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黒眼緑蛇
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森の中は不自然な程静まり返っており、鳥の囀り等も疎らで鬱蒼とした不気味な緊張感が辺りを満たしていた。
「この這いずった跡……幅から言ってディノスダイナで間違いないわ」
「でかい」
「こんなのデカいのが居るのか……」
人が二人寝転んでも収まる程の痕跡を残す対象のサイズ感は何となく想像は出来たが、そんな動物は勿論見たことがない。
真剣な表情のカノンさんとは裏腹に、イヴっちはどこかわくわくしてるように見える。
「これを暫く辿って行くのが手っ取り早そうね」
「あいあいさーwww」
「あいさ」
カノンさんに続いて轍を踏んで行くと、山肌に空いた巨大な穴を発見する。
「これ巣穴かな?石投げてみようぜwww」
「き、気を付けてね」
「喰らえ!ゴロー・シゲノ式ジャイロボール!!」
──ドゴォッ!!
右腕から放たれる石は轟音を連れて穴に吸い込まれていき、数瞬後に凄惨な破壊音を響かせた。
その直後、巨大な口が入口から飛びかかってきた。
「うぉおwwwwww」
「イヴちゃん逃げて!」
「へび!」
慌てて退避したそこへ、バクリと噛みしめるように緑の鱗を持った巨大な蛇の頭が姿を表す。鱗は後ろへ向かって鋭利に生えており、鬣のように頭部の周囲が特に発達している。その後ろからは背骨に沿って大きめの鱗が棘のように生え揃っていた。
チロチロと震わせられる細長い舌と、漆黒の瞳が俺達への敵意で満ちている。さり気なく写真にそれを収めると、カノンさんに呼びかけた。
「出たなwww行きますよカノンさんwww」
「ええ!」
俺は全身を強化すると、ディノスダイナの鼻先に右足でボレーキックを叩き込み、続けて左で踵落としをお見舞いした。
──バキィッ!
「ギシャァァアッ!!」
ディノスダイナは地面に叩きつけられた顔を擡げて再び口を開けると、舌の付け根と喉が大きく膨らむのが見えた。
「カルラ!毒霧が来るわ!」
「マジすかwwwwww」
飛び退くとほぼ同時に紫色の気体が吹き掛けられ、周囲の木々が見る見る内に腐食して枯れていく。
「【紅龍】!!」
距離を取った俺と入れ替わるように、カノンさんが一瞬の内に手足に武装し、爆炎を引き連れて毒霧の中へ突貫していく。男前過ぎんだろwwwwww
「なにそれかっこいいwww」
「【紅龍一式・龍星殲光】ッ!!」
ディノスダイナの毒霧を燃やしながら正面に立った直後、カノンさんの纏った炎が両拳に集約され、それが目にも留まらぬ速さで乱打して撃ち出されていく。
─ドガガガガガァッ!!!!
「ギェェエエエエ!!」
甲高い断末魔を上げながら、ディノスダイナは炎に包まれ、ついに穴蔵からその全身を現した。
「カノンさんのそれ何?!めっちゃかっこいいwww」
「説明は後でしてあげるから!今はこいつを!」
「おっすwww」
胴回りが1m、全長は5mを優に超えるその巨躯は地響きを伴って木々を薙ぎ倒し、その大木のような体を俺達へ振り下ろしてきた。
──ドゴォオッ!!
「あぶねぇwwwwww」
カノンさんの先の攻撃で頭部が焼け焦げているそこが、恐らく今一番脆い部分だろう。俺は翼を生やし急上昇すると、試作品の黒い銃を片手で構えた。
「脳天ぶち抜いてやるぜ、スネークメーン?」
狙いを定め、撃鉄を静かに起こす。地上のディノスダイナが大口を開け、降りてこいと言わんばかりに威嚇したのを見ながら、引き金を引いた。
──ズドォォォオオン!!!!
