ニートの俺がサイボーグに改造されたと思ったら異世界転移させられたンゴwwwwwwwww

刺狼(しろ)

文字の大きさ
5 / 132
File_1

最初が肝心

しおりを挟む
白い光に呑まれた後、一瞬とも永遠とも思える不思議な感覚を味わった。自身の記憶ごと、真っ白に溶かしていくような何とも言えないソレは、唐突に終わる。

「ん……ここは……」

目を覚ますと、焼きそば博士とイヴとかいう全裸美少女と共に、研究所とは全く雰囲気の違う場所に横たわっていた。

「どうやら、予想通り別の場所へ飛んできたようだ」

焼きそばくんは、さっきの陣へ投げ込んだ箱に腰掛けながら周りを確認している。
自分達の足元にはさっきの陣が石造りの床に掘られており、青い炎が揺らめく背の高い燭台が等間隔に置かれた広間のような場所だった。

「おぉ、召喚は成功したのか……!!しかし、3人も……!!」

そして、杖を持ってローブを着た者達に囲まれている。
これは定番の台詞を言っておかなければ。

「問おう。貴方が私のマスターか?」

「え?あぁいえ、マスターとは一体……」

腰の曲がったローブマンにダル絡みすると、他の人物達も口々に言葉を発し始める。

「この方達が勇者に」

「凄い……!史上初の人数よ!」

「国王様へ報告してまいります!」

そして、一気に慌ただしい空気になったローブ集団の一人が、俺達に声をかけてきた。

「あの、勇者様方。ひとまず、客室へご案内します」

「そうしてもらおうか。カルラくん、箱とイヴを頼んだよ」

「せめてどっちか持てやwwwwww」

「仕方無いな」

ヘラヘラした態度の焼きそばマンは手近の箱を一つだけ抱えると、軽い足取りでローブの人に付いて行ってしまった。

「結局まだ残ってるし……まぁいいや。それより問題は……」

イヴ。レムレス細胞珠の元になったこの少女が目を覚ますのはいつになるのか。
全裸のまま直接背負うのは気が引けたので、なんとかパーカーだけでも着せると、二人の後に続いた。箱は後で取りに行けばいいや。

「君、幾つか質問してもいいかな」

「はい、何なりとっ」

「ではまず、我々がこの世界について一切の知識が無い前提で1から説明してくれたまえ」

1からって言われても困るよなぁ等と思いつつ、声からして若い女の子のローブちゃんは語り始めた。

「は、はい!えと、この世界は【エル・ムンド】と呼ばれています。この国は西の大陸【エル・ガルブ】の【エルダー王国】です。大陸では一番の領地を有しております。

他の大陸の主な国には、北の大陸【エル・シャウレ】、南の大陸【エル・ダロム】、東の海には島が点在しておりますが、中でも一番大きな国は【極東島】と呼ばれる島国があります……えぇっと後は、何か質問は……?」

全部って言われて何処から切り出せばいいのか分からなくなったのだろう、ローブちゃんが困ったように変態焼きそばに視線を注ぐ。

「そうだな次に気になるのは、私達を呼び出した方法と目的だ。どんな経緯と意図が?」

「あっ、それについてはですね!国王陛下直々に説明して頂けるかと……!」

ローブちゃんが少しテンパってるのを横目に、俺は自分の予想を口にした。

「こういうのはお決まりで魔王倒せ的な事言われるんじゃないかな」

「あはは……。では、ここでお待ち下さい」

案内された部屋は、客室というだけあってリラックス出来そうなフカフカのソファや、豪華な装飾が施されたティーセットや調度品で彩られていて、他にもリビングテーブル、背の低い本棚や書斎机、そのどれもがアンティーク調で統一された空間だった。

「とりあえずイヴ?だったか。この少女をここに寝かせよう」

「ところで君は何故服を脱いでいるんだ?」

「はぁ?マッパの女の子をそのまま背負うわけにいかないだろうが」

「君は何というか、変わっているな」

変わってんのはお前だと言いそうになったが、コイツとそんな事を討論しても仕方無いのでイヴをソファに寝かせて、ブランケットをかけておく。
俺の服は中に着ていたTシャツのみとなったが、半裸じゃなきゃなんでもいいやと思ってその事は忘れた。

「あ、おい変態焼きそば頭。下にまだ箱が残ってる。手伝ってくれ」

「それは良いが私の名前は【唯我崎 竜胆】だ」

「はいはい」

そう言えば名乗ってたけど覚える気ゼロだったwwww某神を喰らうゲームのリンドウとは似ても似つかないなwwwwww

その後、箱を全て移動させて高級感溢れるティーセットでお茶を飲んでいると、イヴが目を覚ました。

「……ここ、は」

「イヴ、漸く目覚めたか。話すのは随分と久しぶりになるね」

「はかせ。あと、だれ?」

アルビノの白い見た目も相まって、今にも消えてしまいそうなか細い声で、イヴは俺を見て首を傾げた。それが何だか物凄く可愛く見えてしまったが、ここはクールに返さないと。

「【大神 カルラ】だ。好きに呼ぶがいい」

「かるら、よろしく?おようふく、ありがと」

「ほう、それが俺のだとよく分かったな」

「におい、いっしょ」

袖を鼻に当ててそう言った彼女は、あどけなさの残る言葉遣いと仕草で儚く微笑んだ。可愛い。

「イヴ、目覚めて早々申し訳ないが、血を採らせてくれたまえ。どのような変化が君の体に起こっているのか知りたいのでね」

「ちゅうしゃ、いたい……いや……」

「寝起きでそんな事したら可哀想だろ。それよりお茶とか飲んだほうがいいぞ」

「かるら、やさしいね」

女の子に褒められるってあんまり経験してこなかったから、何だか照れくさい。この子についてもっと知りたいとか仲良くなりたいとか思ってしまうあたり、童貞丸出しで恥ずかしい。

「仕方無い。まぁ今日中に一度は採らせてくれたまえ」

「わかった」

イヴは採血の恐怖から遠ざかった事で一旦胸を撫で下ろし、紅茶を一口啜った。
俺も一安心して、この世界に持ってきた箱へ目をやりながら唯我崎に訊ねた。

「なぁ、この箱何なんだ?」

「あぁそれは私の研究に必要な機材や試作品の……」

──コンコンコン。

「失礼致します。これより国王陛下と謁見して頂きますので、皆様こちらへ」

口を開いたタイミングでドアがノックされ、話は中断されてしまった。
唯我崎はやれやれと肩を竦めると、困ったように笑いながらイヴの手を引いて扉を開けた。俺もソレに続いて、客室を後にする。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~

エース皇命
ファンタジー
 学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。  そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。 「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」  なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。  これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。 ※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】 【複数サイトでランキング入り】 追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語 主人公フライ。 仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。 フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。 外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。 しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。 そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。 「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」 最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。 仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。 そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。 そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。 一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。 イラスト 卯月凪沙様より

マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜

美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊  ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め… ※カクヨム様にも投稿しています ※イラストはAIイラストを使用しています

処理中です...