトに漂うさまは音楽には欠かせない要素の
ひとつであると考えている。
ライブの前に簡単な食事を行きつけの串カツ屋で済ませた後、
書店に立ち寄った。
演奏開始は大体8時前である。
いくら店が開いているからといって7時そこそこに入っては暇を
持て余してしまう。それまでの時間つぶしだ。
商社時代の癖が抜けず経済情報誌のコーナーをブラブラしながら
気になった表紙のを手に取る。
「清水さん?」聞き覚えのある声に振り向くと商社時代の後輩だった
田中が懐かしそうな顔をして立っていた。
「おお。 田中じゃないか!久しぶり」
「清水さんひどいですよー、連絡先も教えてくれないんだから」
「悪い、悪い。 あの後半年ほどベトナムに居たんだ。今と違って
携帯も通じなかったし」
「そうなんですか。丁度よかった携帯教えてくださいよぅ・・・」
なんだかんだと30分近く立ち話をしていつものジャズクラブに向かった。
7時45分。すでにライブは始まっていた。
「お一人様ですか?」
最近入ったばかりの店員が人懐っこい笑顔で話しかけてくる。
軽く頷きながら入り口に一番近いテーブルに腰を下ろすと、演奏者が
チラッとこっちを見て微笑みかけた。
今夜はお気に入りのバンドである。
何度も聴きに来るようになって自然にバンドメンバーとも親しくなり
今ではちょっとした友人のような存在だ。
それにしても相変わらず胸のすくようなフレーズである。
ジャズのことをあまり理解しているわけではないが、このバンドは
毎回違う景色を見させてくれる。
今日の演奏は草原を感じさせてくれていた。
「こんばんは。ここいいですか?」一人の女性が同じテーブルに座ってきた。
「あっ、どうぞ・・・」そう言いながら彼女を見上げた。
結構美人である。
今夜の入りは半分ほどで、あちらこちらに空席も目立つ。
わざわざここに座るという事は、多分メンバーの知り合いか何かであろう。
演奏が終わると、大体私のテーブルで最近あったことなどをメンバーたちと
話したりする。そんな事を知っているのだろう。
ワンステージ目が終わりギターのジェイがやって来た。
「あれ?どうしたの今夜はデートかなんか?」
ちょっとからかう様に話しかけてきた。
「いやいや、ここでご一緒しただけで、初めてお会いするんですよ。
メンバーさんのお知り合いの方じゃないかな?」
そう言いながら彼女のほうを見た。
「違うんです。時々・・・年に2~3回ここに来るんですけど、
いつもいらっしゃるからきっと常連さんなんだと思って。
ごめんなさいお邪魔だったかしら?」
「あらら、カンちゃんモテるじゃん」
ジェイがさらに冷やかすように言った。
「ジェイさん止めてくださいよ。彼女どうしていいのか分からなく
なってますよ」
そう言いながら 彼女に笑いかけた。
「じゃあご紹介を。こちら神田晋一郎さん通称カンちゃん。
ここの主みたいなひとです」
ジェイが笑いながら紹介し始めた。
「あの・・・私は香・・・上田香です」
少しはにかみながら彼女は答えた。
「へー、かわいい名前だね。雰囲気からだと・・・
うーん、白鳥玲子さんって感じかな?」
ジェイがいつもの癖で笑いを取ろうとして、ちょっとスベってるのが
可笑しかった。
「ジャズは好きなの?」
私の問いかけに首を傾けにっこり微笑んだ。
「どう言っていいのか・・・よく分かってないんです。
でも雰囲気が好きかも・・・」
香はこの近くの旅行会社に勤めるOLで、この店の前は
毎日通っているらしい。
数年前、一度半年ほど付き合っていた上司に連れられ
観に来てから、会社で嫌な事があったりすると、一人で店に
来ているらしかった。
もともと、女子大時代はディスコなんかにはまったく縁のない
内向的な性格だったが旅行会社でカウンター営業するようになって、
少しは飲みに出たりするようになったそうだ。
ただ、仕事でムシャクシャしたからといって、ぐでんぐでんになる様な
飲み方はしていないらしい。
ところが今夜は同席したメンバーたちとの楽しい会話で、すっかり
出来上がってしまい、このまま帰ってしまうのがもったいないと言い出した。
明日仕事は休みらしい。
今日は火曜日だ。普通のサラリーマンは翌日を考え終電に間に合うよう店を出るだろう。
その後店内に残るのは、水商売関係の客かバンドのメンバーだったりする。
この日も店には数組の客と、このテーブルだけが終演後も盛り上がっていた。
「カンさんは 明日早くないんですか?」香が笑いながら話しかけてきた。