落雷のような轟音と共に放たれた弾丸は一瞬で頭部へ到達し、地面と縫い付けるように着弾した弾は頭蓋もろとも地を穿ち、ついにディノスダイナは亡骸になってしまった。
「っうぇ……流石にグロ……」
撃った衝撃で肩の痺れは続いてるし、銃身はランバット氏の宣言通り大破してしまった。
「カルラ、おつかれ」
「イヴっちあんまこっちに来ない方がいいぞ。こいつの毒が染み出してるかもしれない」
「大砲かと思った……とんでもない威力ね。あ、リンドウが撮ってこいって言ってた写真?とかいうの忘れないようにね」
検索で得た解体技術を元に、一時間程掛けて死体をバラした。精神的に来るものがあったが、とりあえずこれで依頼は完了だ。
頭は諦めて貰うしかないけどwwww
「返り血でドロドロになっちゃったし、馬車は無理だなwww」
「それなら、洗浄魔法を使えばいいのよ。はい」
カノンさんがそう言うと、白い魔法陣が浮かび上がり、俺を通過していく。
終わった頃には、不思議なことに見た目の汚れがなくなっていた。
「すごい」
「便利だな」
「生活魔法は簡単だから覚えておいて損はないわ。まぁこれは表面の汚れを落とすだけだから、ちゃんとお風呂に入ったほうがいいけど」
「イヴもやって!」
カノペディアでまた一つ便利な魔法を習得しつつ、俺達はギルドに向かう。
いつ訪れても騒がしい酒場を横目に依頼を完了させると、昨日会ったタカトがやってきた。
「おう勇者。クエスト受けてたのか」
「そうなんだよwww水晶壊した弁済金稼がなきゃいけないんでなwwww」
「何やってんだお前は。それより、次は決まってんのか?」
丁度クエスト終わりで暇だというタカトに、カノンさんが説明してくれた。
「次は【クロウルジョーラ】の討伐よ」
「騎士団の副団長さんがいるなら楽勝だな、そこそこ頑丈なギルドの扉を男でぶち破るくらいだから」
「や、やめてよもう……っ」
「悪い悪い。もしよかったら連れてってくれよ、暇だから」
カノンさんの困ったような恥ずかしそうな顔ビックバンエロスwwwwww
「たかと、暇人?」
「そんなとこだ」
イヴっちの純粋な疑問にもさらりと受け答えしている。こいつのやる気のなさそうな感じが勇者の力を遠ざけたんじゃねぇのかなと、少しだけ思う。
「けど明日行くやつだぞ?明日も暇なのか?www」
「3日生き延びるだけは稼いだから。ついでに金になりそうな素材でも分けてもらえれば万々歳ってな。同郷と話したいってのもあるけど」
「タカト、よかったらこっちに泊まっていく?どうせ明日は一緒に行くんだし」
「おとまりー」
そんなわけで、一度ランバット氏の元へ向かってからタカトを連れて帰還する運びになった。
銃が今日の夕刻に完成予定だと聞いていたのもあるが、魔匠石というものに興味があった。自分だけの武具とかテンション上がらない訳ないんすよねwwwwww
「なぁ、タカトは【魔装具】持ってる?」
「おぉ、あるぞ。使い魔召喚もした」
「冒険者で両方やってるのね。珍しい」
魔装具は金さえあれば手に入るが、使い魔召喚は魔力がある程度高い者でなければ成功しにくいんだとか。
俺とシャルみたいに直接契約するパターンは珍しく、使い魔は一般的には召喚儀式で呼び出して契約するものだという。
そんな話をしながら、デミウルゲインに到着した。
「ちゃーすwww」
「おう、カルラ。お前の武器、仕上がってるぞ」
「キターーーッ!はよ!はよ!」
「カルラがはしゃいでる」
ランバット氏は俺の様子を見て軽く笑うと、バイオリンケース程の大きな木の箱を二つカウンターの上に置いた。ドスン、という重厚な音を立てていることからも、かなり重厚なものに違いない。
「コイツがお前のオーダーした武器だ。
全長は両方35cm、重さは黒いのが12kg、白いのが11.5kg、装弾数は6発だ。とてもじゃねぇが人間が試し撃ち出来るもんじゃなかった」
「ヤバいテンションあがるwww」
「なんだよそれめっちゃ厨二くせぇな」
「かっこいい」
「ほんとにそんな大きな銃使えるの?」
ランバット氏の説明聴くだけでもう嬉しくて仕方ない。自分だけの武器を手に入れたのだ。
「で、使用する弾は専用の魔力式炸裂徹甲弾」
このやり取りならば、某最強吸血鬼の旦那との会話再現に持っていけるかもwww
「弾殻は?」
「透銀鉱製、蒸溜鋼弾殻だ」
「装薬は?」
「エリクシル術式薬筒だが」
「弾頭は?炸薬か?魔素か?」
「術式刻印済み、凝固魔素弾頭だ」
「パーフェクトだ、ランバット氏」
「なんなんだよ」
そこは感謝の極みとお答えいただきたかったwwwwwww
「この這いずった跡……幅から言ってディノスダイナで間違いないわ」
「でかい」
「こんなのデカいのが居るのか……」
人が二人寝転んでも収まる程の痕跡を残す対象のサイズ感は何となく想像は出来たが、そんな動物は勿論見たことがない。
真剣な表情のカノンさんとは裏腹に、イヴっちはどこかわくわくしてるように見える。
「これを暫く辿って行くのが手っ取り早そうね」
「あいあいさーwww」
「あいさ」
カノンさんに続いて轍を踏んで行くと、山肌に空いた巨大な穴を発見する。
「これ巣穴かな?石投げてみようぜwww」
「き、気を付けてね」
「喰らえ!ゴロー・シゲノ式ジャイロボール!!」
──ドゴォッ!!
右腕から放たれる石は轟音を連れて穴に吸い込まれていき、数瞬後に凄惨な破壊音を響かせた。
その直後、巨大な口が入口から飛びかかってきた。
「うぉおwwwwww」
「イヴちゃん逃げて!」
「へび!」
慌てて退避したそこへ、バクリと噛みしめるように緑の鱗を持った巨大な蛇の頭が姿を表す。鱗は後ろへ向かって鋭利に生えており、鬣のように頭部の周囲が特に発達している。その後ろからは背骨に沿って大きめの鱗が棘のように生え揃っていた。
チロチロと震わせられる細長い舌と、漆黒の瞳が俺達への敵意で満ちている。さり気なく写真にそれを収めると、カノンさんに呼びかけた。
「出たなwww行きますよカノンさんwww」
「ええ!」
俺は全身を強化すると、ディノスダイナの鼻先に右足でボレーキックを叩き込み、続けて左で踵落としをお見舞いした。
──バキィッ!
「ギシャァァアッ!!」
ディノスダイナは地面に叩きつけられた顔を擡げて再び口を開けると、舌の付け根と喉が大きく膨らむのが見えた。
「カルラ!毒霧が来るわ!」
「マジすかwwwwww」
飛び退くとほぼ同時に紫色の気体が吹き掛けられ、周囲の木々が見る見る内に腐食して枯れていく。
「【紅龍】!!」
距離を取った俺と入れ替わるように、カノンさんが一瞬の内に手足に武装し、爆炎を引き連れて毒霧の中へ突貫していく。男前過ぎんだろwwwwww
「なにそれかっこいいwww」
「【紅龍一式・龍星殲光】ッ!!」
ディノスダイナの毒霧を燃やしながら正面に立った直後、カノンさんの纏った炎が両拳に集約され、それが目にも留まらぬ速さで乱打して撃ち出されていく。
─ドガガガガガァッ!!!!
「ギェェエエエエ!!」
甲高い断末魔を上げながら、ディノスダイナは炎に包まれ、ついに穴蔵からその全身を現した。
「カノンさんのそれ何?!めっちゃかっこいいwww」
「説明は後でしてあげるから!今はこいつを!」
「おっすwww」
胴回りが1m、全長は5mを優に超えるその巨躯は地響きを伴って木々を薙ぎ倒し、その大木のような体を俺達へ振り下ろしてきた。
──ドゴォオッ!!
「あぶねぇwwwwww」
カノンさんの先の攻撃で頭部が焼け焦げているそこが、恐らく今一番脆い部分だろう。俺は翼を生やし急上昇すると、試作品の黒い銃を片手で構えた。
「脳天ぶち抜いてやるぜ、スネークメーン?」
狙いを定め、撃鉄を静かに起こす。地上のディノスダイナが大口を開け、降りてこいと言わんばかりに威嚇したのを見ながら、引き金を引いた。
──ズドォォォオオン!!!!