「いや・・・失業中みたいなものでして、気楽なもんですよ」
「そうなんですか? そんな風に見えない」
どうやら本気で受け取ったようである。
「カンちゃんは 自営業なんですよ。お気楽ご気楽な」
ベースのマサさんがフォローしてくれた。
40代後半のナイスガイである。
「自営業なんですか?お休みとかは決まってるんですか?」
「いや、インターネット通販なんで毎日が休みみたいな・・・」
「よかった。じゃあもっとゆっくり出来るんですね?」
これにはちょっと言葉を失った。
この店は確かに2時ごろまで開いてはいるが、バンドのメンバーは
機材を片付けるとそれぞれ帰って行く。
いくら遅くても12時半頃には全員居なくなるだろう。
このままでは彼女と二人きりだ。
そうなれば次回のライブは、この上田香とのそれからをメンバー全員に
言い訳しなければならない。
ここは早めに帰ったほうが身のためである。
といって、女性を一人置いていくというのもなんだか気まずい。
彼女が先に帰るというのがベストなのだが・・・
そんな事を考えているとジェイが余計な気を使って
「それじゃあ僕たちはこれで失礼します。後はお若いお二人にまかせて・・・」
と、分かったような分からないような言葉を残して店を出て行った。
チラッと時計を見た。
12時10分である。
内心(おいおい、変な気を廻しやがって・・・)という気持ちと、最近
色恋話から無縁だったんだからここは楽しく、などという考えが浮かんでは消えた。
「ねえ、どこか別のところで飲みましょうよ。この近くなら
まだやってる店いっぱいありますよね?」
根性なしで優柔不断を見透かしたように彼女が言った。
「そうだね、うん。いい店がある。行ってみましょうか」
そう言って伝票をもって席を立った。
ライブハウスに向かった。
こんな生活を送るようになってもう7年だろうか。
仕事は以前勤めていた商社と違い、いたって気楽なものだ。
インターネットを使った通信販売のようなもので、趣味の
ブログから毎日注文が入り発送するだけである。
とはいっても月に50万円ほどの利益が出るお陰で商社時代の
貯金を切り崩さなくても充分生活ができた。
そもそも週に2回のライブハウス通いを除いてこれといった
贅沢はしていない。
この「ライブ」というのは若者たちがヘッドバンキングを
するような店ではなくそれこそ老舗といわれるジャズクラブだ。
日替わりのアーティスト達が演奏しそこそこの食事も提供している。
店内はそれほどハイセンスというわけでもないが
照明と家具によって落ち着いた雰囲気を出していた。
もちろん禁煙などという野暮なことも言わない。
もっとも私自身タバコを吸ったことはないのだが、煙が
スポットライトに漂うさまは音楽には欠かせない要素の
ひとつであると考えている。
ライブの前に簡単な食事を行きつけの串カツ屋で済ませた後、
書店に立ち寄った。
演奏開始は大体8時前である。
いくら店が開いているからといって7時そこそこに入っては暇を
持て余してしまう。それまでの時間つぶしだ。
商社時代の癖が抜けず経済情報誌のコーナーをブラブラしながら
気になった表紙のを手に取る。
「清水さん?」聞き覚えのある声に振り向くと商社時代の後輩だった
田中が懐かしそうな顔をして立っていた。
「おお。 田中じゃないか!久しぶり」
「清水さんひどいですよー、連絡先も教えてくれないんだから」
「悪い、悪い。 あの後半年ほどベトナムに居たんだ。今と違って
携帯も通じなかったし」
「そうなんですか。丁度よかった携帯教えてくださいよぅ・・・」
なんだかんだと30分近く立ち話をしていつものジャズクラブに向かった。
7時45分。すでにライブは始まっていた。
「お一人様ですか?」
最近入ったばかりの店員が人懐っこい笑顔で話しかけてくる。
軽く頷きながら入り口に一番近いテーブルに腰を下ろすと、演奏者が
チラッとこっちを見て微笑みかけた。
今夜はお気に入りのバンドである。
何度も聴きに来るようになって自然にバンドメンバーとも親しくなり
今ではちょっとした友人のような存在だ。
それにしても相変わらず胸のすくようなフレーズである。
ジャズのことをあまり理解しているわけではないが、このバンドは
毎回違う景色を見させてくれる。
今日の演奏は草原を感じさせてくれていた。
「こんばんは。ここいいですか?」一人の女性が同じテーブルに座ってきた。
「あっ、どうぞ・・・」そう言いながら彼女を見上げた。
結構美人である。
今夜の入りは半分ほどで、あちらこちらに空席も目立つ。
わざわざここに座るという事は、多分メンバーの知り合いか何かであろう。
演奏が終わると、大体私のテーブルで最近あったことなどをメンバーたちと
話したりする。そんな事を知っているのだろう。
ワンステージ目が終わりギターのジェイがやって来た。
「あれ?どうしたの今夜はデートかなんか?」
ちょっとからかう様に話しかけてきた。
「いやいや、ここでご一緒しただけで、初めてお会いするんですよ。
メンバーさんのお知り合いの方じゃないかな?」
そう言いながら彼女のほうを見た。
「違うんです。時々・・・年に2~3回ここに来るんですけど、
いつもいらっしゃるからきっと常連さんなんだと思って。
ごめんなさいお邪魔だったかしら?」
「あらら、カンちゃんモテるじゃん」
ジェイがさらに冷やかすように言った。
「ジェイさん止めてくださいよ。彼女どうしていいのか分からなく
なってますよ」
そう言いながら 彼女に笑いかけた。
「じゃあご紹介を。こちら神田晋一郎さん通称カンちゃん。
ここの主みたいなひとです」
ジェイが笑いながら紹介し始めた。
「あの・・・私は香・・・上田香です」
少しはにかみながら彼女は答えた。
「へー、かわいい名前だね。雰囲気からだと・・・
うーん、白鳥玲子さんって感じかな?」
ジェイがいつもの癖で笑いを取ろうとして、ちょっとスベってるのが
可笑しかった。
「ジャズは好きなの?」
私の問いかけに首を傾けにっこり微笑んだ。
「どう言っていいのか・・・よく分かってないんです。
でも雰囲気が好きかも・・・」
香はこの近くの旅行会社に勤めるOLで、この店の前は
毎日通っているらしい。
数年前、一度半年ほど付き合っていた上司に連れられ
観に来てから、会社で嫌な事があったりすると、一人で店に
来ているらしかった。
もともと、女子大時代はディスコなんかにはまったく縁のない
内向的な性格だったが旅行会社でカウンター営業するようになって、
少しは飲みに出たりするようになったそうだ。
ただ、仕事でムシャクシャしたからといって、ぐでんぐでんになる様な
飲み方はしていないらしい。
ところが今夜は同席したメンバーたちとの楽しい会話で、すっかり
出来上がってしまい、このまま帰ってしまうのがもったいないと言い出した。
明日仕事は休みらしい。
今日は火曜日だ。普通のサラリーマンは翌日を考え終電に間に合うよう店を出るだろう。
その後店内に残るのは、水商売関係の客かバンドのメンバーだったりする。
この日も店には数組の客と、このテーブルだけが終演後も盛り上がっていた。
「カンさんは 明日早くないんですか?」香が笑いながら話しかけてきた。
「いや・・・失業中みたいなものでして、気楽なもんですよ」
「そうなんですか? そんな風に見えない」
どうやら本気で受け取ったようである。
「カンちゃんは 自営業なんですよ。お気楽ご気楽な」
ベースのマサさんがフォローしてくれた。
40代後半のナイスガイである。
「自営業なんですか?お休みとかは決まってるんですか?」
「いや、インターネット通販なんで毎日が休みみたいな・・・」
「よかった。じゃあもっとゆっくり出来るんですね?」
これにはちょっと言葉を失った。
この店は確かに2時ごろまで開いてはいるが、バンドのメンバーは
機材を片付けるとそれぞれ帰って行く。
いくら遅くても12時半頃には全員居なくなるだろう。
このままでは彼女と二人きりだ。
そうなれば次回のライブは、この上田香とのそれからをメンバー全員に
言い訳しなければならない。
ここは早めに帰ったほうが身のためである。
といって、女性を一人置いていくというのもなんだか気まずい。
彼女が先に帰るというのがベストなのだが・・・
そんな事を考えているとジェイが余計な気を使って
「それじゃあ僕たちはこれで失礼します。後はお若いお二人にまかせて・・・」
と、分かったような分からないような言葉を残して店を出て行った。
チラッと時計を見た。
12時10分である。
内心(おいおい、変な気を廻しやがって・・・)という気持ちと、最近
色恋話から無縁だったんだからここは楽しく、などという考えが浮かんでは消えた。
「ねえ、どこか別のところで飲みましょうよ。この近くなら
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