落雷のような轟音と共に放たれた弾丸は一瞬で頭部へ到達し、地面と縫い付けるように着弾した弾は頭蓋もろとも地を穿ち、ついにディノスダイナは亡骸になってしまった。
「っうぇ……流石にグロ……」
撃った衝撃で肩の痺れは続いてるし、銃身はランバット氏の宣言通り大破してしまった。
「カルラ、おつかれ」
「イヴっちあんまこっちに来ない方がいいぞ。こいつの毒が染み出してるかもしれない」
「大砲かと思った……とんでもない威力ね。あ、リンドウが撮ってこいって言ってた写真?とかいうの忘れないようにね」
検索で得た解体技術を元に、一時間程掛けて死体をバラした。精神的に来るものがあったが、とりあえずこれで依頼は完了だ。
頭は諦めて貰うしかないけどwwww
「返り血でドロドロになっちゃったし、馬車は無理だなwww」
「それなら、洗浄魔法を使えばいいのよ。はい」
カノンさんがそう言うと、白い魔法陣が浮かび上がり、俺を通過していく。
終わった頃には、不思議なことに見た目の汚れがなくなっていた。
「すごい」
「便利だな」
「生活魔法は簡単だから覚えておいて損はないわ。まぁこれは表面の汚れを落とすだけだから、ちゃんとお風呂に入ったほうがいいけど」
「イヴもやって!」
カノペディアでまた一つ便利な魔法を習得しつつ、俺達はギルドに向かう。
いつ訪れても騒がしい酒場を横目に依頼を完了させると、昨日会ったタカトがやってきた。
「おう勇者。クエスト受けてたのか」
「そうなんだよwww水晶壊した弁済金稼がなきゃいけないんでなwwww」
「何やってんだお前は。それより、次は決まってんのか?」
丁度クエスト終わりで暇だというタカトに、カノンさんが説明してくれた。
「次は【クロウルジョーラ】の討伐よ」
「騎士団の副団長さんがいるなら楽勝だな、そこそこ頑丈なギルドの扉を男でぶち破るくらいだから」
「や、やめてよもう……っ」
「悪い悪い。もしよかったら連れてってくれよ、暇だから」
カノンさんの困ったような恥ずかしそうな顔ビックバンエロスwwwwww
「たかと、暇人?」
「そんなとこだ」
イヴっちの純粋な疑問にもさらりと受け答えしている。こいつのやる気のなさそうな感じが勇者の力を遠ざけたんじゃねぇのかなと、少しだけ思う。
「けど明日行くやつだぞ?明日も暇なのか?www」
「3日生き延びるだけは稼いだから。ついでに金になりそうな素材でも分けてもらえれば万々歳ってな。同郷と話したいってのもあるけど」
「タカト、よかったらこっちに泊まっていく?どうせ明日は一緒に行くんだし」
「おとまりー」
そんなわけで、一度ランバット氏の元へ向かってからタカトを連れて帰還する運びになった。
銃が今日の夕刻に完成予定だと聞いていたのもあるが、魔匠石というものに興味があった。自分だけの武具とかテンション上がらない訳ないんすよねwwwwww
「なぁ、タカトは【魔装具】持ってる?」
「おぉ、あるぞ。使い魔召喚もした」
「冒険者で両方やってるのね。珍しい」
魔装具は金さえあれば手に入るが、使い魔召喚は魔力がある程度高い者でなければ成功しにくいんだとか。
俺とシャルみたいに直接契約するパターンは珍しく、使い魔は一般的には召喚儀式で呼び出して契約するものだという。
そんな話をしながら、デミウルゲインに到着した。
「ちゃーすwww」
「おう、カルラ。お前の武器、仕上がってるぞ」
「キターーーッ!はよ!はよ!」
「カルラがはしゃいでる」
ランバット氏は俺の様子を見て軽く笑うと、バイオリンケース程の大きな木の箱を二つカウンターの上に置いた。ドスン、という重厚な音を立てていることからも、かなり重厚なものに違いない。
「コイツがお前のオーダーした武器だ。
全長は両方35cm、重さは黒いのが12kg、白いのが11.5kg、装弾数は6発だ。とてもじゃねぇが人間が試し撃ち出来るもんじゃなかった」
「ヤバいテンションあがるwww」
「なんだよそれめっちゃ厨二くせぇな」
「かっこいい」
「ほんとにそんな大きな銃使えるの?」
ランバット氏の説明聴くだけでもう嬉しくて仕方ない。自分だけの武器を手に入れたのだ。
「で、使用する弾は専用の魔力式炸裂徹甲弾」
このやり取りならば、某最強吸血鬼の旦那との会話再現に持っていけるかもwww
「弾殻は?」
「透銀鉱製、蒸溜鋼弾殻だ」
「装薬は?」
「エリクシル術式薬筒だが」
「弾頭は?炸薬か?魔素か?」
「術式刻印済み、凝固魔素弾頭だ」
「パーフェクトだ、ランバット氏」
「なんなんだよ」
そこは感謝の極みとお答えいただきたかったwwwwwww
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